履歴書の学歴欄は「事実を書くだけ」のように思えますが、採用担当者が最初に目を通す箇所のひとつであり、書き方のミスが選考に直接影響することがあります。この記事では、新卒の履歴書における学歴欄の基本5ルールから、浪人・留年・中退・大学院など状況別の記入例、採用担当者が実際に確認しているポイント、よくあるNG例まで解説します。
学歴欄の書き方【基本5つのルール】
新卒の履歴書における学歴欄には、押さえておくべき基本ルールがあります。内容が正確でも書き方にミスがあると、採用担当者に「丁寧さが足りない」という印象を与えてしまいます。まず以下の5点を確認しましょう。
① 「学歴」と書いて1行確保する
学歴欄の最初の行には、行の中央に「学歴」とだけ記入します。これはセクションの区切りを示す表記で、採用担当者が書類全体を素早く確認するための目印になります。Wordやアプリで作成する場合は自動入力されることが多いですが、手書きの場合は忘れずに記入しましょう。
② 中学校卒業から書き始める
新卒の履歴書では、中学校卒業(または中学校入学)から学歴を書き始めるのが基本です。小学校の記載は不要です。スペースに余裕がある場合は「中学校入学・卒業」の両方を記入し、余裕がない場合は「中学校卒業」から始めても問題ありません。
高校以降は入学・卒業の両方を記入します。大学は「入学」と「卒業見込み」の両方を記載します。高校の「入学」を省いて「卒業」だけ書く方もいますが、スペースが許す限り入学・卒業の両方を書くほうが丁寧な書き方です。
③ 学校名は正式名称・学部・学科まで書く
学校名を略称で書くことは、採用担当者が真っ先に確認するNGポイントです。「○○高校」ではなく「○○高等学校」、「○○大学経済学部」ではなく「○○大学 経済学部 経済学科」と正式名称・学部・学科まで記入します。
採用担当者はここを見ている
- 「高校」ではなく「高等学校」と書かれているか(正式名称への意識)
- 大学名だけでなく学部・学科・コースまで記載されているか(専攻の具体性)
- 大学院の場合は「○○大学大学院 ○○研究科 ○○専攻」まで書いてあるか
学部・学科名まで記入することで、採用担当者はどの専門分野を学んできたかを素早く把握できます。書類への丁寧さも同時に伝わるため、略称は使わず大学公式サイトで正式名称を確認してから記入しましょう。
大学名・学部名の正しい書き方は履歴書の大学の書き方で詳しく解説しています。
④ 西暦か和暦のどちらかに統一する
年号の表記は履歴書全体を通じて西暦か和暦のどちらかに統一することが原則です。「平成30年入学、2024年卒業見込み」のように西暦と和暦が混在している履歴書は、採用担当者に「確認を怠った書類」という印象を与えます。
どちらを選んでも選考上の有利・不利はありません。和暦を使う場合は「H」「R」のような略称を使わず「平成」「令和」と正式な元号で書きます。西暦の場合は「2024年」のように4桁で記載します。
⑤ 在学中の学校は「卒業見込み」と書く
現在在学中で卒業年が未来の場合は「卒業見込み」と記入します。大学院の場合は「修了見込み」が正式な表現です。「卒業予定」という書き方も使われることがありますが、一般的には「卒業見込み」が推奨されます。まだ卒業していないにもかかわらず「卒業」と書いてしまうケースが多いので注意しましょう。
良い例文
2022年4月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 入学
2026年3月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 卒業見込み
NG例
2022年4月 ○○大学 ○○学部 入学
2026年3月 ○○大学 ○○学部 卒業
学科名が省略されており、在学中なのに「卒業見込み」ではなく「卒業」と書いている点がNG。
採用担当者が学歴欄で実際に確認していること
学歴欄は「事実を書く欄」ですが、採用担当者はそこからいくつかのことを同時に読み取っています。書類選考の現場では、志望動機や自己PRを読む前に学歴欄の記入状況を確認するケースも少なくありません。
採用担当者が学歴欄で見ていること
- 正確に書けているか(基礎的な注意力の確認):正式名称の誤り・年号の混在・「卒業見込み」の書き忘れは、「書類を丁寧に扱えない人」と判断される材料になります
- 経歴に空白期間や不自然なずれがないか:中退・休学・留年があった場合に隠されていると、後から発覚した際に信頼を損ないます。事実を正確に書いた上で面接で理由を説明するほうが印象は良くなります
- 学部・専攻と応募職種の関連性:学科名まで具体的に書くことで、採用担当者が「この専攻の学生なら○○の知識がある」と判断する材料になります
書類選考で採用担当者が1名の書類に目を通す時間は短いことが多く、学歴欄の記入ミスはその短時間で印象を左右します。逆に言えば、学歴欄が整然と正確に書かれていれば「基礎的な注意力がある人」という第一印象を作ることができます。
浪人・留年・中退など特殊な経歴がある方ほど「書き方を間違えて不利になりたくない」という不安を抱えがちです。しかし採用担当者は経歴そのものより「正確に・正直に書けているか」を重視する傾向があります。事実をそのまま書き、理由は面接で説明するという姿勢が選考を有利に進めます。
入学・卒業年度の早見表(2001〜2006年生まれ対応)
学歴欄で最も確認が面倒なのが各学校の入学年・卒業年の計算です。浪人・留年がない標準的な進学モデルでの年度を以下の表にまとめました。和暦と西暦の両方を掲載しています。
| 生まれ年 | 中学校卒業 | 高校入学 | 高校卒業 | 大学入学 | 大学卒業(4年制) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2001年(H13) | 2016年3月(H28) | 2016年4月(H28) | 2019年3月(H31) | 2019年4月(H31) | 2023年3月(R5) |
| 2002年(H14) | 2017年3月(H29) | 2017年4月(H29) | 2020年3月(R2) | 2020年4月(R2) | 2024年3月(R6) |
| 2003年(H15) | 2018年3月(H30) | 2018年4月(H30) | 2021年3月(R3) | 2021年4月(R3) | 2025年3月(R7) |
| 2004年(H16) | 2019年3月(H31) | 2019年4月(H31) | 2022年3月(R4) | 2022年4月(R4) | 2026年3月(R8) |
| 2005年(H17) | 2020年3月(R2) | 2020年4月(R2) | 2023年3月(R5) | 2023年4月(R5) | 2027年3月(R9) |
| 2006年(H18) | 2021年3月(R3) | 2021年4月(R3) | 2024年3月(R6) | 2024年4月(R6) | 2028年3月(R10) |
※4月2日以降生まれの場合の標準進学モデルです。早生まれ(1月1日〜4月1日生まれ)は同じ学年でも生まれ年が1年上になるため、入学・卒業年は早生まれでない同期と同じです。
上記は浪人・留年なしの標準ルートです。年度の入力ミスを防ぐためにも、無料の履歴書テンプレートの活用もひとつの方法です。

ケース別│あなたの学歴に合わせた書き方
浪人・留年・中退・大学院進学など、標準的な進学ルートと異なる経歴がある場合でも、「正確に書くこと」が原則です。採用担当者は経歴を隠そうとする行為に敏感であり、事実を正直に記入した上で面接で理由を伝えたほうが信頼性は高まります。
浪人・多浪した場合
浪人期間は学歴欄に記入する必要はありません。高校卒業の年と大学入学の年が1年(または複数年)ずれていても、それ自体は記載しなくて問題ありません。採用担当者は年度の差から浪人したことを読み取りますが、書類選考の段階で大きく不利になることはほとんどありません。面接で理由を聞かれた際に、浪人期間に何をしていたか(受験対策・自己学習など)を準備しておきましょう。
良い例文(1浪の場合)
2021年3月 ○○高等学校 卒業
2022年4月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 入学
2026年3月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 卒業見込み
留年した場合
留年の場合も書き方の基本は変わりません。大学の卒業見込みの年度が本来の年度より後ろにずれるだけです。採用担当者は在学年数から「留年している可能性がある」と気づきますが、学歴欄に「留年」と明記する必要はありません。志望動機や自己PR、あるいは面接で聞かれた際に正直に答える準備をしておきましょう。
良い例文(1年留年の場合)
2022年4月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 入学
2027年3月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 卒業見込み
(本来の卒業は2026年3月だが1年ずれている)
大学を中退した場合
中退した場合は「退学」と記入します。「中退」という言葉は使いません。退学の理由(一身上の都合・家庭の事情など)を学歴欄に書く必要はなく、面接で聞かれた際に答えれば十分です。「卒業」と書いて実際は中退している場合は経歴詐称にあたるため、絶対に避けましょう。
良い例文(大学中退の場合)
2022年4月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 入学
2024年3月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 退学
大学院に進学した場合(または進学予定の場合)
大学院は「○○大学大学院 ○○研究科 ○○専攻 博士前期課程(修士課程)入学」と記入します。大学院の場合は「卒業見込み」ではなく「修了見込み」が正式な表現です。大学院での研究内容は学歴欄ではなく自己PR欄や備考欄で補足するのが一般的です。
良い例文(大学院進学の場合)
2022年4月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 入学
2026年3月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 卒業見込み
2026年4月 ○○大学大学院 ○○研究科 ○○専攻 博士前期課程 入学予定
2028年3月 ○○大学大学院 ○○研究科 ○○専攻 博士前期課程 修了見込み
編入学した場合
専門学校や他大学から大学へ編入した場合は「編入学」と書きます。「入学」と書いてしまうと、編入前の学校の記録と時系列が合わなくなるため注意が必要です。編入前の学校(専門学校や大学)も記入した上で、編入先の大学を「○○大学 ○○学部 ○○学科 ○年次編入学」と記載します。
良い例文(専門学校からの編入の場合)
2020年4月 ○○専門学校 ○○科 入学
2022年3月 ○○専門学校 ○○科 卒業
2022年4月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 3年次編入学
2024年3月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 卒業見込み
休学した場合
休学期間がある場合は「休学」と記入します。休学の開始時期と復学時期を記載するのが丁寧ですが、スペースが限られる場合は「○○年○月 休学(○○年○月 復学)」と1行にまとめる方法もあります。休学の理由(病気・留学・個人的な事情)は学歴欄への記入は不要で、面接で確認されます。
良い例文(休学の場合)
2022年4月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 入学
2024年4月 休学(2025年4月 復学)
2027年3月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 卒業見込み
留学した場合
交換留学・認定留学の場合は在籍大学の学籍は継続しているため、大学の入学・卒業見込みはそのまま記入します。留学の事実は「○○年○月 ○○大学(○○国)へ留学(○○年○月 帰国)」と1行で補記するか、自己PR欄や特記事項で触れる形でも問題ありません。語学留学で休学を伴う場合は「休学」の記載が必要です。
大学名・大学院名の詳しい書き方は履歴書の大学の書き方でも解説しています。
採用担当者に一発で落とされる学歴欄のNG例
書き方のルールを理解した上で、実際によく見られる失敗パターンを確認しておきましょう。いずれも「書類への注意が足りない」という印象を与えるNGです。
| NGポイント | NG例 | 正しい表記 |
|---|---|---|
| 学校名の略称 | ○○高校、○○大学経済学部 | ○○高等学校、○○大学 経済学部 経済学科 |
| 年号の混在 | 平成30年入学、2024年卒業見込み | 西暦ならすべて西暦、和暦ならすべて和暦で統一 |
| 卒業見込みの書き忘れ | 2026年3月 ○○大学 ○○学部 卒業 | 2026年3月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 卒業見込み |
| 中退を「卒業」と書く | ○○大学 ○○学部 卒業 | ○○大学 ○○学部 ○○学科 退学 |
| 編入を「入学」と書く | ○○大学 ○○学部 入学 | ○○大学 ○○学部 ○○学科 3年次編入学 |
| 院修了を「卒業見込み」と書く | ○○大学院 ○○研究科 卒業見込み | ○○大学大学院 ○○研究科 ○○専攻 修了見込み |
複数のNGが重なると、採用担当者が受ける印象はより悪くなります。以下に「よくあるNG例」と「修正後の正しい書き方」を対比します。
NG例(複数のミスが重なっている場合)
2018年3月 ○○中学 卒業
平成31年4月 ○○高校 入学
2021年3月 ○○高校 卒業
2021年4月 ○○大学 経済学部 入学
2026年3月 ○○大学 経済学部 卒業
上記には「学校名略称」「年号の混在」「学科名の省略」「在学中なのに卒業と記入」の4つのNGが含まれています。
良い例文(修正後)
2018年3月 ○○中学校 卒業
2019年4月 ○○高等学校 入学
2021年3月 ○○高等学校 卒業
2021年4月 ○○大学 経済学部 経済学科 入学
2026年3月 ○○大学 経済学部 経済学科 卒業見込み
PCで作成する場合は、フォントの選び方も採用担当者の印象に影響します。履歴書に適したフォントの選び方も合わせて確認しておきましょう。

まとめ
- 学歴欄は中学校卒業から書き始め、学校名は正式名称・学部・学科まで記入する
- 年号は西暦か和暦のどちらかに統一し、在学中は「卒業見込み」と書く
- 浪人・留年・中退・大学院・編入・休学・留学のケースでも、事実をそのまま正確に記入することが最優先
- 「学校名略称」「年号の混在」「卒業見込みの書き忘れ」は採用担当者が書類選考でチェックする代表的なNG
学歴欄は履歴書の中でも正確さが最も問われる箇所です。入力ミスを減らすために履歴書作成ツールを活用する方法も有効です。

履歴書の学歴欄に関するよくある質問
- 学歴欄は小学校から書く必要がありますか?
-
小学校は書く必要がありません。新卒の場合は中学校卒業(または中学校入学)から記入するのが一般的です。スペースが限られている場合は高校入学からで問題ありません。
- 和暦と西暦のどちらを使うべきですか?
-
どちらでも選考上の有利・不利はありません。重要なのは履歴書全体で統一することです。企業の書類が和暦を使っている場合は合わせると統一感が出ますが、必須ではありません。
- 留年や浪人は履歴書に書かなければいけませんか?
-
留年・浪人の事実を学歴欄に明記する必要はありません。高校卒業から大学入学、大学入学から卒業見込みの年度がずれていれば採用担当者は状況を読み取ります。面接で理由を聞かれた際に正直に答える準備をしておくことが大切です。
- 専門学校は学歴欄に書けますか?
-
書けます。「○○専門学校 ○○科 入学」「○○専門学校 ○○科 卒業(または修了見込み)」と記入します。正式名称で書くことと、在学中なら「修了見込み」と記入することがポイントです。
- 大学名と学部・学科名の正式な書き方が不安です。どうすれば確認できますか?
-
大学の公式サイト(学部・学科の紹介ページや学則)で正式名称を確認するのが確実です。入学時に受け取った書類(入学許可証・在学証明書など)にも正式名称が記載されています。「○○高等学校」「○○大学 ○○学部 ○○学科」のように、通称ではなく正式な名称を使いましょう。


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