この記事では、グループホームでの勤務経験を職務経歴書にどう書けばいいかを、採用担当者の視点から解説します。業務内容の具体的な書き方と、書類選考を通過するための状況別例文を紹介します。
グループホームの職務経歴書が「他の介護施設」と違う理由
グループホームの仕事の特徴を押さえる
グループホームには「認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)」と「障害者グループホーム」の2種類があります。いずれも1ユニット9名以下の少人数制で、施設的な管理ではなく「住み慣れた場所での生活の継続」を支えることが中心です。
特養・老健との最大の違いは、調理・洗濯・掃除といった家事を利用者と一緒に行う「生活支援」が業務の核にある点です。1人ひとりの生活リズムを把握し、個別に対応する力が求められます。
| 施設種別 | 定員 | 介護の中心 | 家事支援 |
|---|---|---|---|
| グループホーム | 9名以下/ユニット | 認知症ケア・生活支援 | 多い(利用者と一緒に行う) |
| 特別養護老人ホーム | 30名以上が多い | 重度介護・身体介護 | 少ない(委託・分業) |
| デイサービス | 施設によって異なる | 機能訓練・社会参加 | ほぼなし |
採用担当者がグループホーム経験者に期待すること
採用担当者は職務経歴書から主に3つを確認します。「介護業務全般を担当しました」という書き方では、この3点がまったく伝わりません。
採用担当者はここを見ている
- 施設規模と利用者構成:何ユニット・何名体制で、どの程度の認知症・障害の方を担当していたか
- 日常介助以外の関わり:レクリエーション・家族連携・ケアプラン会議への参加など、介護の幅
- 夜勤対応の有無:グループホームは夜勤があるため、対応実績は採用の重要判断材料になる
採用担当者が知りたいのは「このグループホームで、この人は何を担当し、何ができる人なのか」という具体的なイメージです。数字と具体的な業務内容で答えることが、書類通過の第一条件です。
職務経歴書の基本的な書き方から確認したい方は、職務経歴書の書き方|書類で落とされる人が見落としている3つの欠点も参考にしてください。

グループホームの職務経歴書の基本構成
職務経歴書はA4用紙1〜2枚が基本です。グループホームの職務経歴書では、以下の4項目を順に記載します。
- ①職務要約(40〜80字)
- ②職務経歴(施設情報+業務内容)
- ③活かせる経験・保有資格
- ④自己PR
①職務要約(40〜80字)の書き方
職務要約は採用担当者が最初に読む部分です。ここで「読む価値がある書類か」が判断されます。グループホームの経験者は、施設の種類・在籍期間・担当業務・保有資格を短くまとめることが重要です。
良い例文
認知症高齢者グループホーム(1ユニット9名)にて3年間、生活支援全般および認知症ケアを担当。認知症介護実践者研修修了。夜勤月4〜5回対応。さらにチームのケア品質向上に貢献したいと考え転職活動中。
NG例
介護施設にて利用者様の介護業務全般を担当してきました。施設の種類も規模も伝わらず、何ができる人なのかが判断できないNG例です。
②施設情報・業務内容欄の書き方
施設概要を先に書いてから、業務内容を箇条書きにするのが基本フォーマットです。複数施設での経験がある場合は、古い順(または逆時系列)で記載します。
施設概要の記載例
- 事業所名:○○グループホーム(運営:△△福祉会)
- 施設形態:認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、1ユニット9名
- 雇用形態:正社員
- 在籍期間:2021年4月〜2024年3月(3年間)
施設概要の後に「職務内容」として業務を箇条書きにします。ここが採用担当者が最も注目する部分なので、後述する「業務内容欄の書き方」を参考に具体的に記載してください。
③活かせる経験・資格欄の書き方
保有資格を記載し、業務でどう活かしてきたかを一文で添えます。資格名だけを並べるのではなく、実務への接続を示すことで採用担当者の評価が上がります。
| 保有資格・研修 | 業務での活かし方(一言) |
|---|---|
| 介護福祉士 | 身体介護全般・ケアプラン会議での意見提出 |
| 認知症介護実践者研修修了 | BPSDへの対応方法の実践・チームへの情報共有 |
| 介護職員実務者研修修了 | 医療的ケアの基礎知識・記録の精度向上 |
| 認知症介護基礎研修修了 | 認知症の基礎理解・個別対応の根拠づくり |
業務内容欄の書き方|グループホームならではのアピールポイント
業務内容欄はグループホームの職務経歴書で最も差がつく部分です。以下の3領域に分けて記載すると、採用担当者に伝わりやすくなります。
日常介助業務の具体的な書き方
食事・入浴・排泄介助を書く際は、「対象者の状態」と「対応した内容の具体性」がポイントです。
NG例
食事・入浴・排泄の介助を担当しました。「担当しました」だけでは対象者の状態も対応内容もわからず、採用担当者がイメージできません。
良い例文
要介護2〜4の認知症高齢者9名を対象に以下の業務を担当。
- 食事介助(とろみ食・ミキサー食対応含む)、食事摂取量・水分量の記録
- 入浴介助(週2〜3回、機械浴対応含む、個別の入浴ペースに合わせた声かけ)
- 排泄介助(ポータブルトイレ使用・定時誘導・夜間パッド対応)
- 服薬管理(朝昼夕・就寝前の確認と記録)
- 調理・洗濯・掃除など日常生活支援(利用者と一緒に実施)
- 夜勤対応(月平均4〜5回、夜間見守り・緊急対応・申し送り)
「月平均4〜5回」「週2〜3回」のような数字が入るだけで、採用担当者が現場の規模感を具体的にイメージできるようになります。
認知症ケア・個別対応経験のアピール方法
認知症ケアの記述はグループホームの職務経歴書で最も差がつく部分です。競合する書類の多くが「認知症の方への対応を行いました」という一文で終わっています。
採用担当者はここを見ている
- BPSD(行動・心理症状)への具体的な対処経験(徘徊・夜間興奮・介護拒否等)
- 認知症の種類への対応実績(アルツハイマー型・レビー小体型・脳血管性など)
- ケアプラン作成・モニタリングへの関与度
- 家族との連絡・面談への参加実績
認知症ケアの記載例
- アルツハイマー型認知症の方を中心に、BPSD(夕暮れ症候群・介護拒否)への個別対応を実施
- 認知症介護実践者研修での学びをもとに、拒否のある方へのアプローチ方法をチームで共有
- 半年ごとのモニタリング(ケアプラン見直し)に参加し、担当利用者の変化を口頭・記録の両面で報告
- 家族面談(月1回)の補助として、日々の様子の記録提供と口頭説明を担当
夜勤・記録・連携業務の書き方
夜勤は採用担当者が必ず確認する項目です。「夜勤対応可(月4〜5回の実績あり)」を必ず明記してください。記録業務と連携業務も、具体的なシステム名や会議名を入れることで実務経験の証明になります。
- 夜勤:月平均4〜5回(夜間見守り・緊急時対応・申し送り作成)
- 介護記録:ICTシステム(○○)を使用した日次入力・情報共有
- ケアプラン会議:年2回参加・担当利用者の経過を口頭報告
- 他職種連携:看護師・ケアマネジャーへの日常的な申し送り
職務経歴書の作成に時間がかかる場合は、職務経歴書の自動作成ツールを活用して効率化する方法もあります。

自己PRの書き方と例文
採用担当者に響く自己PRの3つのポイント
自己PRは「スキルの一覧」ではなく「自分がどんなケアを大切にしてきた人間か」を伝える場所です。
- ポイント① 数字とエピソードを組み合わせる:「3年間・9名・月4〜5回の夜勤」など具体的な数字がある自己PRは信頼性が高い
- ポイント② 行動の理由を書く:「〜に取り組みました」だけでなく「なぜそう考えたか」を一文加えると採用担当者の印象に残る
- ポイント③ 転職先への貢献で締める:「次の職場でどう活かしたいか」で結ぶことで、採用担当者が入職後のイメージを持ちやすくなる
グループホーム経験者の自己PR例文
良い例文(グループホーム経験者)
認知症高齢者グループホームで3年間、9名の利用者様の生活支援に携わりました。なかでも力を入れてきたのは、表情や言動の微細な変化への気づきです。言葉での意思疎通が難しい方とも、日常的な会話や作業を通じて非言語的なサインを読み取り、体調変化を早期に把握した経験が複数あります。
チーム内では、気づきをその日のうちに申し送りで共有する習慣を提案し、引き継ぎの精度向上に貢献しました。次の職場でも、1人ひとりの生活の質を高めることを軸に、チームのケア水準を一緒に上げていけると考えています。
NG例
利用者様に寄り添った介護を心がけてきました。チームワークを大切にし、コミュニケーションをとりながら業務に取り組んできました。「寄り添う」「コミュニケーションを大切に」は抽象的すぎて、誰の書類も同じに見えます。何が具体的にできるのかが伝わりません。
他施設からグループホームへの転職を目指す場合
特養・老健・デイサービスからグループホームへの転職を考えている場合、「なぜグループホームなのか」を必ず書いてください。転職の理由が書かれていないと、採用担当者に「どこでもよかったのかな」という印象を与えます。
他施設からの転職者向け自己PR例文
特別養護老人ホームで3年間、要介護4〜5の方を中心とした重度介護を担当し、身体介助の基礎力と記録管理の習慣を身につけました。業務を通じて、施設全体の管理よりも1人ひとりの生活に深く関わる環境でケアをしたいという気持ちが強くなり、少人数で家庭的な環境のグループホームへの転職を決意しました。
認知症介護基礎研修を修了しており、認知症ケアの実践に向けた準備を進めています。これまでの介護経験を活かしながら、グループホームならではの生活支援の視点を学んでいきたいと考えています。
職務経歴書の作成が難しいと感じた場合は、転職エージェントの無料添削サービスを活用する方法もあります。詳しくは職務経歴書の代行サービスおすすめ5選をご覧ください。

まとめ
- グループホームの職務経歴書では「施設規模・利用者数・夜勤頻度」を数字で書くことが最優先
- 業務内容欄は「食事・入浴・排泄介助」だけでなく、認知症ケア・家事支援・記録・連携業務まで具体的に記載する
- 認知症ケアの経験は「BPSDへの対応・ケアプラン参加・家族連携」の3点で差別化できる
- 自己PRは「何ができるか」より「なぜそう取り組んできたか」を書くと採用担当者の印象に残る
- 他施設からの転職者は「なぜグループホームなのか」を必ず明記する
書類選考の通過率は、業務内容の書き方ひとつで大きく変わります。「介護業務全般を担当しました」という書き方をしている方は、今日からでも具体的な数字とエピソードを加えることで、採用担当者が読み進めたいと思う書類に変わります。
グループホームの職務経歴書に関するよくある質問
- グループホームの経験が1年未満でも職務経歴書に書けますか?
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1年未満でも書いて問題ありません。短期間でも担当した業務・夜勤対応の有無・保有資格を具体的に記載することが大切です。在籍期間の短さより「その期間に何を経験し、何ができるようになったか」を伝えることに集中してください。なお、退職理由が問われる場合は「一身上の都合」ではなく、前向きな理由を簡潔に添えると印象が変わります。
- 障害者グループホームの経験は認知症高齢者グループホームへの転職に活かせますか?
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活かせます。少人数での生活支援・個別対応・夜間見守りといった共通業務は、施設の種類が変わっても評価されます。職務経歴書には「障害者グループホームでの生活支援経験」と明記したうえで、応募先が認知症高齢者グループホームであれば「認知症への関心・学習状況」を自己PRに加えると、転職の理由が伝わりやすくなります。
- グループホームの夜勤が不規則だった場合、職務経歴書にどう書けばいいですか?
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「月平均〇〇回」という表現で問題ありません。正確な回数が不明な場合は「月2〜4回程度の夜勤を担当」のように幅を持たせた書き方でも構いません。重要なのは夜勤対応経験があることを示すことです。夜間の業務内容(見守り・緊急対応・申し送り作成)も一文添えると採用担当者が現場をイメージしやすくなります。

