この記事では、就職活動で使う履歴書の書き方を全項目解説します。採用担当者が書類選考でNG判断する具体的なミスと、実際に通過しやすい例文を項目別に紹介します。新卒・高校生が特に迷いやすい学歴欄・職歴欄・志望動機まで網羅しています。
就職用履歴書の準備と全体の流れ
履歴書には「転職用」「就職用」という区別はなく、どちらも同じ形式の用紙を使います。ただし、就職活動(新卒・高校生)と転職では採用担当者が重視するポイントが異なります。転職者は職歴・実績が評価軸の中心ですが、就職では学歴・意欲・人柄が判断材料になります。
書き始める前に確認する5つのこと
採用担当者は1枚の履歴書を30秒〜3分で確認することが多く、第一印象で大半の判断が決まります。書き方の前に、以下の準備が整っているか確認してください。
- 応募先が指定するフォーマットを確認する:「厚生労働省推奨様式」「JIS規格」など指定がある場合は従う
- 写真を先に撮影する:撮影から3か月以内の写真が必要。面接日の直前に慌てないよう早めに準備する
- 学歴・資格の正式名称をメモしておく:卒業した学校・保有資格の正式名称と取得年月をまとめておく
- 志望動機を事前に下書きする:企業研究を終えてから書くと、具体性のある内容になる
- 消えないボールペンを選ぶ:フリクションなどの消えるボールペンは絶対に使わない。油性または水性を使用する
手書きとPC作成、就職活動で有利なのはどちら
多くの企業は手書き・PC作成どちらでも受け付けます。選び方の基準は「企業の指定」と「読みやすさ」の2点です。
| 方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 手書き | 誠実さ・熱意が伝わる。年配の採用担当者には好印象になりやすい | 文字を間違えると一から書き直し。時間がかかる |
| PC作成(Word/PDF) | 読みやすく清潔感がある。複数社に使い回せる | 同じ内容での使いまわしは採用担当者に伝わる場合がある |
就職活動(特に新卒)では手書きを求める企業も一定数あります。指定がなければPC作成で問題ありません。PC作成ではフォント選びにも注意が必要で、明朝体を使うのが基本です。また無料で使える履歴書テンプレートを活用すれば、フォーマットを一から考える必要もありません。

就職の履歴書 基本情報欄の書き方
基本情報欄は採用担当者が最初に目を通す場所です。「読みにくい」「マナー違反がある」と判断されると、それだけで選考通過率が下がります。
日付の書き方(元号・西暦の選び方)
履歴書の日付欄に書くのは提出日(郵送なら投函日、持参・手渡しなら面接当日)の日付です。元号(令和・平成)と西暦のどちらを使うかは自由ですが、学歴欄・職歴欄と必ず統一する必要があります。日付欄だけ「令和」で学歴欄が「西暦」になっていると、注意力不足とみなされます。
採用担当者はここを見ている
- 日付が提出日と一致しているか(古い日付は「使いまわし」を疑われる)
- 元号・西暦の表記が履歴書全体で統一されているか
- 年度の書き方が正確か(令和7年=2025年など、変換に誤りがないか)
氏名・住所・電話番号・メールアドレスの書き方
氏名はふりがな欄に応じて「ひらがな」または「カタカナ」で記入します。住所は番地まで省略せずに書き、都道府県名も必ず含めます。電話番号は固定電話よりも日中連絡が取れる携帯番号を記入するのが基本です。
メールアドレスで注意が必要なのは、学生時代に作ったニックネーム入りのアドレスをそのまま使うことです。「anime_love_xxx@」「kawaii_xxx@」のようなアドレスは採用担当者に不安感を与えます。就職活動用に氏名を元にしたシンプルなアドレスを作成することをすすめます。
NG例
メールアドレス:anime_love_tanaka@xxx.com(趣味・ニックネームが入ったアドレスは社会人としての自覚を疑われる)
良い例
メールアドレス:tanaka.hiroshi.apply@gmail.com(氏名+シンプルな英数字で連絡先として問題なく機能する)
就職の履歴書 学歴欄の書き方
就職活動の履歴書で学歴欄は特に重要な項目です。採用担当者は学歴欄から「どこで何を学んだか」だけでなく「入学・卒業年度に一貫性があるか」も確認しています。
中学から記入する理由と正しい書き出し
学歴欄は中学校卒業から書き始めるのが正式なルールです。小学校は書きません。中学卒業が義務教育の終了点であり、そこから先の進路が個人の経歴として意味を持つためです。
学歴欄の書き出し例(元号統一の場合)
- 平成29年3月 〇〇市立〇〇中学校 卒業
- 平成29年4月 〇〇県立〇〇高等学校 入学
- 令和2年3月 〇〇県立〇〇高等学校 卒業
- 令和2年4月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 入学
- 令和6年3月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 卒業見込み
大学・専門学校・高校の正式名称の書き方
学校名は必ず正式名称で記入します。略称や通称は使いません。
| NG(略称・通称) | OK(正式名称) |
|---|---|
| 高校 | 高等学校 |
| 東大 | 東京大学 |
| 日大 | 日本大学 |
| 経済学部 (学科省略) | 経済学部経済学科 |
特に注意が必要なのは学部・学科名の省略です。「経済学部」だけで終わらせず「〇〇大学経済学部経済学科」まで記入します。採用担当者は学科名から学んできた専門分野を確認しています。高校生・高卒の方の書き方については、学科(普通科・商業科・工業科など)まで正確に記入します。
在学中・卒業見込みの表記の仕方
まだ在学中で就職活動をしている場合は、最終行に「令和〇年〇月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 卒業見込み」と記入します。「卒業予定」という表現は使いません。正しくは「卒業見込み」の4文字です。
就職の履歴書 職歴欄の書き方(新卒・高校生向け)
新卒就職活動で多くの人が迷うのが職歴欄です。「職歴がない」「アルバイトを書いていいか」という疑問が代表的です。
新卒で職歴なしの場合はこう書く
新卒・高校生で職歴が一切ない場合は、職歴欄に「なし」と記入します。空欄のまま提出するのはNGです。「なし」と書くことで、意図的に確認して記入したことが伝わります。
職歴なしの正しい書き方
- 職歴欄の最初の行に「なし」と記入する
- その下の行に「以上」と右詰めで記入して締める
- 職歴欄を完全な空欄のまま提出するのは「未記入か確認忘れ」と判断される可能性がある
アルバイト経験は職歴欄に書いてよいか
就職活動の履歴書では、アルバイト経験は原則として職歴欄には記入しません。正社員・派遣社員・契約社員としての勤務経験が「職歴」に該当します。
ただし、長期間のアルバイト経験(1年以上)や応募先と直接関連するアルバイト経験は、自己PR欄で積極的にアピールできます。フリーターとして複数のアルバイトをしながら就職活動をしている場合の書き方は異なります。フリーターの履歴書の書き方で詳しく解説しています。
インターンシップ・ボランティアの書き方
インターンシップは職歴には書きません。ただし1か月以上の長期インターンシップは、自己PR欄で経験として言及できます。ボランティア活動も同様に、自己PRや特記事項として記入するのが適切です。
就職の履歴書 免許・資格欄の書き方
資格欄は「持っていることで有利になるもの」だけを選んで記入します。数が多ければ良いというわけではなく、応募職種に関連する資格を優先的に記載し、採用担当者が読みやすいよう整理することが大切です。
書くべき資格と書かないほうがいい資格の見極め方
免許・資格欄に記入すべきかどうかは、以下の基準で判断します。
| 書くべき資格 | 書かないほうがよい資格 |
|---|---|
| 運転免許(普通自動車第一種など) | 英検5級・漢検4級以下(水準が低いと逆効果になるケースがある) |
| TOEIC 600点以上 | 取得から5年以上経つ語学スコア(最新でないと評価しにくい) |
| 日商簿記2級・3級 | 履歴書に記入できない種類のもの(料理教室の修了証など) |
| ITパスポート・情報処理技術者試験 | 応募職種と全く関連しない趣味系資格 |
資格名は必ず正式名称で記入します。「英検」ではなく「実用英語技能検定」、「日商簿記」ではなく「日本商工会議所主催 簿記検定」のように記入します。「合格」か「取得」かは資格の種類によって異なりますが、免許は「取得」、検定・試験は「合格」と書くのが一般的です。
取得見込みの資格はどう書くか
現在勉強中で取得予定の資格がある場合、試験を受ける前の段階では記入できません。試験合格後、ただし免許・証明書の交付前であれば「取得見込み」と記入できます。書き方は「令和7年3月 〇〇検定〇級 取得見込み」の形式です。
就職の履歴書 志望動機の書き方(採用担当者が最重視)
採用担当者にとって、志望動機欄は「なぜ数ある会社の中からここを選んだのか」を判断する最重要項目です。新卒・就職活動では特に、企業研究の深さと入社後のビジョンが問われます。
採用担当者が通過させたくなる志望動機の3条件
採用現場で実際に評価される志望動機には、次の3つの要素が必ず含まれています。
- ①「なぜこの会社なのか」が具体的に書かれている:「業界リーダーだから」「安定しているから」では落とされる。その企業固有の事業・製品・理念への言及が必要
- ②自分の経験・強みと企業ニーズが結びついている:学生時代の経験が「この会社でどう活かせるか」まで言及する
- ③入社後に何をしたいかが書かれている:採用担当者は「この人が入社したらどう活躍してくれるか」をイメージする。具体的な貢献意欲を示す
採用担当者はここを見ている
- 「御社の企業理念に共感した」だけで終わっている志望動機は即落とし対象
- 他社にも使い回せそうな汎用的な文章は、企業研究不足とみなされる
- 自己PRと志望動機の内容が矛盾していると信頼性が下がる
新卒向け志望動機 良い例文・NG例文
NG例文
「貴社の企業理念に深く共感し、志望いたしました。チームワークを大切にする社風が自分に合っていると感じています。入社後は一生懸命頑張りたいと思います。」
問題点:企業固有の内容がゼロ。「一生懸命頑張る」は誰でも書ける表現であり、採用担当者が読んでも「なぜウチなのか」が全くわからない。
良い例文
「大学3年次に行った食品メーカーへの長期インターンシップで、製品の企画から販売促進までの流れを経験しました。その中で、消費者に近い立場から価値を届けることへの面白さを実感しました。貴社は食品業界の中でも独自ブランドの開発に注力しており、特に〇〇シリーズが市場に新しい切り口を提示している点に魅力を感じています。入社後は営業職として現場での顧客関係構築を経験しながら、将来的には商品企画にも携わりたいと考えています。」
就職の履歴書 自己PR欄の書き方
自己PRは採用担当者が「この人はウチで活躍できるか」を判断するための欄です。学生らしい経験でも、具体的な行動と結果を数値や事実で表現できれば十分に評価されます。
採用担当者が「使えない」と判断する自己PRのパターン
以下のパターンは新卒の自己PRでよく見られる失敗例です。採用担当者は同じような文章を大量に読むため、これらに当てはまると印象がほぼゼロになります。
- 「私の強みはコミュニケーション能力です」だけで終わる:コミュニケーション能力を強みに挙げる学生は全体の半数以上。それを「どんな場面でどう活かしたか」を書かないと差別化ゼロ
- 「〇〇を頑張りました」で終わり、成果が書かれていない:努力した事実より「その結果どうなったか」が採用担当者の関心事
- 部活・ゼミの概要説明で終わっている:「テニスサークルに所属していました」は自己PRではなく自己紹介。その経験から何を学び、仕事にどう活かすかまで書く
学生時代の経験を活かした自己PR例文
NG例文
「私はテニスサークルに所属しており、週3回の練習を欠かさず参加していました。チームのみんなと協力して活動することで、協調性が身につきました。」
問題点:何を成し遂げたかが一切ない。「協調性が身につきました」は具体的な根拠のない主観的な表現。
良い例文
「大学2年次からテニスサークルの幹事を務め、部員50名の練習スケジュール管理と大会エントリーを担当しました。当初は練習参加率が60%程度でしたが、参加しやすい時間帯のアンケートを取り練習日程を調整した結果、3か月で80%まで改善しました。この経験から、課題を数字で把握し改善策を実行する力が身についたと考えています。貴社の営業職でも同様のアプローチで目標達成に貢献したいと思います。」
証明写真の撮り方と貼り方
履歴書の写真は採用担当者が書類と照合し、面接前に人物像をイメージするために使います。写真の印象が悪いと、それだけで選考に影響することがあります。
採用担当者が写真で確認していること
採用担当者が証明写真でチェックしているのは「顔立ちの良さ」ではありません。次の点を確認しています。
- 清潔感があるか:髪が顔にかかっていない、服装が整っている(スーツまたはそれに準じた服装)
- 3か月以内に撮影した写真か:古い写真を使い続けると「使いまわし」と判断される原因になる
- 表情が明るいか:無表情よりも、わずかに口角を上げた表情のほうが好印象を与える
- 背景が白か水色か:自宅で撮影する場合、生活感のある部屋の壁が背景にならないよう注意する
スマホ撮影のOKとNGの判断基準
スマホで証明写真を撮影すること自体はNGではありません。ただし明らかに自撮りとわかる角度・過度な加工は避けてください。専用の証明写真アプリを使い、コンビニで印刷する方法が現実的です。
| 項目 | OK | NG |
|---|---|---|
| 撮影方法 | 三脚固定・タイマー撮影・専用アプリ | 手持ち自撮り・至近距離での撮影 |
| 加工 | 明るさ調整・ホワイトバランス補正 | 顔のリサイズ・目を大きくする加工 |
| 背景 | 白・薄いグレー・水色 | 自室の壁・観光地・カフェ内 |
| 服装 | スーツ・清潔感のある服装 | パーカー・キャップ・派手なアクセサリー |
封筒の書き方と郵送・手渡しのマナー
履歴書は中身だけでなく、郵送・手渡しの方法も採用担当者の目に入ります。書類の内容が同等の場合、外側のマナーが判断材料になることがあります。
封筒への書き方・折り方・切手代
郵送する際の封筒は、履歴書を折らずに入れられる「角形2号(A4サイズが入る白封筒)」を使います。茶封筒でも問題はありませんが、白のほうが清潔感があります。コンビニで白封筒を購入することもできます。

封筒の表面には宛先(企業名・部署名・担当者名)を縦書きで記入します。宛名の最後は「〇〇部 〇〇様」または「採用担当者様」とします。封筒の表面左下に赤ペンで「履歴書在中」と記入し、定規で四角く囲むのが正式マナーです。切手代は封筒のサイズや同封物の重量によって変わります。角形2号封筒は定形外郵便になるため、郵便局の窓口で計量してもらうのが確実です。
封筒に書く日付は郵送なら投函日、手渡しなら面接当日の日付を記入します。

手渡しするときの渡し方
面接当日に手渡しする場合は、封筒に入れた状態で持参します。渡すタイミングは採用担当者から「履歴書をお持ちですか」と確認されたとき、または面接開始時です。
- 封筒から取り出して渡す(封はしない状態で持参する)
- 両手で書類を持ち、相手の正面に向けて差し出す
- 「よろしくお願いいたします」と一言添える
- クリアファイルに入れておくと、書類が折れ曲がりなく清潔な状態で渡せる
まとめ
- 日付・元号・西暦は履歴書全体で統一する
- 学歴欄は中学校卒業から書き、学校名は正式名称で記入する
- 新卒で職歴がない場合は「なし」と書き、空欄にしない
- アルバイト経験は職歴欄ではなく自己PR欄で言及する
- 資格は正式名称で記入し、応募先と関係のないものは省く判断も必要
- 志望動機は「なぜこの会社なのか」を企業固有の内容で書く
- 自己PRは経験の「結果」と「仕事への活かし方」まで書くことで差がつく
- 写真・封筒のマナーも採用担当者は確認している
採用担当者は1日に多数の書類を確認します。正確さと読みやすさを両立させた履歴書が、書類選考を突破する最短ルートです。
就職の履歴書 書き方に関するよくある質問
- 就職用の履歴書と転職用の履歴書は別のフォーマットが必要ですか?
-
フォーマット自体に「就職用」「転職用」の区別はなく、同じ様式を使用します。ただし新卒就職活動では職歴欄の書き方(「なし」とする)や志望動機の焦点(学生時代の経験から将来像へ)が転職とは異なります。
- 高校生が就職活動で書く履歴書に自己PR欄がない場合はどうすればいいですか?
-
高校生向けの履歴書フォーマットには自己PR欄がないものも多くあります。その場合、志望動機欄の中に自分のアピールポイントを組み込む形で記入します。「部活動での経験から学んだこと」「この仕事でどう活かすか」をコンパクトにまとめて記載します。
- エントリーシートと履歴書は両方出すのですか?
-
企業によって異なります。ESのみ、履歴書のみ、両方提出するケースがあります。両方提出を求められた場合は、内容が矛盾しないよう注意しながら書き分けます。ESは自由記述が多く、履歴書は事実を正確に記入する書類です。
- 履歴書に書き間違えた場合はどうすればいいですか?
-
修正液・修正テープ・修正ペンの使用は絶対NGです。書き間違えた場合は最初から書き直してください。PC作成であれば修正が容易なため、重要な就職活動ではPC作成のほうが効率的という側面もあります。
- 履歴書は何枚準備しておけばいいですか?
-
応募先の数に加え、2〜3枚の余裕を持って準備します。面接で追加提出を求められる場合や、内容確認用の控えとして手元に残す分を含めた枚数を用意しておくと安心です。PC作成であればいつでも印刷できますが、手書きの場合は事前に複数枚準備しておくことをすすめます。

