この記事では、大学中退の履歴書への書き方を採用担当者の視点で解説します。中途退学の正しい記載例・理由の書き方(やむを得ない・前向き・ネガティブ別)・採用担当者が落とす3つのNG、書類通過率を上げるコツまでまとめています。
大学中退は履歴書に必ず書かなければならない
採用活動では、学歴に関する情報の正確な記載が求められます。大学中退は、記載を省いたり「卒業」と書き換えたりすることは認められません。採用後に発覚した場合、内定取消しや懲戒処分の対象になります。
書かないと学歴詐称になるリスクがある
中途退学の事実を書かず「大学卒業」と記載するのは学歴詐称です。採用後に経歴証明書や卒業証明書の提出を求められた際に発覚するケースが多く、内定取消しや、入社後であれば懲戒解雇の対象となることもあります。
「バレないだろう」と考えて省略するリスクは、正直に記載するデメリットをはるかに上回ります。中退は書類のマイナス材料ではなく、その後の行動で挽回できます。
採用担当者は中退をどう見ているのか
採用担当者が中退の学歴で最初に確認するのは「中退した理由」ではなく、「中退後に何をしてきたか」です。中退そのものを理由に書類落とするケースは少ない一方、中退後の空白期間に何もしていない、または説明できない状態が書類選考に影響します。
採用担当者はここを見ている
- 「なぜ中退したのか」より「中退後に何をしてきたか」を見ている
- 同じ理由で入社後も辞めないかどうか(継続性の確認)
- 学歴詐称がなく正直に記載しているか(誠実さの確認)
大学中退の学歴欄の書き方【3つの基本ルール】
「中退」ではなく「中途退学」と記載する
履歴書は公式書類です。「中退」は口語的な略称であるため、正式には「中途退学」と記載します。採用担当者は文書のフォーマルさも確認しています。「中退」と略した書類は、書類全体の丁寧さに対する印象を下げることがあります。
入学年月と中退年月を正確に記入する
入学した年月と中途退学した年月の両方を記載します。2行に分けて記述するのが基本です。年月が不正確だと、採用担当者に「なぜ空白があるのか」という疑問を持たせることになります。西暦・和暦はどちらでも構いませんが、履歴書全体で統一します。
| 年月 | 学歴 |
|---|---|
| 2020年4月 | 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学 |
| 2022年3月 | 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学 |
大学名・学部・学科は正式名称で書く
大学名・学部名・学科名はすべて省略せず正式名称で記載します。「〇〇大学文学部」と略すのではなく「〇〇大学 文学部 日本語日本文学科」のように学科まで明記します。大学の正式名称は入学時の通知書や学生証で確認できます。
大学名の正式な記載方法については、履歴書の大学の書き方で詳しく解説しています。
【状況別】大学中退の学歴欄・記入例
4年制大学を中退した場合
最も一般的なケースです。入学年月・中途退学年月を2行に分けて記載します。中退理由を書く場合は「中途退学」の後にカッコ書きで添えます。
記入例(理由なし)
| 年月 | 学歴 |
|---|---|
| 2019年4月 | 〇〇大学 経済学部 経済学科 入学 |
| 2021年3月 | 〇〇大学 経済学部 経済学科 中途退学 |
記入例(理由あり)
| 年月 | 学歴 |
|---|---|
| 2019年4月 | 〇〇大学 経済学部 経済学科 入学 |
| 2021年3月 | 〇〇大学 経済学部 経済学科 中途退学(家庭の経済事情により) |
短期大学を中退した場合
短大も4年制大学と同様に「中途退学」と記載します。学科・専攻の正式名称を入学時の書類で確認してから記入します。
記入例
| 年月 | 学歴 |
|---|---|
| 2022年4月 | 〇〇短期大学 生活科学科 入学 |
| 2023年1月 | 〇〇短期大学 生活科学科 中途退学(親族の介護に専念するため) |
高校を中退した場合
高校中退の場合、最終学歴は「中学校卒業」となります。学校名・学科名(普通科・商業科など)を正式名称で記載し、「中途退学」と書きます。
記入例
| 年月 | 学歴 |
|---|---|
| 2020年4月 | 〇〇高等学校 普通科 入学 |
| 2021年9月 | 〇〇高等学校 普通科 中途退学 |
高校中退の理由の伝え方については、高校退学理由の書き方と例文でも確認できます。

大学中退予定(在学中)の場合
応募時点ではまだ在籍しているが、退学を決めている場合は「中途退学予定」と記載します。退学手続きが完了していなくても、予定であれば記載できます。
記入例
| 年月 | 学歴 |
|---|---|
| 2023年4月 | 〇〇大学 工学部 情報工学科 入学 |
| 2025年9月 | 〇〇大学 工学部 情報工学科 中途退学予定 |
中退理由は書くべきか、書かないべきか
学歴欄に中退理由を書くかどうかは、理由の内容と採用担当者への印象によって判断します。「中途退学」とだけ記載しても書類上の問題はありません。
理由を書いた方がよいケース
採用担当者が読んでプラス印象になる理由は積極的に書きます。学歴欄の「中途退学」の後ろにカッコ書きで簡潔に添えるだけで十分です。長文の説明は書かず、詳細は面接に取っておきます。
- 家族の病気・介護など、やむを得ない家庭の事情
- 起業・留学など、明確な目的がある前向きな理由
- 資格取得・専門学校転入など、具体的なアクションを伴う進路変更
理由を書かなくてよいケース
採用担当者に誤解を与えやすい理由、または書面で説明しにくい理由は、面接で伝える方が適切です。学歴欄に書く必要はありません。
- 授業への不満・学力不振・勉強についていけなかった
- 人間関係のトラブル・精神的な不調
- 就職活動の失敗など、説明の難しいネガティブな理由
理由を書かない場合は「中途退学」のみで記載します。「一身上の都合により」という表現は使えますが、面接で必ず理由を追求されます。理由を説明できる準備がある場合のみ使用を検討してください。
中退理由の書き方と例文【理由別パターン集】
やむを得ない理由(病気・家庭の経済事情・介護)の場合
本人の意思によらない理由は、採用担当者も理解しやすいカテゴリです。シンプルな一言で十分であり、詳細な説明は面接に取っておきます。
良い例文
- 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学(家庭の経済事情により)
- 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学(親族の介護に専念するため)
- 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学(病気療養のため)
NG例
〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学(親が病気になり学費が払えなくなったため)→ 学歴欄への詳細記載はNG。一言で十分、詳細は面接で伝える
前向きな理由(起業・留学・進路変更)の場合
目的のある前向きな理由は、採用担当者の評価を高める可能性があります。「何かを目指して退学した」という能動的な姿勢が伝わる表現を選びます。ただし、退学後の行動が実際に続いていることが前提です。「起業準備のため退学」と書いたにもかかわらず、何もしていなければ面接で追及されます。
良い例文
- 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学(IT分野での起業準備のため)
- 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学(海外語学留学のため)
- 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学(専門学校にて〇〇を学ぶため進路変更)
ネガティブな理由の場合の書き方
「授業についていけなかった」「人間関係がつらかった」などが本当の理由であっても、学歴欄に詳細を書く必要はありません。「中途退学」のみで記載し、面接対策に注力します。
採用担当者はここを見ている
ネガティブな理由を学歴欄に書いてしまうと、面接前に選考を通過できない可能性が高まります。理由よりも「中退後に何をしてきたか」を自己PR欄で説明する戦略の方が効果的です。面接では「自分の選択に責任を持ち、そこから何を学んだか」を伝えることに集中してください。
採用担当者が落とす大学中退の書き方NG3パターン
大学中退の書き方で失敗する書類には、共通したパターンがあります。採用担当者が書類選考で実際に目にするNG例を3つ紹介します。
NG1:中退の事実を書かない・「卒業」と記載する
中退を省略して「〇〇大学 〇〇学部 卒業」と記載するのは学歴詐称です。採用後に経歴証明書・卒業証明書の提出を求められた際に必ず発覚します。内定取消しや懲戒解雇の原因になります。
NG例
| 年月 | 学歴(NG) |
|---|---|
| 2020年4月 | 〇〇大学 経済学部 経済学科 入学 |
| 2022年3月 | 〇〇大学 経済学部 経済学科 卒業 ←学歴詐称 |
NG2:「中退」と略して記載する
「中退」は日常会話での略称です。履歴書のような公式書類では正式な表記「中途退学」を使います。「中退」で記載された書類は、書類の丁寧さへの印象を下げます。
NG表記 → 正しい表記
| NG | 正しい表記 |
|---|---|
| 〇〇大学 〇〇学部 中退 | 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学 |
NG3:入学・中退の年月を省略または誤記する
「〇〇大学 中途退学」のように、入学年月のみ、または中退年月のみを記載する書類は採用担当者に不審感を与えます。入学と中途退学の両方を2行で明記することで、学歴の流れが正確に伝わります。
NG記載 → 正しい記載
| NG記載 | 正しい記載 |
|---|---|
| 2020年 〇〇大学 〇〇学部 入学・中途退学 | 2020年4月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学 2022年3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学 |
採用担当者が通過させたくなる3つのポイント
大学中退は書類選考で致命傷にはなりません。ただし、何も工夫しなければ不利に働く可能性はあります。採用担当者が書類で「この人に会いたい」と感じるポイントを押さえることが大切です。
中退後の行動を書類全体で一貫させる
採用担当者が書類を見る際、学歴欄と自己PR欄・志望動機欄を合わせて読みます。学歴欄に「起業準備のため中途退学」と書いたにもかかわらず、自己PR欄に起業や事業に関する記述がなければ矛盾になります。
学歴欄で示した中退理由と、その後の行動・志望動機が一本の線でつながるように書類全体を設計することが通過率を上げる最大のポイントです。
「中退→成長」のストーリーを自己PR欄と連動させる
採用担当者が書類で確認したいのは「中退した人物が、その後どう変化・成長したか」という流れです。中退を「マイナスの出来事」として扱うのではなく、「自分の行動の起点」として位置づけた書き方が有効です。
- 中退理由(きっかけ)→ 中退後に取り組んだこと(行動)→ 今回の志望(次のステップ)
- この3段の流れを自己PR欄で展開すると、採用担当者に納得感を与えられる
自己PR欄の書き方については、履歴書の自己PR例文を参考にしてください。

「また同じ理由で辞めない」と感じさせる表現を使う
採用担当者が中退者の書類で最も懸念するのは「入社後に同じ理由で辞めるのではないか」という点です。この懸念を払拭するためには、中退の理由と今回の志望動機を結びつけた記述が効果的です。
採用担当者はここを見ている
- 中退理由と今回の志望動機に整合性があるか
- 中退後に何らかの行動(就業・資格取得・自己学習)をしてきたか
- 「この会社・この仕事だから応募した」という具体的な理由があるか
なお、中退後に空白期間がある場合は、その期間の扱い方も採用担当者の確認ポイントになります。履歴書の空白期間の書き方で状況別に解説しています。

大学中退後にアルバイト経験しかない状態から就活に挑む場合は、フリーターの履歴書の書き方も参考にしてください。
まとめ
- 大学中退は必ず履歴書に記載する。書かないと学歴詐称になる
- 「中退」ではなく「中途退学」と記載。大学名・学部・学科は正式名称で
- 入学年月と中途退学年月を2行に分けて正確に書く
- 理由を書く場合はカッコ書きで一言。ネガティブな理由は書かなくてよい
- 採用担当者が見るのは「中退の事実」より「中退後に何をしてきたか」
- 学歴欄の書き方と自己PR欄・志望動機欄を一本の線でつなぐことが通過率を上げる
書類選考を通過した先に、採用担当者との面接があります。学歴欄で中退を正直に書いた上で、面接での答え方を準備しておくことが最終的な内定獲得につながります。
大学中退の履歴書に関するよくある質問
- 大学中退の最終学歴は何になりますか?
-
大学中退の最終学歴は「高卒(高等学校卒業)」です。大学に入学した事実は学歴として記載できますが、卒業していないため学歴の「最終」は高校卒業となります。短大を中退した場合も同様です。
- 大学中退の理由を「一身上の都合により」と書いてもよいですか?
-
記載自体は可能ですが、採用担当者は面接で理由を必ず追求します。「一身上の都合」はネガティブな印象を与えやすい表現でもあるため、明確な理由がある場合は具体的に書いた方が書類選考で有利に働きます。理由を書きたくない場合は「中途退学」のみで記載する方が無難です。
- 大学中退後に長い空白期間がある場合はどう書けばよいですか?
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空白期間は職歴欄に「〇〇年〇月〜〇〇年〇月 就職活動・スキル習得のため就業なし」のように記載できます。ただし、採用担当者は空白期間の説明を面接で確認します。空白期間中に取り組んだこと(資格取得・アルバイト・学習)があれば具体的に自己PR欄で触れておくと印象が変わります。
- 大学中退と除籍の書き方は違いますか?
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「中途退学」は自ら退学手続きをしたケース、「除籍」は学費未納や長期欠席などにより大学から在籍を抹消されたケースです。除籍の場合も履歴書では「中途退学」と記載するのが一般的ですが、採用担当者から詳細を聞かれた際は正直に説明する必要があります。


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