この記事では、高校中退を履歴書の学歴欄に正しく記載する方法を解説します。採用担当者が中退の記載を見たときに何を確認するのか、「中途退学」の正式な書き方から最終学歴の扱い方、中退理由の添え方まで例文を交えて紹介します。
高校中退は必ず履歴書に書かなければならない
高校を中退した経歴がある場合、その事実は履歴書に必ず記載する必要があります。「バレなければいい」と考えて省略したとしても、採用後に問題が発覚するリスクは常に残ります。履歴書は公文書に準じた書類であり、学歴の虚偽記載は「学歴詐称」として扱われる可能性があります。
書かなかった場合に起こる2つのリスク
中退の事実を履歴書に記載しなかった場合、主に2つのリスクが発生します。
- 内定取消・懲戒解雇につながるリスク:採用後に経歴調査や書類提出の機会があると発覚する可能性があります。学歴詐称が確認された場合、内定取消や懲戒解雇の正当な理由となります。
- 卒業証明書・身元証明の提出で発覚するリスク:採用選考中または採用後に、卒業証明書や在学証明書の提出を求められるケースがあります。書類と履歴書の記載に矛盾が生じれば、虚偽記載として扱われます。
「高校中退と書くと不利になる」という不安は理解できます。しかし後から発覚するほうが採用担当者への印象は大きく悪化します。最初から正直に記載するほうが、長期的に見てリスクがはるかに少なくなります。
採用担当者が中退の記載を見たときに確認すること
採用担当者が履歴書に「中途退学」という記載を見つけたとき、即座に不採用を決定するわけではありません。多くの採用担当者が気にしているのは以下の3点です。
採用担当者はここを見ている
- なぜ中退したのか(理由の背景・経緯)
- 中退後に何をしてきたか(就労経験・スキルアップ・資格取得など)
- 自社の業務で活躍できる人物かどうか
学歴そのものよりも、「中退という経験をその後どう乗り越えてきたか」を採用担当者は重視しています。中退後の職歴やスキルが充実していれば、学歴の傷は十分に補えます。書類選考よりも面接のほうが、中退の印象を変えるチャンスが多いという点も覚えておいてください。
高校中退の履歴書の正しい書き方(例文付き)
学歴欄の基本的な記載ルール
高校中退を履歴書に記載する際に、最初に押さえておくべきポイントが2つあります。
- 「中退」は略語のため使わない:日常会話で使う「中退」は略語です。履歴書には必ず「中途退学」と正式表記で記載してください。学校名も「○○高校」と略さず「○○高等学校」と書くのが正式です。
- 入学と中途退学を2行で記載する:入学した年月と退学した年月を別々の行に記載します。「入学したことを書かずに中途退学だけ書く」という省略は避けてください。
記載形式は以下の通りです。
| 年 | 月 | 学歴欄の記載内容 |
|---|---|---|
| 20XX | 4 | ○○県立○○高等学校(全日制普通科)入学 |
| 20XX | ○ | ○○県立○○高等学校 中途退学 |
良い例(正しい記載)
2020年4月 ○○県立○○高等学校(全日制普通科)入学
2021年10月 ○○県立○○高等学校 中途退学
NG例
2020年4月 ○○高校 中退
「高等学校」を「高校」と略すこと、「中途退学」を「中退」と略すことはNG。また入学の記載がない点も不十分です。
中退理由を学歴欄に添える場合の書き方
中退した理由が前向きなもの(家族の介護、病気療養、起業、スポーツ活動専念など)の場合は、「中途退学」の後に括弧書きで理由を簡潔に添えることができます。理由を書くことで、採用担当者が抱く「なぜ?」という疑問を事前に解消できます。
理由別の記載例
| 中退の理由 | 学歴欄への記載例 |
|---|---|
| 家庭の事情(親の介護・経済的な事情) | ○○高等学校 中途退学(家庭の事情により) |
| 体調不良・病気療養 | ○○高等学校 中途退学(健康上の理由により) |
| 進路変更(仕事への早期転換など) | ○○高等学校 中途退学(進路変更のため) |
| 競技活動・芸能活動に専念 | ○○高等学校 中途退学(スポーツ活動に専念するため) |
中退理由を書いたほうがいいケース・書かなくていいケース
| ケース | 学歴欄への記載方針 |
|---|---|
| 家庭の事情・病気・進路変更など説明できる理由がある | 理由を括弧書きで添える |
| 理由が「人間関係」「なんとなく」など説明しにくい | 「中途退学」とのみ書く(理由は面接で説明する) |
| 理由を一言で表現するのが難しい | 「一身上の都合により中途退学」と書いて面接で補足する |
理由を書かない場合でも、面接では正直に話す準備が必要です。採用担当者は必ずといっていいほど中退理由を尋ねます。書類では省略しても、面接では説明できる言葉を用意しておくことが採用への近道です。
高校中退したときの最終学歴と学歴欄の起点
最終学歴は「中学校卒業」になる
高校を中退した場合、最終学歴は「中学校卒業(中卒)」になります。「高校に在籍していた」という事実は学歴の証明にはなりません。そのため、学歴欄は中学校の卒業から記載を始めるのが正しい順序です。
| 年 | 月 | 記載内容 |
|---|---|---|
| 20XX | 3 | ○○市立○○中学校 卒業 |
| 20XX | 4 | ○○県立○○高等学校(全日制普通科)入学 |
| 20XX | ○ | ○○県立○○高等学校 中途退学 |
小学校からの記載は必要ありません。中学校の卒業から書き始めるのが一般的なルールです。なお、高校を中退した場合も中学校は「卒業」として記載します。
高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)を取得した場合の書き方
高校中退後に「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)」に合格した場合は、学歴欄と資格欄の両方に記載することができます。ただし、取得にあたって重要な注意点があります。
高卒認定の記載における注意点
- 高卒認定は「高校卒業と同等の学力を証明するもの」であり、最終学歴が「高卒」になるわけではない
- 最終学歴は引き続き「中学校卒業」のまま。ただし、大学・専門学校への受験資格が得られる
- 資格欄と学歴欄の両方に記載するのが正しい扱い方
高卒認定を取得した場合の記載例
【学歴欄】
20XX年 3月 ○○市立○○中学校 卒業
20XX年 4月 ○○県立○○高等学校(全日制普通科)入学
20XX年 ○月 ○○県立○○高等学校 中途退学
【資格欄】
20XX年 ○月 高等学校卒業程度認定試験 合格
高卒認定を取得していると、採用担当者に「中退後も学習を続けた」という印象を与えられます。取得済みの方は積極的に記載してください。
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中退理由を採用担当者に伝わる言葉に変換する方法
「授業が面倒だった」「友人関係がうまくいかなかった」など、そのままでは書けない理由がある場合でも、採用担当者に伝わる言葉に変換することは可能です。ただし、事実と大きく異なる内容を書くことは避けてください。面接で必ず詳細を確認されます。
ネガティブ理由をポジティブに変換する3つの型
中退理由を整理する際は、以下の3つの変換パターンが有効です。
| 変換の型 | 元の理由(そのまま書けない) | 書ける・言える伝え方 |
|---|---|---|
| 環境型 | 学校が合わなかった、クラスになじめなかった | 「当時の環境では成長の見込みが持てないと判断し、進路を変更した」 |
| 必要型 | 親の借金・家庭崩壊・生活費を稼がなければならなかった | 「家庭の経済的な事情により、早期に就労が必要となったため中途退学した」 |
| 前進型 | なんとなくやめた | 「在学中に就労目標が明確になり、早期にスキル習得に向けて動き出した」 |
変換する際に必ず確認することが一つあります。「面接で同じ内容を話せるかどうか」です。面接では書類よりも深く掘り下げられます。書類と面接での説明が矛盾していると、採用担当者の信頼を大きく損なうことになります。
「一身上の都合」と書く場合の注意点
「一身上の都合により中途退学」という書き方は、履歴書として間違いではありません。ただし、採用担当者は書類を見た時点では理由を把握できないため、面接での確認はほぼ確実です。
採用担当者はここを見ている
- 「一身上の都合」と書かれていても、採用担当者は中退理由を面接で必ず確認する
- 「書かないこと」よりも「面接で話せる準備があること」のほうがはるかに重要
- 中退後の行動(アルバイト・資格取得・就労経験)が充実しているほど、理由の重みは軽くなる
面接で高校中退について聞かれたときの答え方
書類選考を通過した後、面接では高校中退について質問される可能性が高いです。ここでの回答が採用担当者の印象を大きく左右します。
採用担当者が面接で本当に確認したいこと
採用担当者が中退理由を尋ねるのは、過去を責めるためではありません。面接の場で確認したいのは以下の3点です。
- 困難に直面したときに投げ出すタイプかどうか:仕事でも壁にぶつかったときに逃げないかどうかを確認しています。中退という事実よりも、その後どう行動したかを評価します。
- 話の一貫性があるかどうか:書類に書いた内容と面接での説明が矛盾していないかを確認しています。「書類では家庭の事情と書いたが、面接では別の理由を話した」という状況は大きなマイナスになります。
- 自社で長く働いてくれる人物かどうか:採用コストをかけた結果、すぐに辞めてしまわないかを判断しています。中退後の行動が安定していれば、この不安は払拭されます。
中退後のキャリアを前向きに伝える3つのポイント
面接での回答は「中退の理由→中退後の行動→現在の自分」という流れで構成するのが効果的です。
面接回答の構成例(家庭の事情で中退した場合)
①中退の理由(簡潔に)
「高校在学中に家庭の経済的な事情があり、就労を優先するために中途退学しました。」
②中退後の行動(具体的に)
「その後、○○業界でアルバイトとして働きながら、△△の資格取得に取り組みました。○年間の経験を通じて、□□のスキルを身につけました。」
③現在の自分と志望動機(前向きに)
「現場での実務経験を通じて○○への強い関心が生まれました。貴社でその経験を活かしたいと考え、応募いたしました。」
「なぜ中退したか」よりも「中退後に何をしてきたか」のほうが、採用担当者が実際に評価する部分です。中退後の就労経験や資格取得があるほど、採用担当者への印象は改善されます。
中退後にフリーターとして働いてきた経歴の書き方については、フリーターの履歴書の書き方も参考になります。アルバイト歴の記載方法や空白期間の扱い方を採用担当者の視点で解説しています。
まとめ
- 高校中退は必ず履歴書に記載する。隠すと学歴詐称になるリスクがある
- 「中退」は略語。履歴書には「中途退学」と正式表記で書く
- 入学と中途退学を別行に記載し、学歴欄は中学校卒業から書き始める
- 前向きな理由は括弧書きで添える。書きにくい理由は書かずに面接で説明する
- 高卒認定を取得した場合は学歴欄と資格欄の両方に記載する(最終学歴は中卒のまま)
- 採用担当者が重視するのは「なぜ中退したか」より「中退後に何をしてきたか」
高校中退という経歴が採用に影響するかどうかは、書き方と面接での伝え方で大きく変わります。正直に記載した上で、中退後のキャリアをしっかり整理して書類と面接に臨んでください。
高校中退の履歴書に関するよくある質問
- 高校中退を履歴書に書かないとどうなりますか?
-
学歴詐称として扱われる可能性があります。採用後に卒業証明書の提出や身元調査で発覚した場合、内定取消や懲戒解雇の理由となるリスクがあります。正直に記載したうえで中退後の経験をアピールするほうが、採用担当者への印象は良くなります。
- 「高校中退」と「中途退学」はどちらを使うべきですか?
-
履歴書には必ず「中途退学」と書いてください。「中退」「高校中退」はいずれも略語であり、公式書類には適していません。「○○高等学校 中途退学」が正式表記です。学校名も「高校」と略さず「高等学校」と記載します。
- 高校中退の最終学歴は何になりますか?
-
高校を中退した場合の最終学歴は「中学校卒業(中卒)」です。高校に在籍していた事実は最終学歴として認定されません。ただし、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)に合格すれば、大学・専門学校への受験資格を得ることができます。
- 高卒認定を取得すると最終学歴が変わりますか?
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高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)を取得しても、最終学歴が「高卒」になるわけではありません。高卒認定はあくまで「高校と同程度の学力がある」ことを証明するものです。最終学歴は「中学校卒業」のまま変わりません。ただし大学・専門学校への進学資格は得られます。取得した場合は資格欄に「高等学校卒業程度認定試験 合格」と記載します。
- 学歴欄はどこから書き始めればいいですか?
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高校中退の場合は「中学校卒業」が最終学歴となるため、学歴欄は中学校の卒業から書き始めてください。「○○市立○○中学校 卒業」と記載した後、高校入学と中途退学を続けて記載します。小学校からの記載は必要ありません。


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