この記事では、職務経歴書をパソコンで作るためのテンプレートの種類・無料入手先・選び方を、採用担当者が実際にチェックするポイントから逆算して解説します。テンプレートを使っても落ちる人と通る人の違いはフォーマットにあるのではなく、書く内容にあります。
職務経歴書はパソコン作成が原則|採用担当者の本音
「手書きとパソコン、どちらでもいい」と考えている方は多いですが、採用の現場ではパソコン作成が暗黙の前提になっています。手書きで提出した場合、書類の内容以前に「なぜパソコンで作らないのか」という疑問を持たれることがあります。
採用担当者の半数以上がパソコン作成を希望する理由
マイナビ転職が採用担当者352人を対象に実施した調査では、パソコン作成の職務経歴書を希望する担当者が半数以上を占めています。理由として挙げられるのは以下の3点です。
- 読みやすさ:フォントが統一されており、内容の把握にかかる時間が短い
- 修正・更新の容易さ:志望職種に応じた調整ができていることが一目でわかる
- 情報量の担保:パソコン入力のほうがレイアウトを崩さず情報を詰めやすい
採用担当者は1日に数十件の書類を確認することがあります。手書きは1文字ずつ追う必要があるため、それだけで読むスピードが落ちます。同じ内容でも、パソコン作成の書類のほうが「整理されている」という印象を与えやすいのが現実です。
手書き提出でパソコンスキルへの不安を持たれるリスク
職種によっては、職務経歴書を手書きで提出すること自体がマイナス評価につながります。特に、事務・営業・IT系・金融など、パソコン操作が日常業務に含まれる職種では、「Wordも使えないのでは?」という懸念を持たれるリスクがあります。
| 職種 | 手書きのリスク | パソコン作成の評価 |
|---|---|---|
| 事務・経理 | Wordスキルへの疑問が生じやすい | ソフト操作能力の証明になる |
| 営業 | PDFや提案書を扱えるか不安視される | 提案書作成能力とセットで評価 |
| ITエンジニア | 業界スキルを疑われる | 当然の前提として好印象 |
| 介護・福祉 | 比較的許容度が高め | どちらでも大きな差はない |
ただし「手書きは絶対にNG」というわけではありません。採用担当者に「丁寧さ」を伝えたい場合や、求人票に「手書き可」と明記されている場合は手書きを選んでも問題ありません。ただし転職市場では、特別な理由がなければパソコン作成のほうが選考の土俵に上がりやすいのが実情です。
職務経歴書のパソコン用テンプレートの種類と選び方
テンプレートを選ぶ前に、フォーマットの種類を把握しておく必要があります。自分の職歴のパターンに合わないフォーマットを使うと、経験が伝わりにくくなります。採用担当者が「読みにくい」と感じる原因の多くは、内容以前にフォーマット選びのミスにあります。
編年体・逆編年体・キャリア別テンプレートの違い
| 形式 | 記載の順序 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 編年体 | 古い職歴から順に記載 | 職歴が少ない・転職回数が少ない人 |
| 逆編年体 | 直近の職歴から逆順に記載 | 転職経験がある・直近の職歴を強調したい人 |
| キャリア別(機能別) | 職歴ではなくスキル・職能でまとめる | 職種を変えたい・多様な業界経験がある人 |
転職市場では逆編年体が最も一般的です。採用担当者が「直近で何をしていたか」を真っ先に確認するため、最新の職歴が先頭にある逆編年体は読み手のストレスが少なくなります。はじめてどの形式を選べばいいか迷ったときは、逆編年体から始めるのが無難です。
転職回数・職歴の長さでの使い分け
- 転職1〜2回・職歴5年以内:シンプルな逆編年体テンプレートで十分。A4用紙1〜2枚にまとめることも可能
- 転職3回以上・職歴10年以上:各社での実績・成果を箇条書きで記載できる、余白の多いテンプレートを選ぶ。情報量に応じてA4用紙2〜3枚を想定する
- 職種変更を希望している:キャリア別(機能別)フォーマットで、スキルを前面に出す構成を選ぶ。「どの会社にいたか」より「何ができるか」を伝えやすい
採用担当者が「読みやすい」と感じるレイアウトのポイント
フォーマット選びと同様に、レイアウトの細部も採用担当者の印象に影響します。テンプレートを選ぶ際は以下のポイントを確認してください。
採用担当者はここを見ている
- 職務概要(冒頭の要約)が3〜5行でまとまっているか
- 各社での実績・成果が「数値」で書かれているか(「売上向上」ではなく「売上前年比120%達成」)
- フォントサイズが10.5〜11ptで統一されており、読むのに負担がないか
- 余白が極端に少なく、ぎっしり詰め込まれた印象になっていないか
- 「実績・成果」欄に具体的な記載があるか(空欄や「特になし」は印象を大きく下げる)
職務経歴書テンプレートの無料入手先と特徴比較
代表的な無料テンプレートの入手先と、それぞれの特徴をまとめます。いずれもWord(.docx)またはExcel形式でダウンロードでき、自分の経歴に合わせて加工が可能です。
転職サイト別のWordテンプレートの特徴
| 提供元 | 形式 | 特徴 |
|---|---|---|
| doda | Word・Excel | 編年体・逆編年体・キャリア別の3形式を用意。会員登録なしでダウンロード可 |
| マイナビ転職 | Word | 職種別のサンプルあり。各項目の記載例が具体的で参考にしやすい |
| リクルートエージェント | Word | 職種ごとにカスタマイズされたテンプレートあり。担当者への相談と合わせて活用できる |
| Microsoft Office | Word | Wordに標準搭載または公式サイトから入手可。デザインは多様だが、記載例なし |
はじめて職務経歴書を作る方は、記載例が豊富なdodaかマイナビ転職のテンプレートから選ぶのが手間が少なく済みます。Microsoft OfficeのWordテンプレートはデザインの種類は多いですが、各項目に何を書くかが示されていないため、書き方を別途調べる必要があります。
テンプレートを入力するだけでなく、AI機能でドラフトを自動生成してくれるツールも普及しています。詳しくは職務経歴書の自動作成ツール比較記事で解説しています。

パソコンなし・Wordなしでも職務経歴書を作る方法
パソコンを持っていない、またはWordがインストールされていない場合でも、以下の方法で対応できます。
- Googleドキュメント(無料):Googleドライブ上のテンプレートギャラリーに職務経歴書フォーマットあり。スマホ・PCどちらからも編集可能で、PDF出力・印刷にも対応
- 転職エージェントの書類作成サポート:リクルートエージェントやdodaなどの担当者が、ヒアリング内容をもとに作成をサポートしてくれる。無料で利用可能
- スマホ専用アプリ(無料):Yagishなどのスマホアプリで作成し、コンビニ印刷またはPDF提出に対応
自分では書き方がわからない、書類選考がなかなか通らないという場合は、職務経歴書の代行サービスを検討するのも選択肢のひとつです。

テンプレートを使って採用担当者が落とす3つのNG例
テンプレートを入手して「あとは埋めるだけ」と考えると、落とされやすい書類になります。採用担当者が実際に目にするよくある3つのミスを解説します。
NG例① 職務概要が抽象的なまま
職務経歴書の冒頭にある「職務要約(職務概要)」欄を、ほぼ修正せずに提出するケースがあります。テンプレートに記載例として書かれていた文章をそのまま残したり、自分の経歴を抽象的な言葉だけで表現してしまうパターンです。
NG例
「営業として売上向上に貢献してきました。コミュニケーション力を活かし、チームをリードした経験があります。」数値も職種の具体性もなく、誰が書いても同じ文章になってしまう。
良い例
「新規法人開拓担当として3年間勤務。テレアポから商談・契約締結まで一貫して担当し、担当エリアの年間売上を前年比132%に引き上げた実績があります。」
NG例② 実績・数値が空欄のまま
テンプレートには「実績・成果」と記載された欄があります。ここを「特になし」または空欄のままで提出する方が一定数います。採用担当者から見ると、「何もできなかった」または「自己評価ができない人」という印象になります。
数値が出しにくい職種でも、以下のように工夫できます。
- 「月次の処理件数:約200件」「対応顧客数:1日平均30名」
- 「業務効率化により処理時間を30%短縮」
- 「社内資料のExcelテンプレート化で入力ミスをゼロに削減」
概算でも「約○件」「おおよそ○%」と書いたほうが、空欄より評価されます。
NG例③ テンプレートのレイアウトが崩れている
WordのテンプレートはPCとプリンターの設定によって、印刷時のレイアウトが変わることがあります。採用担当者が「手を入れていない書類」と感じるのは以下のような状態です。
- 表の枠線が印刷時に消える・太さが揃っていない
- テキストがセルからはみ出している
- フォントが複数混在している(別の文書からコピペした痕跡)
- 2ページ目の冒頭が余白だらけで情報量が少ない
提出前にPDF変換して印刷プレビューを確認する習慣をつけると、こうしたミスはほぼ防げます。メール送付の場合もWordファイルではなくPDFで提出するほうが、閲覧環境によるレイアウト崩れを防げます。
採用担当者が通す職務経歴書の書き方(テンプレート活用編)
テンプレートをダウンロードしたあと、採用担当者に響く書類に仕上げるための2つのポイントを解説します。
職務要約(職務概要)の書き方
職務要約は採用担当者が最初に目を通す「要約文」です。3〜5行で自分の経歴と強みを伝え切るのが理想で、ここを読んで興味を持った担当者が詳細欄を読み進める構造になっています。以下の要素を入れると具体性が出ます。
- 業種・職種名(「小売業界での販売員として○年」)
- 主な業務内容(担当業務を1〜2文で)
- 最大の実績(数値を1つ以上含める)
- 今後の志向(次のポジションで活かしたいスキル)
良い職務要約の例
「食品メーカーにて、法人向け営業を7年間担当。担当顧客150社の新規開拓から既存フォローまで一貫して担当し、在任中に担当エリアの売上を累計40%拡大した実績があります。現在は商品企画部門への異動経験を活かし、マーケティング職へのキャリアチェンジを希望しています。」
実績・数値の具体化の仕方
「実績を数値で書く」と言われても、数値が出しにくい仕事をしてきた方は困ることがあります。以下の4つの視点で振り返ると、数値が見つかりやすくなります。
| 視点 | 数値の例 |
|---|---|
| 量 | 「1日の対応件数」「月間の処理件数」「担当顧客数」 |
| 変化率 | 「前年比○%」「前任者比○%削減」「目標達成率○%」 |
| スピード | 「処理時間○分短縮」「プロジェクト○日前倒し」 |
| 規模 | 「担当チーム○名」「予算○万円」「顧客数○社」 |
数値が出せないと感じる方も、業務の量・スピード・規模のどれかには必ず数字が紐づいています。概算でも「約○件」「おおよそ○%」と書いたほうが、空欄よりはるかに評価されます。
書類選考がどうしても通らない・内容を専門家に見てもらいたいという場合は、職務経歴書の有料添削サービスも選択肢のひとつです。

まとめ
- 職務経歴書はパソコン作成が原則。手書きは業種によっては書類選考前にマイナス評価につながるリスクがある
- テンプレートは転職回数・職歴の長さに合わせて編年体・逆編年体・キャリア別から選ぶ。迷ったら逆編年体
- 無料テンプレートはdodaやマイナビ転職が記載例つきで使いやすい。パソコンやWordがない場合はGoogleドキュメントやスマホアプリで対応可
- テンプレートを使っても、職務概要が抽象的・数値がない・レイアウトが崩れていると書類選考で落とされる
- 実績の数値化は量・変化率・スピード・規模の4視点で探す。概算でも書いたほうが空欄より評価される
テンプレートは「形式を整えるツール」です。採用担当者が評価するのは、その中に書かれた具体的な経験と数値です。
職務経歴書のパソコン作成に関するよくある質問
- 職務経歴書はWordとExcelどちらのテンプレートを使うべきですか?
-
どちらでも問題ありませんが、一般的にはWord形式が多く使われています。Wordは段落・箇条書き・フォントの統一がしやすく、文章量が多い場合に扱いやすいです。Excelはスキル一覧や資格欄を整理したい場合に向いています。PDF変換して提出する場合は、どちらの形式でも見栄えに大きな差はありません。
- 職務経歴書のテンプレートはどこから無料で入手できますか?
-
doda・マイナビ転職・リクルートエージェントの公式サイトでWord・Excel形式のテンプレートを無料でダウンロードできます。記載例つきのものを選ぶと、各項目に何を書けばいいかが分かりやすくなります。パソコンを持っていない場合はGoogleドキュメントやYagishなどのスマホアプリでも対応可能です。
- 職務経歴書は何ページが適切ですか?
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一般的にはA4用紙2枚(2ページ)が標準とされています。職歴が浅い場合は1枚にまとめることも可能ですが、3枚以上になると採用担当者が読む負担が増えます。ただし情報を削って内容が薄くなるより、3枚でもしっかりと実績が書かれている書類のほうが評価されます。
- 職務経歴書のテンプレートを複数の応募先に使い回しても大丈夫ですか?
-
テンプレートのレイアウトを使い回すのは問題ありません。ただし職務要約や志望動機に相当する部分に応募先向けの表現が残ったままになっていると、採用担当者には「使い回し」とすぐに気づかれます。テンプレートの枠組みは再利用しつつ、応募先ごとに職務要約と強調するスキルを書き直すのが基本です。


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