この記事では、履歴書の志望動機の例文を転職・未経験・パートなど状況別に15パターン紹介します。採用担当者が「通す志望動機」と「秒で落とす志望動機」の違い、本音を合格する表現に変える方法まで解説します。
履歴書の志望動機で採用担当者が見ている3つのポイント
志望動機を読む採用担当者は、文章の上手さを見ているわけではありません。確認しているのは以下の3点です。
採用担当者はここを見ている
- 定着性:入社後すぐに辞めないか。転職理由と志望動機に一貫性があるかで判断する
- 自社理解:他社にも同じ文章を送っていないか。企業固有の要素が含まれているかを見る
- 貢献イメージ:入社したら何をしてくれるのか。具体的な行動が見えるかどうか
つまり志望動機は「あなたの熱意を語る場」ではなく、「採用してもリスクが低い」と相手に安心させる場です。この前提を持って書くだけで、他の応募者と差がつきます。
逆に「御社の理念に共感しました」「成長できる環境に魅力を感じました」のような抽象的な表現は、どの企業にも当てはまる使い回しだとすぐにバレます。
志望動機の書き方|通る構成は3ステップで完成する
志望動機は以下の3つの要素を順番に書くだけで、200〜300字に収まる説得力のある文章になります。
| ステップ | 内容 | 目安文字数 |
|---|---|---|
| 1. 書き出し | 志望理由の結論を一文で | 40〜60字 |
| 2. 根拠 | 結論を裏付ける経験・エピソード | 80〜120字 |
| 3. 締め | 入社後にどう貢献するか | 60〜80字 |
ステップ1:書き出し=結論を一文で伝える
書き出しは「なぜこの会社を選んだか」の結論です。ここが曖昧だと、残りをどれだけ丁寧に書いても採用担当者の目に留まりません。
良い例文
貴社の法人営業職を志望した理由は、前職で培ったIT商材の提案経験を、貴社が注力するDX支援領域で直接活かせると考えたためです。
NG例
貴社の事業内容に興味を持ち、成長できる環境で働きたいと思い志望しました。「何に興味を持ったか」「どう成長したいか」が不明で、どの企業にも使い回せる文章です。
書き出しの具体的な型をさらに知りたい方は、志望動機の書き出しで差がつく書き方も参考にしてください。

ステップ2:根拠=具体的な経験を添える
書き出しで述べた結論を裏付けるエピソードを1つ選びます。数字や固有名詞を含めると説得力が増します。
- 「前職では法人顧客30社を担当し、SaaS導入の提案で年間売上1,200万円を達成しました」
- 「飲食店で3年間ホールリーダーを務め、スタッフ教育と顧客満足度改善に取り組みました」
エピソードは直近の実績を1つに絞ってください。複数詰め込むと焦点がぼやけ、採用担当者に「結局何ができる人なのか」が伝わりません。
ステップ3:締め=入社後の貢献イメージを示す
最後に「入社したらどう貢献するか」を一文で添えます。採用担当者はここで「この人が入社した後の姿」を想像できるかどうかを判断します。
良い例文
入社後は前職の提案ノウハウを活かし、貴社の中堅企業向けDX支援の受注拡大に貢献したいと考えています。
「学ばせていただきたい」「スキルアップしたい」は自分のメリットを語っているだけです。企業が知りたいのは「あなたを採用することで会社にどんな利益があるか」です。
【状況別】履歴書の志望動機の例文15選
ここからは状況別に使える志望動機の例文を紹介します。そのまま写すのではなく、自分の経験や応募先の特徴に置き換えて使ってください。
転職(同職種・経験者)の志望動機 例文
良い例文
前職では人材紹介会社で法人営業を4年間担当し、製造業を中心に年間40名の採用支援を行いました。貴社が製造業の人材課題に特化したサービスを展開していることを知り、私の業界知識と顧客折衝の経験を活かせると考え志望しました。入社後は既存クライアントの深耕と新規開拓の両面で、採用成功率の向上に貢献いたします。
良い例文
現職では経理部門で月次決算・年次決算・税務申告の一連を5年間担当しています。貴社が連結決算体制の強化を進めていることに関心を持ち、私の単体決算の実務経験に加え、現在取得中の日商簿記1級の知識を連結業務で活かしたく志望しました。即戦力として月次の早期化に貢献できると考えています。
良い例文
前職のWeb制作会社でディレクターとして50件以上の企業サイト制作を統括しました。貴社のインハウスマーケティング強化の方針を拝見し、制作側の視点を持つディレクターとして社内外の調整と成果改善に貢献できると考え応募しました。入社後はCV改善とリード獲得の数字にコミットします。
転職の志望動機をさらに詳しく知りたい方は、転職の志望動機で採用担当者に通る書き方も参考にしてください。

転職(未経験職種)の志望動機 例文
良い例文
前職の販売職で接客を通じて「お客様の課題を整理し、最適な商品を提案する」ことにやりがいを感じていました。この経験は、貴社のカスタマーサクセス職でクライアントの活用支援を行ううえで活かせると考えています。未経験ではありますが、現在SaaS業界の基礎知識を独学で習得中であり、早期に戦力となれるよう準備しています。
良い例文
営業事務として3年間、見積書作成・受発注管理・データ集計を担当する中で、数字を扱う業務に適性を感じました。貴社の経理職に応募したのは、実務で培ったExcel操作と正確性を経理業務に転用できると考えたためです。日商簿記2級を取得済みで、入社後は伝票入力や月次補助から着実に業務範囲を広げます。
良い例文
飲食店の店長として5年間、売上管理・シフト作成・スタッフ教育を行ってきました。マネジメント経験を別の形で活かしたいと考え、貴社の人事アシスタント職を志望しています。現場で培った「人を見る力」と調整力で、採用業務のサポートに即貢献できると考えています。
未経験の場合、「学びたい」だけでは通りません。前職の経験から「転用できるスキル」を1つ特定し、それを新しい仕事でどう活かすかまで踏み込んで書く必要があります。
未経験向けの志望動機をさらに詳しく知りたい方は、未経験の志望動機で採用担当者が通す人の共通点をご覧ください。

第二新卒の志望動機 例文
良い例文
新卒で入社した広告代理店で1年半、運用型広告の入稿・レポート作成を担当しました。データ分析の面白さに気づく一方、より上流の戦略設計に関わりたいと考え転職を決意しています。貴社のマーケティング部門で、運用実務の経験を活かしながら戦略立案にも挑戦させていただきたく志望しました。
良い例文
前職のシステム開発会社に1年間勤務し、テスト工程を中心にJavaの基礎を習得しました。上流設計から一貫して担当できる環境で技術力を高めたいと考え、貴社のプライム案件中心の体制に魅力を感じています。テスト設計で身につけた品質意識を武器に、早期に設計工程を担える人材を目指します。
良い例文
新卒入社した商社で2年間、国内物流の手配業務を担当しました。貿易や海外との仕事に興味が深まり、貴社の海外営業アシスタント職を志望しています。物流手配で培った正確性と納期管理の経験を、貴社の輸出入オペレーションで活かしたいと考えています。
第二新卒の場合、「なぜ短期間で辞めるのか」を採用担当者は必ず気にします。前向きな転職理由(キャリアの方向性を修正したい)と、応募先で実現したいことをセットで伝えてください。
ブランク明け・再就職の志望動機 例文
良い例文
出産・育児のため3年間離職していましたが、子どもの保育園入園を機に再就職を希望しています。前職では一般事務として4年間、請求書処理や備品管理を担当していました。貴社の事務職に応募したのは、フレックス制で勤務時間の調整がしやすく、経験を活かして即戦力として貢献できると考えたためです。
良い例文
介護のため2年間退職しておりましたが、現在は家族の状況が安定し、週5日フルタイムで勤務可能です。前職では製造現場で品質管理を6年間担当していました。貴社の品質保証部門で、ブランク前の実務経験を活かして検査工程の改善に取り組みたいと考えています。
良い例文
前職を退職後、半年間Webデザインのオンライン講座でHTML/CSSとFigmaを習得しました。貴社のWebデザイナー職を志望した理由は、未経験者の育成体制が整っており、学んだスキルを実務で磨ける環境だと感じたためです。ポートフォリオサイトを5ページ制作済みで、入社後はバナー制作から即対応可能です。
ブランクがある場合、採用担当者は「今すぐ働ける状態か」「また辞めないか」を確認します。ブランクの理由→現在の就業可能状況→具体的な貢献の順で書くと、不安を払拭できます。
パート・アルバイトの志望動機 例文
良い例文
自宅から徒歩10分の立地で通勤しやすく、子どもの学校行事にも対応できる勤務時間帯だったため志望しました。前職のスーパーで2年間レジ・品出しを経験しており、接客と体力には自信があります。早く業務に慣れ、シフトの穴埋めにも柔軟に対応します。
良い例文
大学の授業がない平日午後と土日にしっかり働きたいと考え、シフトの融通が利く貴店を志望しました。高校時代に飲食店で1年間ホールスタッフを経験しており、忙しい時間帯の立ち回りは得意です。明るい接客で店舗の雰囲気づくりに貢献します。
良い例文
経理補助のパートを志望した理由は、前職の営業事務でExcelを使ったデータ入力と請求書管理を3年間行った経験を活かせると考えたためです。扶養内での勤務を希望していますが、月末月初の繁忙期は出勤日数を増やすことも可能です。
パートやアルバイトの志望動機では、「条件面の理由」に加えて「何ができるか」を1つ添えるだけで通過率が上がります。「家が近いから」だけでは差がつきません。
本音を志望動機に変換する方法|「条件で選んだ」でも書ける
志望動機が書けない原因の多くは「文章力がない」ではなく、後ろ向きな本音をそのまま書けないだけです。以下の3ステップで、本音を採用担当者に通る表現に変換できます。
| ステップ | やること | 例 |
|---|---|---|
| 1. 本音を書き出す | 正直な理由を言語化する | 「今の会社は残業が多すぎて体を壊しそう」 |
| 2. 裏返す | 本音の裏にある前向きな欲求を探す | 「健康を維持しながら長く成果を出したい」 |
| 3. 応募先に接続する | その欲求を満たす応募先の特徴を探して結びつける | 「貴社は残業月15時間以内を実現しており、効率的に成果を出す文化がある」 |
この方法なら「給料が良いから」「今の会社を辞めたいから」という本音も、志望動機として成立する形に変換できます。
変換例:「給料を上げたい」が本音の場合
前職では営業成績がチーム内1位でしたが、年功序列型の給与体系で成果が報酬に反映されませんでした。貴社はインセンティブ制度で成果を正当に評価する文化があり、私の営業力を最大限発揮できる環境だと感じています。
志望動機が思い浮かばない方は、志望動機がない場合の対処法も参考にしてください。

採用担当者が秒で落とすNG志望動機と改善例
以下は採用担当者が「読んだ瞬間に不採用を決める」典型的なNG例です。自分の志望動機に含まれていないかチェックしてください。
| NGパターン | 落ちる理由 | 改善の方向性 |
|---|---|---|
| 「御社の理念に共感しました」 | 具体性ゼロ。どの会社にも送れる | 理念のどの部分に、自分のどの経験が結びつくか書く |
| 「学ばせていただきたいです」 | 会社は学校ではない。受身的 | 「〇〇の経験を活かしつつ、△△にも挑戦したい」に変える |
| 「給料が良いと聞いたため」 | 条件だけでは定着性が疑われる | 成果主義の評価制度を前職経験とセットで語る |
| 「前職がブラックだったため」 | 前の会社の悪口は印象が悪い | 「〇〇な環境で長期的に成果を出したい」に変換 |
NG例
貴社の経営理念「人と社会の未来を創る」に深く共感し、自分もその一員として成長したいと思い志望しました。貴社で多くのことを学び、スキルアップしていきたいです。
改善例
前職のメーカー営業で新規開拓を3年間担当する中で、「顧客の課題を根本から解決する提案がしたい」と考えるようになりました。貴社はソリューション型の営業体制で一社一社に深く入り込む方針を取っており、私の新規開拓経験と課題解決志向を活かせる環境だと感じています。入社後は新規顧客の獲得から深耕営業まで一気通貫で担当し、売上拡大に貢献します。
例文の丸写しで落ちる理由をさらに知りたい方は、例文を写すだけで落ちる人の共通点も確認してください。

志望動機の文字数|200〜300字で伝えきる技術
志望動機の適切な文字数は200〜300字です。志望動機欄の8割程度を埋めるのが目安で、短すぎると「志望度が低い」、長すぎると「要点が整理できていない」と判断されます。
- 200字で収める場合:書き出し(40字)+根拠(100字)+締め(60字)
- 300字で収める場合:書き出し(60字)+根拠(150字)+締め(90字)
- 枠が小さい場合:150字程度でも問題なし。その場合は根拠を1文に圧縮する
採用担当者は1通の履歴書にかける時間が平均30秒〜1分と言われています。長文を書くよりも、3行で結論が伝わる簡潔さのほうが通過率は高くなります。
文字数の詳しい調整方法は志望動機は何文字くらいが正解かで解説しています。

志望動機と合わせて自己PR欄の書き方も気になる方は、転職の自己PR例文と書き方もあわせてご覧ください。

まとめ
- 志望動機は「書き出し→根拠→締め」の3ステップで200〜300字にまとめる
- 採用担当者が見ているのは「定着性」「自社理解」「貢献イメージ」の3点
- 「なぜこの会社か」が具体的に書かれていない志望動機は使い回しと見なされて落ちる
- 本音(条件重視)は裏返して前向きな欲求に変換し、応募先の特徴と接続させる
- 例文はそのまま写さず、自分の経験と応募先の特徴に置き換えて使う
志望動機は完璧な文章を目指す必要はありません。「この会社で何ができるか」が伝わる200字があれば、書類選考は突破できます。
履歴書の志望動機に関するよくある質問
- 志望動機が思いつかないときはどうすればいい?
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まず「なぜ今の会社を辞めたいか」を書き出し、その裏返しの欲求を応募先の特徴と結びつけてください。本音を変換する3ステップを使えば、どの企業にも志望動機を作れます。それでも浮かばない場合は、応募先の採用ページや社員インタビューを読み、共感できるポイントを1つ探すことから始めてください。
- 志望動機を複数の企業で使い回してもバレない?
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バレます。採用担当者は何百通もの履歴書を見ているため、応募先固有の情報(事業内容・強み・方針)が含まれていない志望動機は即座に「テンプレ」と判断されます。全文を書き直す必要はありませんが、最低限「なぜこの会社か」の部分は企業ごとに書き換えてください。
- 志望動機と自己PRの内容が被ってしまう場合は?
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役割を分けて書いてください。志望動機は「なぜこの会社を選んだか(志望理由+貢献)」、自己PRは「自分の強みとその根拠(実績+再現性)」です。同じエピソードを使っても問題ありませんが、志望動機は企業側のメリットに焦点を当て、自己PRは自分の能力に焦点を当てると重複感がなくなります。
- 手書きとPC作成で志望動機の書き方は変わる?
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内容自体は変わりません。ただし手書きの場合、文字数の制約がPCより厳しくなるため150〜200字に収める工夫が必要です。PC作成の場合はフォントサイズを10.5〜11ptに設定し、枠内に200〜300字が収まるよう調整してください。


