この記事では、転職用の履歴書の書き方を採用担当者の視点で解説します。新卒用との違い、職歴欄・志望動機の書き方から、在職中・転職回数が多い場合・空白期間のある場合など状況別の対処法まで、例文付きで紹介します。
転職用履歴書が新卒と違う「3つのポイント」
転職用の履歴書は、新卒で使うものとフォーマットこそ同じですが、採用担当者が見るポイントはまったく異なります。新卒と同じ感覚で書いてしまうと、書類選考で落とされやすいパターンに入ります。まずここを押さえてから各項目の書き方に進んでください。
職歴欄が採用の8割を左右する
新卒の場合、職歴欄は「なし」で問題ありません。しかし転職者は違います。採用担当者が転職者の書類で最初に目を向けるのは職歴欄です。「どんな仕事をしてきたか」「どんなスキルがあるか」を短時間で判断されます。
採用担当者はここを見ている
- 在籍期間と会社名が一致しているか
- 業務内容に具体性があるか(「営業」より「法人営業、月30件訪問、担当50社」)
- 退職理由と職歴の流れに矛盾がないか
- 応募する仕事と関連するスキル・経験があるか
職歴欄の内容が薄いと「経験が曖昧」「すぐ辞めそう」と判断されます。職歴欄こそ転職の書類選考で最も差がつく箇所であることを念頭に置いてください。
志望動機に「転職の目的」を入れる必要がある
新卒の志望動機は「御社のビジョンに共感した」という理由でも評価されます。転職者は違います。採用担当者は必ず「なぜ今の会社を離れてここに来るのか」を確認します。
転職目的が明確で納得感があるかどうかは、採用担当者の51%が重視しているというデータがあります。「なんとなく転職したい」「前職がつらかった」という理由だけでは通りません。転職者の志望動機には次の3要素が必要です。
- 現職(または前職)を離れる理由(ネガティブすぎない言い方で)
- なぜこの会社・この職種なのか
- 入社後に何をしたいか・どう貢献できるか
採用担当者は転職者の書類を5〜10分で判断する
採用担当者が書類選考で1人あたりに費やす時間は「5分以上10分未満」が最も多いというデータがあります。この短時間で評価を下げないために、基本ルールの遵守が絶対条件になります。
| NG例 | 問題点 |
|---|---|
| 誤字・脱字がある | 第一印象が激しく下がる。1つでも致命的になる |
| 空欄が目立つ | 「手を抜いた書類」と受け取られる |
| 会社名を略して記載 | 「(株)」ではなく「株式会社○○」が正式表記 |
| 西暦と和暦が混在 | 統一されていないと読みにくく印象が悪い |
転職用履歴書のフォーマット選び
厚生労働省様式をベースに選ぶ理由
履歴書のフォーマットには多くの種類がありますが、転職活動では厚生労働省推奨の様式(2021年4月改訂版)が最も無難です。年齢・性別・写真の記載が任意とされ、職種・経験に合わせた幅広い応募で使いまわせます。
採用担当者はさまざまな形式の履歴書を日々見ています。見慣れていないフォーマットはそれだけで読みにくい印象を与えます。特別な指定がない限り、厚生労働省様式または職務経歴書の記載スペースが広いA4縦型を選んでください。
テンプレートは厚生労働省の公式サイトやハローワークのページからWord・Excel・PDFで無料ダウンロードできます。採用担当者が評価する履歴書テンプレートの選び方については別記事でも詳しく解説しています。

PC作成か手書きか
転職活動の履歴書は、特に指定がなければPC作成が主流です。採用担当者の多くは手書きかどうかより「読みやすいか・内容が充実しているか」を重視します。ただし、金融・士業・一部の伝統的な業界では手書きを好む傾向が残っています。応募先の社風を確認してから判断してください。
PC作成を選ぶメリット
- 修正が容易で複数社への応募に対応しやすい
- 読みやすいフォントで採用担当者の負担を減らせる
- メール送付時にPDF変換がスムーズ
PC作成する場合のフォントは明朝体(10.5〜11pt)が基本です。ゴシック体は見出し向けのフォントで、履歴書本文に使うと「読み物としての統一感」が崩れます。フォントの選び方については履歴書のフォントの選び方と採用担当者が見るポイントもあわせて確認してください。
【項目別】転職用履歴書の書き方と採用担当者が見るポイント
基本情報欄(日付・住所・連絡先)
基本情報欄は見落としがちですが、採用担当者が最初に目にする部分です。以下のポイントを守ってください。
| 項目 | 書き方のポイント |
|---|---|
| 日付 | 郵送・持参なら投函・提出日。メール添付なら送信日を記載する |
| 住所 | 都道府県から番地・建物名まで省略せず正式に記載 |
| 連絡先 | 日中に連絡が取れる番号を必ず記載。在職中の場合は会社の番号より携帯を推奨 |
| メールアドレス | ビジネスで使えるアドレスを使う。「abc123_chan@」のような非公式な印象のものはNG |
学歴欄:高校卒業からでよい
転職活動の場合、学歴欄は高等学校卒業から記載するのが基本です。中学校までは義務教育のため省略しても問題ありません。ただし企業から「中学校から記入してください」と指定がある場合はその指示に従ってください。
良い例文
令和3年3月 ○○高等学校 普通科 卒業
令和3年4月 ○○大学 経済学部 経済学科 入学
令和7年3月 ○○大学 経済学部 経済学科 卒業
NG例
H3.3 ○○高校 卒 ← 「高等学校」を省略・入学年の記載なし・元号は「令和」と書く
職歴欄:採用担当者が最も重視する項目
職歴欄は、転職用履歴書で最も重要な項目です。最終学歴以降に在籍したすべての会社を、アルバイトや派遣社員も含めて記載するのが原則です(雇用形態が正社員以外の場合はその旨を明記)。
採用担当者が職歴欄を見る際は「どれだけ具体的に書かれているか」を重視します。「営業担当として従事」では何もアピールできません。担当業務・規模・成果を数字で表す習慣をつけてください。
良い例文(具体性のある職歴記載)
令和4年4月 株式会社○○ 入社
営業本部 法人営業部 配属
中小企業向け法人営業を担当。月30社以上を訪問し、初年度から目標達成率120%を維持。
令和7年5月 一身上の都合により退職
NG例
令和4年4月 ㈱○○ 入社(「株式会社」を略すのはNG)
営業として勤務(業務内容が抽象的すぎる)
退職(理由・日付が不明)
職歴の最後は「現在に至る」(在職中の場合)または「一身上の都合により退職」(退職済みの場合)と書き、その直後に「以上」と右寄せで締めてください。
副業・ダブルワーク中に転職活動している場合の職歴欄の書き方は、履歴書のダブルワーク書き方と職歴欄の例文で詳しく解説しています。

資格・免許欄の書き方
資格欄は正式名称で記載するのが鉄則です。「普通免許」は「普通自動車第一種運転免許」、「英検2級」は「実用英語技能検定2級 合格」と書きます。取得年月は取得日を確認したうえで記載してください。
応募職種と直接関係しない資格でも、「保有資格がある=自己研鑽をしている」という印象につながります。ただし取得から10年以上経つ資格や、業務との関連が薄すぎるものは省いても問題ありません。
志望動機欄:採用担当者の7割が重視
転職者の履歴書において、採用担当者の約70%が重視するのが志望動機欄です。「御社の発展に貢献したい」「成長できる環境だから」のような抽象的な志望動機は、転職者には通用しません。
採用担当者が通過させる志望動機の条件
- 転職理由が前向き:「前職での経験を次のステージで活かしたい」
- この会社でなければならない理由がある:事業内容・製品・働き方の具体的な部分に言及している
- 入社後の貢献イメージが具体的:「〇〇の経験を活かして△△の業務に取り組みたい」
自己PR欄:「採用して得になる人」を伝える
自己PR欄は、採用担当者が「この人を採用したら会社にとってどんなメリットがあるか」を判断する欄です。「責任感があります」「コミュニケーション能力があります」のような性格説明は誰でも書けるため、過去の実績と紐づけて書くことが必要です。
良い例文
前職では法人営業として、新規開拓から既存顧客のフォローまで担当しました。特に新規顧客開拓では、テレアポからの商談化率を3か月で1.2%から4.8%に改善した経験があります。この数字を伸ばすために行ったのは、アプローチ先のリスト精査と、初回提案のトークスクリプトの見直しです。御社の営業職においても、現状の課題を分析し、改善策を実行する姿勢で貢献できます。
ケース別|転職用履歴書で迷いやすい状況と対処法
在職中に転職活動している場合
在職中の転職活動では、職歴欄の最後を「現在に至る」と記載します。「以上」は右寄せで最終行の下に書きます。
注意が必要なのは連絡先です。在職中の場合、会社のメールアドレスや内線番号は絶対に記載しないでください。採用担当者からの連絡が会社に届く可能性があります。必ず私用の携帯番号とメールアドレスを使用してください。
在職中の職歴欄の書き方例
令和4年4月 株式会社○○ 入社
営業部 法人営業課 配属(現在に至る)
転職回数が多い場合
転職回数が多い場合でも、職歴は省略できません。すべての会社を記載するのが原則です。採用担当者は転職回数そのものより「なぜ転職したのか」「転職を経てどう成長したのか」に注目しています。
転職ごとに「職種・スキルが広がっている」「担当業務の規模が大きくなっている」という流れが作れると、前向きなキャリアとして受け取ってもらえます。職歴欄のスペースが足りない場合は、職務経歴書に詳細を書き、履歴書には会社名と在籍期間のみを簡潔に記載するのも一つの方法です。
採用担当者はここを見ている
- 転職のたびにキャリアが一貫しているか、またはスキルアップの流れがあるか
- 1社あたりの在籍期間が短すぎる場合、同じパターンが繰り返されていないか
- 退職理由に一貫性があるか(キャリアアップ目的・スキル習得など前向きな理由)
空白期間(ブランク)がある場合
退職後に転職活動をしている場合や、育児・介護・病気などで離職していた場合、職歴欄に空白期間が生まれます。この空白期間を「何も書かない」でおくのが最も危険です。採用担当者は空欄があると「何かを隠しているのでは」と感じます。
空白期間は「正直に・簡潔に・前向きに」書くのが正解です。「転職活動中」「家族の介護のため一時休職」「スキルアップのため語学学習に集中」など、理由を一言添えるだけで印象が変わります。
空白期間がある場合の職歴欄例
令和5年6月 一身上の都合により退職
令和5年7月〜令和6年3月 家族の介護のため休職(現在は解消)
令和6年4月より転職活動中
無職期間や空白期間がある場合の詳しい書き方は、履歴書 無職の書き方|空白期間があっても書類通過できる例文で状況別に解説しています。

異業種・未経験転職の場合
異業種・未経験転職では「なぜこの業界に転職するのか」という問いへの答えが、書類選考を通過するカギになります。職歴欄だけでは経験が伝わりにくいため、志望動機欄で前職との接点・活かせるスキルを具体的に書くことが重要です。
「前職で培った○○のスキルは、御社の○○業務でも同様に活かせます」という形で、経験とスキルを翻訳してアピールしてください。採用担当者が「即戦力になれるか」「早期に退職しないか」という2点を確認していることを意識して書きましょう。
また、会社都合退職の場合の職歴欄の書き方については、会社都合退職の履歴書の書き方|例文と採用担当者への伝え方も参考にしてください。
採用担当者が「会いたい」と思う志望動機の書き方
採用担当者が通過させる志望動機の3要素
採用担当者が「面接で話を聞きたい」と感じる書類には共通点があります。「これまでの経験をどう活かせるかが書いてある(65%)」「自分なりの言葉で書かれている(62%)」「転職の目的が明確で納得感がある(51%)」という3点です。
この3要素を盛り込んだ志望動機の基本フレームは、次のように組み立てます。
採用担当者が通過させる志望動機の構成
- 転職理由(前向きな表現で):「前職での○○の経験を通じて、○○という課題を感じるようになりました」
- この会社でなければならない理由:「御社の○○事業に特に共感しました。その理由は○○です」
- 入社後の貢献イメージ:「前職で培った○○のスキルを活かして、○○に取り組みたいと考えています」
この構成に当てはめて書くと、採用担当者が読んだときに「この人の転職理由は納得できる」「うちに来る理由が明確だ」と感じやすくなります。
5分で評価を下げる志望動機のNG例
志望動機の書き方で多い失敗パターンを紹介します。これらに当てはまっていないか確認してください。
NG例①:前職の不満だけを書く
「前職は残業が多く、職場環境が良くありませんでした。御社は働きやすいと聞いたので志望しました。」
→ 採用担当者は「うちでも同じことを言うのでは」と感じる。ネガティブな退職理由はあくまで背景として添える程度にし、前向きなキャリア目的を中心に据えること。
NG例②:どの会社にも使えるテンプレ文
「御社の成長性と安定性に魅力を感じ、志望しました。御社で自分の能力を最大限に発揮したいと思っています。」
→ 会社名を入れ替えるだけで他社にも使える志望動機は即座に見抜かれる。事業内容・製品・社風など、その会社固有の情報に言及すること。
NG例③:給与・待遇だけが目的
「前職より年収が高いと聞いたので志望しました。」
→ 待遇への言及は面接での交渉事項。履歴書の志望動機欄には書かないのがマナー。
転職用履歴書の提出マナーと提出前チェックリスト
郵送・メール・手渡しの使い分け
転職活動では応募先の指定に従うのが基本です。「郵送で送付してください」「メールで送ってください」という指示がある場合はそれに従います。指定がない場合の使い分けは以下を参考にしてください。
| 提出方法 | 適した状況・注意点 |
|---|---|
| 郵送 | 書類の原本提出が求められる場合。封筒はA4が入る角形2号、「履歴書在中」と赤字で記載 |
| メール添付(PDF) | オンライン応募・IT系企業での一般的な方法。パスワード設定後に別メールで解除用パスワードを送る |
| 持参・手渡し | 面接時に持参する場合。クリアファイルに入れてから封筒に入れて渡す |
郵送の場合は履歴書の送付状の作り方と書き方も必ず確認してください。送付状(添え状)を同封するのが社会人としての基本マナーです。

提出前に必ず確認する7つのポイント
履歴書を提出する前に、以下のチェックリストで最終確認してください。採用担当者が書類を見て最初に気づくのは基本的なミスです。
- 誤字・脱字がないか(会社名・氏名・住所の漢字を特に念入りに)
- 日付は最新のものになっているか(使い回し厳禁)
- 会社名・資格名が正式名称で書かれているか(略称・略字NG)
- 西暦・和暦の表記が全体で統一されているか
- 職歴が「現在に至る」または「退職」で締められているか(「以上」の右寄せ記載まで)
- 空欄になっている項目がないか(該当なしの場合は「特になし」と記載)
- 証明写真が3か月以内のもので、サイズが縦4cm×横3cmか
まとめ
転職用の履歴書で押さえるべきポイントを整理します。
- 転職用履歴書は新卒と異なり、職歴欄と志望動機が採用の分岐点になる
- 職歴欄は「具体的な業務内容・規模・成果」を数字で示すほど評価が上がる
- 志望動機には「転職理由・この会社を選んだ理由・入社後の貢献イメージ」の3要素が必要
- 在職中・転職回数が多い・空白期間があるケースは、正直に・前向きに書くことで印象を変えられる
- 提出前の7項目チェックリストで誤字・空欄・表記の不統一を必ず確認する
履歴書は転職活動の入り口です。採用担当者が5〜10分で判断する書類だからこそ、細部まで手を抜かずに作成してください。
- 転職用の履歴書は新卒用と同じフォーマットで大丈夫ですか?
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フォーマット自体は同じものを使えます。ただし、転職者は職歴欄と志望動機欄を充実させることが求められるため、これらの記載スペースが広いタイプのテンプレートを選ぶことをおすすめします。厚生労働省推奨の2021年改訂様式は転職者にも使いやすい標準的なフォーマットです。
- 転職用の履歴書で職歴欄に書ける行数が足りない場合はどうすればよいですか?
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履歴書のスペースが不足する場合は、職歴の細かい業務内容を職務経歴書に移し、履歴書には「会社名・在籍期間・部署名・簡単な役割」のみを記載する方法が有効です。転職回数が多い場合でも、すべての会社を省略せず記載したうえで、詳細は職務経歴書で補完してください。
- 在職中に転職活動をしている場合、履歴書にはどう書けばよいですか?
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在職中の場合は、職歴欄の現在の会社の記載の最後に「現在に至る」と書き、「以上」を右寄せで締めます。連絡先は必ず私用の携帯番号・メールアドレスを記載してください。会社のメールアドレスや電話番号を記載すると、採用担当者からの連絡が職場に届くリスクがあります。
- 空白期間がある場合、履歴書に書かなくてもよいですか?
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空白期間は書かずに放置するのが最もリスクが高い対応です。採用担当者は空欄があると「何か隠している」と感じます。育児・介護・病気・転職活動中など、理由を一言添えることで印象が大きく変わります。「令和5年7月〜令和6年3月 家族の介護のため休職」のように、状況を正直に・前向きに記載してください。
- 転職用の履歴書に証明写真は必ず貼る必要がありますか?
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厚生労働省推奨の2021年改訂様式では証明写真の貼付は「任意」です。ただし、写真を貼ることで書類に誠実な印象を与えられるため、特別な理由がなければ貼ることをおすすめします。写真は縦4cm×横3cmで、撮影から3か月以内のものを使用してください。スーツ着用・清潔感のある身だしなみが基本です。


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