この記事では、履歴書の職歴欄に異動歴を書く際の基本ルールと、部署異動・転勤・出向・転籍など状況別の例文7パターンを解説します。採用担当者が書類を落とすNG例と、通過率を高める書き方のコツも紹介します。
履歴書の職歴欄に「異動」を書く3つの基本ルール
社内異動は転職ではないため「省略していい」と思われがちですが、職歴欄に空白があると採用担当者は「この期間に何があったのか」と必ず確認します。書かなかった異動が後からバレた場合、経歴詐称として採用取り消しになるケースがあります。
異動歴の記載には、次の3つのルールを守ることが基本です。
- 時系列で、漏れなく記載する(省略は経歴詐称につながる)
- 部署名・拠点名は正式名称で書く(略称は採用担当者に伝わらない)
- 「配属」と「異動」を正しく使い分ける(入社時のみ「配属」、以降はすべて「異動」)
採用担当者はここを見ている
- 職歴欄の空白期間がないか、最初に確認する
- 異動回数より「各部署で何をしていたか」を重視する
- 部署名の略称は「書類が雑な人」という印象を与える
「異動・配属・出向・転籍」の違いと書き分けの原則
「配属」は入社直後のみ使う言葉
「配属」という表現が使えるのは、入社してはじめて部署が決まるときだけです。2回目以降の部署移動は、たとえ本人希望による異動であっても「異動」と記載します。この使い分けを間違えると、採用担当者に人事制度の理解が浅い印象を与えます。
| 状況 | 使う表現 | 記載例 |
|---|---|---|
| 入社して最初の部署 | 配属 | 東日本営業部 配属 |
| 2回目以降の部署移動 | 異動 | 商品企画部へ異動 |
| 勤務地が変わる | 転勤 | 大阪支店へ転勤 |
「出向」「転籍」は異動と別物として記載する
出向と転籍は雇用関係が変わるため、社内異動とは区別した記載が必要です。特に出向は「元の会社に在籍したまま」という一言がないと、採用担当者には転職として見えてしまいます。
| 種類 | 雇用関係の変化 | 履歴書での記載方法 |
|---|---|---|
| 社内異動 | 変わらない | ○○部へ異動 |
| 転勤 | 変わらない | ○○支店へ転勤 |
| 出向 | 出向元に在籍したまま | ○○社へ出向(△△株式会社 在籍のまま) |
| 転籍 | 転籍先の社員になる | △△社 退職(転籍のため)→ ○○社 入社(転籍) |
【ケース別例文7選】異動歴の書き方パターン
①部署異動(社内異動)の書き方
同じ会社の中で別の部署に移った場合です。入社の記載行から1字下げ、「○○部へ異動」と書くことで、採用担当者が在籍した会社と所属部署を一目で把握できます。異動先でどのような業務を担当したかも簡潔に添えると、スキルが伝わりやすくなります。
良い例文
2018年4月 株式会社○○ 入社
東日本営業部 配属(法人営業担当)
2021年3月 商品企画部へ異動(新製品開発チーム リーダー)
2023年10月 マーケティング部へ異動(デジタル広告担当)
NG例
2018年4月 株式会社○○ 入社
2021年3月 異動
2023年10月 異動
どこへ何のために異動したのかが伝わらず、採用担当者はスキルを判断できません。
採用担当者はここを見ている
- 異動先で「何を担当したか」が1行あると、即戦力性を判断しやすい
- 異動のたびに業務が変わっている場合は、最後の行に「○○領域を一貫して担当」と添えると印象が変わる
②転勤(地域・拠点移動)の書き方
同じ会社のまま勤務地が変わる場合は「転勤」と記載します。エリアが変わった場合は支店名を明記し、担当エリアや役割も添えましょう。
良い例文
2020年4月 大阪支店へ転勤
関西エリア 法人営業担当(担当社数:約50社)
③出向の書き方
出向は「元の会社に在籍したまま、別の会社で働く」状態です。「在籍のまま」という補足を省くと、採用担当者は転職と認識してしまいます。出向元の会社名と出向先の業務内容を両方記載します。
良い例文
2021年6月 ○○株式会社へ出向(株式会社△△ 在籍のまま)
システム開発部 プロジェクトマネージャー
NG例
2021年6月 ○○株式会社 入社
システム開発部 プロジェクトマネージャー
「入社」と記載すると、採用担当者には転職回数が1回増えたように見えます。
④転籍の書き方
転籍は「元の会社を退職して別の会社の社員になる」行為です。退職と入社の両方を記載しないと、採用担当者が在籍期間を正確に把握できません。理由として「転籍のため」と補足しておくと、自発的な転職との区別が伝わります。
良い例文
2022年3月 株式会社△△ 退職(転籍のため)
2022年4月 ○○株式会社 入社(転籍)
首都圏事業部 営業課長
⑤店舗・施設間異動(複数拠点)の書き方
小売・飲食・医療介護などで複数の店舗・施設を経験した場合は、すべてを羅列すると職歴欄の余白がなくなります。昇格・役職変化・エリア変更など、キャリアの節目となる異動に絞って記載し、詳細は職務経歴書に委ねることが採用担当者への配慮です。
良い例文
2017年4月 ○○チェーン株式会社 入社
新宿店 配属(接客・在庫管理)
2019年7月 渋谷店へ異動(副店長)
2021年4月 品川店へ異動(店長)
※詳細は職務経歴書に記載
NG例
2017年4月 新宿店 配属、2017年12月 渋谷店、2018年6月 池袋店、2019年3月 恵比寿店、2019年9月 六本木店…(全13店舗を列記)
すべての異動を羅列すると、採用担当者は「どのポジションまで成長したか」を見失います。
⑥役職変更を伴う場合の書き方
昇格・役職変更が伴う異動は、部署名の下に「役職に昇格」と1行追記します。役職の変化はキャリアの成長軌跡を示す重要な情報で、採用担当者がマネジメント経験を確認する手がかりになります。
良い例文
2023年4月 東日本営業部へ異動
部長に昇格(部員15名のマネジメント担当)
⑦合併・分社化があった場合の書き方
会社の合併や分社化で社名が変わった場合も、正確に記載しないと採用担当者が在籍期間を誤解します。旧社名を()で補足することで、経歴の連続性が伝わります。
良い例文
2020年4月 ○○株式会社に社名変更
(旧:△△株式会社、吸収合併のため)
異動歴が多い場合の書き方|採用担当者に「転々とした」と思わせない2つの工夫
転職前の会社で異動が多かった場合、「書きすぎると不利になるのでは?」という不安が出てきます。しかし採用担当者が懸念するのは「異動の回数」そのものではありません。問題になるのは「異動歴からキャリアのまとまりが見えないとき」です。次の2つの工夫で、異動が多い経歴でも好印象を与えられます。
工夫1:一本の「キャリア軸」を見せる
複数の部署を経験していても、共通する軸がある場合は、職歴欄の最後の行か職務経歴書の冒頭で触れます。「○○の領域を一貫して担当」「○○業界の営業・マーケティングを複数部門で経験」のように1文で表現するだけで、採用担当者の読み取り方が変わります。
工夫2:詳細は職務経歴書に任せる
異動が5回以上ある場合は、主要な異動に絞って記載し、職歴欄の末尾に「※詳細は職務経歴書に記載」と1行添えます。採用担当者の読む負担を減らしつつ、省略していることを正直に伝えられます。
採用担当者はここを見ている
- 大企業のローテーション人事では、異動が多いことは当然で、それ自体はマイナス評価にはなりません
- 「会社都合の異動か、本人希望か」は必要であれば面接で確認します。履歴書への記載は不要です
- 各部署の在籍期間が1年未満の連続は「短期で異動させられた」と読み取る場合があります
履歴書の職歴欄を書く際には、無料の履歴書テンプレートを活用することで、職歴欄の余白と記入スペースを事前に把握できます。

採用担当者が書類を落とすNG例4パターン
履歴書の異動歴で特に多いミスを4パターンにまとめます。どれも「悪意はないが、採用担当者に誤解を与える」タイプのNG例です。
NG①「配属」と「異動」を逆に使っている
2回目の部署移動を「○○部に配属」と書く例です。採用担当者は人事制度の理解が浅い印象を受けます。「配属」は入社時の1回だけ。以降は「異動」に統一してください。
NG②部署名を略称で書いている
「営業部へ異動」と書いても、「第1か第2か」「東日本か西日本か」が採用担当者には伝わりません。「東日本第2営業部へ異動」のように、会社の正式部署名で記載します。
NG③出向を「入社」と誤記している
出向先の会社に「入社」と書くと、採用担当者には転職回数が多い経歴に見えます。「○○社へ出向(△△社 在籍のまま)」と出向元を必ず明記してください。
NG④異動歴を省略して空白期間を作っている
「2018年4月 入社 → 2024年3月 退職」のみ記載し、6年間の異動歴を全省略している例です。採用担当者は「この期間に何があったのか」を面接で必ず確認します。省略は経歴詐称のリスクがあるため、主要な異動は必ず記載します。
職歴欄の書き方でよく似た疑問が出やすいのが、ダブルワーク(副業)がある場合の記載方法です。本業と並行した副業の書き方も確認しておきましょう。

まとめ
- 異動歴は時系列で漏れなく記載する。省略は経歴詐称につながる
- 「配属」は入社時のみ使う言葉。2回目以降の部署移動はすべて「異動」
- 出向は「在籍のまま」を明記。転籍は退職と入社を両方記載する
- 異動が多い場合は主要なものに絞り「詳細は職務経歴書に記載」と添える
- 各異動先に担当業務の1行コメントを入れると採用担当者に伝わりやすい
履歴書の職歴欄は「事実の正確な記録」が基本です。異動歴を丁寧に記載することが、採用担当者への信頼感につながります。
履歴書の異動歴に関するよくある質問
- 異動の理由は履歴書に書く必要がありますか?
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基本的には不要です。履歴書の職歴欄は「いつ、どこへ、何をした」という事実を記録する欄です。異動理由を伝えたい場合は、職務経歴書や自己PR欄で触れる方が効果的です。ただし、応募する職種に直結するスキルアップのための自己申告異動であれば、「○○スキル習得のため希望した異動」のように一言添えるとアピールになります。
- 在籍中の会社で現在も異動を経験している場合、「現在に至る」はどこに書けばよいですか?
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直近の異動先部署の行の後に「現在に至る」と記載します。たとえば「2024年4月 マーケティング部へ異動 → 現在に至る」のように書くと、採用担当者が在職中であることと現在の所属を一目で確認できます。
- 異動歴を書き忘れて書類を提出してしまった場合はどうすればよいですか?
-
選考中であれば、速やかに採用担当者に連絡して修正版の書類を提出してください。意図せずとも「経歴詐称」と受け取られる可能性があります。提出前に職歴欄を入社から現在まで時系列で一通り確認する習慣をつけると防げます。


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