この記事では、営業の職務経歴書に必要な項目の書き方と、採用担当者が評価する例文を個人営業・法人営業別に解説します。実績に自信がない場合の数値化の方法や、書類選考で落とされやすいNG例との比較も取り上げています。
採用担当者が営業の職務経歴書で最初に確認する3つのポイント
採用担当者が1日に確認する書類の数は、大企業では数十件から100件以上になることもあります。限られた時間の中で行われるスクリーニングでは、書類の最初の30秒で「面接に進めるかどうか」の判断が下されることが多いのが現実です。
採用担当者はここを見ている
- 「何を・誰に・どのように売ってきたか」が職務要約から読み取れるか
- 数値実績が「前年比○%増」「チーム内○位」など文脈つきで書かれているか
- 担当顧客の規模(個人・中小企業・大手企業)が明確に伝わるか
①「何を・誰に・どのように売ってきたか」の確認
採用担当者が職務経歴書の冒頭で確認しているのは「活躍イメージが描けるかどうか」です。
同じ「営業職」でも、取り扱う商材の価格帯・無形か有形か・新規開拓か反響営業かによって、必要なスキルはまったく異なります。「営業職として○年の経験があります」だけでは、採用担当者には何もわかりません。職務要約で「何を・誰に・どのように売ってきたか」を凝縮して伝えることが最初の関門です。
②数値実績の表現方法
採用担当者が数値実績で見ているのは「数字の大きさ」だけではありません。「いくら売ったか」より「どれくらいのハードルを、どう乗り越えたか」のほうが評価される場面のほうが多いです。
数値は「達成率120%」よりも「前年同期比120%・チーム内6名中2位」のように、比較の文脈をセットで書くと伝わり方が変わります。絶対値が小さくても、文脈があれば「厳しい環境で成果を出せる人」として評価されます。
③書類でよくあるNG表現
採用担当者がスクリーニングを早める書類には、共通したパターンがあります。以下のような表現が書類に含まれていると、次の行を読んでもらえないまま不通過になることがあります。
- 「積極的に営業活動を行いました」→ 何をしたか不明
- 「コミュニケーション能力を活かして活躍しました」→ 根拠のない自己評価
- 「チームに貢献しました」→ 貢献の中身がわからない
- 「売上目標を達成しました」→ 目標値・達成率・期間がすべて不明
これらは「定性表現のみで数値・具体性がない書類」として判断され、書類選考の通過率を下げます。職務経歴書の書き方全般については、別記事でも詳しく解説しています。

営業の職務経歴書の基本構成と各項目の書き方
営業の職務経歴書は、A4用紙1〜2枚(2,000〜3,000字程度)に以下の5項目で構成するのが基本です。それぞれの役割を理解してから書き始めると、全体に一貫性が出ます。
| 項目 | 目安文字数 | 役割 |
|---|---|---|
| ①職務要約 | 200〜300字 | 経歴全体の概要を最初に伝える |
| ②職務経歴 | 800〜1,200字 | 担当業務・商材・顧客規模・実績を詳述 |
| ③実績・数値 | 箇条書き5〜10項目 | 数値で成果を示す |
| ④自己PR | 200〜400字 | 強みとエピソード・入社後の貢献を伝える |
| ⑤資格・スキル | 3〜5行 | 業務に関連する資格・ツールを列挙 |
①職務要約(全体像を200〜300字で)
職務要約は、採用担当者が職務経歴書で最初に読む箇所です。ここで「詳細を読む価値がある書類」と判断してもらえなければ、後半の内容はスキップされます。
書く内容は「業界・商材・顧客・年数・主な実績」の5要素です。ここで「何を・誰に・どのくらいの規模で売っていたか」が伝わることが最低条件で、後の詳細欄を読む動機を作る役割を担っています。
②職務経歴(担当商材・顧客・業務内容)
職務経歴の欄には、在籍した会社ごとに「会社概要・担当業務・実績」を時系列で記載します。会社概要には売上規模・従業員数・事業内容を2〜3行でまとめると、採用担当者が会社の規模感をすぐに把握できます。
担当業務は「新規顧客開拓50%・既存顧客フォロー50%」「担当エリア:関東圏」「平均担当顧客数:月30社」のように、割合・エリア・件数で具体化すると読み手に業務量のイメージが伝わります。
③実績・数値の書き方
実績欄は箇条書きで5〜10項目に絞ります。数値を書く際は「年度・期間・対象・数値・比較」の5要素を意識してください。以下は実際に使いやすい記述例です。
- 2024年度 年間売上:2.1億円(達成率110%・チーム12名中3位)
- 新規顧客開拓:月平均8件(入社1年後から部内最多水準を維持)
- 解約率改善:担当顧客の年間解約率を8%→3%に低下(顧客フォロー施策の見直しにより)
④自己PR
自己PRは「強み(一言)→エピソード(状況・行動・結果)→入社後の活かし方」の3段構成が基本です。「コミュニケーション力があります」「責任感が強いです」のような自己評価だけで終わる自己PRは、採用担当者には響きません。
「その強みがどんな場面でどのように発揮されたか」を具体的な業務エピソードで裏付けてから、「貴社でもこの力を活かして〇〇に貢献できる」という方向性で締めます。
⑤資格・スキル欄
資格欄は業務に関連するものだけを記載します。
- 不動産営業:宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
- 金融・保険営業:ファイナンシャルプランナー(AFP・CFP)、生命保険募集人
- IT営業:ITパスポート、SalesforceなどCRMの使用経験
- 共通:普通自動車免許(訪問営業)、TOEIC(英語対応の商材)
【例文】職務要約の書き方(個人営業・法人営業別)
職務要約は「書類全体の見出し」の役割を持ちます。採用担当者がここを読んで「詳細を読みたい」と感じれば、次のページへ進んでもらえます。以下に個人営業・法人営業の良い例とNG例を比較して示します。
個人営業(BtoC)の職務要約
良い例文
生命保険会社にて個人顧客向けの保険・資産運用提案営業を5年間担当しました。担当顧客は主に30〜50代の会社員・自営業者で、ライフステージの変化に合わせた長期的なコンサルティング営業を軸としています。年間成約件数は入社2年目から社内平均の1.5倍を維持し、2023年度は全社MVP(300名中1位)を獲得しました。強みは初回面談から信頼関係を構築する力と、数値を用いたわかりやすい提案資料の作成です。
NG例
保険会社で営業を5年間担当してきました。お客様に喜ばれる提案を心がけ、成績も良好でした。コミュニケーション能力を活かして活躍しており、チームにも貢献しました。転職後も営業の経験を活かして頑張りたいと思っています。
NG例は「何を・誰に・どのくらいの規模で売っていたか」が一切わかりません。「成績も良好」「貢献しました」は自己評価であり、採用担当者には何の判断材料にもなりません。
法人営業(BtoB)の職務要約
良い例文
ITベンチャー企業にて中小企業向けSaaS(クラウド型業務管理ツール)の新規開拓営業を3年間担当しました。担当エリアは首都圏で、月間アポイント数20〜30件・商談成約率は平均22%(部内最高)です。2023年度の年間新規受注件数は68件・契約額ベースで2.4億円を達成しました。現在は後輩3名のOJTトレーナーとして、提案資料の作成指導や商談同席フォローも担っています。
NG例
IT企業でBtoBの営業を担当しています。様々な会社に提案を行い、売上向上に貢献しました。後輩への指導経験もあります。今後はさらに成長できる環境で活躍したいと思っています。
法人営業のNG例では、商材の具体性・担当顧客数・成約率・受注額がすべて不明です。「様々な会社」という表現は顧客規模も業界も伝わらず、「売上向上に貢献」は誰でも書ける表現です。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →【例文】自己PRの書き方
自己PRで採用担当者が知りたいのは「この人を採用したら、うちの組織でどう活躍してくれるか」という具体的なイメージです。過去の実績を紹介するだけでは不十分で、「その強みが自社の営業環境にどう貢献するか」まで見通せる内容が理想です。
課題解決力で語る例文
良い例文
強みは「顧客の課題を数字で可視化し、継続利用につなげる提案力」です。前職では担当顧客の解約率が年間8%と高く、チームの課題になっていました。各顧客に対して月次レポートを作成し、ツールの活用状況・業務改善の数値を定点観測する仕組みを取り入れたところ、担当顧客の解約率を1年間で3%まで低下させることができました。「売って終わり」ではなく「使い続けてもらうことで価値が生まれる」という考えが定着しており、貴社の既存顧客フォロー領域でも同様のアプローチを活かせます。
NG例
私の強みはコミュニケーション能力です。お客様とのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築くことが得意です。どんな状況でも前向きに取り組む姿勢を持っており、チームワークも大切にしています。入社後もこの強みを活かして貢献していきたいです。
NG例では「コミュニケーション能力」という言葉が3回繰り返されていますが、具体的にどんな場面でどう発揮されたかが一切書かれていません。採用担当者は「この人が職場で何をするか」が見えない書類は評価できません。
実績に自信がない場合の自己PR例文
目標達成率が高くない、入社間もない、ブランクがある場合でも、自己PRは書けます。「数値の大きさ」ではなく「業務への向き合い方・改善の取り組み・行動の変化」を軸に書くことで、採用担当者に「考えながら動ける人」という印象を与えられます。
良い例文(実績が少ない場合)
強みは「数字を読んで行動を変える習慣」です。入社1年目はアポイント獲得率が低く、月平均6件にとどまっていました。先輩の商談トークを録音で分析し、最初の30秒の課題設定の仕方が違うと気づいたため、トーク冒頭を変更しました。3か月後にはアポイント率が1.8倍(月11件)に改善しています。絶対的な数字はまだ小さいですが、「なぜ通らないかを分解して試す」プロセスは現在も続けており、この改善習慣を貴社の営業活動でも実践します。
数値が少ない場合の職務経歴書の書き方については、職務経歴書 実績なし 例文でも詳しく解説しています。

実績・数値に自信がない場合の書き方
「売上実績を書くほどの数字がない」「目標を達成できていた年もあれば未達の年もある」という方は多いです。採用担当者が見ているのは「数字の絶対値の大きさ」だけではなく、業務をどう考え、どう工夫したかのプロセスが見える書類も高く評価されます。
売上以外で使える数値化の視点7つ
「売上・達成率・ランキング」以外にも、営業職では以下の数値が職務経歴書に使えます。思い当たるものがないか振り返ってみてください。
- 担当顧客数・訪問件数:「月平均担当社数:35社、週訪問件数:12件」
- 商談成約率:「提案→成約率:24%(部内平均16%)」
- 継続率・解約率:「担当顧客の契約継続率:92%(前担当比+12ポイント)」
- 提案資料作成数:「年間作成提案書:120件」
- 新規アポイント獲得数:「テレアポによる月間新規アポ:18件(部内最多)」
- クレーム対応・解決件数:「年間対応クレーム件数:43件(全件解決、うち関係継続率95%)」
- 後輩育成・指導数:「OJTで育成した後輩:3名、うち2名が翌期MVP獲得」
プロセスと行動変化で語るフレーム
数値が出しにくい業務の場合は、「状況→課題→行動→結果」の4ステップで書くと、読み手に業務の解像度が伝わります。
プロセス型記述の例
【状況】新規開拓が月平均4件にとどまり、チームの目標(月8件)の半分しか達成できていなかった。
【課題】初回コンタクトで断られる率が高く、メッセージの刺さり方に問題があると判断。
【行動】競合他社の問い合わせフォームを20社分調査し、訴求ポイントを「コスト削減」から「業務時間削減(時間で換算)」に変更。
【結果】翌月から新規アポイント率が1.7倍に改善し、3か月で月平均7件まで回復。
個人営業と法人営業 採用担当者が見るポイントの違い
同じ「営業」でも、採用担当者が職務経歴書で確認するポイントは個人向け(BtoC)と法人向け(BtoB)で異なります。自分のキャリアがどちらに当てはまるか確認しながら、書き方を調整してください。
| 確認ポイント | 個人営業(BtoC) | 法人営業(BtoB) |
|---|---|---|
| 顧客との関係性 | 信頼構築力・フォロー力・リピート率 | 決裁者へのアプローチ力・商談プロセスの管理力 |
| 実績の書き方 | 成約件数・継続率・紹介獲得数を重視 | 受注額・契約社数・平均単価・商談期間を重視 |
| 評価されるスキル | ヒアリング力・共感力・細かいフォロー | 提案書作成力・課題分析力・複数ステークホルダーへの対応 |
| よく使う数値 | 成約率・解約率・担当顧客数・紹介件数 | 受注件数・受注額・商談成約率・LTV(顧客生涯価値) |
個人営業から法人営業、またはその逆への転職を目指す場合は、「これまでの営業スタイルを新しい環境でどう応用するか」という視点を自己PRに加えると、採用担当者への説得力が高まります。
採用担当者はここを見ている
- 個人営業の転職者:「紹介顧客の比率」「長期関係顧客の件数」など、信頼関係の積み上げを示す指標
- 法人営業の転職者:「社内営業(上司・他部署の巻き込み)」「複数キーマンへの対応実績」など、組織内での動き方
提出前チェックリスト
書き終えたら、提出前に以下の項目を確認してください。ここで1つでも「NO」があれば、その部分を書き直す価値があります。
- 職務要約で「何を・誰に・どのように売ってきたか」が200〜300字で伝わっているか
- 担当顧客の規模感(個人/中小/大手)が明記されているか
- 数値実績に「比較文脈(前年比・チーム内順位・達成率)」が付いているか
- 「積極的に」「貢献しました」のような定性表現だけで終わっている項目がないか
- 自己PRに「強み→エピソード→入社後の貢献」の3段構成が入っているか
- 資格欄に業務と無関係な情報が混入していないか
- 1枚あたりの文字密度が高すぎず、パッと見て読みやすいレイアウトか
書類の仕上がりが不安な場合は、転職エージェントの無料添削を活用する方法もあります。職務経歴書の有料添削サービスについては、無料との違いも含めて別記事で比較しています。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 採用担当者は最初の30秒で「職務要約」から「何を・誰に・どのように売ってきたか」を確認する
- 数値実績は「前年比・チーム内順位・達成率」など比較の文脈をセットで書くことで説得力が増す
- 実績に自信がない場合は「担当件数・商談成約率・解約率」など売上以外の数値と「プロセス記述」で代替できる
- 自己PRは「強み→エピソード→入社後の貢献」の3段構成で書く
- 個人営業・法人営業では採用担当者が重視する実績の種類が異なるため、自分のキャリアに合わせて選択する
書類選考で落ちる多くの場合、「内容が薄い」のではなく「伝え方の解像度が低い」ことが原因です。良い例とNG例を参考にしながら、採用担当者に伝わる書き方に近づけてください。
営業の職務経歴書に関するよくある質問
- 職務経歴書はA4何枚が適切ですか?
-
営業職の職務経歴書はA4で1〜2枚が標準です。経験が3社以上・10年以上あれば2枚になっても問題ありません。ただし内容を増やすのではなく「採用担当者が判断するために必要な情報」だけを絞り込み、読みやすさを優先してください。3枚以上は採用担当者の印象を下げるケースがあるため、まず2枚以内に収める方向で調整することをすすめます。
- 実績が平均以下の場合、職務経歴書に書かないほうがいいですか?
-
書かないと「実績がなかった」という印象になるため、できる限り書いてください。達成率が低い場合でも「担当商材の切り替えがあった年」「チームの担当数が増えた年」など文脈があれば説明として添えられます。売上や達成率だけにこだわらず、顧客継続率・商談成約率・アポイント件数など別の切り口の数値を探すことで、業務実態を正直に伝えながら前向きな印象を作れます。
- 職務経歴書と履歴書の職歴欄の書き方は同じですか?
-
役割が異なるため、書き方も変わります。履歴書の職歴欄は「在籍した会社名・期間・役職」を時系列で記録するためのもので、詳細は必要ありません。職務経歴書は「何をしてきたか・どんな実績を出したか」を具体的に伝えるための書類です。同じ内容を写すのではなく、履歴書は事実の記録、職務経歴書は実績のアピールと役割を分けて書いてください。
- 職務経歴書の書き方がわからない場合はどうすればいいですか?
-
転職エージェントに登録すると、無料でキャリアアドバイザーが書類を添削してくれます。自分一人で完成させるより、プロの目が入ったほうが書類選考の通過率は上がります。エージェントを使いたくない場合は、本記事の例文を参考にしながらまず1ページ書いてみて、チェックリストで確認する流れが効率的です。


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