この記事では、高校中退の履歴書への書き方を採用担当者の視点で解説します。学歴欄の正確な記載フォーマット・中退理由の例文・高卒認定取得後の書き方・採用担当者がNG判定するミスまで、書類通過に必要な情報をまとめています。
高校中退の事実は履歴書に必ず書かなければならない
高校中退の経歴は、必ず履歴書の学歴欄に記載しなければなりません。「採用担当者にはわからないのでは」と考える方もいますが、これは大きなリスクを伴います。採用後に経歴詐称が発覚した場合、減給・降格・懲戒解雇の対象になることがあります。また、大手企業や公務員系の職種では、入社前に学歴証明書の提出を求められることも少なくありません。
採用担当者はあなたの「中退」という事実よりも、「その後に何をしてきたか」を見ています。正直に書いたうえで、中退後の行動やスキルをアピールするのが書類通過への近道です。
書かない(隠す)と経歴詐称になるリスク
高校中退を記載せず、学歴欄を「中学校 卒業」の次から突然「○○会社 入社」と書き始めると、学歴に空白が生じます。採用担当者がこれに気づいた場合、「何かを隠しているのでは」という印象を与え、選考に不利に働きます。
また、中退した事実を隠して「高校 卒業」と書いた場合は、明確な経歴詐称です。バックグラウンドチェック(身元調査)を実施する企業では書類段階での照合も行われており、採用後に発覚すれば雇用契約が取り消されるリスクもあります。どのような状況であれ、中退の事実は正直に記載することが唯一の正解です。
採用担当者は高校中退をどう見ているか
採用担当者が高校中退の経歴を確認するとき、実際に見ているのは次の3点です。中退の事実そのものではなく、「その後の姿」が判断の軸になっています。
- 中退した経緯に前向きな理由または説明できる背景があるか
- 中退後にどのような行動を取ったか(就業経験・資格取得・自己研鑽など)
- 応募先の業務で即戦力となるスキルや経験があるか
採用担当者はここを見ている
- 中退そのものを理由に一次落ちさせる企業は少数派。特に建設・介護・飲食・IT・物流など人手不足が続く業種では、実務スキルが学歴より重視される
- 中退後の空白が長い場合は「その期間に何をしていたか」が問われる。アルバイト・資格取得・独学など、何らかの行動を示せると評価が変わる
- 「なぜ中退したか」よりも「今どんな人か」を確認するための質問として中退経緯を聞く採用担当者が多い
高校中退の正しい書き方(記載例)
学歴欄のフォーマット
高校中退は、学歴欄に「中途退学」と正式表記で記載します。「中退」は略語であり、書類選考では「中途退学」のほうが丁寧な印象を与えます。記載する際の基本ルールは以下のとおりです。
- 学校名は正式名称(「○○高校」ではなく「○○高等学校」)を使う
- 学科(普通科・商業科・理数科など)も合わせて記載する
- 年号は「西暦」か「和暦」のどちらかに統一する(混在は厳禁)
| 年 | 月 | 学歴 |
|---|---|---|
| 平成○○年 | 4月 | 私立○○高等学校 普通科 入学 |
| 平成○○年 | ○月 | 私立○○高等学校 普通科 中途退学 |
入学と中退は必ず別の行に書く
入学した年月・学校名を1行目に、中退した年月・学校名+「中途退学」を次の行に書きます。入学の記録を省いて中途退学だけ1行で書くと、採用担当者が在籍期間を把握できず、かえって疑問を持たれます。
正しい記載例
令和○年 4月 ○○高等学校 普通科 入学
令和○年 ○月 ○○高等学校 普通科 中途退学
NG例
令和○年 ○月 ○○高校 中退
「高校」は正式名称でなく、入学年月がなく、「中退」は略語のため3つすべてNG
退学理由や中退後の経緯を詳しく記載したい場合は、高校退学理由の書き方の記事もあわせて確認してください。

高校中退後に別の学歴がある場合の書き方
高校中退後に専門学校・職業訓練校・大学などへ進んだ場合は、時系列で続けて記載します。中退と次の学歴の間に空白期間があっても、それはそのまま反映してかまいません。
| 年 | 月 | 学歴 |
|---|---|---|
| 平成○○年 | 4月 | 私立○○高等学校 普通科 入学 |
| 平成○○年 | 3月 | 私立○○高等学校 普通科 中途退学 |
| 令和○年 | 4月 | ○○専門学校 ○○科 入学 |
| 令和○年 | 3月 | ○○専門学校 ○○科 卒業 |
中退理由の書き方と例文【理由別】
学歴欄に「中途退学」と書くとき、後ろに理由を付け加えるかどうかは状況によって異なります。以下で理由別の書き方と例文を紹介します。
やむを得ない理由(経済的事情・病気・家庭事情)の例文
家族の療養・介護・経済的事情・自身の体調不良など、選択の余地のない理由で中退した場合は、括弧書きで簡潔に添えると採用担当者が誤解しにくくなります。
記載例
○○高等学校 普通科 中途退学(家族の療養に伴う経済的事情のため)
○○高等学校 普通科 中途退学(本人の病気療養のため)
○○高等学校 普通科 中途退学(家庭の事情のため)
採用担当者はここを見ている
- やむを得ない理由は書類段階での評価に直接影響しにくい。採用担当者は「理由がある中退」と認識する
- 面接では「その後どのように立て直したか」を聞かれるため、中退後の就業・資格取得の経緯を話せるよう準備しておく
前向きな理由(進路変更・独立・留学)の例文
独学でスキルを習得して就職した・海外留学のため・高卒認定試験に向けて集中したかったなど、積極的な理由での中退は、きちんと書くことで評価が上がる場合があります。
記載例
○○高等学校 普通科 中途退学(海外留学のため)
○○高等学校 普通科 中途退学(進路変更のため)
○○高等学校 普通科 中途退学(高等学校卒業程度認定試験合格のため)
理由を書かなくてよいケースの判断基準
いじめ・不登校・成績不振・人間関係のトラブルなど、書いても採用担当者にポジティブな印象を与えにくいと判断できる場合は、理由を書く必要はありません。「中途退学」という事実だけを記載し、面接で聞かれたときに誠実かつ簡潔に答える準備をするのが賢明です。
NG例
○○高等学校 普通科 中途退学(人間関係のトラブルのため)
採用担当者が「職場でも問題を起こすかも」と受け取るリスクがある。書かなくてよい理由の典型例
高校中退後に職歴のない空白期間がある場合は、履歴書の空白期間の書き方も参考にしてください。

高卒認定(大検)取得後の履歴書の書き方
高等学校卒業程度認定試験(通称:高卒認定)に合格している場合は、資格欄に記載します。ただし、高卒認定の合格によって最終学歴が「高卒」に変わるわけではありません。高卒認定はあくまで「高校卒業程度の学力があることを文部科学省が認定した資格」であり、最終学歴は中退した時点のまま(中学校卒業)となります。
| 記載欄 | 記載内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 学歴欄 | ○○高等学校 普通科 中途退学 | 変わらず記載する(省略しない) |
| 資格欄 | 文部科学省 高等学校卒業程度認定試験 合格 | 合格年月と合わせて記載する |
採用担当者はここを見ている
- 高卒認定を取得していることで「目標に向けて自ら行動した人」という印象を与えられる
- 「高卒以上」と求人に記載されている場合、高卒認定取得者が応募できるかは企業によって異なる。応募前に確認するか、面接で直接確認するのが確実
- 大学進学の前提として取得した場合は、その旨を面接でアピール材料にできる
採用担当者が「通過させたくなる」履歴書の条件
高校中退という経歴があっても、書類選考を通過する履歴書には共通のパターンがあります。採用担当者の視点から、NGミスと通過のポイントを整理します。
採用担当者がNG判定するよくある書き方ミス
NG例 4選
- 「中退」と略語で書いている → 正式表記は「中途退学」
- 入学年月を書かず中途退学だけ記載している → 在籍期間が不明になる
- 「高校」と略称で書いている → 正式名称は「高等学校」
- 西暦と和暦が混在している → 履歴書全体で統一が鉄則
これらは記載ルールの基本的なミスですが、採用担当者が書類を確認する際に「注意が足りない」「雑な性格かもしれない」という印象を与えます。中退の事実そのものより、こうしたミスのほうが評価を下げることがあります。
書類選考を通過するために押さえるべきポイント
採用担当者が評価する書き方のポイント
- 中退後のアルバイト・就業経験を職歴欄に詳しく記載する。「アルバイト」の1行で終わらせず、業種・担当業務・在籍期間を具体的に書く
- 取得した資格・検定を資格欄に漏れなく記載する(高卒認定・業務関連資格・ITパスポート・簿記など)
- 自己PR欄で「中退後に得た実務経験・スキル」を積極的に示す。学歴より職務内容を前面に出す構成が効果的
高校中退後にアルバイト経験を積んで正社員を目指す場合の職歴欄の書き方は、履歴書 アルバイトから正社員の書き方をあわせて参照してください。

中退後に無職期間がある場合は、履歴書 無職の書き方も参考になります。また、フリーターの履歴書の書き方では、アルバイト中心の職歴を整理する方法を解説しています。

面接で中退理由を聞かれたときの答え方
書類選考を通過した後、面接で中退理由を聞かれることがあります。答え方の基本は「過去の事実を誠実に説明し、現在の前向きな姿勢で締めること」です。長々と経緯を説明するより、端的に話して「その後どう行動し、何を得たか」に時間をかける方が印象に残ります。
理由別の面接回答例
やむを得ない理由(家庭・経済的事情)の回答例
「高校1年の終わりに父が病気になり、家計を支えるために就業せざるを得なくなりました。その後は仕事をしながら高卒認定試験に合格し、○○の資格も取得しています。現在は同じ業種で○年の就業経験があります。」
前向きな理由(進路変更・スキル習得)の回答例
「当時から○○の分野に強い関心があり、学校の授業より実務で学ぶ方が自分に合っていると判断しました。中退後はアルバイトをしながら独学で○○スキルを身に付け、その後○○の仕事に就いて現在に至ります。」
言いにくい理由(精神的な不調・人間関係)の回答例
「当時、体調面で学校に通い続けることが難しい状況でした。その後、体調を立て直しながら○○のアルバイトを始め、現在は○年間継続して就業しています。入社後は○○の業務に取り組みたいと考えています。」
採用担当者はここを見ている
- 回答は「過去の説明」+「現在の成果」+「今後の展望」の3段構成が理想的
- 中退の詳細よりも「その後どう行動したか」に時間をかけると、印象が前向きに変わる
- 「反省しています」「若気の至りでした」のような自己否定を長く続けると、採用担当者が気まずくなる。短く触れて次の話題に移るのがコツ
退学理由の書き方・面接での伝え方についてさらに詳しく知りたい場合は、退学理由の書き方と例文も参照してください。

まとめ
- 高校中退は必ず学歴欄に「中途退学」と正式表記で記載する。隠すことは経歴詐称にあたるリスクがある
- 入学と中退は別の行に書き、在籍期間を時系列で示す。学校名は略称でなく正式名称(○○高等学校)を使う
- 中退理由は前向き・やむを得ない場合は括弧書きで添えると好印象。ネガティブな理由は書かず、面接で誠実に答える準備をする
- 高卒認定取得者は資格欄に記載し、面接でのアピール材料にする(最終学歴は変わらない点に注意)
- 書類通過率を上げるには、学歴欄の正確な記載に加えて職歴欄・自己PR欄で中退後の実績を示すことが最大の差別化になる
高校中退の履歴書に関するよくある質問
- 高校中退の最終学歴は何と書けばよいですか?
-
最終学歴は「中学校 卒業」となります。高卒認定試験に合格しても最終学歴が「高卒」になるわけではなく、大学・専門学校を卒業することで初めて学歴が変わります。高卒認定は資格として資格欄に記載できます。
- 高校を中退した理由は必ず履歴書に書く必要がありますか?
-
必須ではありません。前向きな理由・やむを得ない理由であれば「中途退学」の後ろに括弧書きで添えると採用担当者に好印象を与えることがあります。一方、書いても良い印象を与えにくい理由の場合は記載せず、面接で誠実に答える準備をするほうが賢明です。
- 高校中退後にアルバイト経験しかない場合、履歴書はどう書けばよいですか?
-
アルバイト経験は職歴欄に正式に記載できます。「アルバイト」の1行で済ませず、業種・在籍期間・担当業務を具体的に書くことで採用担当者に実績を伝えられます。高卒認定や業務関連資格を取得しているなら資格欄にも漏れなく記載してください。
- 「高卒以上」の求人に高校中退者は応募できますか?
-
企業によって異なります。高卒認定取得者を「高卒以上」として認める企業もあれば、認めない企業もあります。応募前に求人票の条件をよく確認し、不明な場合は企業に直接問い合わせるか、転職エージェントを活用して事前確認するのが確実です。


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