この記事では、塾講師への採用を目指して履歴書を書こうとしているものの、どう書けば採用担当者の目に止まるかわからず手が止まっている方に向け、書き方のポイントを採用担当者の視点から解説します。担当科目と指導実績の正しい書き方、志望動機のNG例と通過する例文を新卒・転職・アルバイトの状況別に紹介します。
塾講師の履歴書で採用担当者が確認する3つのポイント
塾の採用担当者が1枚の履歴書に目を通す時間は、一般的に30秒前後といわれています。短い時間で判断が下されるため、採用担当者が真っ先に確認する3つのポイントを理解した上で書き始めることが書類通過の前提になります。
①担当科目と指導可能なレベルが明記されているか
採用担当者が最初に確認するのは、「この人はどの科目を、どのレベルまで教えられるのか」という点です。「指導経験があります」「複数科目担当可能です」という記述では、配属先や担当クラスを判断できません。
担当科目に加え、指導可能な学年・学力レベルを具体的に書くことで、採用担当者が配属イメージをすぐに持てます。特に個別指導塾では入社後に複数科目を担当するケースも多く、担当可能な科目の幅をあらかじめ示しておくことが評価につながります。
採用担当者はここを見ている
- 担当科目・指導可能な学年が具体的に明記されているか
- 指導経験がある学力レベル(基礎・中堅・難関受験対策など)が把握できるか
- 「今すぐ授業に入れる人材か」が30秒で判断できるか
良い例
担当科目:数学・英語(中学1年〜高校2年)
得意領域:数学(難関高校受験対策)、英語(定期テスト対策・文法強化)
NG例
担当科目:複数教科(指導経験あり)
「経験あり」だけでは何を教えられるか伝わらない。科目名と対応学年を必ず書くこと。
②指導実績が具体的に示されているか
採用担当者が履歴書を見て最も「差」を感じるのが、指導実績の記述です。「多くの生徒の成績向上に貢献しました」と書かれていても、それが月5点なのか50点なのかでは話が違います。実績は数値や具体的なエピソードで示すことが基本です。
合格実績がなくても、担当した生徒の人数・指導期間・成果(定期テストの点数変化など)を記載すると採用担当者に伝わります。「具体的な数字がある応募者」と「ない応募者」では、採用担当者の印象が根本的に変わります。
良い例
・中学3年生3名を担当し、うち2名が第一志望高校に合格(1名は難関私立)
・担当生徒の数学定期テスト平均点が45点→72点に向上(4か月間の指導)
NG例
・多くの生徒の成績向上に貢献した
「多くの」「貢献した」は誰でも書ける表現。具体的な数字がないと採用担当者の印象に残らない。
バイトを始めたばかりで実績がない場合でも、指導を通じて気づいたことや意識してきたことを書けば十分です。「○○を意識して指導した結果、生徒が自分から質問するようになった」のような変化のエピソードは、採用担当者には実績として読み取られます。
③志望動機から「長期的に続けてくれる人か」を読む
塾の採用担当者が志望動機から読み取ろうとするのは、「この人は長く、責任を持って仕事を続けてくれるか」という点です。塾は生徒との継続的な関係が前提のビジネスであるため、講師が頻繁に入れ替わると生徒・保護者の信頼を損ないます。
そのため採用担当者は、志望動機の中に長期継続の意思と教育への具体的な関心を探しています。「子どもが好き」だけでは、継続意欲の根拠として不十分です。
採用担当者はここを見ている
- 「なぜ塾講師か」だけでなく「なぜこの塾か」まで書かれているか
- いつまで、どのような形で関わりたいかが伝わるか
- 教育への関心が具体的な経験・理由に基づいているか
塾講師の履歴書|項目別の書き方
ここでは、塾講師の履歴書の各記入項目について、採用担当者目線で重要な書き方のポイントを解説します。基本的なルール(ペンの種類・修正禁止など)は一般の履歴書と同じですが、塾講師ならではの注意点があります。
学歴欄・職歴欄の書き方
学歴欄は最終学歴より2〜3段階遡って書くのが一般的です。在学中・卒業・卒業見込みなど、状況に合わせて正確に記載してください。大学名・学部名・学科名は正式名称で記載し、略称を使わないことが原則です。
| 状況 | 学歴欄の書き方例 |
|---|---|
| 大学在学中(バイト応募) | ○○大学○○学部○○学科 在学中 |
| 大学卒業(転職・正社員応募) | ○○大学○○学部○○学科 卒業 |
| 大学院在学中 | ○○大学大学院○○研究科○○専攻 在学中 |
| 大学院修了(博士・修士) | ○○大学大学院○○研究科○○専攻 修了 |
職歴欄については、塾講師の職歴の書き方は雇用形態によって異なります。アルバイト・非常勤・正社員それぞれで書き方の詳細を確認しておきましょう。職歴欄の具体的な書き方・例文については以下の記事を参考にしてください。

副業や非常勤として複数の塾を掛け持ちしながら、正社員への転換を目指す場合は以下の記事も参考にしてください。

免許・資格欄の書き方
塾講師の場合、資格欄には担当科目に関連する資格を優先して記載します。採用担当者は資格欄から「この人の専門性の深さ」を読み取るため、正式名称での記載が必須です。
| 資格・免許の種類 | 正式名称の書き方例 |
|---|---|
| 教員免許(中学・英語) | 中学校教諭一種免許状(英語) |
| 教員免許(高校・数学) | 高等学校教諭一種免許状(数学) |
| 英語検定 | 実用英語技能検定○級 |
| TOEIC | TOEIC Listening & Reading Test ○○○点 |
| 数学検定 | 実用数学技能検定○級 |
| 漢字検定 | 日本漢字能力検定○級 |
教員免許を持っている場合は、「取得見込み」か「取得済み」かを書き分けてください。学校種(中学・高校・小学校)と教科名をセットで記載するのが正式な記法です。取得後に失効している場合でも記載できますが、状況を括弧内に添えると採用担当者に正直さが伝わります。
採用担当者はここを見ている
- 担当予定科目に直結する資格があるか(数学担当なら数学検定・理工系学歴など)
- 教員免許の学校種と教科が正確に書かれているか
- 英語資格(英検・TOEIC)のスコアが具体的に記載されているか(英語担当の場合)
志望動機欄の書き方|採用担当者が落とす3つのNG
志望動機欄は、採用担当者が「この人が長く続けてくれるかどうか」を判断する最重要項目です。以下の3パターンは、どれも採用担当者がよく目にするNGで、書類選考の通過率を大きく下げます。
NG① 「子どもが好きだから」だけ
子どもへの関心は最低限の前提です。採用担当者にとって「それだけ?」となります。どんな形で関わりたいのか、なぜ塾という場を選んだのかが伝わる理由を添えることが必要です。
NG② 「時給が高いから」「家から近いから」
本音かもしれませんが、採用担当者は「時給が上がる塾が見つかれば離れる人」と判断します。条件だけを理由にした志望動機は即座に落とされる最大のリスクです。絶対に書かないでください。
NG③ 「先生に憧れていたから」「勉強が好きだから」だけ
過去の経験や感情を書くこと自体は問題ありません。ただし「憧れ」「好き」だけでは責任感が伝わりません。その感情が今の志望につながる具体的なストーリーがないと採用担当者には響きません。
採用を通過する志望動機には「なぜ塾講師か」「なぜこの塾か」「どれくらい・どんな形で続けたいか」の3要素が必要です。次のセクションで状況別の例文を確認してください。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →塾講師の志望動機の例文|状況別
志望動機の例文を、応募者の状況別に3パターン紹介します。そのままコピーするのではなく、自分の経験・応募先の塾の特色・担当したい科目に合わせて書き換えてください。例文は「構成の型」として参考にするのが正しい使い方です。
新卒・教育学部生の場合
例文
大学では教育学を専攻し、教育実習を通じて「学力の差が生まれる背景」に関心を持つようになりました。学校の授業では対応しきれない個別の学習課題に向き合える環境として、個別指導塾に魅力を感じています。貴塾は担当講師が継続的に同一生徒を受け持つ体制であると伺い、生徒一人ひとりの成長を長期的に見守れる点に共感しました。卒業後も正社員講師として、生徒の受験を複数年にわたって支えていきたいと考えています。
教育学部の学生は学校教員を志望するケースが多いため、採用担当者は「なぜ学校ではなく塾か」を必ず確認します。「塾ならではの理由」を明示することで、他の候補者との差がつきます。
他職種からの転職の場合
例文
前職では営業職として5年間勤務し、新入社員の育成や社内研修の担当を経験しました。「伝える」より「理解させる」ことの難しさと面白さを感じる中で、教育・指導を本業として携わりたいと考えるようになりました。貴塾の理念である「生徒の自走力を育てる」という方針は、私が育成業務で大切にしてきた考え方と一致しています。数学(高校2年生まで)を中心に担当し、できる限り長期で同じ生徒を受け持ちたいと考えています。
転職の場合は、前職のどのスキルが塾講師の仕事につながるかを示すことが重要です。「人に教える経験」「コミュニケーション」「育成・研修の実績」など、直接・間接に関連する経験を一言添えるだけで採用担当者の印象が変わります。
大学生アルバイトの場合
例文
高校時代に塾に通っており、担当の先生に数学の考え方を根本から教えてもらったことで苦手意識が消えた経験があります。自分も「わかった」という瞬間を作れる側になりたいと思い、応募しました。大学では数学・情報系を専攻しており、数学・理科を中心に担当できます。卒業まで3年間、週3日以上のシフトで責任を持って続ける意向があります。
「どれくらい続けられるか」「週何日入れるか」を数字で明記するのは、アルバイト志望動機のポイントです。採用担当者の最大の懸念は「すぐ辞めないか」です。期間と頻度を具体的に示すことで、この懸念を直接払拭できます。
塾講師の自己PRの書き方と例文
自己PRは、志望動機と並んで採用担当者が丁寧に読む項目です。塾講師の自己PRで多くの人がやりがちな失敗は、「自分のスキル」を羅列して終わってしまうことです。採用担当者が知りたいのはスキルの羅列ではなく、「この人が担当についたら生徒は伸びるか」という根拠です。
「生徒を伸ばした経験」で差をつける
「コミュニケーション能力があります」「教えることが得意です」では、根拠になりません。採用担当者の印象に残る自己PRを書くには、具体的な経験に基づいた記述が必要です。
自己PRの基本構成は次の3ステップです。
- 強みを一言で示す:「私の強みは、生徒の理解度を見極めながら説明の切り口を変えていく対応力です」
- 具体的な経験・エピソードで裏づける:「○○塾でのアルバイト中、数学が苦手な中3生を担当したとき…(具体的なエピソード)」
- 入社後どう活かすかで締める:「担当する生徒一人ひとりの理解のペースに合わせ、長期的な成績向上に貢献していきます」
例文(経験者)
私の強みは、生徒が「わからない」を言い出せる雰囲気をつくる力です。前職の塾でのアルバイト中、数学に強い苦手意識がある中学2年生を4か月間担当しました。毎回の授業前に5分間の雑談を取り入れ、「わからないことはその場で言っていい」という関係を意図的につくった結果、授業中の質問数が増え、定期テストの点数が42点から68点に向上しました。この経験から、指導技術と同時に「安心して質問できる場をつくること」が生徒の成長を左右すると実感しています。貴塾でもこの姿勢を軸に、担当生徒の定着と成長に貢献します。
未経験者の自己PRの書き方
指導経験がない場合でも、自己PRは書けます。採用担当者は「未経験だから落とす」わけではありません。未経験者に求めているのは指導実績より「伸びしろ」と「責任感」です。
未経験者の場合、以下の切り口でアピールできます。
- 自分が苦手科目を克服した経験と、その過程で気づいたこと
- 部活・サークル・ボランティアでの後輩指導・人に教えた経験
- 「わかりやすく伝える」ために意識してきたこと(授業発表・説明業務の経験など)
例文(未経験者)
高校時代、数学が苦手でしたが大学受験に向けて独学で学び直した経験があります。その中で「教科書の順番通りに進むより、つまずいた場所まで戻る方が定着する」と実感しました。この気づきを活かし、生徒のつまずきの原因を探りながら丁寧に指導することに自信があります。部活動では後輩3名の技術指導を担当し、半年で全員が大会に出場できるレベルまで引き上げた経験もあります。責任感を持って担当生徒に向き合い、成果を出すことにコミットします。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
塾講師の履歴書は「書き方のルールを守ること」だけでは不十分です。採用担当者が短時間で読み取れる情報の密度と、長期継続の意思が伝わる構成が求められます。
- 採用担当者が最初に見るのは「担当科目・指導可能レベル・指導実績・継続意欲」の4点
- 担当科目は「科目名+指導可能な学年・学力レベル」まで具体的に明記する
- 指導実績は点数変化・合格実績など数値で示す。実績がなければ変化のエピソードで代替できる
- 志望動機のNG(「子どもが好き」のみ・条件の話・憧れだけ)は確実に避ける
- 自己PRは「強みの提示+具体的エピソード+入社後への接続」の3ステップで構成する
履歴書の準備が整ったら、塾の求人を扱う転職サービスの活用も選択肢に入れてください。無料で履歴書・職務経歴書の添削を受けられるサービスもあり、書類選考の通過率を上げる近道になります。

塾講師の履歴書に関するよくある質問
- 塾講師の履歴書で担当科目はどこに書けばいいですか?
-
担当科目は、職歴欄の職務内容説明の部分か、本人希望欄に記載するのが一般的です。「数学・英語(中学1年〜高校2年)」のように科目名と指導可能な学年を合わせて書くと、採用担当者に伝わりやすくなります。なお、履歴書とは別に職務経歴書の提出を求める塾もあり、その場合は職務経歴書の業務内容欄に詳しく記載するとより効果的です。
- アルバイトの塾講師経験だけの場合、職歴欄に書いていいですか?
-
書けます。アルバイトでも、実際に生徒の指導にあたった場合は職歴欄に記載して問題ありません。記載する際は「○○株式会社(○○塾) アルバイト入社」と雇用形態を明記した上で、担当科目・学年・期間を具体的に書いてください。採用担当者は雇用形態より「どんな指導をしてきたか」を重視しています。
- 指導実績がない場合、自己PRは何を書けばいいですか?
-
指導実績がなくても自己PRは書けます。自分が苦手科目を克服した経験、部活やサークルでの後輩指導経験、授業やゼミでわかりやすく説明した経験など、「人に伝える・教える」エピソードを具体的に書いてください。未経験者に採用担当者が求めているのは「指導経験」より「学ぶ姿勢と責任感」です。


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