この記事では、人事・採用担当への転職で提出する職務経歴書の書き方を解説します。採用担当者が書類選考で確認する5つのポイント、実績の数値化方法、よくあるNG例と改善後の例文を紹介します。
人事・採用担当の職務経歴書が難しいのは「採用のプロに審査される」から
人事・採用職への転職で最もやっかいなのは、書類を審査するのが採用業務のプロだという点です。一般職種とは異なり、面接官自身が採用の現場を知り尽くしているため、「なんとなく書いた」職務経歴書は一瞬で見抜かれます。
たとえば「採用業務全般を担当」という記述を見た採用担当者は、「で、何人採用したの?どんな手法を使ったの?」と即座に疑問を持ちます。採用の経験があれば、こういった情報が重要だと知っているためです。採用担当者の目に通用する職務経歴書を作るには、採用のプロが見る視点を先取りして書く必要があります。
採用担当者はここを見ている
- 採用した人数・職種の内訳(新卒○名・中途○名)が明記されているか
- どの採用チャネル・ツールを使ったかが具体名で書かれているか
- 数字で示せる改善実績(内定承諾率・採用コスト削減など)があるか
- 選考プロセスのどこからどこまでを担当したかが伝わるか
採用担当者が人事・採用の職務経歴書で確認する5つのポイント
①採用規模と採用手法の明示
採用担当者が職務経歴書で最初に確認するのは「どのくらいの規模の採用を経験しているか」です。5名規模のスタートアップと年間100名採用する大企業では、業務の複雑さが大きく異なります。自社の従業員規模と年間採用計画数を必ず明記してください。
- 従業員規模:例)従業員300名・グループ1,500名規模
- 年間採用計画数:例)新卒10名・中途30名
- 採用チャネル:例)求人媒体・人材紹介・リファラル・ダイレクトリクルーティング
②実績を数字で示せているか
「採用実績あり」という記述だけでは通りません。採用担当者が読んだ瞬間に「この人の採用成果は具体的に何か」が伝わる記述が必要です。内定承諾率・採用充足率・採用コストなど、数字で示せる実績を必ず1つ以上含めてください。
「数字が思い浮かばない」と感じる方も、採用した人数・通過率・コスト改善など、振り返れば必ず何かあります。数値が低い場合でも「課題として認識していた」という文脈で書けば問題ありません。
③採用ツール・媒体経験の記載
2020年代の採用担当者には、特定のツールや媒体への習熟が求められます。ATS(採用管理システム)・求人媒体・ダイレクトリクルーティングのいずれかを経験している場合は具体名で記載することが重要です。「求人媒体を活用」という記述では即戦力感が出ません。
| カテゴリ | 具体的なツール・媒体例 |
|---|---|
| ATS(採用管理システム) | Talentio、HRMOS採用、Greenhouse、SmartHR |
| 求人媒体 | リクナビNEXT、マイナビ転職、Indeed、Wantedly、Green |
| ダイレクトリクルーティング | ビズリーチ、LinkedIn、AMBI、転職ドラフト |
④選考プロセスへの関与度
採用活動の「どこからどこまで」関わったかを明示するのも重要です。JD(求人票)作成から内定後のオファー面談・クロージングまで一貫して担当した経験は、採用担当者にとって高く評価されます。逆に「日程調整のみ」であれば、その旨を正直に書いたうえで、他のポイントで補うべきです。
- JD作成・採用基準の言語化
- スカウト文作成・送付(媒体名・月間通数を明記)
- 書類選考・一次〜最終面接の担当
- 現場面接官へのトレーニング・基準すり合わせ
- オファー面談・クロージング
⑤チームマネジメント・連携実績
採用チームのリード経験や、現場マネージャーへの採用力強化研修の実施は、採用担当としての上位スキルとして評価されます。「採用チーム3名をリードした」「面接官トレーニングを設計・実施した」という経験があれば、忘れずに記載してください。採用担当者は「この人を採用したら、採用組織をより強くしてくれるか」という目線で見ています。
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職務要約の書き方と例文
職務要約は職務経歴書の冒頭に置く「自己紹介文」です。300文字以内で採用規模・主要業務・代表的な実績を凝縮して伝えます。採用担当者が最初に目を通す部分なので、ここで興味を持ってもらえるかが合否の分岐点になります。
良い例文(職務要約)
IT企業にて5年間、新卒・中途採用を一貫して担当してきました。年間採用数は新卒10名・中途20名規模で、ATS(Talentio)を活用した採用フロー整備と、ビズリーチを使ったダイレクトリクルーティングの導入により採用コストを前年比20%削減。内定承諾率を73%から87%へ改善しました。現在は採用チームの中心メンバーとして、JD作成・面接設計・採用基準の言語化まで採用プロセス全体に関与しています。
採用担当者はここを見ている(職務要約)
- 採用規模(人数)が明記されているか
- 具体的な数字(内定承諾率・コスト削減率)があるか
- どのツールを使い、どんな成果を出したかが伝わるか
職務経歴欄の書き方と例文
職務経歴欄は「担当業務」と「実績・成果」を分けて書くのが基本です。表形式で記載すると読みやすく、採用担当者が情報を比較しやすくなります。特に「実績・成果」欄には必ず数字を含めてください。
| 項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| 期間 | 2020年4月〜現在 |
| 会社規模 | 従業員300名(IT企業・SaaS) |
| 採用規模 | 年間採用計画50名(新卒10名・中途40名) |
| 担当業務 | JD作成、スカウト送付、書類選考、面接、オファー調整 |
| 使用ツール | Talentio(ATS)、ビズリーチ、Green、LinkedIn |
| 実績・成果 | 内定承諾率87%(前年73%)、採用コスト20%削減 |
活かせるスキル・経験の書き方
スキルセクションは、採用担当者が「この人は即戦力か」を判断するための早見表です。採用業務に直結するスキルを箇条書きで列挙し、ツール名は具体的に記載します。「採用業務経験あり」という記述は、このセクションでは意味を持ちません。
- 採用媒体運用(リクナビNEXT・マイナビ転職・Indeed・Wantedly)
- ダイレクトリクルーティング(ビズリーチ・LinkedIn・転職ドラフト)
- ATS操作・採用フロー設計(Talentio・HRMOS採用)
- 面接設計・採用基準の言語化
- 内定後オファー交渉・クロージング対応
- 採用面接官トレーニング(社内向け研修設計・実施)
自己PRの書き方と例文
自己PRでは「採用担当としての採用哲学」と「具体的な成果」をセットで書くのが効果的です。どんな考え方で採用に臨んできたのか、その結果どんな変化が起きたかを300〜350文字程度で記述します。「真摯に取り組んできました」で終わる抽象的な自己PRは評価材料になりません。
良い例文(自己PR)
採用担当として最も重視してきたのは、採用した人が長く活躍できる職場づくりです。入社後の定着率を高めるため、採用基準の言語化と現場マネージャーとの合意形成を徹底してきました。その結果、1年以内の早期退職率を15%から7%まで改善することができました。また、ダイレクトリクルーティングを積極的に活用し、従来の媒体依存型から脱却した採用チャネルの多様化を実現。採用単価を前年比25%削減しながら、採用品質を維持しています。新しい職場でも「採用した人が長く活躍できる組織づくり」という軸を大切にしながら、採用力の向上に貢献したいと考えています。
職務経歴書の作成に時間がかかる場合は、職務経歴書の自動作成ツールを活用するのも一つの方法です。

採用担当の実績を数値化する5つの方法
「採用実績がない」と感じている方でも、数字を探せば必ず出てきます。以下の5つの指標から、1つでも数字で表せるものを見つけてください。数値が低かったとしても、改善した過程を書けるなら十分なアピールになります。
採用人数・充足率・内定承諾率の書き方
| 指標 | 記載例 |
|---|---|
| 採用人数 | 年間中途採用20名(採用計画対比充足率95%) |
| 内定承諾率 | 内定承諾率87%(前年73%から改善) |
| 書類通過率 | 書類選考通過率をJD改訂後に8%から15%へ改善 |
| Time-to-hire | 平均採用日数を60日から42日に短縮 |
| 採用充足率 | 採用計画100%充足(3期連続) |
採用コスト・採用期間改善の書き方
採用コストの削減や採用プロセスの効率化実績は、採用担当者が特に評価するポイントです。エージェント依存から自社採用への移行・ATSの導入・スカウト媒体の切り替えなど、コスト改善に関わった経験があれば積極的に記載しましょう。
| 施策 | 記載例 |
|---|---|
| エージェント比率削減 | 直接採用比率を20%から65%へ(採用単価55%削減) |
| ATS導入効果 | 採用プロセスの手作業工数を月40時間削減 |
| ダイレクトスカウト活用 | スカウト返信率12%・採用コスト前年比30%削減 |
| 採用広報強化 | 自社採用ページのセッション数を前年比3倍に増加 |
採用担当者はここを見ている(実績の数値化)
- 採用人数だけでなく「計画比何%達成か」まで書かれているか
- コスト削減・プロセス改善など「事業への貢献」が見えるか
- 数値が低い場合でも「改善プロセス」が書かれているか
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →採用担当者が一発で見破るNG職務経歴書の3パターン
NG①業務の羅列のみで実績ゼロ
NG例
「新卒・中途採用の書類選考、面接調整、採用イベントへの参加、入社書類の手続きを担当」
なぜNG:事務作業として処理したのか、戦略的に関与したのかが区別できません。採用担当者は「担当した」という記述から成果を想像できないため、評価のしようがありません。
改善後の例文
「年間中途採用20名規模の採用を主担当として担当。書類選考基準の見直しにより通過率を8%から15%に改善。ビズリーチを活用したスカウトを月150通行い、返信率12%(媒体平均比7ポイント高)を達成」
NG②採用規模・会社情報が不明
NG例
「○○株式会社(2018年4月〜2022年3月)人事部にて採用業務を担当」
なぜNG:5人のスタートアップなのか3,000人の大企業なのかで、業務の難易度と経験値は全く異なります。採用担当者は組織規模を必ず確認します。この情報がないだけで「書き慣れていない人」という印象を与えます。
改善後の例文
「○○株式会社(従業員500名、IT企業)2018年4月〜2022年3月。採用チーム3名のうちリクルーター2名を主担当し、年間50名の採用計画に対して充足率97%を達成」
NG③採用手法・ツールの記載がない
NG例
「求人媒体を活用した採用活動、エージェントとの連携による中途採用業務を担当」
なぜNG:「求人媒体」がIndeedなのかリクナビなのかで媒体特性が全く異なります。採用担当者は「どのツールで何を実現したか」を見ています。「活用した」だけでは何も伝わりません。
改善後の例文
「リクナビNEXT・Greenを活用した中途採用。Talentio(ATS)による選考フロー一元管理を実施。ビズリーチを活用したエンジニア向けスカウトを月150通行い、内定承諾率82%を達成」
人事採用経験なしで人事職を狙う場合の書き方
人事未経験から人事・採用担当職への転職は難しいですが、不可能ではありません。採用担当者が未経験応募者に求めるのは「採用業務に近い経験の有無」と「コミュニケーション能力の実績」です。
他部署で採用補助を経験した・リファラル採用で候補者を紹介した・社内研修の企画運営を担当した、といった経験は、人事職への志望を裏付ける材料として有効です。また、営業職や顧客折衝経験も、候補者との関係構築力としてアピールできます。「人に関わる仕事がしたい」という志望動機だけでは採用担当者の心は動きません。
採用担当者がチェックしているポイント(未経験応募者)
- 採用業務に近い経験(社内インターン受け入れ対応・採用補助・入社オリエンテーション担当など)
- 折衝・コミュニケーション力の実績(営業・CS・プロジェクトマネジメント経験は転用可能)
- 人事職への志望理由の具体性(「どんな採用組織を作りたいか」まで言語化されているか)
- 人事系の自己研鑽(社労士受験・HR系セミナー参加・採用広報の勉強など)
書き方に迷う場合は、職務経歴書の有料添削サービスを活用することで、採用担当者の目線でフィードバックを受けることができます。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 人事・採用職の職務経歴書では「採用のプロに審査される」ことを前提に、採用担当者が見る視点を先取りして書く
- 採用規模・採用手法・ツール経験は必ず具体名で記載する(「求人媒体を活用」はNG)
- 実績は「採用人数」「内定承諾率」「採用コスト削減」など数字で示す
- NG例に共通するのは「業務の羅列のみ・規模不明・ツール不明」の3点
- 未経験から人事職を目指す場合は、採用業務に近い経験を棚卸しして言語化する
採用担当者に刺さる職務経歴書は、「何人採用したか」ではなく「どう採用に向き合い、何を変えたか」が伝わる書類です。
人事・採用の職務経歴書に関するよくある質問
- 職務経歴書に書く採用実績はどの程度詳しく書けばいいですか?
-
採用人数・使用したツール・改善した数値の3点を最低限含めてください。「年間20名採用・ビズリーチ活用・内定承諾率82%達成」のように1〜2行で凝縮すれば十分です。数値が揃わない場合でも、「採用充足率95%達成」「採用期間を60日から45日に短縮」など1指標から始めてください。
- 採用ツールの経験がほとんどない場合はどう書けばいいですか?
-
使用したことがあるツールを正直に記載したうえで、「新しいツールへの習熟スピードが早い」ことをアピールしましょう。具体的には「入社後3ヶ月でTalentioを習熟し採用フローを整備した実績がある」など、過去の習熟スピードを示すエピソードが有効です。使ったことがないツールを使ったように書くのは厳禁です。
- 採用担当歴2年未満でも人事職への転職は可能ですか?
-
可能です。重要なのは年数よりも「何をやったか・何を改善したか」です。2年以内でも採用プロセス全体に関与した経験・数値実績があれば十分なアピールになります。逆に年数が長くても業務の羅列のみの職務経歴書は通過しません。採用担当者が見ているのは「再現性のある採用スキルがあるか」です。


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