この記事では、ゲームプランナーが転職活動で提出する職務経歴書の書き方を解説します。採用担当者が書類選考で落とす典型パターン・各項目の正しい書き方・スマホゲームとコンシューマー別の例文・タイトル名のNDA対応まで、実際の選考で差がつくポイントを具体的に紹介します。
ゲームプランナーの職務経歴書が書類選考で落とされる3つの理由
プランナーの書類選考通過率が低い理由の多くは、「職務内容は書いてあるのに、何ができる人かが伝わらない」という点にあります。採用担当者がゲームプランナーの書類を読む時間はおおむね1〜2分。その短い時間で「会ってみたい」と思われるかどうかが、書類の構成と表現で決まります。
「ゲームが好き」「チームに貢献した」で止まる自己PR
プランナーの自己PRでよく見られるのが、「ゲーム開発への情熱」「コミュニケーション力の高さ」という表現です。採用担当者から見れば、これらは「プランナーなら誰でも持っているはずの最低要件」であり、選考の判断材料にはなりません。
採用担当者はここを見ている
- 企画がチームの成果にどうつながったか(因果関係が示されているか)
- その人でなければできなかった判断や工夫(独自性があるか)
- ゲームへの熱意ではなく、仕事としての再現性(スキルとして語られているか)
担当業務を羅列するだけで実績が数値化されていない
「レベルデザインを担当しました」「イベント企画を行いました」という記述だけでは、採用担当者にインパクトが伝わりません。プランナーの仕事は成果を数値化しにくいと感じる人が多いですが、KPIや施策の効果はほとんどのケースで数字に変換できます。
NG例
「新イベントの企画・設計を担当しました。」
OK例(採用担当者に伝わる書き方)
「新イベント企画(参加者目標5万人)を立案・設計。リリース後2週間でDAU前年比22%増を達成。」
「前年比」「前月比」「改善率」など、基準と変化を明示するだけで、成果の重みがまったく変わります。数値がない記述は、読んだ後に何も残りません。
「プランニング全般」「補助業務」など担当の輪郭が曖昧
「プランニング業務全般」「各種ドキュメント作成サポート」という記述は、担当の輪郭を曖昧にしてしまいます。採用担当者が最も知りたいのは、「この人がどんな判断・設計を一人で完結できるか」です。
採用担当者が担当業務欄で確認していること
- 自分一人でリードできた範囲(責任の境界線)
- 企画からリリースまでのどのフェーズに関与したか
- チームメンバーの規模と自分のポジション(5名中のリードなのか、補佐なのか)
ゲームプランナーの職務経歴書の基本構成と各項目の書き方
採用担当者が読む職務経歴書には、読む順序があります。冒頭のサマリーで「どんな人か」を掴み、職務経歴詳細で「何ができるか」を確認し、自己PRで「うちで活躍できるか」を判断します。各セクションの役割を理解してから書くことが、通過率向上への近道です。
職務経歴概要(サマリー)の書き方
サマリーは採用担当者が最初に目を通す箇所です。200字以内でまとめるのが基本で、以下の3要素を含めます。
職務経歴概要に含める3要素
- 経験年数とゲームジャンル・プラットフォーム(例:スマホ向けRPGの企画・運営3年)
- 担当したフェーズ(企画立案・仕様策定・バランス調整・運営イベントなど具体的に)
- 強みの一言(例:データ分析と施策改善の一貫した対応)
職務経歴概要の例文
ソーシャルRPGのゲームプランナーとして3年間従事。企画立案から仕様書作成・データ分析・改善施策の立案まで一貫して担当。月次イベントのDAU改善(平均+15%)を3クール連続で達成。
担当業務・実績の書き方(採用担当者が最も重視する箇所)
職務経歴詳細は、タイトルごとに以下の構造で記載します。採用担当者は「プロジェクトの規模感」と「この人の担当範囲」を同時に把握しようとしているため、情報を整理して読みやすくすることが重要です。
| 記載項目 | 書き方のポイント | 例 |
|---|---|---|
| タイトル名 | NDAがなければ記載。ある場合は「タイトルA」等で代替 | ◎◎RPG(iOS/Android) |
| 担当期間 | 年月〜年月で明記 | 20XX年4月〜20XX年12月 |
| チーム規模 | 全体人数と自分のポジションを記載 | 15名(プランナー3名) |
| 担当フェーズ | 企画/仕様策定/バランス調整/イベント設計など | イベント企画・設計・効果検証 |
| 担当業務 | 箇条書き3〜5項目。成果物名を具体的に | (下記参照) |
| 実績・成果 | KPIの変化を数字で表現 | DAU前年比+22% |
担当業務欄の記述は、「〜を担当しました」で終わらせず、背景や成果物の名前まで添えてください。
担当業務欄の記述ルール
- 「〜の企画・立案」だけでなく、なぜその企画を提案したか(背景・課題)を一文で添える
- 仕様書・マスターデータ・フローチャートなど、具体的な成果物名を使う
- 他職種との連携は「どんな意思決定に関与したか」まで書く
成果の数値化が難しいと感じる場合、以下の切り口を参考にしてください。
| 担当した仕事 | 使える数値の例 |
|---|---|
| タイトルへの参加 | タイトル数・開発期間・チーム人数・プラットフォーム数 |
| イベント企画 | 参加者数・DAU増加率・課金率変化・リリース本数 |
| ゲームバランス調整 | クリア率変化・離脱率低下・ユーザーテスト評価スコア |
| 仕様書・ドキュメント作成 | 作成したドキュメント数・管理項目数・更新頻度 |
| 新人・後輩育成 | 担当人数・育成期間・OJT項目数 |
技術・ツールスキル欄の書き方
ツール欄はできるだけ具体的に記載してください。採用担当者は「このツールを使える人が欲しい」という文脈でスキル欄を確認します。特に、開発チームで使っているタスク管理ツールやドキュメントツールの一致は、書類通過を後押しするケースがあります。
| カテゴリ | ゲームプランナーがよく使うツール例 |
|---|---|
| ドキュメント作成 | Google Docs、Confluence、Notion |
| スプレッドシート | Excel、Google Sheets(関数・ピボットテーブル活用) |
| タスク・進捗管理 | Jira、Trello、Backlog |
| コミュニケーション | Slack、Discord |
| プロトタイプ・資料 | Figma、PowerPoint、Google Slides |
| データ分析 | BigQuery、Google Analytics、Tableau |
実務で使ったことのないツールは記載しないでください。面接で必ず深掘りされます。「触ったことはある」程度のツールは「使用経験あり(基礎レベル)」など習熟度を補足すると誠実な印象を与えます。
自己PRの書き方(企画力を具体化する)
自己PRは300〜400文字を目安に、「強み→エピソード→入社後の活かし方」の順で組み立てます。抽象的な能力宣言ではなく、具体的な課題解決のプロセスを語ることが、採用担当者に「この人と仕事をしたら成果が出そう」と感じさせる鍵です。
NG例
「ゲームが大好きで、プランナーとして多くのことを学んできました。チームのコミュニケーションを大切にしながら、良いゲームを作るために日々努力しています。御社でも貢献できると確信しています。」
OK例(採用担当者に響く自己PR)
ソーシャルRPGのイベント企画で、ユーザー離脱データを分析し、クリア難易度の見直しとリトライ設計の改善を提案しました。施策実施後3週間でイベントクリア率が12ポイント上昇し、課金転換率も前月比8%改善しました。データを起点に企画を改善するこの経験を、御社のゲームでも活かしていきたいと考えています。
自己PRに「御社のゲームをプレイして感じた点」を一文加えると、企業研究の深さが伝わります。ただし、プレイ感想で終わらせず、「だから自分のこの経験が活きる」という接続まで必ず書いてください。
採用担当者が通過させたくなるゲームプランナーの職務経歴書 例文
実際の書き方をイメージしやすいよう、2パターンの例文を紹介します。タイトル名はNDA対応として「◎◎RPG」等に置き換えています。
スマホゲーム・ソシャゲ経験者向け例文(経験3〜5年)
職務経歴概要(サマリー)
スマートフォン向けRPGのゲームプランナーとして4年間従事。ゲームデザインから運営施策の立案・効果検証まで一貫して担当。月次イベントのKPI管理を軸に、DAU・課金率の改善施策を継続的に実施。複数タイトルでの新機能仕様策定経験あり。
職務経歴詳細(担当業務・実績)
◆ タイトル名:◎◎RPG(iOS/Android)
◆ 担当期間:20XX年4月〜20XX年9月(1年6ヶ月)
◆ チーム規模:12名(プランナー2名)
【担当業務】
- 月次イベントの企画立案〜仕様書作成〜マスターデータ設定を一貫して担当
- BigQueryを用いたユーザーデータ分析をもとに難易度設計・バランス調整を実施
- リリース後の効果測定レポート作成と次イベントへのフィードバック提案
- 新入社員プランナー2名のOJT担当(3ヶ月間)
【実績】
- 担当イベントの平均DAU:前月比+22%(3クール連続で目標達成)
- 課金転換率:施策前3.2%→施策後4.7%に改善(+1.5pt)
自己PR
ユーザーデータを読み解いて施策に変換する企画力が強みです。参加者数が伸び悩んでいたイベントで、直前の離脱データを分析したところ、クリア不可と判断したユーザーが序盤で退離していることが判明しました。難易度カーブの見直しと中間報酬の追加を提案し、3週間でクリア率を8ポイント改善。この経験から、企画の立案段階で「プレイヤーが詰まる箇所」を先読みする設計習慣が身につきました。
コンシューマーゲーム経験者向け例文(経験2〜3年)
職務経歴概要(サマリー)
コンソールRPGのゲームプランナーとして2年半従事。ゲームデザイン仕様書の作成・ゲームバランス調整・進行管理補助が主担当。開発メンバー20名以上のプロジェクトで仕様管理を担当した経験あり。
職務経歴詳細(担当業務・実績)
◆ タイトル名:◎◎(PlayStation 4/5)
◆ 担当期間:20XX年4月〜20XX年12月(2年9ヶ月)
◆ チーム規模:25名(プランナーチーム4名)
【担当業務】
- フィールド設計・NPC配置の仕様書作成と版管理(Confluenceで300項目以上を管理)
- QAからの不具合報告に対するプランナー側の仕様修正対応(週平均20件処理)
- バランス調整用データシートの管理・更新(Excel、マクロ活用)
- 週次進捗報告資料(ディレクター向け)の作成担当
【実績】
- 仕様書の更新フローを提案・見直し、チーム内バージョン混在エラーをゼロに削減
- ユーザーテスト後の難易度調整で、プロトタイプクリア率を目標値に到達(2回の調整で達成)
自己PR
仕様の整合性を守りながらチームの作業を円滑にすることへの強みがあります。大規模開発では仕様書の版管理が崩れやすく、それが原因で実装ミスが生じるケースを経験しました。更新フロー全体を見直して確認ルールを明文化した結果、バージョン混在エラーがなくなりました。「管理コストの低いドキュメント設計」という観点は、規模が大きいタイトルほど価値を発揮すると考えています。
ゲームプランナーが職務経歴書で迷うポイント3選
携わったゲームのタイトル名は書いていいのか?
多くのゲームプランナーが悩むのが、タイトル名の記載可否です。基本的な判断基準は以下のとおりです。
タイトル名の記載ガイドライン
- NDAに「タイトル名の記載禁止」が明記されている場合:「タイトルA(未発表タイトル)」「ソーシャルRPG(タイトル非開示)」などで代替する
- 市場リリース済みのタイトルで契約に特段の制限がない場合:タイトル名を記載してOK。採用担当者の認知度を考慮して一言補足を添えると親切
- 複数社が共同開発しているタイトルの場合:自社の開発関与が外部に分かる情報は、念のため確認してから記載する
NDAの内容が不明な場合は、在職中または退職後に確認しておくのが安全です。面接でタイトル名を聞かれた際は「NDAの範囲内でお伝えできる情報を共有します」とはっきり伝えても問題ありません。採用担当者はこのやりとりを「守秘義務を理解している」と評価します。
コンシューマーとスマホゲームの経験を両方持つ場合の書き方
コンシューマーとスマホゲームの両方を経験している場合、応募先が求めるプラットフォーム経験を先に配置することが基本です。時系列を崩してでも、相手が求める経験を上位に掲載することで、書類の印象が大きく変わります。
応募先別の配置方針
- コンシューマーゲーム企業への応募:コンシューマー経験を職歴詳細の上段に掲載(時系列を逆転させてもOK)
- スマホゲーム企業への応募:スマホゲーム経験を優先して詳細に記載。コンシューマー経験は簡潔に添える
- 両プラットフォームに対応している企業への応募:最近の経験(時系列順)で問題なし。サマリーに「コンシューマー・スマホ双方の開発経験あり」と明記する
採用担当者は「応募職種で即戦力になれるか」で書類を判断します。自分の全経歴を公平に並べるより、相手が必要としている経験を前面に出すことが通過率を高めます。
ポートフォリオと職務経歴書の役割の違い
ゲームプランナーの選考では、職務経歴書とは別にポートフォリオや企画書の提出を求める企業があります。それぞれのドキュメントには明確な役割があります。
| ドキュメント | 読む相手 | 役割 | 記載内容 |
|---|---|---|---|
| 職務経歴書 | 採用担当者(HR) | 面接機会を得るための書類 | 経歴・実績・スキルの概要(A4で2枚以内) |
| ポートフォリオ | 制作担当者・ディレクター | 能力の証明資料 | 企画書・仕様書・ゲームデザイン資料のサンプル |
| 企画書(別途提出) | 現場・採用担当の両方 | 応募先の企業カラーへの理解度確認 | 応募先のゲームジャンルを意識したオリジナル企画 |
職務経歴書はすべてを詳細に書く必要はなく、「面接で話したいと思わせる情報」を絞り込んで記載するのが正解です。思考プロセスや制作物の背景は、ポートフォリオや面接で補えます。
職務経歴書を書き上げた後は、第三者の目でチェックすることが選考通過率を高める最も確実な方法です。職務経歴書の自動作成ツールを使って土台を作り、そこにゲームプランナーとしての実績を加筆する方法も効率的です。

まとめ
- 採用担当者が落とす3つの典型:「ゲームが好き」で止まる自己PR・実績の数値化不足・担当範囲の曖昧さ
- 各項目の書き方:サマリーは200字以内、担当業務はKPIで数値化、ツール欄は実務経験のみ、自己PRは「強み→エピソード→入社後への接続」で構成
- 例文のポイント:プラットフォーム・期間・チーム規模・実績のKPIを具体的に記載することで、採用担当者が「この人と仕事をしたらどうなるか」をイメージできる書類になる
- NDA対応:タイトル名は契約内容を確認してから記載。未開示の場合は「タイトルA」等で代替し、面接では「NDAの範囲内で共有します」と伝えればOK
職務経歴書が完成したら、プロの添削を受けることで書類の完成度が大きく上がります。職務経歴書の有料添削サービスを活用して、採用担当者の目線で書類を磨くことも検討してみてください。

ゲームプランナーの職務経歴書に関するよくある質問
- ゲームプランナーの職務経歴書はどのくらいの文字数・枚数が適切ですか?
-
A4用紙2枚以内が目安です。キャリアが2年未満と浅い場合は1枚でもかまいません。採用担当者が1〜2分で概要を把握できる分量を意識してください。3枚以上になる場合は、古い経歴や応募先との関連性が低い業務を削ることを検討してください。担当タイトルが多い場合は「その他、3タイトルに携わる(詳細略)」とまとめる方法もあります。
- ゲーム開発経験がない業界から未経験でゲームプランナーに転職する場合、職務経歴書には何を書けばいいですか?
-
「企画力」「論理的思考力」「ドキュメント作成能力」「プロジェクト管理経験」など、ゲーム開発に転用できる経験を前面に出してください。加えて、自作の企画書やゲームのプロトタイプをポートフォリオとして添付することで、実務経験のなさを補える場合があります。「なぜゲームプランナーなのか」という転職理由も、自分のスキルと結びつけて具体的に書くことが重要です。
- 職務経歴書に複数のタイトルに携わった経験がある場合、すべて記載すべきですか?
-
記載するのは応募先と関連性の高い直近3〜5タイトルを目安にしてください。すべてを羅列すると担当ページが多くなり、採用担当者が重要な経験を見落とす原因になります。役割や実績が薄いタイトルは「その他、複数タイトルに携わる(省略)」などと補足する方法もあります。最も力を入れて書くべきは、応募先のゲームジャンル・プラットフォームに近いタイトルです。
- ゲームプランナーの転職で、職務経歴書とポートフォリオはどちらを先に準備すべきですか?
-
職務経歴書を先に準備してください。書類選考の段階で求められるのは職務経歴書であり、ポートフォリオは面接通過後に確認を求められるケースが多いです。ただし、企業によっては応募時点でポートフォリオの提出を求める場合もあります。まず職務経歴書で選考を通過することを優先し、その後ポートフォリオを磨くという順番が効率的です。

