この記事では、エンジニアの履歴書の書き方を採用担当者の視点から解説します。志望動機・自己PR・資格欄それぞれのNG例と、書類選考を通過するための例文を転職状況別に紹介します。
エンジニアの履歴書と職務経歴書—役割と違いを押さえる
エンジニア転職では、ほぼ必ず「履歴書」と「職務経歴書」の両方を求められます。この2つは役割がまったく異なり、どちらをどう書くかによって採用担当者の受け取り方が変わります。
「証明書類」と「プレゼン書類」の違いを理解する
履歴書は学歴・職歴・資格など「事実」を証明する書類です。採用担当者が書類選考の最初に確認し、経歴の概要と基本スペックをチェックします。一方、職務経歴書はスキルや実績を自分の言葉でアピールする書類で、使用技術やプロジェクトの詳細を記載します。
| 書類 | 役割 | 主な記載内容 |
|---|---|---|
| 履歴書 | 事実の証明 | 学歴・職歴・資格・志望動機・自己PR |
| 職務経歴書 | スキルのアピール | プロジェクト詳細・技術スタック・実績・成果数値 |
エンジニア転職では両方をセットで提出するのが基本です。履歴書に技術スタックの詳細を書く必要はなく、シンプルに事実を証明する書類として仕上げることが重要です。
採用担当者が履歴書を見る順序と重視ポイント
採用担当者は1通の書類に平均30秒〜1分程度しか確認時間をかけません。その短い時間で確認しているのは次の3点です。
採用担当者はここを見ている
- 経歴の一貫性:エンジニアとしてのキャリアの方向性が見えるか
- 技術スキルの有無:求人の要件スキルを満たしているか(プログラミング言語・経験年数)
- 志望動機の具体性:「なぜこの会社か」が明確に書かれているか
この3点が30秒で伝わらなければ、どれほど技術力があっても書類選考を通過するのは難しくなります。技術力を伝える前に、まず「読まれる構成」を作ることが優先です。
履歴書のフォーマット選びに迷っている方は、採用担当者が評価するテンプレートの選び方もあわせて確認してください。

志望動機の書き方|採用担当者が通したくなる例文と構成
エンジニアの書類選考で最も差がつく項目が「志望動機」です。技術スキルが似た候補者の中で最終的に選ばれるかどうかは、志望動機の質で決まることが多いのが現実です。
書類選考で落とされる「汎用志望動機」のNG例
以下のような志望動機は、採用担当者が毎日のように目にするパターンです。これらが続くと採用担当者は「どの会社にでも送っている書類」と判断し、次のステップに進む動機を失います。
NG例
「貴社の技術スタックに興味があり、スキルアップできる環境を求めて応募しました。」
NGな理由:「貴社の技術スタック」が具体的でなく、どの企業にも当てはまる。「スキルアップしたい」という表現は自分目線であり、企業への貢献が見えない。
採用担当者に刺さる志望動機の3つの要素
採用担当者が「ぜひ会いたい」と感じる志望動機には、必ず次の3つの要素が含まれています。この順序で書くと論理的に伝わりやすくなります。
- ①キャリアの転換理由:なぜ今の環境を離れて転職するのか、具体的な経緯が書かれている
- ②その会社である理由:サービス・技術・チームの特徴など、その企業固有の魅力を具体的に挙げている
- ③入社後の貢献イメージ:自分の経験・スキルを使って何をしたいか、入社後のビジョンが具体的に書かれている
志望動機の例文(経験者転職)
良い例文(経験者転職)
前職ではJavaを使った社内業務システム開発に5年間従事してきましたが、より多くのユーザーに価値を届けられる消費者向けサービスの開発に挑戦したいと考え、転職を決意しました。貴社が提供する〇〇サービスは月間利用者数が〇〇万人を超えており、自分の開発したものが直接ユーザーに届く環境に強く惹かれています。これまでのJava・Spring Bootでのバックエンド開発経験に加え、直近1年間でReactの自主学習を進めており、フルスタックエンジニアとして貴社のプロダクト開発に貢献したいと考えています。
志望動機の例文(IT未経験転職)
良い例文(未経験転職)
前職では5年間、金融業界でデータ集計・分析業務に従事してきました。課題解決のためにPython・VBAで業務自動化ツールを独学で開発し、チームの月次作業を約30時間削減した経験から、エンジニアとして本格的にキャリアを築きたいと考えるようになりました。貴社のデータエンジニアリングチームでは、業務ドメインの知識と技術力の両方を活かして貢献できると確信しています。基本情報技術者試験にも合格しており、即戦力として働けるよう引き続き学習を続けています。
自己PRの書き方|スキル羅列では届かない「成果」の見せ方
エンジニアの自己PRで最も多い失敗が「使える技術を列挙するだけ」です。採用担当者が知りたいのは、その技術を使って「何を達成したか」という成果です。
採用担当者が落とす自己PRのNG例
NG例
「Java、Python、SQL、AWS、Docker、Gitを使った開発経験があります。チームでの開発経験もあり、コミュニケーション力には自信があります。」
NGな理由:技術スタックの羅列だけでは採用担当者が何も判断できない。「コミュニケーション力に自信がある」は証拠がなく説得力ゼロ。
エンジニアの自己PRで差がつく「STAR法」の使い方
採用担当者が評価する自己PRは、「技術スキル+具体的な成果」がセットになっているものです。構成を作るには「STAR法」が有効です。
| 要素 | 内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| Situation(状況) | どんな状況・プロジェクトか | 月間100万件のAPIリクエストを処理するサービスで |
| Task(課題) | 何が課題だったか | レスポンス遅延がユーザー離脱の原因になっていた |
| Action(行動) | 何をしたか | クエリ最適化とキャッシュ戦略の見直しを実施した |
| Result(結果) | どんな成果が出たか | 平均レスポンスを2.3秒から0.4秒に短縮した |
採用担当者はここを見ている
- 技術スキルだけでなく、課題への向き合い方と解決プロセスが読めるか
- 成果が数値で表現されているか(「改善した」より「50%改善した」)
- チーム内での役割が明確か(個人開発か、リードエンジニアか、メンバーか)
自己PR例文(経験者)
良い例文(経験者転職)
フロントエンドエンジニアとして3年間、React/TypeScriptを中心にWebアプリケーション開発に従事してきました。前職では担当ページの表示速度改善プロジェクトでリードエンジニアを務め、Core Web VitalsのLCPスコアを38点から87点に改善しました。この取り組みによりユーザーの直帰率が14%低下し、週間PVが約20%増加しました。技術選定から実装・チームへの技術共有まで一貫して担当した経験を活かし、貴社のプロダクト開発に貢献します。
自己PR例文(未経験転職)
良い例文(未経験転職)
前職では製造業の生産管理部門で3年間、工場ラインの効率化を担当してきました。業務改善のためにExcel VBAを独学で習得し、手作業で行っていた日報作成プロセスを自動化。月あたり40時間の工数削減を実現しました。現在はPython・SQLを学習中で、基本情報技術者試験にも合格しています。業務課題を技術で解決してきた視点と現場目線での課題発見力を、エンジニアとして活かしていきたいと考えています。
資格・スキル欄の書き方|IT資格の正式名称と注意点
履歴書の資格・免許欄に書くIT資格は、正式名称を正確に記載することが必須です。略称や通称での記載は「基本的な確認ができない人」という印象を採用担当者に与えます。
主要IT資格の正式名称一覧
| 通称 | 履歴書に書く正式名称 |
|---|---|
| 基本情報技術者 | 基本情報技術者試験 合格 |
| 応用情報技術者 | 応用情報技術者試験 合格 |
| 情報処理安全確保支援士 | 情報処理安全確保支援士試験 合格 |
| ネットワークスペシャリスト | ネットワークスペシャリスト試験 合格 |
| AWS認定ソリューションアーキテクト(SAA) | AWS Certified Solutions Architect – Associate 取得 |
| AWS認定ソリューションアーキテクト(SAP) | AWS Certified Solutions Architect – Professional 取得 |
| Oracle Java Silver | Oracle Certified Java Programmer, Silver SE11 取得 |
| LPIC-1 | Linux Professional Institute Certification Level 1 取得 |
スキルレベルの表現方法とNG例
資格のない技術スキル(プログラミング言語・フレームワーク等)を自己PR欄に記載する場合、「使える」という表現だけでは採用担当者に何も伝わりません。
NG例
「Java・Python・SQLが使えます」「AWSの使用経験があります」
NGな理由:「使える」のレベルが採用担当者には判断できない。調べれば書けるレベルなのか、毎日業務で使ってきたレベルなのかが不明。
良い例文
「Java(業務使用歴5年、Spring Boot・Hibernate使用経験あり)」
「Python(業務使用歴2年、データ分析・機械学習モデル構築経験あり)」
「AWS(EC2・RDS・S3・Lambda・CloudFrontの設計・構築経験あり)」
このように「使用年数+具体的な活用シーン」をセットで書くことで、採用担当者が自社の要件と照合しやすくなります。
完全無料の履歴書・職務経歴書作成ツール
「サクレキ」質問に答えるだけで、選考書類がカンタンに完成
- 自己PR・志望動機も例文付きで安心
- スマホからでもOK。たった3分で履歴書・職務経歴書が完成
- 自動フォーマットで書き間違いゼロ
\ 完全無料・簡単3分で完成! /
無料で履歴書・職務経歴書を作成する →履歴書と一緒に提出する職務経歴書の作成には、AIツールを活用すると効率的です。採用担当者に刺さる修正術とあわせてまとめています。

学歴・職歴欄の書き方|エンジニアの職歴を正確に伝える
履歴書の職歴欄は「どこに何年勤めたか」という事実の証明です。プロジェクト詳細や使用技術は職務経歴書に記載し、履歴書では簡潔にまとめることが基本です。
複数のプロジェクト経験がある場合の職歴欄の書き方
SES(客先常駐)エンジニアや複数プロジェクトに関わってきた開発者の場合、履歴書の職歴欄では「在籍した会社名と期間」のみを記載し、詳細は職務経歴書に書くのが正解です。
職歴欄の記載例
2019年4月 株式会社〇〇システムズ(SIer) 入社
2023年3月 一身上の都合により退職
(在籍中は複数の業務システム開発プロジェクトに従事。詳細は職務経歴書に記載)
副業・フリーランス経験の記載方法
副業やフリーランスの経験がある場合も、履歴書への記載方法で迷う方が多いです。状況別の書き方は以下の通りです。
- 本業と並行した副業の場合:職歴欄への記載は任意。自己PR欄に「副業として〇〇の開発支援を実施」と書くのが自然
- フリーランスとして独立した期間がある場合:「フリーランスエンジニア(業務委託) 20XX年〜20XX年」と職歴欄に記載
- 転職活動中や学習期間の空白がある場合:「技術習得のための自己研鑽期間(Python・AWS学習)」などの理由を添えると採用担当者の不安を減らせる
エンジニア転職では空白期間に何を学んでいたかが評価の対象になることもあります。何もしていなかった場合でも「転職先の選定・企業研究に注力していた」など、誠実に記載するほうが印象はよくなります。
採用担当者が落とすエンジニア履歴書のNGパターン5選
エンジニアの書類選考で落とされる履歴書には、共通したNGパターンがあります。提出前に以下の5点を確認してください。
- 技術スタックを羅列するだけで成果が書かれていない:「Java・Python・SQLが使えます」という列挙では採用担当者の判断材料にならない。STAR法で成果まで書くことが必要
- 志望動機がどの企業にも当てはまる汎用表現:「スキルアップできる環境で成長したい」は採用担当者が毎日目にするNG文言。企業固有の理由を必ず入れる
- IT資格の正式名称が間違っている:「AWS Associate取得」「LPIC取得」など略称での記載は印象を下げる。必ず正式名称で記載する
- フォントや書式がページによって異なる:PC作成の場合でも、コピーペーストの際にフォントやサイズが変わることがある。提出前に全体を通して確認が必要
- 職歴の空白に何も説明がない:転職活動期間・フリーランス期間・学習期間など、説明がない空白は採用担当者が不安視する。理由を一文添えるだけで印象が変わる
書類作成に不安がある場合は、転職エージェントによる添削サービスを活用する方法もあります。プロの目から見た改善ポイントを知ることで、通過率を大幅に上げられます。

完全無料の履歴書・職務経歴書作成ツール
「サクレキ」質問に答えるだけで、選考書類がカンタンに完成
- 自己PR・志望動機も例文付きで安心
- スマホからでもOK。たった3分で履歴書・職務経歴書が完成
- 自動フォーマットで書き間違いゼロ
\ 完全無料・簡単3分で完成! /
無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 履歴書は「事実の証明書類」、職務経歴書は「スキルのプレゼン書類」であり役割が異なる。詳細な技術情報は職務経歴書に書く
- 採用担当者が30秒〜1分で確認するのは「経歴の一貫性・技術スキルの有無・志望動機の具体性」の3点
- 志望動機には「転換理由・その会社である理由・入社後の貢献イメージ」の3要素を含める
- 自己PRはスキル羅列ではなく「STAR法」で成果まで書く。数値で表現できると説得力が格段に上がる
- IT資格は正式名称で記載。スキルは「使用年数+活用シーン」までセットで書く
- 職歴の空白がある場合は一文添えることで採用担当者の不安を解消できる
提出前に上記のNGパターンをセルフチェックし、採用担当者に伝わる履歴書に整えてください。
エンジニアの履歴書に関するよくある質問
- エンジニアの履歴書は手書きとPC作成どちらがいいですか?
-
IT業界ではPC作成が標準です。特に指定がなければPCで作成してください。手書きを求める企業はほとんどなく、求人票に「手書き必須」の記載がある場合のみそれに従います。フォントはゴシック体(游ゴシック・メイリオ)または明朝体で統一し、本文サイズは10.5〜11ptが基本です。
- スキルシート(経歴書)と履歴書は別物ですか?
-
別物です。スキルシート(経歴書)はプロジェクト実績や使用技術を詳しく記載した書類で、主にSES・SI業界で使われます。履歴書は学歴・職歴の基本情報を証明する書類です。転職では両方の提出を求められることが多く、それぞれの内容に矛盾がないよう注意してください。
- 職歴が多くて履歴書の職歴欄に収まりません。どうすればいいですか?
-
履歴書の職歴欄には「在籍した会社名と期間」だけを記載し、プロジェクト詳細は職務経歴書に移します。SES案件で客先常駐が多い場合は「SES案件として複数社に常駐(詳細は職務経歴書参照)」とまとめて記載することも可能です。欄が不足する場合は「別紙職務経歴書参照」と記入し、職務経歴書で補足します。
- GitHubのURLやポートフォリオは履歴書に書いていいですか?
-
積極的に記載することをおすすめします。エンジニア転職では実際のコードやポートフォリオが書類選考での強力なアピールポイントになります。本人希望欄や備考欄にGitHubのプロフィールURLやポートフォリオサイトのURLを記載し、採用担当者が確認できるようにしましょう。リポジトリは事前に整理し、READMEを整えておくことが大切です。
- エンジニアの履歴書の「希望職種」欄はどう書けばいいですか?
-
応募するポジションに合わせて具体的に書きます。「バックエンドエンジニア(Java・Spring Boot)」「フロントエンドエンジニア(React・TypeScript)」「インフラエンジニア(AWS・Terraform)」など、技術スタックを括弧内に添えると採用担当者が求人要件との照合をしやすくなります。「エンジニア希望」のような曖昧な記載は避けてください。


コメント