この記事では、退学・中途退学の経歴がある場合の履歴書への書き方を、採用担当者の視点から解説します。高校・大学・専門学校別の正式な記載方法、退学理由の状況別例文9選、面接での答え方もあわせて紹介します。
退学の事実は必ず履歴書に記載する
退学(中途退学)の経歴がある場合、履歴書の学歴欄に必ず記載しなければなりません。「書かなくてもバレない」と判断して省略すると、入学歴と卒業歴のあいだに空白が生じます。採用担当者はこの空白を見逃しません。書類不備として扱われるか、意図的な記載漏れとして学歴詐称の対象となるリスクがあります。
採用担当者はここを見ている
- 学歴欄に不自然な空白がある場合、選考前に必ず確認します
- 中退そのものより「隠していた」という事実のほうが、信頼を大きく損ないます
- 学歴詐称が入社後に発覚した場合、懲戒解雇の対象になることがあります
正式な表記は「中途退学」
「退学」「中退」「中途退学」は日常的にほぼ同じ意味で使われますが、履歴書という公式文書には「中途退学」と書くのが正式です。「中退」は略語のため、正式書類への記載としてはふさわしくありません。また「退学」のみだと、懲戒退学(学校側から退学を命じられるケース)と受け取られる可能性があります。自己都合による退学であれば、必ず「中途退学」と記載してください。
学校・状況別の書き方(学歴欄への記載方法)
学歴欄には「入学」→「中途退学」の順で、年月とともに記載します。学校名・学部・学科は省略せず正式名称で記入するのが原則です。以下に、学校の種類と状況に応じた記載例をまとめます。
高校を中退した場合
| 年月 | 学歴の記載内容 |
|---|---|
| ○○年4月 | ○○高等学校 入学 |
| ○○年○月 | ○○高等学校 中途退学(一身上の都合により) |
退学理由がある場合は「中途退学」の後ろに括弧書きで一言添えます。理由を書きたくない場合は「中途退学」とだけ記載しても問題ありません。理由の書き方については後述の「状況別例文」を参照してください。
大学・短大・専門学校を中退した場合
| 年月 | 学歴の記載内容 |
|---|---|
| ○○年4月 | ○○大学 ○○学部 ○○学科 入学 |
| ○○年○月 | ○○大学 ○○学部 ○○学科 中途退学 |
大学名・学部名・学科名は略称ではなく正式名称で記入します。転部・転科を経て中退した場合は、転部の事実も時系列で記載してください。学部名や学科名が変わっている場合は、退学時点の名称を記載するのが基本です。
高卒認定(高認)を取得した場合
高校を中退した後に高等学校卒業程度認定試験(高卒認定・高認)に合格した場合は、高認の取得についても学歴欄に記載できます。高認合格は「大学受験資格がある」ことを証明するものであり、取得している場合は積極的に記載しましょう。
| 年月 | 学歴の記載内容 |
|---|---|
| ○○年4月 | ○○高等学校 入学 |
| ○○年○月 | ○○高等学校 中途退学 |
| ○○年○月 | 高等学校卒業程度認定試験 合格 |
中退後に再進学した場合
大学を中退した後に別の学校へ入学・卒業した場合は、すべての学歴を時系列で記載します。「最終学歴だけ書けばいい」という認識は誤りで、中退の記録を飛ばすと空白が生じ、採用担当者から必ず確認を求められます。
| 年月 | 学歴の記載内容 |
|---|---|
| ○○年4月 | ○○大学 ○○学部 入学 |
| ○○年○月 | ○○大学 ○○学部 中途退学 |
| ○○年4月 | ○○専門学校 ○○科 入学 |
| ○○年3月 | ○○専門学校 ○○科 卒業 |
退学理由の書き方と例文(状況別9選)
退学理由を履歴書に書くかどうかに、明確なルールはありません。書かなくても書類として問題はありませんが、一行添えるだけで採用担当者の受け取り方が大きく変わります。理由が相手に納得してもらえる内容であれば、中退そのものへの懸念は大幅に薄れます。
やむを得ない理由(経済的事情・家族の介護)
家庭の経済的な事情や家族の介護・看病など、本人の意志とは無関係の理由は、積極的に書くことをおすすめします。採用担当者が最も理解を示しやすいカテゴリで、書類選考への影響が最小限に抑えられます。
例文①:経済的事情による中退
家庭の経済的事情により、学業継続が困難となり中途退学
例文②:家族の介護による中退
父の急病に伴い家族の介護が必要となり、一身上の都合により中途退学
健康上の理由(病気・怪我・精神的な問題)
自身の病気・怪我・精神的な不調による場合も、理由として記載してよいカテゴリです。病名の詳細を書く必要はなく、「療養のため」「健康上の理由により」で十分です。現在回復していることを一言添えると、採用担当者の懸念を払拭しやすくなります。
例文③:健康上の理由による中退
健康上の理由により療養が必要となり中途退学。現在は回復し、業務に支障はありません
前向きな理由(進路変更・起業・留学)
別の分野への転換、留学、事業立ち上げなど、積極的な判断で中退した場合は、理由を書くことが差別化につながります。「なぜその判断をしたのか」を一言で説明できる形に整えておくと、面接で聞かれたときもスムーズに答えられます。
例文④:進路変更による中退
IT分野への関心が高まり、専門的なスキルを実践的に学ぶ環境への転換を決断し中途退学
例文⑤:起業による中退
学業と並行して取り組んでいた事業を本格化するため中途退学
例文⑥:留学による中退
海外留学の機会を得たため中途退学。○年○月帰国後、就職活動中
理由を書きたくない・書けない場合の書き方
「学業不振」「人間関係がうまくいかなかった」「なんとなく足が遠のいた」など、書いてもマイナスにしかならない理由の場合は、書く必要はありません。「一身上の都合により中途退学」と書くだけで書類上は問題ありません。「一身上の都合」は就職・退職・退学において広く使われる正式な表現であり、採用担当者も書類選考段階で深掘りすることはほぼありません。
例文⑦〜⑨:理由を書きたくない場合のパターン
- 一身上の都合により中途退学
- 一身上の都合により中途退学(その後、○○資格を取得し現在に至る)
- 一身上の都合により中途退学(現在は体調回復、就職活動中)
NG例:書いてはいけない理由の書き方
- 単位を落とし続けたため退学 → ネガティブな事実をそのまま書くと「問題のある人物」という印象を与えます
- 人間関係がうまくいかなかったため退学 → 職場でも同じ問題を起こすのではないかと懸念されます
- 就職するため中途退学 → 中退と就職に因果関係がなく、採用担当者に疑問を持たれます
採用担当者が退学理由で本当に確認していること
「退学した理由」は採用選考の入口にすぎません。採用担当者が実際に確認しているのは、退学という事実そのものではなく、「その後にどう動いたか」と「今この仕事に向かう動機は何か」です。
採用担当者が退学理由の欄で確認しているポイント
- 中退してから面接までのあいだに何をしていたか(職歴・スキル習得・資格取得など)
- 退学の理由と、その後の行動に一貫性があるか
- 入社後も同じ問題(逃げ・飽き・人間関係)を繰り返す可能性があるか
- 今の応募動機が明確で、長期的に働く意志があるか
中退そのものを採点しているわけではありません。「中退した後に何もしていなかった5年間」のほうが、中退の事実より大きな懸念材料になります。履歴書の学歴欄で退学を正直に書いたうえで、職歴欄や自己PR欄でその後の行動を補完することが、書類通過への実質的な近道です。
採用担当者が通過させたくなる退学理由の書き方
通過しやすい書き方の3条件
- 退学理由が一文で完結している(読みやすく、説明が明確)
- 退学後の行動が学歴欄・職歴欄・自己PR欄のいずれかで補完されている
- ネガティブな感情表現が一切ない
懸念を持たれやすい書き方のパターン
- 退学理由が書かれていない(空白)のに、中退後の数年間の空白もある
- 「就職するため中途退学」と書いている(中退と就職に直接の因果関係がない)
- 退学理由だけ詳しく書いて、その後の行動への言及が一切ない
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →面接で退学理由を聞かれたときの答え方
履歴書に退学を記載すれば、面接でほぼ確実に「なぜ中退したのですか」と聞かれます。ここでの答え方が、書類審査を突破した後の合否を左右することがあります。
基本の答え方の流れ
「理由 → 中退後の行動 → 現在の状態と意欲」の三段構成で答えると、採用担当者が聞きたいことをすべてカバーできます。
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ① 退学の理由 | なぜ中退したかを一言で | 事実を正直に、感情的にならず |
| ② 中退後の行動 | 何をしたか・どう立て直したか | 主体性と問題解決力を示す |
| ③ 現在の意欲 | 今この会社でなぜ働きたいのか | 前向きな動機を具体的に |
タイプ別の面接回答例文
面接例文①:家庭の事情で中退した場合
大学2年次に父が倒れ、家庭の経済状況が一変しました。学業継続が難しくなり中退を選択しましたが、その後は○○業界で4年間フルタイムで働きながら現場の仕事を覚えてきました。今回は正社員として腰を据えて働きたいという気持ちが強くあります。
面接例文②:進路変更で中退した場合
入学後に専攻分野との適性の違いを感じ、実際に手を動かして学べる環境のほうが自分に合っていると判断しました。退学後はWebデザインを独学で学び、フリーランスとして○年間実績を積んできました。今後はチームの中で大きな仕事に携わりたいと考え、転職を決意しました。
面接例文③:体調不良で中退した場合(一身上の都合)
当時は体調面での不調があり、学業継続が難しい状況でした。今は完全に回復しており、その後の○年間はフルタイムで働いてきた実績があります。あの時期の経験から、体調の自己管理と無理のない働き方を意識するようになりました。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 退学(中途退学)は学歴欄に必ず記載する。省略すると学歴詐称となるリスクがある
- 正式な表記は「中途退学」。「中退」は略語のため履歴書では使用しない
- 理由を書く場合は「やむを得ない事情」「前向きな理由」が有効。書きたくない場合は「一身上の都合により中途退学」でOK
- 採用担当者が確認しているのは「中退した事実」より「その後の行動と現在の意欲」
- 面接では「理由 → 中退後の行動 → 現在の意欲」の三段構成で答える
採用担当者の評価基準は「中退かどうか」ではなく「今この会社で何ができるか」に置かれています。退学の事実を正直に記載したうえで、その後の行動で補完する。これが書類通過への最短ルートです。
退学理由の書き方に関するよくある質問
- 退学理由を履歴書に書かなくても選考は通りますか?
-
退学の「事実」は必ず書かなければなりませんが、「理由」の記載は必須ではありません。「一身上の都合により中途退学」と書くだけでも書類として問題はありません。ただし面接では理由を聞かれる可能性が高いため、事前に答えを準備しておくことをおすすめします。
- 懲戒退学(退学処分)の場合、履歴書にどう書けばいいですか?
-
「中途退学」と記載するのが一般的です。懲戒退学であることを履歴書に明記する義務はありません。面接で理由を尋ねられた場合は、当時の状況を簡潔に伝えたうえで、その後どう立て直したかに焦点を当てた説明が有効です。
- 高校・大学と2度中退した経歴がある場合、すべて書く必要がありますか?
-
はい、すべて記載する必要があります。学歴の空白は採用担当者から必ず確認の対象となります。2度の中退がある場合でも、事実を記載したうえで現在の職歴や保有スキル・資格で補完することが重要です。書類通過率を上げたい場合は、転職エージェントへの相談も有効です。
- 「就職するため中途退学」と書いても問題ありませんか?
-
この書き方はおすすめしません。採用担当者から「入学時点で就職のために退学するつもりだったのか」という疑問を持たれやすく、説明がかえって難しくなります。進路変更が理由の場合は具体的な理由を書くか、「一身上の都合」でまとめるほうが得策です。


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