この記事では、医療事務の履歴書における本人希望記入欄の書き方を解説します。基本の「貴院の規定に従います」が正しい理由から、書いてよいこと・NG内容の見分け方、シフト・扶養内・入職日など状況別の例文まで、採用担当者の視点でまとめました。
医療事務の本人希望記入欄の役割
本人希望記入欄は、履歴書の中でも「何を書けばいいのかわからない」という声が最も多い項目のひとつです。志望動機や職歴欄に力を入れるあまり、本人希望欄は後回しになりがちです。
医療機関の採用担当者は、この欄を「応募者の勤務条件とポジションのマッチングを確認する」ために使います。採用担当者が面接前にチェックする情報のひとつとして、書き方ひとつで選考結果に影響することがあります。
採用担当者は何のために本人希望欄を見るのか
医療事務は、施設によって「週5日フルタイム正社員」から「週3日パート」まで多様な雇用形態があります。採用担当者は希望欄から応募者の勤務条件を把握し、現在募集しているポジションとのズレを早期に確認しています。
採用担当者はここを見ている
- 希望職種と施設が提供するポジションにズレがないか
- 勤務時間・シフト対応が施設の運営ニーズと合うか
- 入職可能日が採用計画に合致するか
- 扶養内・時短希望など雇用形態に関わる条件の有無
迷ったら「貴院の規定に従います」が正解
特に書きたい条件がない場合、本人希望記入欄の正解は「貴院の規定に従います。」と記載することです。この一文は「施設側の方針を尊重する姿勢」を明示する意味を持ちます。
「特になし」「空欄」がNGな理由
「特になし」と書くと、記入欄の意図を理解していないと受け取られることがあります。また空欄は、書類作成が雑という印象を与えかねません。
採用担当者が複数の書類を同時に確認する中で、記入欄をきちんと埋めていない履歴書は細部への注意力が低いという評価につながりやすいです。「何も条件はないから書かなくていい」という判断が、思わぬマイナスを生むことがあります。
「貴院の規定に従います」の書き方と敬称の使い分け
医療機関の種類によって適切な敬称が異なります。敬称を間違えると、逆に採用担当者の目に止まりマイナス評価になることがあります。応募先の種別を確認してから記入しましょう。
| 施設の種類 | 正しい敬称 | NG例 |
|---|---|---|
| 病院・クリニック・診療所 | 貴院 | 貴社・御社 |
| 医療法人グループ(法人全体) | 貴法人 | 貴社・貴院 |
| 調剤薬局 | 貴社 | 貴院 |
良い例文
貴院の規定に従います。何卒よろしくお願いいたします。
NG例
特になし。「特になし」は記入欄の意図を理解していない印象を与えることがあります。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →本人希望欄に書いてよいこと・書いてはいけないこと
本人希望記入欄に書いてよいのは、入職に際して絶対に外せない条件のみです。「あったら嬉しい程度の希望」は書かないほうが無難です。採用担当者が警戒するのは「この人は条件にこだわる応募者ではないか」という印象です。
書いてよいこと(採用担当者に好印象を与える内容)
以下のような、入職の可否に直結する条件は積極的に記載してください。事前に把握することで採用側のミスマッチを防げるため、採用担当者にとっても有益な情報です。
- 希望職種:複数職種から採用を行う施設への応募で、医療事務職を希望する場合
- 入職可能日:現職の引き継ぎ期間や退職手続きで入職できる日程がある場合
- 勤務時間の制約:育児・介護など明確な理由がある時間上限(例:17時までの勤務を希望)
- 扶養内希望:年収・労働時間の上限がある場合(例:「扶養内での勤務を希望します」)
- 連絡可能時間:在職中で平日の電話に出られない時間帯がある場合
- 健康上の特記事項:長時間立ち仕事が難しいなど業務遂行に関わる事情
書いてはいけないこと(採用担当者の印象を下げる内容)
次の内容は、書類選考の段階で採用担当者の印象を下げるリスクがあります。希望があっても、書き方や内容によってはマイナス評価につながります。
NG例(書いてはいけない内容)
- 給与・時給の希望:「時給1,200円以上を希望します」→ 採用後の交渉事項であり書類段階では不要
- 交通費への条件:「交通費は全額支給をお願いします」→ 施設規定があるため記載不要
- 否定形の表現:「土日は出勤できません」→ 「土日の勤務については面接でご相談させてください」と改める
- 過度な個人的都合:「週に1回は趣味の習い事があるため早退したい」
採用担当者はここを見ている
- 「この条件は絶対に必要なのか、それとも単なる希望なのか」を見極めている
- 給与・待遇への言及は「入職前から交渉しようとしている」と受け取られることがある
- 否定形(〜できません)より肯定形(〜を希望します)のほうが柔軟な印象を与える
【状況別】医療事務の本人希望記入欄 例文集
医療事務への応募でよく発生する状況別に、採用担当者が読んで好印象を持ちやすい書き方の例文を紹介します。自分の状況に近いパターンを参考にしてください。
希望なし・基本パターン
特に条件がない場合は、一文添えるだけで十分です。採用担当者は「記入漏れではない」と確認できるため、シンプルな一文でも印象は変わります。
良い例文
貴院の規定に従います。何卒よろしくお願いいたします。
パート・扶養内を希望する場合
扶養内でのパート勤務を希望する場合は、年収の上限と希望勤務日数をセットで記載します。2026年現在、扶養の壁は103万円・106万円・130万円とケースによって異なるため、自分の状況に合った内容を具体的に伝えましょう。採用担当者が雇用形態を調整する際の判断材料になります。
良い例文(扶養内パート)
扶養内での勤務を希望いたします(年収103万円以内が条件です)。週3〜4日・1日5〜6時間を想定していますが、勤務日・時間についてはご相談に応じます。
扶養内希望の書き方については、年収の上限・労働時間の上限など詳細な例文を別記事でまとめています。

パート勤務全般の本人希望欄については、パート履歴書の本人希望欄の書き方もあわせてご確認ください。

勤務時間・シフトに条件がある場合(育児・介護)
医療機関はシフト制を採用しているケースが多く、希望と施設の運営体制が合わないと採用後のミスマッチが生じやすい職種です。育児・介護など理由が明確な場合は、条件の根拠を一言添えてから希望を伝えましょう。採用担当者は「なぜその条件が必要か」を知ることで、シフト調整の可否を検討できます。
良い例文(育児・時間希望あり)
子どもの保育園の送迎があるため、9:00〜16:00の勤務を希望いたします。時間外が発生する場合は事前にご相談させていただきます。
良い例文(介護・希望日あり)
同居の家族の介護があるため、月・水のみ出勤が難しい週があります。可能な範囲で最大限対応いたしますので、詳細は面接時にご相談させてください。
シフトに関する休み希望の書き方について、さらに詳しい例文は別記事でまとめています。

入職可能日を伝えたい場合
現職に就いている場合や引き継ぎ期間が必要な場合は、入職可能日を明記しておくと採用側の計画に役立ちます。採用担当者は「いつから働けるか」を面接前に確認できるため、日程調整がスムーズになります。
良い例文(入職可能日の記載)
現職の引き継ぎがあるため、入職は○月○日以降を希望いたします。それ以前のご要望がある場合はご相談に応じます。
在職中・退職済みなど状況別の詳細例文は別記事でまとめています。

医療機関の種類別に見る本人希望欄の注意点
医療事務は応募先の施設形態によって、採用担当者が重視するポイントが異なります。クリニックと大病院では運営体制が根本的に違うため、本人希望欄の書き方も変わってきます。
クリニック・診療所への応募
クリニックは少人数スタッフで運営されているため、シフトの融通が利きにくい環境です。「土曜午前は出られますか?」「急な患者対応があっても残れますか?」という確認が採用の合否に直結することがあります。
- 土曜・祝日の診療体制に合わせた勤務可否を明確にしておくと採用担当者に喜ばれる
- 院長が採用担当を兼任しているクリニックでは、履歴書が採用判断のほぼすべてになることも
- 条件が多い場合は「詳細は面接でご相談させてください」と添えることで印象が和らぐ
大病院・総合病院への応募
大病院はシフト制が基本で、早番・遅番・土日出勤が前提のポジションが多く存在します。本人希望欄で勤務時間への条件を多く書くと、採用対象ポジションから外れることがあります。
- 「どの部署への配属でも対応します」という姿勢を示すと有利
- どうしても条件がある場合は、書類よりも面接で直接確認する形のほうがスムーズなケースもある
- 採用フローが整備されており、本人希望欄の内容は人事部門で確認される
調剤薬局への応募
調剤薬局は医療機関ではなく企業(法人)のため、「貴院」ではなく「貴社」が正しい敬称です。これを間違えると「医療業界の基本的なマナーを知らない」と判断されることがあります。基本的な記入ルールは病院と同じですが、この一点は必ず確認してください。
- 調剤薬局は「貴社の規定に従います」が正しい表現
- 複数店舗がある薬局チェーンの場合は「勤務地は○○エリアを希望します」と記載することも有効
医療法人(病院・クリニック)への履歴書で気を付けるべき表記ルール全般は、別記事で詳しくまとめています。

よくあるNG例と修正パターン
実際の書類選考で採用担当者が「惜しい」「印象が悪い」と感じる本人希望欄のNG例と、その改善パターンを紹介します。
NG例1:「土日は絶対に休みたいです」
「絶対に」「必ず」などの強調表現は、採用担当者が「条件が厳しい応募者」と判断し、選考から外れるリスクがあります。
改善例:「土日の勤務が難しい日もありますが、可能な範囲で対応いたします。詳細は面接でご相談させてください。」
NG例2:「給与は〇〇円以上を希望します」
給与の希望は書類選考の段階では不要です。採用担当者は「条件交渉から入ってくる人」という印象を持ちます。給与については内定後に確認・交渉するのが適切な流れです。
改善例:本人希望欄は「貴院の規定に従います。」のみにする。
NG例3:否定形の条件を並べる
「〇〇はできません。△△は不可能です。」という否定形の羅列は、制約の多い応募者という印象を与えます。同じ内容でも肯定形に言い換えることで印象が変わります。
改善例:「子どもの迎えがあるため16時までの勤務を希望いたします(ご相談に応じる場合もあります)。」
医療事務の資格の履歴書への正しい記載方法については、別記事でまとめています。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 本人希望記入欄は「空欄・特になし」ではなく、必ず「貴院の規定に従います。」と記載する
- 書いてよいのは入職に必要な絶対条件のみ(勤務時間・入職日・扶養内希望など)
- 給与・待遇への希望は書かない。否定形より肯定形で表現する
- 施設の種類によって敬称(貴院・貴社・貴法人)を正しく使い分ける
- シフト・育児・扶養内などの条件は、理由を一言添えてから簡潔に記載する
本人希望記入欄は数行のスペースですが、採用担当者はここからマッチングの可能性と応募者の誠実さを同時に確認しています。書きすぎず、しかし必要な情報は正確に伝える——この姿勢が書類選考を通過するための一歩です。
医療事務の履歴書 本人希望記入欄に関するよくある質問
- 本人希望記入欄を空欄にするのはNGですか?
-
空欄は記入漏れと受け取られる可能性があります。希望がない場合でも「貴院の規定に従います。」と一言記載することで、丁寧な印象を与えられます。
- 「特になし」と書いても問題ありませんか?
-
「特になし」は「貴院の規定に従います。」に比べて簡素な印象を与えます。同じ意味でも「貴院の規定に従います。」のほうが採用担当者に好印象を与えるため、そちらを使うことをおすすめします。
- 給与希望を本人希望欄に書いてもよいですか?
-
書かないほうが無難です。給与交渉は内定後に行うのが一般的なマナーで、書類選考の段階で記載すると「条件にこだわる応募者」という印象を与えることがあります。
- 調剤薬局に応募するときは「貴院」と書いてよいですか?
-
調剤薬局は「院」ではないため「貴社」が正しい表現です。病院・クリニック・診療所は「貴院」、医療法人グループは「貴法人」、薬局は「貴社」と使い分けましょう。
- 本人希望欄には何文字まで書いてよいですか?
-
明確な文字数制限はありませんが、3〜4行程度(100字前後)を目安にしてください。長すぎると読みにくく採用担当者の負担になります。絶対条件のみを簡潔に伝えるのが基本です。


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