この記事では、営業事務の職務経歴書の書き方を採用担当者の視点から解説します。書類選考で確認される3つのポイント、よくあるNG例と通過する例文、状況別の記載パターンと自己PR例文もあわせて紹介します。
営業事務の職務経歴書で採用担当者が確認する3つのポイント
採用担当者が営業事務の職務経歴書を最初に読む時間は、30秒程度です。その短い時間に「即戦力として使えるか」を判断するため、業務内容の具体性・PCスキルのレベル・数値で示した業務量の3点に視線が集中します。
① 業務内容はボリュームとスピードを数値で伝える
「受発注業務・書類作成・電話対応を担当」という記述は、採用担当者にとって業務実態がほぼ見えない情報です。担当した業務の「量」と「スピード感」が伝わらないため、他の候補者と差がつきません。
採用担当者はここを見ている
- 1日あたり何件の受発注・書類作成を処理しているか
- 何名の営業担当をサポートしているか
- 納期管理やクレーム対応など、判断が求められる業務の経験はあるか
「受発注業務(1日平均50件)」「営業担当5名のスケジュール管理」のように数字を入れるだけで、業務の規模感が一気に伝わります。これが採用担当者との最初の認識合わせになります。
② PCスキルはソフト名と操作内容を具体的に書く
「Word・Excel・PowerPointが使えます」の一文だけでは、採用担当者はスキルレベルを判断できません。営業事務はPCスキルが即戦力の指標となるため、何をどのレベルで操作できるかを具体的に記載することが必須です。
| ソフト・ツール | 記載すべき具体的な操作内容 |
|---|---|
| Excel | VLOOKUP・IF関数を使ったデータ集計、ピボットテーブルでの月次報告書作成 |
| Word | 見積書・契約書・提案書の書式作成・管理(月○件) |
| PowerPoint | 営業資料・提案スライドの作成(月3〜5件) |
| 社内システム | 基幹システム(システム名)での受注入力・在庫確認・請求書発行 |
使っているシステム名(SAP・弥生・勘定奉行など)も記載すると、採用担当者が「うちの環境に慣れやすい人かどうか」を判断しやすくなります。
③ 営業サポートの実績を「自分の貢献」として言語化する
「サポート職だから実績がない」と感じる方が多いですが、採用担当者の視点は異なります。「あなたの仕事があったから営業担当が何をできたか」が知りたいのです。
たとえば「受注処理の正確性を維持し、担当営業からのクレームゼロを2年間継続」「提案資料作成を担当し、商談準備時間を月平均10時間短縮」のような表現が有効です。直接的な売上実績でなくても、営業部門への具体的な貢献が記述できれば採用担当者の目に止まります。
営業事務の職務経歴書の基本構成と書き方
職務経歴書は「職務要約」「職務経歴」「活かせるスキル・資格」の3つで構成します。それぞれの書き方のポイントを確認します。
職務要約(冒頭の3〜4行が選考を左右する)
職務要約は採用担当者が最初に読む箇所です。ここで「読み続けたい」と思わせられるかどうかで、書類選考の結果が大きく変わります。
書く内容は「業界・会社規模」「担当業務の概要」「経験年数」「1〜2つの具体的な実績」に絞ります。3〜4行程度に収めることで、採用担当者が素早く読めます。
良い例文
食品メーカー(従業員300名)の営業部で3年間、受発注管理・書類作成・顧客対応を担当しました。1日平均60件の受発注処理を正確に行い、納期遅延ゼロを継続。VLOOKUPを活用した在庫管理表の改善により、担当営業5名の確認作業を月15時間削減しました。現在は、より規模の大きい環境でスキルを活かしたいと考え、転職活動中です。
NG例
営業事務として3年間勤務し、受発注業務や書類作成、電話対応など幅広い業務を担当してきました。業務内容のみで「どんな規模か」「何が得意か」が伝わらないため、採用担当者には刺さりません。
職務経歴(業務内容・担当案件・使用ツール)
職務経歴は、勤務先ごとに「会社概要(業種・規模)」「在籍期間」「担当業務」「使用ツール・システム」の順で記載します。採用担当者が社内でどんな環境で働いてきたかを把握しやすい構成です。
- 会社概要:業種・従業員数・売上規模(わかる範囲で)
- 在籍期間:20XX年X月〜20XX年X月(X年Xヶ月)
- 担当業務:受発注管理・書類作成・顧客対応など(件数・規模を添えて)
- 使用ツール・システム:Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル)・基幹システム名など
- 特記事項:業務改善・対応件数増加・後輩指導・表彰など
活かせるスキル・資格欄
スキル欄はPCスキルと資格を分けて記載するとすっきりします。資格は「日商簿記2級」「MOS(Excel・Word)」「TOEIC XXX点」など、業務に直結するものを優先します。
PCスキルは先述の通り、ソフト名と操作内容を具体的に記載します。「Excel:VLOOKUP・IF関数・ピボットテーブルを用いた月次データ集計」のように書くことで即戦力感が伝わります。「基本的なExcel操作ができます」のような曖昧な記載は、アピールになりません。
採用担当者が落とす職務経歴書のNG例
営業事務の書類選考で落ちる理由は、ほぼ3つのパターンに集中しています。競合他社から大量に書類が届く状況で、採用担当者はこれらの記述が見えた瞬間に「次の候補者へ」と判断します。
業務内容が抽象的すぎる
「各種書類の作成・管理を担当」「営業部のサポート業務全般」という記述は、採用担当者には業務実態がまったく見えません。
NG例
営業部に配属され、書類作成や電話対応など営業のサポートを幅広く担当しました。
OK例
営業担当8名の受発注管理(1日平均45件)、見積書・契約書の作成(月50〜60件)、顧客からの問い合わせ対応(電話・メール)を担当しました。
PCスキルをレベル不明のまま書く
「Word・Excel・PowerPoint使用可」と書いても、採用担当者は「どのレベルまで使えるか」がわかりません。「使える」と「即戦力として使える」は採用担当者にとってまったく別の評価です。
NG例
PCスキル:Word・Excel・PowerPoint(基本操作)
OK例
Excel:VLOOKUP・IF関数を使った日次在庫管理、ピボットテーブルを用いた月次売上集計
Word:見積書・提案書の書式作成・改訂管理
PowerPoint:営業プレゼン資料の作成(月3〜4件)
「サポート業務のみ」と縮小して書く
謙遜からか「補助業務」「指示を受けて対応」と書く方がいますが、採用担当者は「自分で判断して動ける人か」を確認しています。営業事務は顧客・社内・営業担当の間に立つ調整役であり、判断力・対応力が求められるポジションです。
「サポート業務でも、具体的にどう判断して動いたか」を書くことが正しいアピールになります。数字で表せる実績が思い浮かばない場合は、数字ゼロでも通過する書き方を参考にしてください。

状況別・営業事務の職務経歴書例文集
同じ「営業事務経験者」でも、転職回数・ブランクの有無・未経験かどうかで書き方は変わります。自分の状況に近いパターンを参考にしてください。
在職中の転職(1社経験)
在職中の転職は「なぜ今の会社を離れるか」ではなく「次の会社で何がしたいか」を前向きに記述します。職務要約の末尾に転職理由を1文で添える形が採用担当者に自然に受け取られます。
職務要約例文(1社・在職中)
食料品卸売業(従業員150名)の営業部に5年間在籍し、受発注管理・顧客対応・書類作成を担当しました。1日平均70件の受注入力と請求書発行を担当し、基幹システムの操作を入社2年目から後輩指導も担当。Excelを活用した出荷実績管理表の改善により、毎月の集計作業を3時間から1時間に短縮しました。より大きな事業規模での経験を積むため、現在転職活動中です。
複数社経験・転職回数が多い場合
転職回数が多い場合、採用担当者は「定着するかどうか」を気にします。職務要約で各社での経験を簡潔にまとめたうえで、「一貫して営業サポートのスキルを積み上げてきた」という継続性をアピールします。
職務要約例文(複数社経験)
IT機器販売会社・物流会社・建材メーカーで計8年間、営業事務として受発注管理・顧客対応・書類作成を一貫して担当しました。3社を通じてExcel・基幹システム操作のスキルを積み上げ、各社で業務フローの改善提案を実施。現職では月次売上報告書の作成時間を従来比30%削減しました。
未経験から営業事務への転職
未経験で営業事務を目指す場合、職務経歴書では「転用できるスキルと経験」を軸に構成します。前職での対人対応・データ管理・正確性が求められた業務などを具体的に記載し、「営業事務の業務内容と重なる部分を意図的に強調する」のがポイントです。
職務要約例文(未経験転職)
小売業(衣料品販売)で3年間、店舗スタッフ・副店長補佐として顧客対応・在庫管理・発注業務を担当しました。月次の在庫集計はExcelで独学し、棚卸し作業の時間を20%削減。クレーム対応では即時の謝罪対応と社内への報告フローを整備し、再発防止に貢献しました。これらの経験を活かし、営業部のバックオフィスで貢献できると考え転職を決意しました。
ブランクあり(育休・家庭事情)
ブランク期間がある場合、採用担当者が確認したいのは「今、仕事ができる状態か」と「復職への意欲があるか」の2点です。ブランクの理由は簡潔に触れ、就業可能な状態であることを添えます。
職務要約例文(育休後の復職転職)
機械部品メーカーで5年間、営業事務として受発注・書類作成・輸出入書類の管理を担当しました。産休・育休を経て復職後、パート勤務で経理補助業務に従事(1年間)。現在は子どもの保育園入園を機にフルタイムへの復帰を希望しており、即日就業可能です。
書類選考を通過する自己PRの書き方と例文
自己PRは、職務経歴書全体のまとめとして「自分を採用するとどんなメリットがあるか」を伝える箇所です。採用担当者は「業務経験のある人」より「この会社で活躍できる人」を採用したいため、応募先の業務内容に照らし合わせた内容にすることが前提です。3〜5文程度に収め、具体的な数字や行動が含まれているかを必ず確認してください。
PCスキルをアピールする場合
自己PR例文(PCスキル軸)
Excelを活用したデータ管理を強みとしています。前職では基幹システムと連携したVLOOKUP・ピボットテーブルを使い、月次売上集計の作業時間を従来比40%削減しました。「データを正確に・素早くまとめる」スキルを活かし、貴社の営業部門の業務効率化に貢献できます。
営業との連携力・調整力をアピールする場合
自己PR例文(連携・調整力軸)
営業担当10名のサポートを通じ、「必要な情報を先読みして準備する」習慣が身についています。商談前には先方の過去受注データと在庫状況を自発的にまとめて営業に共有し、「商談に集中できる」と評価をいただきました。顧客・営業・他部署の三者間で情報がスムーズに動くよう調整することが得意です。
業務改善・効率化の経験をアピールする場合
自己PR例文(業務改善軸)
「なぜこの作業に時間がかかるのか」を常に考えながら業務に取り組んでいます。前職では、紙と電話で行っていた社内在庫確認フローをExcelの共有シートに置き換えることを提案・実装し、担当営業の確認業務を月平均8時間削減しました。現状に満足せず、仕組みから改善する姿勢を貴社でも発揮したいと考えています。
書き終わったら転職エージェントのキャリアアドバイザーに添削を依頼するのも有効です。プロの目線でより採用担当者に響く表現に仕上げてもらえます。

まとめ
- 採用担当者は「業務内容の具体性」「PCスキルのレベル」「数値実績」の3点で書類を判断する
- 受発注・書類作成の件数は必ず数字で記載し、業務のスピード感と規模を伝える
- PCスキルはソフト名と具体的な操作内容を記載し、「基本操作」の曖昧な記述を避ける
- 職務要約は3〜4行に収め、「業種・規模・経験年数・1〜2つの実績」を盛り込む
- 未経験・ブランクありの場合は「転用できるスキル」と「今すぐ働ける状態」を明記する
職務経歴書は採用担当者への「自己紹介」ではなく、「この人を採用するとどんなメリットがあるか」を伝える書類です。自分の業務を採用担当者の言語に翻訳する意識で書くことが、書類選考突破への近道です。
営業事務の職務経歴書に関するよくある質問
- 営業事務の職務経歴書に書ける実績がない場合はどうすればいいですか?
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数字で表せる実績がなくても、職務経歴書は書けます。採用担当者は「数字の大きさ」より「業務への向き合い方」を重視します。「毎月のデータ入力に誤りゼロを継続」「クレーム対応でリピート顧客に転換した経験がある」のように、定性的な行動と結果を具体的に記述するとアピールになります。
- 職務経歴書のPCスキル欄には何を書けばいいですか?
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Excelは「VLOOKUP・IF関数・ピボットテーブル」のように操作内容を明記します。Wordは「契約書・見積書の書式作成」、PowerPointは「営業資料の作成(月○件)」と用途と件数を添えると具体的です。社内で使っている基幹システム名(SAP・弥生会計など)も記載すると採用担当者の評価が上がります。
- 営業事務の職務経歴書はA4何枚が適切ですか?
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A4用紙1〜2枚が目安です。経験が浅い場合は1枚、複数社での経験がある場合は2枚以内にまとめます。「採用担当者が30秒で読んで業務内容が把握できるか」を基準に情報を絞り込むと、適切なボリュームになります。
- 手書きとPC作成、どちらが採用担当者に好まれますか?
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現在はPC作成が主流で、採用担当者の多くはPC作成を前提にしています。特に営業事務の場合はPCスキルの高さをアピールする観点からも、PC作成の方が有利です。企業側から指定がない限りはWordやExcelで作成し、PDF形式で提出するのが一般的です。


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