この記事では、作業療法士の履歴書の書き方を採用担当者の視点で解説します。資格欄の正式名称から就職先別の志望動機例文まで、書類選考を通過するために必要な情報を整理しました。
作業療法士の履歴書を書く前に押さえたい3つの基本ルール
作業療法士として就職・転職活動を進める際、履歴書の書き方には医療・福祉業界特有のルールがあります。基本を押さえておくだけで、採用担当者の最初の印象が変わります。
手書きかパソコンか—採用担当者の本音
医療・福祉施設の多くは、履歴書の作成方法について「手書きでもパソコンでも構わない」としています。重要なのは作成方法よりも、丁寧に作られているか・内容に具体性があるかという点です。
| 手書き | パソコン | |
|---|---|---|
| 採用担当者の印象 | 誠意・熱意が伝わりやすい | 整った見た目・修正しやすい |
| 向いている施設 | 個人クリニック・小規模施設 | 病院・大規模法人・企業 |
| 注意点 | 修正液・修正テープはNG | フォントと文字サイズを統一する |
採用担当者はここを見ている
- 手書きかパソコンかより、空欄がないか・誤字がないかを最初に確認する
- どこにでも送れる志望動機はパソコン・手書きに関わらず落とす対象になる
- 医療・福祉系では清潔感のある書類が「書類の丁寧さ=仕事の丁寧さ」として評価されることがある
作業療法士免許の正式名称と資格欄の正しい書き方
資格欄の書き方は、採用担当者が最初に確認する項目の一つです。作業療法士の資格欄で最も多いミスが名称の省略・誤記です。資格欄に記載する正式名称は「作業療法士免許 取得」です。
良い例文
2020年(令和2年)3月 作業療法士免許 取得
NG例
「OT免許取得」「作業療法士資格 取得」「作業療法士(国家資格)取得」
略称や「資格」という表記は正式名称ではないため、採用担当者に書類作成の基礎知識がないと受け取られる場合があります。
関連する資格を複数持っている場合は、取得年月日の古い順に並べるのが原則です。以下に代表的な関連資格の正式な記載例をまとめました。
| 資格名 | 正式な記載例 |
|---|---|
| 介護福祉士 | 介護福祉士 取得 |
| 社会福祉士 | 社会福祉士 取得 |
| 認知症ケア専門士 | 認知症ケア専門士 取得 |
| 住環境福祉コーディネーター | 住環境福祉コーディネーター○級 取得 |
| 普通自動車運転免許 | 普通自動車第一種運転免許 取得 |
採用担当者はここを見ている
- 正式名称が書かれているかどうかは、書類作成能力の基準の一つとして確認している
- 作業療法士免許の取得年月日は免許証に記載されている日付を記載すること(国家試験合格日とは異なる)
訪問リハビリや在宅ケアに関連する資格の書き方については、福祉住環境コーディネーターの履歴書の書き方も参考にしてください。

採用担当者が書類選考で落とす3つのNG
施設の規模・種類を問わず、以下の3点は採用担当者が確認した瞬間に評価を下げるパターンです。
- 例文の丸写し: 志望動機が他の応募者と全く同じ文章になっている。「どの施設にも送っている書類」と判断される
- 空欄を作る: 特に志望動機欄・自己PR欄の空欄は、熱意のなさと受け取られることがある
- 施設名・法人名の書き間違い: 複数施設に同時応募する際に起きやすい。「貴院」「貴法人」「貴社」の使い分けも含む
採用担当者はここを見ている
- 病院→「貴院」、社会福祉法人・医療法人→「貴法人」、株式会社→「貴社」が正しい使い分け
- 施設名を間違えた書類が届くことは珍しくない。転職活動中に複数施設に同時応募している場合は提出前に必ず確認する
作業療法士の履歴書【各項目の書き方】
作業療法士の履歴書で押さえるべき主な記入項目を確認します。
学歴欄の書き方—養成校・専門学校・大学の記載例
作業療法士の養成課程は、専門学校(3年制・4年制)・短期大学・大学・大学院と多様です。学歴欄の記入ルールを整理します。
- 最終学歴から数えて2〜3校さかのぼって記載するのが一般的
- 学部・学科・専攻名は正式名称で記載する(「リハビリ科」ではなく「作業療法学科」)
- 「卒業」「修了」を正確に使い分ける(大学院は「修了」)
- 「卒業見込み」は在学中の方のみ使用可
良い例文
2018年3月 ○○高等学校 普通科 卒業
2018年4月 ○○医療専門学校 作業療法学科 入学
2021年3月 ○○医療専門学校 作業療法学科 卒業
採用担当者はここを見ている
- 「リハビリ科」など学科名を省略した記載が多い。「作業療法学科」「作業療法専攻」と正式な学科名で記載すること
- 大学院修了者は「修士課程修了」「博士前期課程修了」と記載するのが正確
職歴欄の書き方—転職経験者・複数施設経験者の記載例
医療・福祉業界では転職回数が多い場合もありますが、すべての職歴を正確に記載することが原則です。医療・福祉施設への入退職には「入社・退社」ではなく「入職・退職」を使用することが最大の注意点です。
良い例文
2021年4月 医療法人○○ ○○病院 入職
2023年3月 医療法人○○ ○○病院 退職
2023年4月 社会福祉法人○○ ○○老人保健施設 入職
現在に至る
NG例
「2021年4月 ○○病院 入社」
医療・福祉施設には「入社・退社」ではなく「入職・退職」を使用します。「入社」という表記は採用担当者が確認するポイントの一つです。
病院・医療機関の職歴欄について詳しくは、履歴書の職歴欄(病院・医療機関)の書き方も参照してください。

ブランク期間がある場合の書き方
育児・介護・病気療養・その他の理由でブランク期間がある場合も、正直に記載することが基本です。隠そうとするより、前向きな説明を一言添えた方が採用担当者の印象はよくなります。
- 1〜2か月程度: 特に記載不要(転職活動期間として自然)
- 3か月〜1年程度:「○○年○月〜○年○月 育児・家事に従事」「○○年○月〜○年○月 体調不良のため休養」のように記載する
- 1年以上: 理由をできるだけ具体的に記載し、面接時の補足説明を準備しておく
採用担当者はここを見ている
- ブランク期間を隠そうとする書類は却って不信感につながることがある
- 正直に書いた上で、復帰に向けた自己研鑽(研修参加・資格取得勉強など)を一言添えると印象が変わる
空白期間のある方の履歴書全般については、履歴書の空白期間の書き方も参考にしてください。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →採用担当者が最初に読む「志望動機」の書き方
志望動機は、採用担当者が書類選考で最も時間をかけて読む項目です。他の項目が標準的でも、志望動機に具体性があれば書類選考を通過できます。
志望動機に必ず入れる3つの要素
採用担当者が志望動機で確認しているのは、「この施設で長く働いてくれるか」「専門職として何ができるか」「施設の方向性と合っているか」という3点です。以下の要素をすべて含めることが、通過率を上げる基本です。
- ① なぜ作業療法士になったか(動機のバックグラウンド): あれば1〜2文で簡潔に。新卒の場合は実習経験・在学中に学んだ専門分野が使える
- ② なぜこの施設・法人を選んだか(施設固有の理由): 最重要。施設のホームページ・求人情報から具体的な情報を引用する
- ③ 入職後にどう貢献したいか(自分の強みと施設へのメリット): 経験・専門スキルと結びつけて伝える
採用担当者はここを見ている
- 「作業療法士として患者さんのために貢献したい」という志望動機はどの書類にも書かれている。採用担当者が確認したいのは「なぜウチなのか」という部分
- 施設固有の理由が書かれていない書類は「どこにでも送っている書類」と判断されることがある
「なぜこの施設か」を具体的に書く方法
「貴院の○○に共感しました」だけでは、コピペと判断されます。施設タイプ別に「具体的に書ける情報源」と「切り口の例」を整理しました。
| 施設タイプ | 情報源 | 切り口の例 |
|---|---|---|
| 病院(急性期・回復期) | 診療科目・学会発表・特定機能病院認定 | 専門領域のリハビリ体制・ICUリハへの取り組み |
| 介護施設 | ケア方針・認知症ケアの特色・在宅復帰率 | 認知症専門チームによる個別アプローチ |
| 訪問リハビリ | 訪問可能エリア・多職種連携の仕組み | 地域包括ケアとの連携体制・退院後フォロー |
| 児童施設 | 対象年齢・支援方針・療育内容 | 感覚統合療法に取り組む療育環境 |
| 企業 | 事業内容・製品・社会的使命 | 福祉機器開発における専門家の視点活用 |
医療法人に応募する際の志望動機の書き方については、医療法人の志望動機の書き方と例文も参考にしてください。

【就職先別】作業療法士の志望動機例文
以下は就職先タイプ別の志望動機例文です。施設名・法人名・担当してきた疾患分野は必ず書き換えた上で活用してください。そのまま使用するとコピペと判断されます。
病院(急性期・回復期リハビリ病棟)に応募する場合
例文
前職では回復期リハビリ病棟で4年間勤務し、脳血管疾患後の上肢機能回復を中心に担当してまいりました。貴院の○○科における専門的なリハビリテーションと多職種連携への取り組みに共感し、応募いたしました。入職後は前職で培った上肢リハビリの経験を活かしながら、早期退院・地域移行を支える作業療法士として貢献してまいります。
採用担当者はここを見ている
- 病院(急性期・回復期)は即戦力を求めているケースが多い。どの診療科・疾患を主に担当してきたかを具体的に書くことが差別化になる
- 「リハビリが好き」ではなく「自分の経験がこの施設のどの場面で活きるか」を示すことが重要
介護老人保健施設・特別養護老人ホームに応募する場合
例文
これまで介護老人保健施設にて5年間、利用者の日常生活動作の維持・改善を支援してまいりました。貴施設が「できる限り自宅での生活を続けられるよう支援する」という方針を掲げている点に共感し、志望いたしました。在宅復帰支援の経験と認知症ケアの知識を活かし、チームの一員として利用者の自立支援に取り組んでまいります。
訪問リハビリ・訪問看護ステーションに応募する場合
例文
前職のデイケアで生活期のリハビリに関わる中で、「生活の場でのリハビリ」の重要性を強く感じるようになりました。貴事業所は地域の多職種と連携した在宅支援に定評があると伺っており、これまでの経験を活かして在宅での作業療法を実践したいと考え、応募いたしました。
採用担当者はここを見ている
- 訪問リハビリは施設内とは異なる判断力・応用力が求められる。生活動作の評価経験や環境調整・住宅改修の知識があれば積極的にアピールする
- 一人で訪問する対応力(コミュニケーション・自律性)を志望動機の中で示せると説得力が増す
訪問・在宅系に関連する資格をお持ちの場合は、福祉用具専門相談員の履歴書の書き方も参考になります。

児童発達支援・放課後等デイサービスに応募する場合
例文
学生時代の実習で小児リハビリに関わったことをきっかけに、発達障害のある子どもへの支援に関心を持ちました。前職では成人リハビリを担当しておりましたが、独学で感覚統合療法の基礎を学び、小児OTへの転向を目指してまいりました。貴施設が感覚統合療法を取り入れた療育を行っている点に共感し、ここでキャリアを積んでいきたいと考えております。
クリニック・外来リハビリに応募する場合
例文
急性期病院での3年間の勤務を経て、患者さんの退院後の継続的なリハビリ支援に携わりたいと考えるようになりました。貴クリニックが地域密着型で外来リハビリに力を入れている点と、生活期の患者さんを長期にわたって支援できる環境を魅力に感じ、応募いたしました。
企業・産業リハビリ・福祉機器メーカーに応募する場合
例文
前職の病院で、患者さんが使いやすい補助具・自助具の選定に関わる中で、製品開発の段階からリハビリの視点を取り入れることの重要性を感じるようになりました。貴社は福祉機器の開発・販売において実績をお持ちであり、作業療法士の専門的な視点を製品品質の向上に活かしたいと考え、応募いたしました。
作業療法士の自己PR欄で差をつける書き方
採用担当者が自己PRで確認していること
自己PRは「スキルの羅列」ではなく、「この人が入職後にどう活躍できるか」のイメージを採用担当者に伝えるためのものです。
採用担当者はここを見ている
- 「人の役に立ちたい」「コミュニケーションが得意」という自己PRは頻出。採用担当者が知りたいのは「何ができるか(どんな疾患・対象者に強いか)」という具体情報
- 担当してきた疾患・評価ツール・連携経験を一つでも具体的に書くと他の応募者との差がつく
自己PRに盛り込むべき内容は以下のとおりです。
- 担当してきた疾患・対象者(脳血管疾患・認知症・発達障害・整形外科疾患など)
- 得意とする評価・介入手技(FIM・Barthel Index・感覚統合・CI療法・住宅改修など)
- チームワーク・連携経験(NST・退院支援カンファレンス・ケアマネとの連携など)
- 自己研鑽・資格取得の実績(認知症ケア専門士・認定作業療法士・学会発表経験など)
経験・スキルを具体的に伝える例文
良い例文
前職では主に脳血管疾患後の上肢機能回復と高次脳機能障害への対応を担当し、FIMによる評価と目標設定を3年間継続してきました。チームカンファレンスでは退院支援の調整役を担い、ケアマネジャーや病院ソーシャルワーカーとの連携も経験しております。入職後も多職種チームとの連携を密にしながら、利用者の自立支援に貢献したいと考えております。
NG例
「患者さんに寄り添いながら、チームで協力して仕事をすることが得意です。どんな患者さんにも丁寧に向き合い、信頼関係を大切にしてまいりました。」
具体性がなく、どの職種にも当てはまる表現です。採用担当者には「経験が浅い」「書くことがない人」と受け取られる可能性があります。
医療・リハビリ系の他職種の履歴書・自己PRの書き方は、視能訓練士の履歴書の書き方も参考にしてください。

他の医療・介護職の履歴書の書き方として、歯科衛生士の履歴書の書き方(志望動機例文つき)も参考になります。
証明写真・封筒・提出マナー
証明写真で採用担当者が見るポイント
履歴書の写真は「3×4cm」が標準サイズです。作業療法士の求職時に採用担当者が実際に気にする点を整理します。
- スーツ着用が基本(白系のシャツ・ブラウス推奨)
- 表情は自然なほほえみ(無表情より好印象になりやすい)
- 背景は白・薄いグレーが無難
- 撮影は3か月以内が原則(古い写真は使用しない)
- スマホアプリで作成する場合は過度な加工に注意
採用担当者はここを見ている
- 写真だけで不採用になることはほとんどないが、乱れた服装や暗い表情の写真は第一印象に影響する
- 医療・福祉職は清潔感・誠実さが重視される職種のため、写真の印象は他の業界より評価に影響しやすい
封筒の書き方と郵送時の注意点
郵送の場合は封筒のサイズ・宛名の書き方・添え状(送付状)の3点を確認します。
| 提出方法 | 封筒 | 宛名 | 添え状 |
|---|---|---|---|
| 郵送 | 角形2号(A4が折らずに入るサイズ) | 「人事担当者様」または「採用担当者様」 | 必要 |
| 手渡し(面接時) | 二つ折りで封筒に入れても可 | 不要(直接渡す) | 不要 |
| メール添付 | 不要 | 不要(メール本文に記載) | メール本文に記載 |
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 資格欄は「作業療法士免許 取得」と正式名称で記載する(「OT免許」「作業療法士資格」はNG)
- 施設への入退職には「入職・退職」を使用する(「入社・退社」はNG)
- 志望動機は「なぜこの施設か」を施設固有の情報を引用して具体的に書く
- 自己PRは担当疾患・評価ツール・連携経験を盛り込み、「入職後の活躍イメージ」が伝わるよう書く
- 空欄・誤字・施設名の書き間違いは書類選考での確実な減点要因
採用担当者が書類選考で確認したいのは「この人が入職後に活躍できるか」という点です。経歴や資格が同程度でも、施設固有の理由を具体的に書いた志望動機と、担当疾患・評価経験を盛り込んだ自己PRを組み合わせることで、書類選考の通過率は確実に変わります。
作業療法士の履歴書に関するよくある質問
- 作業療法士の履歴書は手書きとパソコンどちらが良いですか?
-
多くの医療・福祉施設ではどちらでも問題ありません。重要なのは丁寧に作成されているかどうかです。大規模な病院や法人への応募ではパソコン作成が一般的で、個人クリニックや小規模施設では手書きが誠意として評価されることもあります。
- 資格欄に「作業療法士」とだけ書くのはNGですか?
-
資格欄には「作業療法士免許 取得」と正式名称で記載するのが正しい書き方です。「OT」「作業療法士資格」などの略称や「免許」を省略した表記はNGです。免許証に記載された取得年月日を西暦(または和暦)で明記してください。
- 転職回数が多いと書類選考で不利になりますか?
-
作業療法士は専門職のため、スキルアップや専門分野の深化を目的とした転職は採用担当者にも理解されます。短期間での退職が複数回続いている場合は、各職歴での担当業務や習得したスキルを具体的に書き、志望動機で長期就労への意欲を明確に伝えることが重要です。
- 新卒で書ける志望動機がありません。どうすればいいですか?
-
新卒の場合は「なぜ作業療法士を目指したか」という動機と「なぜこの施設を選んだか」の2点を軸にします。実習経験・卒業研究・在学中に学んだ特定分野(高齢者リハビリ・小児OTなど)を具体的に盛り込むと、採用担当者に入職後のイメージを持ってもらいやすくなります。
- 在職中の転職活動で「現在に至る」と書いていいですか?
-
はい、現職中の場合は職歴欄の最後に「現在に至る」と記載して問題ありません。その下に「以上」と記載することも忘れずに。


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