この記事では、作業療法士の新卒が就職活動で提出する履歴書の書き方を解説します。資格欄の正式名称・学歴の記載方法・施設別の志望動機例文・自己PR例文まで、採用担当者の視点から押さえておくべきポイントをまとめています。
採用担当者が作業療法士の履歴書で最初に確認すること
作業療法士の採用担当者は、書類選考で1件あたり30秒から1分程度で最初の判断を行います。新卒の場合は職歴がないため、書類の内容が面接に進めるかどうかを決める唯一の判断材料になります。採用担当者が最初に目を向ける点は、大きく3つです。
採用担当者はここを見ている
- 志望動機・自己PRが施設の特徴と具体的に結びついているか
- 資格欄の正式名称が正確に書かれているか
- 誤字脱字・西暦和暦の統一など書類としての正確さが保たれているか
この3つのうち最も差がつくのが志望動機の具体性です。「患者さんの役に立ちたい」「リハビリの仕事に就きたい」という表現は、採用担当者のもとに何百枚と届きます。「なぜ他の施設ではなく、ここを選んだか」が伝わる内容かどうかが、書類通過の分岐点になります。
資格欄の書き方──正式名称と「取得見込み」の表記
採用担当者が資格欄で確認するのは、正確な書き方ができているかどうかです。資格名の誤りは、仕事における正確さへの不安につながります。新卒の段階でも、資格欄の記載は採用担当者が「基本ができているか」を見る項目の一つです。
正式名称は「作業療法士免許」──間違えやすいNG表現
作業療法士の国家資格の正式名称は「作業療法士免許」です。「作業療法士資格」「OT免許」などの表記はいずれも誤りになります。以下の表で確認してください。
| 記載例 | ○ or × | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 作業療法士免許 取得 | ○ | 正式名称・記載OK |
| 作業療法士資格 取得 | × | 「資格」は誤り(「免許」が正しい) |
| 作業療法士 取得 | × | 「免許」の文字が抜けている |
| OT免許 取得 | × | 略称の使用は不可 |
国家試験前に提出する場合の「取得見込み」の書き方
内定・内々定が決まり、国家試験受験前に履歴書を提出する場面では「取得見込み」と記載します。「取得予定」より「取得見込み」の表現が一般的です。
良い例文
○○○○年○月 作業療法士免許 取得見込み
NG例
「作業療法士資格取得見込み」→「資格」は不正確。「免許」が正しい正式名称
「作業療法士免許(取得予定)」→ カッコ書きより「取得見込み」を明記する方が明確
「取得見込み」の記載は、養成校の卒業見込みかつ国家試験の受験資格を満たしていることが前提です。採用担当者は「取得見込み→入職後に取得」という流れを理解しているため、合否が出ていない段階での記載を否定的に見ることはありません。卒業見込みの学歴欄と合わせて記載しておくと、状況が伝わりやすくなります。
学歴・職歴欄の書き方(新卒向け)
新卒の場合、学歴・職歴欄の基本ルールをおさえておくことで、採用担当者に「基本が分かっている」という印象を与えられます。書き方に不安がある場合は、フォーマットが整った状態で書き始められる無料の履歴書テンプレートを活用するのが確実です。

専門学校・大学の学歴記載例
学歴は中学校卒業から書き始めるのが原則です。専門学校・大学の記載例を確認してください。
| 年月 | 記載内容(専門学校の場合) |
|---|---|
| ○○年4月 | ○○専門学校 作業療法士学科 入学 |
| ○○年3月 | ○○専門学校 作業療法士学科 卒業(または卒業見込み) |
| 年月 | 記載内容(大学の場合) |
|---|---|
| ○○年4月 | ○○大学 保健医療学部 作業療法学科 入学 |
| ○○年3月 | ○○大学 保健医療学部 作業療法学科 卒業(または卒業見込み) |
- 学校名・学部・学科名はすべて正式名称で記入する
- 「入学」「卒業」「卒業見込み」の記載は省略しない
- 西暦または和暦を統一して記載する(混在はNG)
- 専攻や履修ゼミは学科名と別に書く必要はない(書いてもよい)
職歴欄は「なし」でOK──採用担当者が気にするのは別のこと
新卒の場合、職歴欄には「なし」と記載します。空欄にしてしまうと「書き忘れ」と見られる可能性があるため、確認した上で「なし」と明記するのが基本です。
採用担当者はここを見ている
- 職歴「なし」は新卒なら当然で、マイナス評価にはならない
- 採用担当者が気にするのは「欄を空欄にしているかどうか」──丁寧に確認して記載したかどうかの意識として見る
介護施設でのアルバイトやリハビリ関連のボランティア経験がある場合は、職歴欄には記載せず自己PR欄で触れることができます。「作業療法士の仕事に関連する経験をしていた」という事実は、積極性のアピールになります。
作業療法士新卒の志望動機の書き方と施設別例文
志望動機は、履歴書の中で採用担当者が最も時間をかけて読む項目です。新卒の場合は「なぜ作業療法士を目指したか」という動機と「なぜこの施設を選んだか」という理由の両方を書く必要があります。記入欄に対して8割以上は埋めることを目安にしてください。
採用担当者がNGと判断する3パターン
多くの学生が書いてしまう志望動機のNGパターンを先に押さえておくと、書き直しの手間が省けます。
NG例① 施設固有の特徴が一切入っていない
「人の役に立てる仕事がしたいと思い、作業療法士を目指しました。御施設は地域に密着した医療を提供していることに魅力を感じ、志望しました。」
→ どの施設にも使い回せる内容。採用担当者は「他の施設と何が違うのか」と感じる。
NG例② 条件面が主な理由になっている
「家から近く、残業が少ない職場と伺いました。長く働き続けたいため、御施設を志望します。」
→ 施設への貢献意欲が見えない。条件面の記述は志望動機欄には不要。
NG例③ 受け身な表現が続く
「御施設では幅広い疾患を担当できると聞いており、多くのことを学ばせていただきたいと思い志望しました。」
→「学ばせていただく」が続くと貢献意欲が伝わらない。施設にとってのメリットが見えない書き方になっている。
志望動機で採用担当者が確認したいのは「施設と応募者が合っているか」という適合性です。施設のホームページや見学で得た情報、実習で感じたこと、自分のキャリアビジョンと施設の特徴を具体的に結びつけることが、通過する志望動機の条件になります。
病院(急性期・回復期)への志望動機例文
病院の急性期・回復期病棟に応募する場合は、「発症早期からの介入」「退院支援」「多職種連携」に触れると、採用担当者が求める人物像に近づきます。実習経験を起点にした構成が効果的です。
良い例文
養成校の実習で急性期病棟を担当した際、発症直後の段階から生活の再建を見据えて介入する作業療法士の働きに強く惹かれました。貴院は脳血管疾患の症例数が多く、早期から専門的な経験を積める環境と伺っています。チームカンファレンスに積極的に参加し、患者さんの退院後の生活を多職種で支える仕事をしたいと考え、志望しました。
採用担当者はここを見ている
- 「実習経験」という体験ベースのエピソードから書き出している
- 施設固有の特徴(症例数・体制)を調べて具体的に引用している
- 「入職後に何をしたいか」が具体的な行動として描かれている
介護施設(老健・デイサービス)への志望動機例文
老健やデイサービスへの応募では、「在宅復帰」「生活の質の維持・向上」「長期的な関係構築」が重視されます。施設の在宅復帰率や生活リハビリの取り組みを調べた上で記載することが有効です。
良い例文
作業療法士を目指すきっかけとなった祖父の入院・退院の経験から、在宅で生活を続けるための支援をしたいという思いが強くあります。貴施設は在宅復帰率が高く、個別リハビリと生活リハビリを組み合わせた関わりを重視されていることをホームページで拝見しました。ご利用者の「できること」を一つずつ一緒に見つけながら、長く安心して暮らせる環境を支える仕事をしたいと考えています。
訪問リハビリへの志望動機例文
訪問リハビリへの応募では、「生活環境の中での支援」という視点と、自立したプログラム設計への意欲が伝わると好印象です。実習での「退院後の生活が気になった」という気づきを起点にした構成が自然です。
良い例文
実習で病棟リハビリを経験する中で、退院後の生活でどのような課題が生じているかを知りたいという思いが芽生えました。訪問リハビリは、その方の実際の生活の場で「できること」を直接支援できる仕事だと考えています。貴事業所では精神科疾患や高次脳機能障害のご利用者にも対応されていることを知り、幅広い対象に関われる環境で専門性を高めたいと思い志望しました。
医療法人の施設に応募する場合は、「入職」「退職」「貴院」「貴法人」など医療業界固有の表記ルールがあります。医療法人向けの志望動機の書き方もあわせて確認しておくと、表記ミスを防げます。

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「人柄だけ」で落とされる本当の理由
採用担当者は自己PR欄で「この人は入職後にどんな場面で力を発揮するか」を確認します。「明るく前向きに取り組みます」「素直に学ぶ姿勢があります」という表現は否定されるものではありませんが、同じ表現を使う学生が何十人も応募してくる現実があります。採用担当者が読んで記憶に残る自己PRは、具体的なエピソードが根拠になっているものです。
NG例
「私は明るく元気な性格で、どんなことにも前向きに取り組みます。チームワークを大切にし、患者さんに寄り添う作業療法士になりたいと思っています。」→ エピソードがなく、どの職種・どの学生にも当てはまる内容。採用担当者の記憶に残らない。
実習経験を活かした自己PRの作り方
自己PRの構成を「エピソード → 気づき・強み → 職場での活かし方」の3ステップで考えると、具体性と再現性の両方が伝わる内容になります。
- ①エピソード:「実習で〇〇を経験した」「担当した患者さんに〇〇という課題があった」
- ②気づき・強み:「その経験から〇〇という自分の強みを実感した」
- ③職場での活かし方:「御施設では〇〇の場面でこの強みを活かしたい」
エピソードは「うまくいった話」だけでなく、「失敗して学んだ話」でも問題ありません。採用担当者が評価するのは課題に向き合って何かを得た経験です。失敗→改善→成果の流れがあると、信頼性が増します。
自己PR例文3パターン
強みの種類に合わせた3パターンの例文を紹介します。いずれも「エピソード→気づき→活かし方」の3ステップで構成しています。自分の経験に近いものをベースに、具体的なエピソードに書き換えてください。
パターン① コミュニケーション力
実習中、言語障害のある患者さんとのコミュニケーションに戸惑いを感じていました。指導者の方のアドバイスで、言語以外の表情や動作のサインに意識を向けるようにしたところ、患者さんの意図を読み取れる場面が増え、関係構築がしやすくなりました。言語だけに頼らないコミュニケーションの取り方は、高齢者の方との関わりや多職種連携の場面でも活きると考えています。入職後はカンファレンスでの情報共有においても、相手の意図を正確に受け取ることを意識して取り組んでいきたいと思っています。
パターン② 計画性・継続力
養成校での3年間、実習・課題・国試対策を並行させる中で、スケジュール管理を意識して取り組んできました。実習記録の提出と翌日の準備が重なる時期は、毎日の締め切りを自分で設定して優先順位をつけることで、どちらも期日内に対応できました。複数の業務を抱える場面でも計画的に進める姿勢は、業務記録や研修への参加と臨床業務の両立においても活かせると考えています。
パターン③ 観察力・問題解決
実習で担当した患者さんは、ADLの改善が思うように進まない時期が続いていました。指導者の方と振り返る中で、本人が優先したい日常動作から再アセスメントしたところ、患者さん自身の意欲が高まり動作の改善につながった経験があります。「なぜうまくいかないのか」を多角的に考え、仮説を立てながら介入する姿勢は、現場での問題解決においても活きると実感しています。
本人希望欄・証明写真・提出マナー
本人希望欄に書いてよいこと・書いてはいけないこと
本人希望欄は空欄にせず、何か記載するのが基本です。特定の希望がない場合は「貴院の規定に従います」と記載します。
| ケース | 書き方の例 |
|---|---|
| 希望が特にない場合 | 貴院の規定に従います |
| 日勤を希望する場合 | 可能であれば日勤希望ですが、ご配慮いただければ幸いです |
| 配属先に希望がある場合 | 実習での経験から○○領域に関わりたいと考えていますが、ご検討の上でご配慮いただければ幸いです |
「給与は〇〇万円以上」「有給休暇の取得を希望」のような条件面の要求は志望動機よりも条件を優先している印象を与えるため、本人希望欄には書かないようにしてください。待遇条件については面接で確認する機会があります。
医療系職場に合った証明写真のポイント
証明写真は採用担当者が目にする最初の「視覚情報」です。履歴書の第一印象に直結するため、以下のポイントを押さえた写真を用意してください。
- 背景は白・水色・グレーの無地(柄のある背景は不可)
- スーツ着用が原則(養成校の白衣・制服は不可)
- 前髪は目にかからないようにまとめる
- 撮影後3ヶ月以内の写真を使用する
- 規定サイズは縦4cm×横3cm(提出先の指定を確認する)
スマホアプリを使って証明写真を用意する場合は、画質・背景の仕上がりを事前に確認することが大切です。証明写真アプリを選ぶ際のポイントと注意点についてはこちらの記事を参考にしてください。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 資格欄の正式名称は「作業療法士免許」。取得前は「○○年○月 作業療法士免許 取得見込み」と記載する
- 学歴欄は正式名称・入学/卒業の記載・西暦和暦の統一が基本。職歴欄には「なし」と明記する
- 志望動機は施設固有の特徴と自分の経験・価値観を具体的に結びつける。コピペ感のある内容は書類選考を通過しない
- 自己PRは「エピソード→気づき・強み→職場での活かし方」の3ステップで構成する
- 本人希望欄は空欄にせず「貴院の規定に従います」と記載する。証明写真はスーツ・無地背景で3ヶ月以内のものを使用する
書類選考を通過するために最も重要なのは、採用担当者が「一度会ってみたい」と感じる志望動機の具体性です。施設のホームページや見学で得た情報、実習での経験を丁寧に結びつけた志望動機が、他の応募者との差を生みます。
作業療法士の履歴書に関するよくある質問
- 作業療法士の資格欄には「作業療法士」だけで良いですか?
-
正式名称は「作業療法士免許」です。「作業療法士」のみや「作業療法士資格」は不正確な表記になります。証書に記載されている通り「作業療法士免許」と書いてください。採用担当者は資格欄の正式名称を確認しているため、誤表記は仕事の正確さへの不安につながります。
- 国家試験前に内定をもらった場合、資格欄はどう書きますか?
-
「○○年○月 作業療法士免許 取得見込み」と記載します。「取得予定」より「取得見込み」の表現が一般的です。養成校の卒業見込みの記載とあわせて書いておくと、採用担当者に状況が伝わりやすくなります。
- 複数の施設に応募する場合、志望動機は変えるべきですか?
-
志望動機は施設ごとに書き直すことをおすすめします。採用担当者は「なぜこの施設を選んだか」を必ず確認します。施設の特徴や理念に合わせた内容を書くことで、通過率が変わります。施設名が入っていない内容は「使い回し」と判断される可能性があります。
- 新卒で職歴がない場合、職歴欄はどう書きますか?
-
「なし」と明記します。空欄にすると書き忘れと見られる可能性があります。介護施設でのアルバイトやリハビリ関連のボランティア経験がある場合は、自己PR欄で触れることで積極性のアピールになります。
- 履歴書はパソコンで作成しても良いですか?
-
パソコン作成が認められています。医療・介護系の就職活動でも一般的です。フォントは明朝体、サイズは10.5〜11ptを目安にしてください。署名欄は手書きを求める施設もあるため、応募先の指定を事前に確認してください。


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