この記事では、保育士資格を履歴書の免許・資格欄に記載する際の正式名称と正しい書き方を解説します。「保育士免許」「保育士証取得」など誤記がなぜ問題なのかを採用担当者の視点から説明し、幼稚園教諭免許との書き分け方、取得見込みの記載例まで網羅します。
保育士の履歴書に書く資格の正式名称は「保育士資格」
保育士として転職・就職活動をするとき、資格欄の正式名称で迷う方は少なくありません。
履歴書に書く正式名称は「保育士資格」の1択です。「保育士免許」「保育士証」「保育資格」のような表記はすべて誤りになります。「保育士資格」という名称は2003年施行の改正児童福祉法で国家資格として制定された際に定められたもので、法律上この呼称以外は認められていません。
採用担当者はここを見ている
- 「保育士免許」と書かれた履歴書は、資格制度の基本的な理解が欠けているとみなされる
- 書類への丁寧さや正確さを見る一つの判断材料になる
- 面接まで進めた場合でも、資格名の誤記は心証に影響することがある
「保育士免許」と書いてしまう人が多い理由
「保育士免許」という誤記が多い背景には、運転免許証や教員免許状など「〇〇免許」という形式が日常的に使われていることがあります。同じ感覚で保育士にも「免許」を使ってしまうわけです。
しかし、保育士は「免許」ではなく「資格」として法律に規定されています。教員免許状は教育職員免許法(文部科学省管轄)に基づく「免許」ですが、保育士資格は児童福祉法(厚生労働省管轄)に基づく「資格」です。管轄省庁と根拠法が異なるため、正式名称も変わります。
旧称「保母資格」の扱いはどうする?
2001年(平成13年)以前に取得した場合、当時の正式名称は「保母資格」でした。この場合は「保母資格 取得」とそのまま記載して構いません。
取得年を見れば採用担当者にも旧称であることは伝わるため、括弧書きで「(現:保育士資格)」と補記する必要はありません。ただし、転職先から確認を求められた場合に備えて、名称変更の経緯を説明できるようにしておくと安心です。
保育士資格の履歴書への正しい書き方【記載例付き】
取得済みの場合の書き方と日付の注意点
取得済みの場合の記載フォーマットは次のとおりです。
正しい書き方
令和〇年〇月 保育士資格 取得
日付については重要な注意点があります。保育士資格の「取得日」は試験合格日ではなく、都道府県知事への登録(申請)が完了した日です。具体的には、手元にある保育士証に記載されている「交付年月日」が正式な取得日となります。
NG例
令和〇年〇月(試験合格日) 保育士資格 取得
試験合格日は資格取得日ではない。合格通知書の日付ではなく、保育士証に記載された交付年月日を記入すること。
試験合格から登録申請・保育士証交付まで1〜2か月かかるケースもあります。記載前に保育士証を手元に用意して、正確な日付を確認してください。
取得見込みの場合(新卒・試験前)
保育士養成校に在学中で卒業と同時に取得予定の場合は「取得見込み」と記載します。
取得見込みの正しい書き方
令和〇年3月 保育士資格 取得見込み
取得予定年月は卒業年月と同じ時期を記載してください。保育士養成校を卒業すると同時に資格が付与される仕組みのため、卒業予定年月がそのまま取得見込み年月になります。「令和〇年3月卒業予定 保育士資格取得見込み」のように補足を加える書き方も採用担当者には伝わりやすいです。
保育士試験で取得した場合:認定機関の書き方
保育士養成校の卒業ではなく、保育士国家試験に合格して資格を取得した場合、履歴書の様式によっては「認定機関」欄への記載を求められることがあります。
認定機関欄には、登録した都道府県の名称を「〇〇都(道・府・県)知事」の形式で記入します。
認定機関欄がある場合の記載例
免許・資格欄:令和〇年〇月 保育士資格 取得
認定機関欄:〇〇都(道・府・県)知事
認定機関欄がない通常の様式では、「保育士資格 取得」とだけ書けば問題ありません。欄外に括弧書きで補記する必要はありません。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →幼稚園教諭免許との書き分け方
保育士として就職・転職する場合、幼稚園教諭免許状も併せて持っているケースは珍しくありません。保育士資格と幼稚園教諭免許状は制度上の位置づけが異なるため、書き方も変わります。
「免許」と「資格」でどう違う?
保育士と幼稚園教諭は、根拠となる法律と所管省庁が異なります。
| 名称 | 根拠法 | 所管省庁 | 正式表記 |
|---|---|---|---|
| 保育士資格 | 児童福祉法 | 厚生労働省 | 資格 |
| 幼稚園教諭免許状 | 教育職員免許法 | 文部科学省 | 免許(状) |
幼稚園教諭については「免許状」という表記が正式です。「幼稚園教諭資格」「幼稚園教諭免許証」は誤りになるため注意してください。
両方持っている場合の書く順番
両方の資格・免許を保有している場合は、取得年月の古い順に記載するのが基本ルールです。保育士養成校を卒業すると同時に両方取得するケースが多く、この場合は「幼稚園教諭免許状→保育士資格」の順で記載するのが一般的な慣習です。
両方保有する場合の記載例
令和〇年3月 幼稚園教諭第一種免許状 取得
令和〇年3月 保育士資格 取得
応募先の求人要件で「保育士資格必須」と明記されている場合は、保育士資格を先頭に書いてもマイナス評価にはなりません。採用担当者は求人要件に直結する資格をまず確認するため、強調したい資格を上位に記載する方法も有効です。
幼稚園教諭免許の正式名称一覧
幼稚園教諭免許状には取得した学歴によって種別があります。
| 種別 | 取得要件 | 正式名称 |
|---|---|---|
| 第一種 | 4年制大学卒業 | 幼稚園教諭第一種免許状 |
| 第二種 | 短大・専門学校卒業 | 幼稚園教諭第二種免許状 |
| 専修 | 大学院修了 | 幼稚園教諭専修免許状 |
「幼稚園教諭1種免許」「幼稚園教諭免許(一種)」のような略称・括弧書きは誤記になります。自分が取得した種別を確認してから正確に記載してください。免許状の種別は卒業した学校の証明書または免許状の現物で確認できます。
保育士と幼稚園教諭両方の資格・免許を必要とする認定こども園への就職を目指す場合は、子育て支援員の資格の書き方も合わせて確認しておくと、資格欄全体の整理に役立ちます。

採用担当者が実際に見る保育士資格欄のNG例
保育士の資格欄には、採用担当者が見た瞬間に印象が下がるNG例が3パターンあります。いずれも些細なミスに見えますが、書類への注意力を測る指標として確認されています。
NG1:「保育士免許取得」と書く
最も多い誤記です。「保育士は国家資格であり法律上の名称は保育士資格」という基本的な理解が欠けているとみなされます。
NG例
令和〇年〇月 保育士免許 取得
「免許」は教員・医師・自動車など別の制度の呼称。保育士は「資格」。
正しい書き方
令和〇年〇月 保育士資格 取得
NG2:「保育士証取得」と書く
「保育士証」は登録完了時に交付される証明書の名称です。資格欄に記載するのは資格名であり、証明書の名前ではありません。
NG例
令和〇年〇月 保育士証 取得
保育士証は「証明書の名称」であり「資格名」ではない。
正しい書き方
令和〇年〇月 保育士資格 取得
(※保育士証の交付年月日を「取得日」として記載する)
NG3:取得日を試験合格日で書いてしまう
保育士国家試験に合格しただけでは資格は有効になりません。合格後に都道府県への申請・登録が完了して初めて資格取得となります。
採用担当者はここを見ている
- 正式な取得日は「保育士証に記載された交付年月日」
- 合格通知書の日付ではなく、保育士証の交付日を必ず確認する
- 登録申請から交付まで1〜2か月かかることがあり、合格日とは異なる場合が多い
採用担当者が資格の取得日を確認するのは、「登録済みかどうか」の確認と、勤続年数の計算のためです。誤った日付が記載されていると、採用後に確認が必要になる場合があります。
保育士の資格欄でもう一歩差をつけるコツ
民間資格・関連資格(子育て支援員・食育など)の扱い方
保育士資格以外にも、子育て支援員や食育インストラクターなど保育に関連する資格を持っている場合、どう書くかで採用担当者への印象が変わります。
子育て支援員の研修修了証は「修了」と表記します。「取得」ではない点に注意が必要です。
子育て支援員の記載例
令和〇年〇月 子育て支援員研修 修了(地域保育コース/〇〇コース)
民間資格は「公的資格と混同されないよう」正確な主催団体名・資格名を記載するのが原則です。食育インストラクターであれば「NPO日本食育インストラクター協会認定 食育インストラクター(プライマリー)」のように、認定機関と資格名をセットで書きます。
資格欄のスペースが限られる場合は、応募先の業務に直接関係する資格を優先してください。認定こども園や保育施設への応募では、食育・救命講習関連の資格は高く評価されることがあります。食育インストラクターの履歴書への書き方については別記事で詳しく解説しています。

普通自動車免許との順番と組み合わせ
保育士の求人では、送迎業務のために普通自動車免許を必須・歓迎条件とする施設もあります。普通自動車免許を資格欄に記載する場合の順番について確認しておきましょう。
一般的な慣習として、業務上の優先度が高い資格(保育士資格・幼稚園教諭免許状)を先に記載し、普通自動車免許はその後に続けます。ただし応募先の求人要件に「自動車免許必須」と記載がある場合は、上位に持ってくる書き方も採用担当者には伝わりやすいです。
資格欄の記載例(複数資格保有の場合)
令和〇年3月 幼稚園教諭第一種免許状 取得
令和〇年3月 保育士資格 取得
令和〇年〇月 普通自動車第一種運転免許 取得
保育士として勤務する中で普通救命講習(AED・CPR)の修了証を取得している場合は、子どもの安全管理への姿勢として評価されることがあります。普通救命講習の履歴書への書き方は「修了」と記載する点など注意事項があるため、確認しておくことをおすすめします。

その他の資格・検定を複数保有している場合の全体的な書き方の基準については、履歴書の検定の書き方も合わせて参考にしてください。
まとめ
- 保育士資格の正式名称は「保育士資格」。「保育士免許」「保育士証」は誤記になる
- 旧称「保母資格」は2001年(平成13年)以前の取得者はそのまま記載できる
- 取得日は試験合格日ではなく「保育士証に記載された交付年月日」が正式
- 取得見込みの場合は「令和〇年〇月 保育士資格 取得見込み」と記載する
- 幼稚園教諭免許状は第一種・第二種・専修の種別を正確に記載する
- 複数保有の場合は取得年月の古い順に記載し、同月取得なら免許→資格の順が一般的
資格名の正確さは、採用担当者が書類への丁寧さを確認する一つの指標です。提出前に保育士証を手元に用意し、交付年月日と正確な名称を照合してから記載することで、こうしたミスは防げます。
保育士の履歴書 免許・資格欄に関するよくある質問
- 「保育士免許」と書いて提出してしまった場合はどうすればいいですか?
-
提出前に気づいた場合は必ず修正してから提出してください。提出後に気づいた場合は、面接の場で「資格欄の記載が正式名称ではなく保育士免許と書いてしまいました。正しくは保育士資格です」と説明することをおすすめします。誠実に説明できれば採用担当者の心証が大きく崩れることはほとんどありません。
- 保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を持っていますが、どちらを先に書けばいいですか?
-
取得年月の古い順に記載するのが基本ルールです。同月取得の場合は「幼稚園教諭免許状→保育士資格」の順が一般的です。応募先の求人要件で「保育士資格必須」と明記されている場合は、保育士資格を先頭に書いても問題ありません。
- 取得見込みで記載したが試験に不合格だった場合はどうすればよいですか?
-
採用先に速やかに連絡し、取得見込みで記載した資格が取得できなかった旨を報告してください。保育士資格が必須要件の求人では採用取り消しになるケースもあります。試験日程と内定後の入社日の関係を事前に確認した上で、取得見込みの記載を判断することが重要です。
- 保育士試験合格と養成校卒業では、履歴書の書き方は変わりますか?
-
資格欄の記載は「保育士資格 取得」で同じです。違いが出るのは様式によって認定機関欄がある場合で、試験合格ルートでは登録した都道府県の「〇〇都(道・府・県)知事」と記載します。養成校卒業ルートの場合は通常の記載で問題ありません。また取得日の確認方法も変わり、試験合格者は保育士証の交付年月日、養成校卒業者は保育士証または学校発行の証明書を確認してください。


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