この記事では、営業事務の職務経歴書における仕事内容の書き方を、採用担当者が実際に確認するポイントから逆算して解説します。受発注・顧客対応・書類作成など業務別の例文と、数字で表せない業務を魅力的に伝えるコツも紹介します。
営業事務の仕事内容一覧【職務経歴書に書く前に整理しておくこと】
職務経歴書を書き始める前に、自分が担当してきた業務を洗い出す作業が必要です。営業事務の仕事内容は会社によって大きく異なるため、「何を書くか」を整理せずに書き始めると、ありきたりな内容になりがちです。
まず、営業事務が担当する主な業務を3つのカテゴリに分けて確認しましょう。
受発注・書類作成系の業務
- 受発注業務:受注確認・発注書作成・納品管理・在庫調整
- 見積書作成:営業担当の依頼を受けた見積もり作成・送付
- 請求書・納品書の発行:月次締め処理・郵送・PDFデータ送付
- 契約書管理:契約書の作成補助・保管・更新管理
顧客対応系の業務
- 電話・メール対応:顧客からの問い合わせ・クレーム初期対応
- 来客対応:受付・応接・名刺管理
- アフターフォロー:営業担当不在時の顧客フォロー・情報伝達
営業サポート・データ管理系の業務
- 売上データ集計・管理:日次・月次の売上レポート作成
- 顧客データベース管理:CRMツールへの入力・更新
- 営業資料作成:提案書・プレゼン資料のPowerPoint作成
- スケジュール管理:営業担当のアポイント調整・会議室手配
- 在庫・商品管理:在庫の入出庫管理・発注点管理
上記のうち、自分が実際に担当していたものに丸をつけ、「どのくらいの量をこなしていたか(件数・頻度)」「使用したツールやシステム」「工夫したこと・改善したこと」を書き出してみてください。この作業が、採用担当者に刺さる職務経歴書の土台になります。
採用担当者が職務経歴書の仕事内容欄で確認している3つのこと
採用担当者は1件の書類に30秒から2分程度しか時間をかけません。その短い時間で何を確認しているのかを知ることが、通過率を上げる第一歩です。
採用担当者はここを見ている
- 業務の「量と規模感」が分かるか:「1日平均○件の受発注処理」「担当顧客○社」など、業務ボリュームを示す数字があるか
- 営業チームへの具体的な貢献が書かれているか:間接的でも「営業担当の○○を○%削減」「月間○万円規模の受注処理を担当」のように貢献度が見えるか
- 使用ツール・スキルレベルが明確か:「Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル使用可)」「Salesforce入力・管理経験あり」のように具体的に書かれているか
逆に、採用担当者が「情報が少ない」と判断してすぐに次へ進んでしまう書類には、共通のパターンがあります。
よくあるNG例と改善ポイント
NG例
「受発注業務・顧客対応・書類作成・データ入力を担当していました」
業務一覧を羅列しているだけで、量・規模感・スキルレベルが何も分からない。採用担当者にとっては「誰でも書けそうな内容」に見えてしまいます。
良い例
「受発注業務(1日平均35〜50件)を担当。SAPを使用した処理から納品確認まで一貫して管理。在庫不足が予測される際は担当営業へ事前通知し、欠品ゼロを4年間維持。月末請求書発行は月200件超をExcelマクロで自動化し、処理時間を従来比40%短縮。」
同じ「受発注業務」でも、数字・ツール・工夫が入るだけで、採用担当者が受け取る情報量は大きく変わります。
仕事内容ごとの書き方のコツ【受発注・顧客対応・書類作成別】
業務カテゴリごとに、具体的な書き方のポイントを確認します。自分が担当していた業務の部分を参照して、職務経歴書に反映してください。
受発注業務の書き方
受発注業務は営業事務の中核となる業務ですが、多くの求職者が「受発注業務を担当」の一言で終わらせてしまいます。採用担当者が見たいのは、どのくらいの量を、どんなシステムで、どんな工夫をして処理していたかです。
受発注業務の書き方ポイント
- 1日あたりの処理件数を記載する(「1日平均30〜50件」)
- 使用システム・ツール名を明記する(SAP・MakeLeaps・商蔵奉行 等)
- 在庫管理や納品確認まで担当していた場合は範囲も記載する
- 月末・締め日の集中対応や緊急対応の経験があれば加える
顧客対応の書き方
顧客対応は「電話・メール対応をしていました」で終わりがちな業務です。しかし、採用担当者が実際に評価するのは「対応の質」と「対応の量」の両方です。特に営業担当不在時のクレーム初期対応や、独自の対応フローを整備した経験は高く評価されます。
顧客対応の書き方ポイント
- 1日あたりの対応件数を記載する(「電話・メール合わせて1日平均20〜30件」)
- クレーム初期対応の経験がある場合は「初期対応→担当営業への引き継ぎ」の流れを書く
- 独自に対応マニュアルや引き継ぎシートを作成した経験があれば記載する
- 語学スキルを使った対応(英語・中国語等)があれば必ず明記する
書類作成・データ管理の書き方
見積書・請求書の作成やExcelでのデータ管理は、PCスキルと業務知識の両方を示せる重要な業務です。「何を、どのくらい、どのツールで」を明確にするとともに、業務を効率化した経験があれば必ずアピールポイントとして加えるべきです。
書類作成・データ管理の書き方ポイント
- 月間発行件数を記載する(「月次請求書発行:月150〜200件」)
- Excelのスキルレベルを具体的に記載する(「VLOOKUP・ピボットテーブル・マクロ(VBA)使用可能」)
- 自動化・テンプレート化した経験があれば「作業時間を○%削減」の形で数値化する
- 使用した会計ソフト・ERPシステム名を記載する(弥生会計・freee・SAP等)
数字で表せない業務を魅力的に書く方法
「自分の業務は数字で表せない」と感じる方が多くいます。しかし、営業事務の仕事は数字が出ないように見えて、書き方の工夫次第で十分に具体性を持たせられます。採用担当者が見ているのは「数字そのもの」ではなく、「どう考えて動いたか」というプロセスです。
「改善・効率化」の切り口を使う
業務フローを見直した経験・マニュアルを整備した経験があれば、「何を、どう変えたか、その結果どうなったか」の構成で書けます。結果が数値でなくても、変化を具体的に書けば採用担当者には伝わります。
良い例
「請求書の送付漏れが月1〜2件発生していた問題に対し、Excelで期日管理シートを作成し確認フローを標準化。その後1年間、送付漏れゼロを維持。」
「営業との連携」で間接貢献を示す
営業事務の価値は、営業担当が「外に出ること」に集中できる環境を作ることにあります。自分が担当した業務が、営業担当の時間創出や売上貢献にどうつながったかを意識して書くと、採用担当者が「この人を採用したら営業チームが動きやすくなりそう」と判断しやすくなります。
良い例
「営業担当5名の社内事務を一手に引き受け、各担当が顧客対応に集中できる環境を整備。月次売上報告書を独自にフォーマット化し、毎週月曜朝の情報共有を定例化。情報連携のスピードが改善し、営業担当から「動きやすくなった」とフィードバックを得た。」
業種別・営業事務の職務経歴書 仕事内容 例文集
実際の職務経歴書で使える例文を、業種・規模感別に3パターン紹介します。自分の状況に近いものを参考に、数字・ツール・工夫の部分を実際の経験に合わせて書き換えてください。
例文①:メーカー・商社系(製品受発注がメインの場合)
職務内容(例文)
【会社概要】電子部品メーカー、営業部 所属、従業員数 約200名
【担当業務】
- 受発注業務(1日平均40〜60件):SAP上での受注入力・在庫確認・納期回答・発注書作成
- 見積書・請求書作成(月間200件超):Excelで管理。マクロを活用した自動計算シートを整備し、月次処理時間を約30%削減
- 顧客対応(電話・メール、1日平均25件):営業担当不在時のクレーム初期対応・情報共有を担当。対応マニュアルを作成し、引き継ぎミスをゼロに
- 在庫管理:月次棚卸し補助・欠品防止のための発注点管理
【使用ツール】SAP、Excel(マクロ・VLOOKUP・ピボットテーブル)、Outlook、kintone
例文②:IT・SaaS系(ツール活用・データ管理がメインの場合)
職務内容(例文)
【会社概要】クラウドサービス会社、インサイドセールス部 所属、従業員数 約80名
【担当業務】
- Salesforceを使用した顧客データ管理・商談進捗の入力・更新(担当営業5名分を一括管理)
- 月次売上レポート作成(Excelで集計・Power BIでダッシュボード化):毎月の営業会議資料として活用
- 見積書・契約書作成補助:クラウドサイン使用。月間30〜40件の電子契約締結フローを管理
- 問い合わせ対応(メール中心、1日平均15〜20件):FAQ整備により、繰り返し質問への対応時間を約50%削減
【使用ツール】Salesforce、Excel(Power Query・ピボットテーブル)、Power BI、Slack、クラウドサイン
例文③:サービス業・小売系(顧客対応と事務処理が並行する場合)
職務内容(例文)
【会社概要】住宅設備販売会社、営業サポート部 所属、従業員数 約50名
【担当業務】
- 受発注・納品管理(1日平均20〜30件):弥生販売を使用。工事日程と在庫状況を照合し、施工担当と連携して納期調整
- 顧客対応(電話・来店、1日平均10〜15件):商品に関する問い合わせ・クレーム対応・修理依頼の取り次ぎ
- 請求書・見積書作成(月間80〜100件):Excel・弥生販売を使用。支払い遅延が発生した顧客へのフォローコールも担当
- 社内調整:施工部・配送部との日程調整・情報共有(Googleスプレッドシートで進捗管理)
【使用ツール】弥生販売、Excel(VLOOKUP・IF関数)、Googleスプレッドシート、Chatwork
職務経歴書の作成が初めての方や、自分の書いた内容に自信が持てない方は、職務経歴書の自動作成ツールを活用するのも一つの方法です。

自己PR欄の書き方【仕事内容をアピールに変える3パターン】
職務経歴書の仕事内容欄(業務内容)と自己PR欄は役割が異なります。仕事内容欄は「何をやってきたか」の事実を書く場所、自己PR欄は「どんな強みをこの会社で活かせるか」を書く場所です。
営業事務の自己PRでよく使われる3つの切り口と例文を確認します。
パターン①:正確性・スピードをアピールする場合
自己PR例文
受発注業務から請求書発行まで一貫して担当した経験の中で、「正確さとスピードの両立」を自分の強みとして磨いてきました。1日平均40〜60件の受発注処理を担当しながら、請求書の送付漏れゼロを3年間維持。月末の締め処理ではExcelマクロを活用した自動化シートを自ら整備し、作業時間を約3割削減しました。量をこなしながらミスを出さないための仕組みづくりは、次の職場でも即戦力として発揮できると考えています。
パターン②:コミュニケーション力をアピールする場合
自己PR例文
営業担当5名のバックオフィス業務を一手に引き受け、社内外の情報連携を担う役割を担ってきました。顧客からの急な変更依頼や他部署との調整では、相手が何を求めているかを先読みして動くことを意識しています。担当営業が「外に出ることに集中できる環境」を作ることが、チーム全体の成果につながると実感してきました。異なるバックグラウンドを持つ関係者と連携して動く力は、貴社でも発揮できます。
パターン③:業務改善・効率化経験をアピールする場合
自己PR例文
「今のやり方は本当に最善か」という視点で業務に向き合ってきました。前職では、見積書発行フローに属人化した手順が多いことに気づき、テンプレート化と引き継ぎマニュアルの整備を提案・実施。担当が変わっても品質が落ちない仕組みを構築し、新入社員の教育期間を2週間から4日間に短縮しました。改善提案を実行に移す推進力と、チームに定着させるまでの粘り強さが自分の強みです。
書き方の質をさらに高めたい場合は、職務経歴書の有料添削サービスを利用する選択肢もあります。転職エージェントでも無料で添削を受けられるため、積極的に活用してみてください。

まとめ
- 営業事務の職務経歴書は「仕事内容の羅列」ではなく、件数・ツール・工夫をセットで書くことが通過のカギ
- 採用担当者が確認するのは「業務の量と規模感」「営業への貢献度」「スキルレベルの具体性」の3点
- 数字で表せない業務は「改善・効率化の結果」か「営業との連携による間接貢献」の視点で書くと具体性が出る
- 自己PR欄は仕事内容の再掲ではなく「自分の強みがどう貢献できるか」の視点で書く
職務経歴書は、書き方の工夫次第で同じ経験でも採用担当者に与える印象が大きく変わります。上記の例文を参考に、自分の実績と数字を組み合わせた職務経歴書を作成してみてください。
営業事務の職務経歴書に関するよくある質問
- 営業事務の職務経歴書には何を書けばいいですか?
-
受発注業務・見積書や請求書の作成・顧客対応・売上データ管理・営業担当のサポート業務などを記載します。その際、業務名を羅列するのではなく「1日平均○件の受発注処理」「月間○件の請求書発行」のように業務の量・規模感を数字で示すことが採用担当者に刺さる書き方です。
- 営業事務の職務経歴書で数字が出せない業務はどう書けばいいですか?
-
「業務を改善・効率化した経験」か「営業担当の成果に間接的に貢献した経験」の切り口で書くと具体性が出ます。たとえば「マニュアルを作成して引き継ぎ時間を○日から○日に短縮した」「担当営業5名の事務作業を引き受け、外出時間を確保する環境を整えた」のように変化や貢献の内容を明記しましょう。
- 営業事務の職務経歴書のPCスキル欄は何を書けばいいですか?
-
「Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル・マクロ使用可能)」「Salesforce入力・管理経験あり」のように、使用ソフト名とその習熟レベルを具体的に記載します。「Excel使用経験あり」だけでは採用担当者に伝わりません。使用した関数や機能、作成した資料の種類まで書けると評価が上がります。
- 営業事務の職務経歴書と一般事務の書き方の違いはどこですか?
-
一般事務との最大の違いは「営業との連携・営業支援の要素」があるかどうかです。受発注・見積書・顧客対応など営業活動と直結する業務の経験を強調し、「営業担当が外に出ることに集中できる環境を整えた」という視点でアピールするのが営業事務の職務経歴書の差別化ポイントです。


コメント