この記事では、在職中の転職活動で履歴書の職歴欄に何を書けばいいかを採用担当者の視点から解説します。「現在に至る」の正しい使い方、退職予定日のケース別記入例、採用担当者が落とす3つのNG例まで、具体的な記入例とともに紹介します。
在職中の職歴欄に書くべき3つの基本ルール
在職中に転職活動をする場合、職歴欄の最終行の書き方は離職中とは異なります。ここを正しく書けていない履歴書は、採用担当者に「現状把握ができていない人」という印象を与えてしまいます。まず押さえるべき基本ルールを3つ確認します。
①「現在に至る」と「在職中」はどちらか一方を選ぶ
「現在に至る」と「在職中」はどちらも「今もその会社に勤めている」を意味する言葉です。この2つを同じ行に並べて書く応募者がいますが、両方書くのは誤りです。
一般的には「現在に至る」を使います。「在職中」は略式の表現で、履歴書の正式な用語としては「現在に至る」が適切とされています。どちらを使っても採否に直接影響することはありませんが、迷ったら「現在に至る」を選ぶのが無難です。
良い例文(職歴欄の最終行)
20XX年4月 株式会社〇〇 〇〇部 〇〇担当として入社
現在に至る
以上(右寄せ)
NG例
現在に至る(在職中)
同義語を重ねて書くのはNG。採用担当者に「書き方の基本を把握していない」という印象を与えます。どちらか一方に統一してください。
②「現在に至る」の直下に「以上」を右寄せで書く
「以上」は「これ以上の学歴・職歴の記載はありません」という意味です。「現在に至る」を書いた行の次の行に、右端に寄せて「以上」と記載します。
「以上」を書き忘れても採否に直接影響することは少ないですが、細部への注意が足りない印象を与えます。特に書類の丁寧さが評価基準となる事務系・管理系の職種では、この一文字の有無が選考に影響することがあります。
採用担当者はここを見ている
- 「以上」の有無:書類作成の丁寧さを測る最初のチェックポイント
- 右寄せになっているか:フォーマットを守れるかどうかを確認している
- 「現在に至る」と「以上」の位置関係:同じ行に書いているとレイアウトへの配慮不足と判断されることもある
③現職の会社名・役職は正式名称で記載する
現職の会社名は正式名称で記載します。「(株)」「(有)」などの略称は使わず、「株式会社〇〇」「有限会社〇〇」と書き切ります。この基本は在職中・離職中を問いませんが、現職への意識が薄いと受け取られるケースがあるため、在職中の応募者ほど丁寧に書くことを意識してください。
| NG例 | 正しい書き方 |
|---|---|
| (株)〇〇 | 株式会社〇〇 |
| 〇〇有限(会社) | 有限会社〇〇 |
| 〇〇グループ会社 | 〇〇株式会社(グループ名ではなく所属する法人名) |
| 〇〇corp. | 〇〇株式会社(登記上の正式名称に従う) |
【ケース別】退職予定日の書き方
在職中の転職活動で最も迷いやすいのが、退職予定日をどう書くかです。状況によって記載方法が異なるため、自分のケースを確認してください。
退職予定日が決まっている場合
会社に退職の意思を伝えており、退職日が確定している場合は、「現在に至る」の直後にカッコ書きで退職予定日を添えます。
良い例文
20XX年4月 株式会社〇〇 〇〇部 〇〇担当として入社
現在に至る(20XX年〇月末 退職予定)
以上(右寄せ)
採用担当者の立場から見ると、退職予定日が明記されている応募者は、内定から着任までのスケジュールを立てやすいため、選考の優先度が上がることがあります。即戦力を求めているポジションでは、この一行が他の応募者との差になることもあります。
退職予定日は本人希望欄にも補足すると、さらに丁寧な印象を与えられます。本人希望欄の書き方は後のセクションで解説します。
退職予定日がまだ決まっていない場合
会社にまだ退職の意思を伝えていない、または退職日が未確定の場合は、職歴欄には「現在に至る」だけを書き、退職予定日は記載しません。
「〇月頃退職予定」「近日中に退職予定」のような曖昧な表現は書かない方が得策です。不確かな情報は入社可能日の見立てに使えないうえ、状況を整理できていない印象を採用担当者に与えます。
NG例
現在に至る(近日中に退職予定)
「近日中」は日付が特定できないため、採用担当者がスケジュールを組めません。退職予定日が未確定の場合は「現在に至る」だけにとどめ、本人希望欄で「入社時期については応相談」と補足するのが正解です。
有給消化中・内定承諾後の場合
退職日は確定しているが有給消化中で実質的に業務をしていない場合でも、退職日前であれば「現在に至る」と記載します。有給休暇は労働契約上の権利であり、消化中であっても雇用関係は継続しているためです。
| 状況 | 職歴欄の記載 |
|---|---|
| 在職中・退職日未定 | 現在に至る 以上(右寄せ) |
| 在職中・退職日確定 | 現在に至る(20XX年〇月末 退職予定) 以上(右寄せ) |
| 有給消化中(退職日確定) | 現在に至る(20XX年〇月末 退職予定) 以上(右寄せ) |
| 退職日を過ぎた後(離職中) | 20XX年〇月 退職 以上(右寄せ) |
採用担当者が落とす在職中履歴書のNG例3つ
在職中の応募者に特有のミスがあります。競合する応募者が同じミスをしている中で、これを知っているだけで書類選考の通過率が変わります。採用担当者の視点から見た落とし穴を3つ紹介します。
NG①「在職中」と「現在に至る」を両方書く
最も多いNG例が、「現在に至る(在職中)」のように両方を並べて書くパターンです。2つは同義語であり、重複させることで意味が薄れます。採用担当者から見ると「書類作成の基本を把握していない」という印象につながりやすいです。
どちらかに統一するだけで解決しますが、迷ったら「現在に至る」を選んでください。
NG②「現在に至る」の後に転職理由を書く
前職(すでに退職した会社)の職歴に退職理由を記載するケースはあります。しかし現職については「現在に至る」で止めるのが原則であり、転職理由を職歴欄に書いてはいけません。
NG例
現在に至る(キャリアアップのため転職活動中)
職歴欄の役割は事実を記録することです。転職理由は志望動機欄や面接で伝えます。職歴欄に転職意図を書いても評価には直結せず、むしろ履歴書の使い方を理解していないと受け取られます。
NG③「以上」を書き忘れる、または複数箇所に書く
「以上」は学歴・職歴欄全体を通して職歴の最後に1回だけ書くのが正解です。学歴欄の終わりにも「以上」を書く必要はありません。
採用担当者はここを見ている
- 「以上」の位置と数:学歴・職歴を通して最後に1回のみが正解。複数書くと体裁を理解していない印象を与える
- 右寄せになっているか:「以上」は必ず行の右端に配置する
- ペンの色:在職中でも離職中でも、記入は黒または濃紺のボールペンを使う。鉛筆・シャーペンは不可
本人希望欄に書くべき「在職中ならでは」の情報
在職中の転職活動では、面接調整や入社時期について採用担当者に先回りして伝える情報があります。職歴欄ではなく本人希望欄(本人希望記入欄)を使ってこれを補足することで、採用担当者の負担を減らし、選考をスムーズに進められます。
面接可能な曜日・時間帯の書き方
在職中の場合、平日の日中は業務があるため、面接のタイミングは限られます。採用担当者が日程調整で困らないよう、連絡が取れる時間帯と面接に対応できる条件を明記します。
良い例文(本人希望欄)
現在在職中のため、面接は平日18時以降または土曜日にお願いできますと幸いです。ご連絡は平日12時〜13時または18時以降にいただけますと確実に対応できます。ご都合に合わせて調整しますので、お気軽にご相談ください。
「なるべく平日夜か土日希望」のような抽象的な書き方より、具体的な時間帯を示す方が採用担当者は動きやすくなります。「難しければご相談ください」と一言添えると配慮が伝わり、好印象につながります。
入社可能時期(退職見込み)の書き方
退職日が未定の場合でも、おおよその見込みを伝えることは可能です。本人希望欄に「内定後〇ヶ月を目安に入社可能」と書くことで、採用側がスケジュールを立てられるようになります。
- 退職日確定済みの場合:「20XX年〇月末退職予定のため、〇月〇日以降の入社が可能です」
- 退職日未定の場合:「内定後、引き継ぎ期間として1〜2ヶ月を見込んでいます」
- 入社時期に希望がない場合:「入社時期については貴社のご都合に合わせます」
採用担当者が最も対応しにくいのは「入社時期が全く見えない応募者」です。具体的な期間を示すことで、採用側の計画が立てやすくなり、内定から入社までの調整がスムーズになります。
アルバイト・パートで在職中の場合の書き方
アルバイトやパートとして在職中の場合も、基本的な書き方は正社員と同様です。「現在に至る」と書き、次の行に右寄せで「以上」と記載します。
ただし、アルバイト・パート在職中の場合に特に注意が必要なのは次の2点です。
- 雇用形態を明記する:「アルバイトとして入社」「パートタイムで勤務開始」のように雇用形態を職歴欄に記載します。書かないと正社員と誤解される場合があり、選考後に認識のズレが生じることがあります。
- 副業でアルバイトをしている場合:正社員として在職中、かつ副業でアルバイトもしている場合は原則として両方の職歴を記載します。副業の取り扱いは応募先によって異なるため、選考が進んだ段階で確認するのが確実です。
複数の職場を掛け持ちしながら転職活動している場合の職歴欄の書き方については、ダブルワーク中の履歴書の書き方で詳しく解説しています。

まとめ
- 職歴欄の最後は「現在に至る」または「在職中」のどちらか一方を選び、次の行に右寄せで「以上」を記載する
- 退職予定日が確定している場合は「現在に至る(20XX年〇月末 退職予定)」と記載する
- 退職予定日が未定の場合は「現在に至る」のみとし、不確かな日付は書かない
- 採用担当者が最も困るのは「現在地が不明な履歴書」。職歴欄と本人希望欄をセットで整えることで選考がスムーズに進む
- 面接可能時間帯・入社見込み時期を本人希望欄に書くことで、採用担当者の対応負担が減り好印象につながる
在職中の書類は「今の状況を正確に伝える」ことが最優先です。採用担当者が次のアクションを起こしやすい書き方を意識してください。
在職中の職歴欄に関するよくある質問
- 「現在に至る」を書き忘れたら選考に影響しますか?
-
直接的な採否への影響は少ないですが、採用担当者から「書類の丁寧さが足りない」という印象を持たれる可能性があります。特に事務系・管理系の職種では書類の完成度を重視する傾向があるため、書き忘れに気づいた場合は添え状(送付状)で補足するか、担当者に連絡して再提出を申し出るのが確実です。
- 有給消化中は「現在に至る」と「退職済み」どちらを書きますか?
-
退職日を迎えるまでは「現在に至る(20XX年〇月末 退職予定)」と記載します。有給休暇は労働契約上の権利であり、消化中であっても雇用関係は継続しています。退職日を過ぎた後に書類を提出する場合は「20XX年〇月 退職」と書き、「現在に至る」は使いません。
- パート・アルバイトで在職中の場合、履歴書に書く必要がありますか?
-
週20時間以上勤務している場合は記載するのが一般的です。短時間のアルバイトや副業については、応募先企業の副業規定や採用方針によって扱いが異なります。迷う場合は応募先の人事担当者に確認するのが確実です。ただし、書かなかった経歴が後から発覚すると信頼性に関わるため、雇用関係がある場合は原則として記載することをおすすめします。
- 退職予定日が変わった場合、提出済みの履歴書を修正すべきですか?
-
面接まで時間がある場合は、修正した履歴書を持参するか、担当者にメールで変更を伝えると丁寧な印象を与えられます。変更を黙って面接に臨み、入社スケジュールの食い違いが生じる方が問題になります。「退職予定日が〇月末から〇月末に変更になりました」と一言伝えるだけで、採用担当者は調整の見通しを立てられます。


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