この記事では、履歴書を手書きで作成するかパソコンで作成するかを迷っている方に向けて、採用担当者の本音と調査データを基に正しい選び方を解説します。職種・状況別の判断目安、手書きで失敗したときの対処法、履歴書と職務経歴書を混在させてよいかどうかまで網羅しています。
結論からわかる——履歴書は手書きでもパソコンでも問題ない
最初に結論をお伝えします。企業から特に指定がなければ、履歴書は手書きでもパソコンでも問題ありません。採用の合否は履歴書の作成方法ではなく、内容・読みやすさ・応募先に合った書き方によって決まります。
「手書きのほうが熱意が伝わる」「パソコンのほうが印象がいい」といった声は転職活動者の間でよく聞かれますが、採用現場の実態はそれほど単純ではありません。まず調査データを確認してください。
採用担当者352人のリアルな声
マイナビ転職が採用担当者352人に実施した調査では、「パソコン作成が良い」と答えた割合が46.9%と最多でした。一方で「どちらでも良い」が約40%を占め、「手書きが良い」と明言した担当者は少数にとどまっています。
採用担当者352人の本音(マイナビ転職調査)
- 「パソコン作成が良い」:46.9%
- 「どちらでも良い」:約40%
- 「手書きが良い」:少数派
採用担当者が「どちらでも良い」と答える背景には、作成方法よりも「内容と読みやすさが最優先」という認識があります。作成方法そのものが合否に直結することは、基本的にはありません。
指定がある場合は指定に従うのが絶対ルール
「どちらでも良い」という前提が崩れるのは、企業や求人票に「手書き必須」「パソコン作成可」などの指定がある場合です。この指定を無視して提出すると、内容がどれだけ優れていても書類選考の段階ではじかれるリスクがあります。
求人票の「応募書類」欄、または企業の採用ページを必ず確認し、指示がある場合はそれに従ってください。指定が見当たらない場合は、後述する職種別の判断目安を参考にして選択してください。
採用担当者がパソコン作成を支持する本当の理由
「どちらでも良い」とはいいながら、なぜ採用担当者の約半数がパソコン推奨に傾くのでしょうか。その背景を理解しておくと、迷ったときの判断が速くなります。
読みやすさと管理効率が選考の前提になる
採用担当者は一度の選考で多数の応募書類を確認します。パソコン作成の履歴書は文字が均一で読みやすく、情報を素早く拾いやすい点が評価されます。手書きの場合、文字の癖や乱れが読み取りの妨げになることがあります。
また、パソコン作成の書類はPDF化して関係者に共有する場面でも扱いやすく、デジタルデータとして管理しやすい点が実務上のメリットです。採用担当者にとっての「読みやすい」は、字形だけでなく情報の配置や余白の使い方も含まれます。
採用担当者はここを見ている
- 読みやすさ:文字の均一さ、余白のバランス、情報の配置
- 情報の充実度:志望動機・自己PRの内容量と具体性
- ミスの有無:誤字・脱字、修正の跡がないか
- フォーマットの統一:日付の書き方、敬称、略語の使用が統一されているか
これらの観点から見ると、パソコン作成のほうがミスを事後修正しやすく、レイアウトも整えやすいため、採用担当者がパソコンを好む理由は「熱意の欠如」ではなく「書類の質の安定性」にあります。
パソコン作成には専用ツールを活用するとフォーマットの崩れを防げます。採用担当者目線で選んだ履歴書作成ツールの比較記事もあわせて確認してください。

手書きが有利になる3つのケース
「パソコン推奨」という傾向がある一方で、手書きのほうが採用担当者に好印象を与えるケースも存在します。自分の状況が以下のいずれかに当てはまるなら、手書きを積極的に選ぶ選択肢があります。
文字の丁寧さが仕事に直結する職種
保育士、介護士、医療事務、受付など、日常業務で手書きの書類やメモを多用する職種では、「字が丁寧に書けるかどうか」が実務スキルのひとつとして評価されます。採用担当者はこうした職種の履歴書を見るとき、「現場でのノート記録や申し送り書類を丁寧に扱える人か」を確認していることがあります。
字の上手さより「丁寧さ」が重要です。一文字ずつ丁寧に書かれた手書き履歴書は、それ自体が応募者の仕事への姿勢を示すアピールになります。
少人数採用・個性を重視する企業
ベンチャー企業や小規模な専門店、クリエイティブ系の事務所など、採用人数が少なく個性や価値観を重視する企業では、「この人はなぜうちを選んだのか」という熱量を見るために手書きを好む採用担当者もいます。
ただし、これは企業の社風によって異なります。迷う場合は、企業のウェブサイトや求人票のトーンから「丁寧さを大切にする文化か、スピードやデジタルを重視する文化か」を読み取るようにしてください。
「業界の慣習」として手書きが根付いているケース
金融機関や一部の老舗企業、伝統工芸・和食など「礼節」を重んじる業界では、手書き履歴書が今でも慣習として機能していることがあります。こうした業界では、パソコン作成の履歴書が「礼儀として物足りない」と受け取られるケースもゼロではありません。
該当の業界や職種への転職を検討している場合は、転職エージェントや業界に詳しい人に事前に確認しておくと安心です。
職種・状況別の選び方一覧
迷ったときにすぐ確認できるよう、職種や状況ごとの推奨をまとめました。あくまで目安であり、求人票に指定がある場合はそちらが最優先です。
| 状況・職種 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 事務・総務・経理 | パソコン | PCスキルのアピールになる |
| エンジニア・IT職 | パソコン | デジタルネイティブな姿勢を示せる |
| 営業職 | パソコン | 文字量が多く読みやすさが重要 |
| 保育士・介護職 | 手書き推奨 | 字の丁寧さが実務スキルの証明になる |
| 医療事務・受付 | 手書き推奨 | 正確さと丁寧さのアピール |
| 転職(全般・指定なし) | パソコン | 修正しやすく読みやすい書類が作れる |
| 新卒就活(指定なし) | どちらでも可 | 大学のキャリアセンターの方針に従う |
| アルバイト・パート | どちらでも可 | 求人票の指定を優先。なければ手書きも可 |
手書きで書くとき落とされる人がやりがちなミス
手書きを選択した場合、パソコンと違ってミスが起きたときのリカバリーが難しくなります。採用担当者が「この書類は雑だ」と判断する典型的なミスを、書き始める前に把握しておいてください。
修正テープ・修正液は使ってはいけない
手書き履歴書で最も多く見られるNGが、修正テープや修正液の使用です。採用担当者の目には「正式な書類に修正を加えた」と映り、誠実さへの疑問につながります。
間違えた場合は書き直しが原則です。書き直しの手間を省くためには、まず鉛筆で下書きをしてからボールペンでなぞる方法が有効です。下書きを消したあと、消しゴムの跡が残っていないか確認してから提出してください。
NG例
志望動機欄の途中に修正テープを貼り、その上から書き直している。採用担当者には「雑さ」と「慎重さの欠如」が同時に伝わります。
正しい対処法
- ボールペンで書く前に鉛筆で下書きする
- 間違えたらその用紙は破棄し、新しい用紙に書き直す
- 書く前に各欄の文字数を概算し、文字の大きさを事前に調整する
採用担当者が「雑」と判断する書き方の共通点
修正以外にも、手書き履歴書で減点になりやすいポイントがあります。書き終えたあとに以下を確認してください。
採用担当者はここを見ている
- 消えるボールペンの使用:フリクションなど熱で消えるインクは「消される可能性がある書類」として信頼性が下がる
- 略字・旧字体の混在:「㈱」「〃」などの略字は正式書類では使用しない
- 文字サイズのばらつき:欄の上半分に小さく書いて下半分が空白、または欄からはみ出している
- 鉛筆の下書き跡が残っている:ボールペンでなぞった後に消しゴムをかけていない
パソコンで書くときに注意すること
パソコン作成の履歴書は、修正のしやすさや読みやすさという点で手書きより有利です。ただし、パソコン特有の落とし穴もあります。特にフォント選びと印刷前の確認は省略しないでください。
フォント・サイズの正しい選び方
パソコン作成では、フォントの選択が書類の印象を左右します。基本は明朝体、サイズは10.5〜11ptです。
| OS | 推奨フォント | 文字サイズ |
|---|---|---|
| Windows | 游明朝・MSP明朝 | 10.5〜11pt |
| Mac | ヒラギノ明朝 | 10.5〜11pt |
| 共通NG | HGP創英角ポップ体・MSPゴシック | 装飾が強く読みにくい |
フォントは書類全体で統一すること。見出しと本文でフォントが混在すると、統一感のない書類になります。フォントの選び方については、履歴書フォントの選び方と採用担当者が見るポイントもあわせてご覧ください。

印刷前に確認する3つのポイント
- データの使い回しに注意:前の応募先の会社名・担当者名が残っていないかを必ず確認する
- 余白・印刷領域の確認:プリンタの印刷可能領域で欄の端が切れていないかをプレビューで確認する
- 写真の解像度:貼付する写真が低解像度で印刷時に粗くなっていないかを確認する
パソコン作成に適したテンプレートを使うとレイアウトの手間を大幅に省けます。無料で使える履歴書テンプレートの選び方と注意点も参考にしてください。

「履歴書は手書き、職務経歴書はパソコン」は混在してよいのか
転職活動では、履歴書と職務経歴書をセットで提出することが一般的です。「履歴書は手書きにしたいが、職務経歴書はパソコンで書きたい」という状況は珍しくありません。
結論として、履歴書が手書きで職務経歴書がパソコン作成という混在は問題ありません。職務経歴書はそもそも「パソコンで作成するもの」という認識が採用現場では一般的であり、手書きの職務経歴書が提出されることは転職においては少数派です。
採用担当者はここを見ている
- 内容の一貫性:履歴書と職務経歴書で日付・職歴・会社名が矛盾していないか
- 情報の具体性:職務経歴書に実績・数字・担当範囲が具体的に書かれているか
- 混在そのものの問題:手書きとパソコンの混在は稀にしか問題視されない。内容の矛盾のほうがリスクが高い
混在が問題になるのは、手書き・パソコンの違いではなく書かれている内容が書類間で食い違う場合です。提出前に両書類を並べて、職歴の時期・会社名・役職に矛盾がないかを必ず確認してください。
まとめ
- 企業から指定がなければ、履歴書は手書き・パソコンどちらでも問題ない
- 採用担当者の約47%がパソコン推奨。理由は読みやすさと書類の質の安定性
- 保育士・介護職・医療事務など手書き業務が多い職種では、手書きが実務スキルのアピールになる
- 手書きの場合、修正テープ・修正液の使用は厳禁。間違えたら書き直しが原則
- パソコンの場合、フォントは明朝体(10.5〜11pt)を使用し、データの使い回しに注意
- 「履歴書は手書き、職務経歴書はパソコン」の混在は問題ない。内容の一貫性が最重要
どちらの方法を選んでも、採用担当者が最終的に評価するのは作成方法ではなく内容です。志望動機・自己PRの充実度を最優先に考えて書類を仕上げてください。
履歴書の手書き・パソコンに関するよくある質問
- 履歴書を手書きにすると採用に有利になりますか?
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手書きにすることで採用が有利になるケースは限定的です。採用担当者が重視するのは書類の内容と読みやすさです。手書きのほうがアピールになるのは、保育士・介護職・受付など手書き業務が日常的に発生する職種や、個性・丁寧さを重視する少人数採用の企業に限られます。転職活動全般では、パソコン作成のほうが書類の質を安定させやすい点で支持されています。
- 手書き履歴書で間違えた場合、修正テープを使っていいですか?
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修正テープや修正液の使用は厳禁です。採用担当者から「正式書類に修正を加えた」と判断され、書類の信頼性が下がります。間違えた場合は、その用紙を破棄して最初から書き直してください。書き直しの手間を減らすために、あらかじめ鉛筆で下書きをしてからボールペンでなぞる方法が有効です。
- パソコン作成の履歴書でおすすめのフォントはありますか?
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WindowsはMSP明朝または游明朝、Macはヒラギノ明朝が基本です。文字サイズは10.5〜11ptが読みやすく、採用担当者への印象も良好です。HGP創英角ポップ体やMSPゴシックなど装飾が強いフォントは公式書類にそぐわないためNGです。フォントは書類全体で統一し、見出しだけ変えるような混在は避けてください。
- バイトやパートの応募でも、履歴書はパソコン作成で問題ありませんか?
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問題ありません。アルバイト・パートの応募でも求人票に指定がなければパソコン・手書きどちらでも構いません。読みやすさを重視するならパソコン作成が有利ですが、手書きであっても丁寧に書かれた書類は十分評価されます。企業からの指示がある場合はそちらに従ってください。


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