この記事では、履歴書の片面テンプレートを使ってよい場面と使ってはいけない場面を採用担当者の視点で解説します。「片面」の意味には2種類あるため、まずその違いを整理することがテンプレート選びの第一歩になります。無料でダウンロードできるフォーマットの種類と、A4片面2枚で提出するときの正しいマナーも紹介します。
「片面」の履歴書テンプレートとは
履歴書における「片面」には、実は2つの異なる意味があります。どちらを指しているかによって、選ぶべきテンプレートが大きく変わります。テンプレート探しを始める前に、この違いを確認しておきましょう。
意味①:A4用紙1枚に収まるシンプルなフォーマット
アルバイト・パート応募向けに普及しているのが、A4用紙1枚に必要な項目をすべて収めたコンパクト版の履歴書です。氏名・住所・学歴・職歴・志望動機・本人希望欄が1枚に凝縮されており、「バイト用履歴書」「シンプル版履歴書」とも呼ばれます。
この形式は、職歴が少ない方や初めてアルバイトをする学生に適しています。書くことが少ない状況で2面フォーマットを使うと空白が目立ちやすいため、A4片面1枚でまとめた方がすっきりした書類になります。
意味②:A4用紙2枚を片面ずつ印刷して提出する形式
転職活動で使う標準的な履歴書は「A3用紙1枚の見開き印刷(両面)」が一般的ですが、A4用紙2枚に片面ずつ分けて印刷して提出することもマナー違反にはなりません。これが「A4片面2枚」という形式です。
採用担当者が1枚目(氏名・学歴欄)を見ながら2枚目(志望動機・自己PR欄)を確認できるため、並べて読むことができるという利点もあります。「両面でなければいけない」というルールはなく、この形式で提出しても評価に影響しません。
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| A4片面1枚タイプ | 項目を絞ったシンプルな書式 | アルバイト・パート応募 |
| A4片面2枚タイプ | 標準的な履歴書を2枚に分けて印刷 | 転職・正社員応募 |
| A3両面タイプ | 見開きで一体感のある書式 | 転職・正社員応募(標準) |
片面テンプレートを選んでよい場面
採用担当者はここを見ている
- 書式の種類よりも「空白が多くないか」を気にする
- 内容が少ないのに2面フォーマットを使うと、かえって見栄えが悪くなる
- 職歴・アピール内容が短い場合は、片面でまとめた方がバランスが良い
アルバイト・パート応募
アルバイトやパートの応募では、A4片面1枚タイプのシンプルな履歴書が最も適しています。正社員採用のように詳細な職歴や自己PR欄を求められるケースは少なく、氏名・希望日時・簡単な志望動機が伝われば十分です。
市販の「バイト用履歴書」もA4片面1枚タイプが多く、これが業界標準となっています。アルバイト応募でA3両面の本格的なフォーマットを使うことは問題ありませんが、過剰な書類量で逆に手続きが煩雑になるケースもあります。
職歴が1〜2社の20代の転職活動
転職経験が少なく、職歴を書く欄があまり埋まらない場合は、片面2枚タイプかコンパクトな書式を検討してください。職歴欄が大半空白のまま2面フォーマットを提出すると「記入するものがない」という印象を与えてしまうことがあります。
転職サイトが提供するテンプレートの中には「職歴が浅い方向け」として、志望動機・自己PR欄を広く設けた片面2枚タイプも用意されています。職歴の少なさをポテンシャルやアピール内容でカバーする構成になっているため、こうした専用フォーマットを活用するとよいでしょう。
片面テンプレートが向かない場面
職歴が3社以上ある転職活動
転職回数が多く、各社での職務内容をきちんと伝えたい場合は、職歴欄が十分に確保された標準的なフォーマット(A3両面またはA4片面2枚)を選んでください。
片面1枚タイプの履歴書は職歴欄が2〜3行しかないケースも多く、複数社の経歴を詰め込もうとすると文字が小さくなりすぎて読みにくくなります。採用担当者が職歴を正確に把握できなくなるため、職歴が豊富な方には適しません。
NG例
職歴が5社あるのに「バイト用」の片面1枚テンプレートを選んで提出する。職歴欄に収まりきらず「以下同」などで省略してしまうと、採用担当者は経歴の全体像を把握できなくなります。
応募先が書式を指定している場合
求人票や応募案内に「指定の書式を使用してください」とある場合は、その指示に従うことが最優先です。独自のフォーマットを指定している企業では、書式の違いだけで選考から外れるリスクがあります。
特に大手企業や公的機関では、自社書式や指定フォーマットを使用することがマナーとされているケースがあります。応募前に必ず採用案内を確認し、書式に関する記載があれば必ず準拠してください。
採用担当者が「片面履歴書」を見て感じること
片面の履歴書そのものが選考に不利になることはほとんどありません。ただし、採用担当者が気にするのは「書式の選択が状況に合っているかどうか」です。
採用担当者の本音
- 片面1枚でも問題ないケース:アルバイト・パート応募、職歴が少ない若手の応募。内容が少ないのに2面フォーマットを選ぶより、コンパクトにまとまっている方が読みやすい
- 逆効果になるケース:職歴が豊富なのに片面1枚タイプを使うと、経歴が省略されているように見えてしまい、情報量の少なさが気になる
- 書式より内容を重視:採用担当者は「どの用紙を使ったか」より「何が書かれているか」を見ている。書式が多少違っても、内容が充実していれば評価される
「自分の状況に合った書式を選んでいること」が大切で、片面か両面かはその判断のひとつに過ぎません。書式選びに迷ったときは、「この書式で自分の経歴・アピール内容をきれいに書ききれるか」という基準で判断してください。
履歴書テンプレート片面の選び方と無料ダウンロード先
片面対応の履歴書テンプレートは、主要な転職サイトや求人メディアで無料配布されています。状況に合ったテンプレートを選ぶことが、スムーズな書類作成の第一歩です。
アルバイト・パート向け(1枚完結タイプ)
アルバイト・パート応募には、A4用紙1枚に全項目が収まるシンプルなフォーマットが適しています。求人メディアがPDF・Word形式で無料提供しており、そのままコンビニ印刷もできます。
- タウンワーク:バイト・パート・転職・第二新卒向けの複数種類を提供。A4サイズで片面印刷できるフォーマットを含む
- バイトル:全9種類を掲載。A4サイズの片面1枚で完結するバイト専用テンプレートあり
- Yagish(ヤギッシュ):ブラウザ上で記入してPDF出力できるオンラインツール。A4片面1枚に対応したフォーマットあり
転職・正社員応募向け(A4片面2枚タイプ)
転職・正社員応募には、doda・マイナビ転職・リクナビNEXTなどの転職サービスが提供するテンプレートが品質・種類ともに充実しています。
- doda:厚生労働省推奨様式のほか、職歴を強調するタイプ・志望動機を強調するタイプなど状況別に複数種類を提供
- マイナビ転職:A4サイズのWord・Excel・PDF形式を提供。職歴欄の広さが異なる複数のテンプレートを選べる
- リクナビNEXT:8種類のフォーマットを提供。職歴が浅い方向けに志望動機を広くとったバリエーションもある
テンプレート選びに迷った場合は、採用担当者が選ぶ基準を解説した下記の記事も参考になります。
転職・就職で使える履歴書テンプレートの無料おすすめについて、採用担当者が見落とすNGフォーマットと選び方のポイントをまとめています。

厚生労働省推奨様式とJIS規格のどちらを選ぶか
2021年4月から厚生労働省が推奨する履歴書様式が改訂されました。「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の4項目が削除され、よりプライバシーに配慮した書式になっています。
厚生労働省様式はdodaやリクナビNEXTでも無料提供されています。正社員・転職向けに使う場合はこの様式が最も無難な選択です。JIS規格様式は従来型の書式で、市販の履歴書用紙がこれに対応していることが多いです。
| 様式 | 特徴 | 入手先 |
|---|---|---|
| 厚生労働省推奨様式(2021年改訂) | プライバシー配慮の最新版。不要項目なし | doda・リクナビNEXTなど |
| JIS規格様式 | 従来型。市販の用紙に多い | コンビニ・文房具店 |
| 各社独自様式 | 職歴欄・自己PR欄のサイズが用途別に最適化 | 各転職サービスサイト |
片面テンプレートを印刷・提出するときの注意点
A4用紙2枚になる場合はクリップで留める
標準的な履歴書をA4片面2枚で印刷して提出する場合、クリップで留めるのが正解です。ホッチキス留めは書類の確認時に外しにくくなるためNGとされています。
NG例
ホッチキスで綴じて提出する。採用担当者が1枚目と2枚目を並べて確認できなくなり、書類整理も煩雑になります。ホッチキス留めは避けてください。
郵送で提出する場合も、クリップで留めた状態で封筒に入れます。封筒の中で書類がバラけないよう、クリップの向きを確認してから封をしてください。
印刷サイズと用紙の向きを確認する
ダウンロードしたテンプレートをそのまま印刷すると、サイズが合わずに枠がはみ出すことがあります。印刷前に以下を必ず確認してください。
- 印刷設定で「用紙サイズ」が「A4」になっているか(デフォルトがA3のままになっているケースがある)
- 「倍率:100%(実際のサイズ)」に設定されているか(「ページに合わせる」にすると縮小される場合がある)
- 用紙の向きが「縦」になっているか(一部テンプレートで横向きになっている場合がある)
- コンビニ印刷の場合は、PDFファイルの向きと用紙の向きが一致しているか
パソコンにWordやExcelが入っていない場合は、ブラウザ上で作成・保存できるオンライン履歴書ツールも選択肢になります。無料で使える履歴書作成ツールのおすすめについては、採用担当者が本音で評価する基準とあわせてまとめています。

まとめ
- 「片面」の意味には「A4用紙1枚タイプ」と「A4片面2枚印刷」の2種類ある
- アルバイト・パート応募や職歴が少ない場合は片面1枚タイプが適している
- 職歴が豊富な転職活動では、記入欄が十分にある標準フォーマットを選ぶ方が望ましい
- 片面履歴書そのものが選考に不利になることはなく、採用担当者は内容を重視している
- 無料テンプレートはdoda・マイナビ転職・リクナビNEXT・タウンワーク・バイトルなどで入手できる
- A4片面2枚になる場合はクリップで留め、ホッチキス留めは避ける
書式を正しく選んだ上で各欄の内容を丁寧に書き込むことが、書類選考を通過する近道です。
- 履歴書を片面で提出するのはマナー違反ですか?
-
片面での提出はマナー違反ではありません。アルバイト・パート応募ならA4片面1枚タイプが一般的です。転職・正社員応募でも、A4片面2枚で印刷して提出することは問題ありません。採用担当者は書式よりも記入内容を重視するため、自分の状況に合ったフォーマットを選べば問題ありません。
- 履歴書の片面テンプレートはどこで無料ダウンロードできますか?
-
doda・マイナビ転職・リクナビNEXT・タウンワーク・バイトルなどの転職・求人サイトが無料でダウンロードを提供しています。Word・Excel・PDF形式が選べる場合が多く、厚生労働省推奨の最新様式に対応したものも含まれています。パソコンにWordがない場合はYagishなどのオンラインツールでブラウザ上から作成・PDF出力もできます。
- 片面テンプレートを2枚印刷した場合、どう提出すればよいですか?
-
クリップで留めて提出するのが正解です。ホッチキスで綴じると採用担当者が2枚を並べて確認できなくなり、書類整理も煩雑になるためNGです。郵送する場合も、クリップで留めた状態で封筒に入れて送ります。
- 履歴書の片面と両面、採用に影響しますか?
-
書式そのものが採用可否に影響することはほとんどありません。採用担当者が見るのは内容であり、自分の状況に合ったフォーマットで丁寧に記入することが最優先です。職歴が少ない場合は片面1枚でまとめた方が見栄えがよく、職歴が豊富な場合は十分なスペースがある書式を選ぶことが大切です。


コメント