この記事では、作業療法士の職務経歴書の書き方を採用担当者の視点から解説します。施設別(回復期・生活期・精神科・小児)の例文、書類選考で落とされやすいNG例と改善策、採用担当者が書類を判断する基準まで解説します。
採用担当者が職務経歴書で何を見ているか
履歴書との違いを一言で言うと
履歴書は「スペックの確認書類」です。作業療法士免許の取得・学歴・勤務先の履歴を見て、採用基準の最低条件をクリアしているかを確認します。
職務経歴書の役割は異なります。採用担当者が職務経歴書を読む目的は、「このOTを採用したら、どんな患者・利用者に対して何ができるのか」「入職後にチームにどう貢献できるのか」を予測することです。
履歴書だけでは「作業療法士として3年勤務した」という事実しかわかりません。職務経歴書があって初めて「回復期で脳卒中患者を年150名以上担当し、退院前訪問指導の経験もある」という即戦力像が見えてきます。
採用担当者はここを見ている
- どの疾患領域・対象者に強いか(担当疾患・施設種別)
- どのくらいの期間でどれだけの経験を積んだか(担当件数・在籍期間)
- 今の施設が求める即戦力像と一致するか(スキルの方向性)
採用担当者が30秒でスクリーニングする3つの確認ポイント
医療福祉施設の採用担当者は、一度に多くの書類を確認しています。最初の30秒で「詳しく読む価値があるか」を判断し、そこを突破できなかった書類は詳細を読まれません。
- 職務要約が冒頭にあるか:まとめ文がないと経歴全体の概要がつかめず、詳細を読む気が失せる
- 業務内容が具体的か:「〜業務に従事」「〜に取り組んだ」では担当疾患も介入内容も何もわからない
- 数字が1つ以上含まれているか:担当人数・在籍期間・実績など、具体的な数値があるだけで信頼性が増す
作業療法士の職務経歴書に必要な5つの項目
作業療法士の職務経歴書には、以下の5項目が必要です。それぞれの役割と記載のポイントを確認してください。
| 項目 | 記載内容の目安 | 文量の目安 |
|---|---|---|
| ①職務要約 | 経験年数・担当疾患・得意領域を簡潔に | 3〜4行 |
| ②職務経歴 | 施設名・在籍期間・業務内容・担当件数 | 勤務先ごとに5〜8行 |
| ③保有資格・免許 | 作業療法士免許・上位資格・他資格 | 1〜3行 |
| ④スキル・専門領域 | 評価ツール・介入手技・担当疾患カテゴリ | 3〜5行 |
| ⑤自己PR | 強み・入職後の貢献イメージ | 4〜6行 |
①職務要約(冒頭の3行が勝負)
職務要約は職務経歴書の冒頭に入れる3〜4行の自己紹介です。採用担当者が最初に読む部分で、ここで興味を持てなかった場合、それ以降は流し読みになります。
「作業療法士として勤務してまいりました」のような一般的な書き出しは、何も伝えていないのと同じです。担当疾患・経験年数・得意な介入領域を一言で言い切る意識を持ってください。
良い例文
作業療法士として8年のキャリアを持ちます。回復期リハビリテーション病院(5年)と老健施設(3年)での勤務を通じ、脳血管疾患・認知症を中心とした高齢者の生活機能回復と在宅移行支援を専門としています。退院前訪問指導や住宅改修提案の経験も豊富で、医療期と生活期の双方の視点でアプローチできます。
NG例
作業療法士として様々な施設で勤務してまいりました。チームの一員として積極的に取り組んできました。「様々な施設」「積極的に取り組んだ」は情報ゼロ。担当疾患も経験年数も何もわからない。
②職務経歴(勤務先と業務内容)
勤務先ごとに、以下の5要素を記載します。勤務先が複数ある場合は、最新のものから順(逆年代順)に記載するのが一般的です。
- 施設名・施設種別・床数または定員数
- 在籍期間(〇年〇月〜〇年〇月)
- 担当した主な疾患・対象者
- 具体的な業務内容(評価・介入・カンファレンス参加・実習指導等)
- 担当件数・受け持ち数・実績(数字で示す)
③保有資格・免許
「作業療法士免許」は正式名称で記載します。採用担当者は略称や通称の記載を見て「書類の精度が低い」と判断することがあります。上位資格(認定作業療法士・専門作業療法士)がある場合は、積極的に記載してください。
| 資格の種類 | 正しい記載例 | NGな書き方 |
|---|---|---|
| 国家資格 | 〇年〇月 作業療法士免許 取得(第〇〇〇〇号) | 「OT免許取得」「作業療法士資格あり」 |
| 認定資格 | 〇年〇月 認定作業療法士 取得 | 「認定OT」「認定資格あり」 |
| 研修修了 | 〇年〇月 認知症ケアマッピング(DCM)認定者 取得 | 「DCM資格」 |
④スキル・専門領域
評価ツール(FIM・Barthel指数・MMSE等)や介入手技(感覚統合療法・CI療法等)、担当疾患カテゴリを箇条書きで記載します。
採用担当者はここを見ている
- 評価ツールの記載から施設種別との相性を確認している(例:生活期施設はFIM・Barthel、精神科はHADS等)
- 「なんでもできます」より「これが得意です」と絞り込んだ記載の方が印象に残る
- 認定作業療法士・専門作業療法士は採用の優先順位を上げる重要な情報になる
⑤自己PR
自己PRは「スキルの羅列」ではなく、「この施設への入職後に何をどう貢献できるか」を書く欄です。以下の3段構成で書くと採用担当者に届きやすくなります。
- 強みの核心:〇〇が得意/〇〇を専門としている
- 根拠となるエピソード:どんな患者・状況で・どんな結果を出したか
- 入職後の貢献イメージ:御施設では〇〇の強みを活かして〇〇したい
完全無料の履歴書・職務経歴書作成ツール
「サクレキ」質問に答えるだけで、選考書類がカンタンに完成
- 自己PR・志望動機も例文付きで安心
- スマホからでもOK。たった3分で履歴書・職務経歴書が完成
- 自動フォーマットで書き間違いゼロ
\ 完全無料・簡単3分で完成! /
無料で履歴書・職務経歴書を作成する →採用担当者に刺さる書き方のポイント
施設規模・担当疾患・患者数を数字で書く
職務経歴書で最も重要なのは「具体性」です。「多くの患者を担当」「幅広い疾患に対応」と書かれても、採用担当者は何も判断できません。数字のない職務経歴書は、採用担当者にとって「何もわからない書類」です。
- 施設規模:「病床数〇床」「定員〇名」「利用者数1日平均〇名」
- 担当量:「週〇件」「年間〇名担当」「受け持ち〇〜〇名」
- 在籍期間:「〇年〇か月」(〇年〇月〜〇年〇月の形式で明記)
「業務に従事」は落とされる表現
「一般業務に幅広く従事しました」「積極的に取り組んできました」——この2文が書かれた書類は、採用担当者にとって読む意味がありません。実際に何をしたかが1文も書かれていないからです。
NG例
脳卒中患者の一般的な作業療法業務に従事しました。チームで連携しながら積極的に取り組みました。
良い例文
脳血管疾患(主に脳梗塞・脳出血)の急性期〜回復期患者を担当(週20〜25名)。座位・立位バランス訓練、ADL訓練、FIM評価を中心に、週1回の多職種カンファレンスで退院前計画を策定。退院前訪問指導は年間25件実施。
アウトカムを数値で示す(FIM・在宅復帰率・担当件数)
リハビリ職特有の強みは「アウトカム」の数値化です。成果を数字で示せれば、採用担当者は「この人は結果を出してきた」という評価ができます。
| 領域 | 数値化できるもの(例) |
|---|---|
| 回復期 | FIM平均改善度、在宅復帰率、平均在院日数 |
| 生活期 | 月間訪問件数、転倒件数の変化、担当利用者数 |
| 精神科 | 退院・地域移行支援件数、SST実施回数 |
| 小児 | 担当児童数、保護者面談回数、集団療法の参加人数 |
正確な数値が手元にない場合は、施設の公開情報や自分の記録から概算で算出してください。「約〇名」「週〇件程度」という概算でも、記載があるかないかで採用担当者の印象は大きく変わります。
1〜2年目でも「書けることがない」は思い込み
「まだ1年しか経験がないから書けることがない」と感じているOTは多いです。しかし経験の浅さは、書き方で補えます。以下の観点で自分の業務を振り返ると、アピールポイントが見つかります。
- 担当した疾患の種類(件数が少なくても、担当できた疾患名を列挙する)
- 学んだ評価ツール・介入アプローチ(FIM・MMSEの取り方、特定の手技など)
- 実習指導や委員会業務(1〜2年目でも任された仕事はアピールになる)
- 取得・受講した資格・研修(学習への姿勢が伝わる)
採用担当者はここを見ている
- 経験年数が短い応募者には「素直に吸収できるか」「向上心があるか」を確認している
- 「できること」より「どうなりたいか」の記述が薄い書類は評価が下がる
- 1年目でも「この疾患に集中して経験を積んだ」という事実は立派なアピールになる
【施設別】作業療法士の職務経歴書 記載例
回復期リハビリテーション病院の場合
回復期では「担当疾患・FIM改善度・在宅復帰率」を数値化するのが基本です。退院前訪問指導の経験は、採用担当者が特に評価するポイントの一つです。
良い例文
回復期リハビリテーション病棟(50床)にて、脳血管疾患・運動器疾患を中心に年間150名を担当。退院前訪問指導を年間30件実施。担当患者のFIM平均改善度28点(病棟平均22点)、在宅復帰率87%(病棟平均81%)を維持。毎週の多職種カンファレンスにてOT代表として発言し、退院計画の策定に参加。
NG例
回復期病棟において、患者様のリハビリ業務全般を担当しました。チームワークを大切にしながら積極的に取り組みました。数値・担当疾患・具体的な業務が一切なく、採用担当者には「何もアピールしていない」と読まれる。
老健・デイサービス・訪問リハビリ(生活期)の場合
生活期では「認知症ケア・訪問リハビリの件数・住宅改修の実績」が採用担当者の注目点です。在宅での生活を支える視点を、数字と具体的な介入内容の両面で示してください。
良い例文
介護老人保健施設(定員100名)にて、認知症・廃用症候群の高齢者を中心に週45件のリハビリを担当。認知症ケアマッピング(DCM)を施設内に導入し、BPSDの頻度低減に貢献。訪問リハビリ業務を兼務し、月20件の訪問指導と自宅環境に合わせた福祉用具選定・住宅改修提案を実施。
NG例
老健施設にて、入所者様のリハビリを担当していました。認知症のある方にも丁寧に対応し、チームで連携しながら業務を行いました。施設定員・担当件数・介入内容が一切不明。「担当していました」だけでは採用担当者は何も判断できない。
精神科病院・クリニックの場合
精神科では「プログラム設計・地域移行支援・集団療法の経験」が採用担当者に評価されます。個別・集団プログラムの内容と対象疾患を具体的に記載してください。
医療法人(病院・クリニック)への応募では、施設の規模や種別に応じた書類の書き方を押さえておくことも大切です。医療法人の履歴書でよくある書き方のポイントもあわせて確認してください。

良い例文
精神科病院(病床数300床)の回復期・慢性期病棟にて、統合失調症・気分障害を中心とした精神障害者を担当。SST・作業活動・ADL訓練を組み合わせた個別・集団プログラムを設計・実施。地域移行支援として年間15名の退院後フォロー(地域活動支援センターとの連携含む)に従事。OT学生の実習指導(年1回)も担当。
NG例
精神科病院にて、精神障害のある患者様への作業療法を行いました。さまざまなプログラムを提供し、チームと協力して対応しました。疾患名・プログラム内容・地域連携の有無が一切わからない。「作業療法を行いました」は職務経歴書に書く意味がない一文。
精神科・福祉系の医療機関への転職では、精神保健福祉士など他の職種の書き方も施設が重視する項目の傾向を知る参考になります。精神保健福祉士の履歴書と採用担当者が見るポイントも参考にしてください。

小児(発達支援・特別支援学校等)の場合
小児領域では「感覚統合療法・ASD/ADHD等への介入・保護者支援・他機関連携」が採用担当者に重視されます。療育・支援の視点と、保護者・学校・保育園との連携経験を記載してください。
良い例文
児童発達支援・放課後等デイサービス(定員20名)にて、ASD・ADHD・DCD等の発達障害児を担当(1日6〜8名、週5日)。感覚統合療法を中心に粗大・微細運動と感覚処理の発達を支援。保護者への月次フィードバック面談と、学校・保育園への連絡調整を担当。年2回、保護者向け勉強会を企画・運営。
NG例
発達障害を持つお子さんの療育施設にて、感覚統合などのリハビリを行いました。保護者の方ともコミュニケーションを取りながら丁寧に対応しました。施設定員・担当人数・具体的なアプローチが不明。保護者支援・他機関連携の有無もわからない。
採用担当者が落とす職務経歴書 NG例5選
採用担当者が書類選考で実際に落とした職務経歴書のパターンを5つ紹介します。NGの理由と改善のポイントをセットで確認してください。
NG1:施設名のみで業務内容が書かれていない
【NG例】「〇〇病院 作業療法士 2020年4月〜2023年3月」
【改善点】施設種別・床数・担当疾患・週の担当件数を1〜2文で追加する。施設名だけでは採用担当者は「この人が何をしてきたか」を知る方法がありません。
NG2:「業務に従事」「取り組んだ」だけの記載
【NG例】「一般的な作業療法業務に幅広く従事しました」
【改善点】担当疾患・評価ツール・介入内容・実績の数値を記載する。「幅広く従事」は「何もしていない」と同義になります。
NG3:数字が一切ない
【NG例】「多くの患者さんを担当し、成果を出すことができました」
【改善点】「年間150名担当」「FIM平均改善度28点」「在宅復帰率87%」など、必ず1つ以上の数字を入れる。数字がないアピールは採用担当者に「なんとなくうまくいった」以上の情報を与えません。
NG4:略語・専門用語を説明なく使う
【NG例】「FIM・ADL・SSTに対応し、OTとしてPT・STと連携してBPSD患者への介入を実施しました」
【改善点】略語を初出時に正式名称で書くか、括弧で説明を添える。採用担当者の中には事務担当者が書類を確認するケースもあり、略語だけでは内容が伝わりません。
NG5:履歴書の職歴欄と全く同じ内容を繰り返す
【NG例】「〇〇病院に入職。作業療法士として勤務。〇年〇月退職。」
【改善点】職務経歴書では業務の「中身」を書く。勤務先名と在籍期間の記載は履歴書の役割で、それを繰り返すだけでは職務経歴書を提出する意味がありません。
作業療法士の転職で職務経歴書をうまく書けない場合の対処法
「自分では書き方がわからない」「書いたけど自信がない」という場合、主に3つの選択肢があります。
リハビリ職専門の転職エージェントに登録する(無料)——キャリアアドバイザーが職務経歴書の添削を無料で行います。エージェントは採用担当者がどんな書類を好むかを熟知しているため、自分では気づけないNG表現や不足情報を指摘してくれます。
職務経歴書の作成を効率化したい場合は、自動作成ツールの活用も選択肢の一つです。入力フォームに従って情報を入れるだけで骨格ができあがるため、「何から始めればいいかわからない」状態から抜け出せます。

より確実に書類選考を通過したい場合は、プロへの添削依頼も検討できます。有料添削サービスと無料のエージェント添削の違いを確認したうえで、状況に合った方法を選んでください。

時間がない・書くことがどうしても思いつかない場合は、代行サービスという選択肢もあります。無料で頼める職務経歴書の代行方法でサービスの詳細を確認できます。

完全無料の履歴書・職務経歴書作成ツール
「サクレキ」質問に答えるだけで、選考書類がカンタンに完成
- 自己PR・志望動機も例文付きで安心
- スマホからでもOK。たった3分で履歴書・職務経歴書が完成
- 自動フォーマットで書き間違いゼロ
\ 完全無料・簡単3分で完成! /
無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 職務経歴書は履歴書と役割が異なり、採用担当者が「入職後の即戦力像」を判断するための書類
- 施設規模・担当疾患・担当件数・アウトカムを数値で示すことが書類選考通過の最重要ポイント
- 「業務に従事」「積極的に取り組んだ」などの抽象表現は採用担当者に何も伝えない
- 施設別(回復期・生活期・精神科・小児)で書き方の軸は異なる。応募先の種別に合わせた記載を心がける
- 1〜2年目の経験でも、担当疾患・評価ツール・受講研修を具体的に書けば情報密度の高い書類になる
転職エージェントへの登録で無料の添削サポートも活用できます。書類の完成度を高めてから応募することで、書類選考の通過率が上がります。
作業療法士の職務経歴書に関するよくある質問
- 職務経歴書はA4何枚で書くのが正解ですか?
-
作業療法士の職務経歴書はA4用紙1〜2枚が目安です。経験が3年以上ある場合や複数施設での勤務歴がある場合は2枚、1〜2年目や経験施設が1か所の場合は1枚でまとめるのが適切です。情報を詰め込んで読みにくくするより、採用担当者が30秒で読める量に絞る方が評価されます。
- 作業療法士の国家資格はどこに・どう書きますか?
-
「保有資格・免許」の項目に正式名称で記載します。記載例は「〇〇年〇月 作業療法士免許 取得(第〇〇〇〇号)」です。「OT免許」「作業療法士資格」などの略称・通称は避けてください。認定作業療法士・専門作業療法士などの上位資格がある場合も、同じ項目に正式名称で追記します。
- 経験が1〜2年しかなくても職務経歴書を書けますか?
-
書けます。経験年数よりも「何に注力したか」「何を学んだか」を具体的に書く方が採用担当者に伝わります。担当疾患・学んだ評価ツール・受講した研修・取り組んだ業務を丁寧に書けば、経験が短くても情報密度の高い書類になります。「書けることがない」と感じたら、1日の業務の流れを書き出してみると意外なアピールポイントが見つかります。
- 複数の施設を短期で転職している場合はどう書きますか?
-
各勤務先ごとに「業務内容」と「転職の背景(1〜2文)」をセットで記載します。複数施設の経験は「多様な疾患・対象者への対応力」としてポジティブに言語化できます。それぞれの転職が「スキルアップの選択」であったことを業務内容から伝えることで、転職回数の多さをマイナスに読まれにくくなります。
- 手書きとPC作成、どちらが採用担当者に好印象ですか?
-
医療福祉系の転職では、PC作成の職務経歴書が一般的です。内容の見直し・修正がしやすく、A4用紙に情報を整理しやすいため、採用担当者も読みやすくなります。施設から「手書きで」と指定がない場合は、PC作成を選んでください。


コメント