この記事では、金融営業職(銀行・証券・保険)の職務経歴書の書き方を、採用担当者が実際に評価するポイントから逆算して解説します。よくあるNG例・状況別の例文・資格欄の正式名称まで網羅しています。
採用担当者が金融営業の職務経歴書でまず確認する3つのポイント
金融営業の採用担当者が職務経歴書を開いて最初にチェックするのは、「どんな商品を・どんな顧客に・どれだけ売ったか」の3点です。この3点が読み取れない書類は、内容を精読する前に評価が下がります。
①取り扱い商品と担当顧客の属性が書かれているか
金融商品には「投資信託・株式・債券・変額保険・外貨建て保険・生命保険・損害保険」など多くの種類があります。採用担当者は「この人は何を売っていたのか」を最初に確認します。
顧客属性も同様です。「個人(富裕層・一般層・退職予定者)」「法人(中小企業・大企業)」など、担当顧客の特性を明記することで、採用担当者は自社のビジネスモデルとのマッチングを素早く判断できます。
採用担当者はここを見ている
- 「金融商品の提案業務を担当」ではなく「投資信託・変額保険を個人富裕層向けに提案」と書かれているか
- 担当顧客の資産規模・企業規模など「ボリューム感」が伝わるか
- 個人営業なのか法人営業なのか、またはその両方なのかが明確か
②実績が数値で表現されているか
「頑張りました」「達成しました」だけでは採用担当者には何も伝わりません。実績は必ず目標・実績・達成率・ランキングなど複数の数値で示すことが基本です。数値がない職務経歴書は、同じ経験年数でも「数字に向き合ってこなかった人」という印象を与えます。
| 書くべき数値の種類 | 記載例 |
|---|---|
| 達成率 | 年間目標3億円に対して3億5,000万円達成(達成率117%) |
| 顧客数 | 個人顧客担当数150名、うち富裕層(金融資産5,000万円以上)20名 |
| 商品残高 | 担当顧客の投資信託残高合計1億2,000万円 |
| 社内ランキング | 個人部門25名中3位(前年は15位) |
| 前年比 | 保険新規契約件数 前年比135% |
③金融知識とコンプライアンス意識が読み取れるか
金融業界は法令遵守(コンプライアンス)が極めて重要な業界です。採用担当者は職務経歴書から「この人はルールを守れるか」「金融知識を継続的にアップデートしているか」を読み取ろうとします。
保有資格(証券外務員・FP技能士・銀行業務検定など)の記載はもちろん、自己PR欄に「顧客の最善利益を重視した商品提案を徹底」「金融商品取引法改正に伴いXXXの知識を習得」などの記述があると、採用担当者の信頼を得やすくなります。「法令を守ることへの意識」は採用担当者が金融業界で最も重視するポイントのひとつです。
金融営業の職務経歴書の書き方(各セクション別)
職務要約:3〜4行で経歴と実績を端的に伝える
職務要約は採用担当者が最初に読む部分です。経験・商品・実績・特記事項を3〜4行で圧縮します。「どこで・何年・何を売り・どの水準の成績だったか」がすぐ伝わる書き方を意識してください。
良い例文(職務要約)
○○銀行に8年間勤務し、個人顧客向けの資産運用提案を担当しました。主力商品は投資信託・変額保険・外貨建て保険で、担当顧客数は150名(うち富裕層20名)。年間目標達成率は平均112%で、直近3期は支店内個人部門25名中トップ5を維持しています。2024年からはプライベートバンキング部門に異動し、金融資産1億円超の顧客を担当しています。
職務内容欄:担当商品・顧客・行動量を明記する
職務内容欄には「何を・誰に・どのように売ったか」を具体的に書きます。金融営業に特有の点として、「月次訪問件数」「月次提案件数」「顧客フォロー頻度」など行動量の数値を含めると、採用担当者に営業スタイルが伝わりやすくなります。
- 担当業務:個人顧客150名の資産運用コンサルティング(主力商品:投資信託・変額保険)
- アポイント・訪問:月次平均アポ30件、外訪15件、電話フォロー80件
- 新規開拓:紹介・セミナー経由での新規顧客獲得(月平均3〜5名)
- コンプライアンス対応:適合性原則に基づく商品提案、リスク説明資料の整備・管理
実績欄:目標・達成率・ランキングで客観化する
実績欄は「採用担当者がこの人を採用すべき理由」を数字で示すパートです。目標数字と実績数字を並べて達成率を明示することで、採用担当者は「この人がどの水準にいるか」を客観的に判断できます。
「2024年度:年間目標3億円・実績3億5,000万円(達成率117%)、支店個人部門25名中3位」のように、目標・実績・達成率・ランキングの4点セットで記載することを意識してください。
資格欄:金融系資格の正式名称と書き方
金融営業では保有資格が採用評価に直結します。資格欄には略称ではなく正式名称で記載することが必須です。採用担当者は資格名の誤記・略称使用を確認しており、それだけで「細かさが足りない」と判断するケースがあります。
| 資格名(通称) | 正式名称(職務経歴書・履歴書に記載する名称) |
|---|---|
| 証券外務員一種 | 一種外務員資格 |
| 証券外務員二種 | 二種外務員資格 |
| FP2級 | 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 |
| FP3級 | 3級ファイナンシャル・プランニング技能士 |
| 銀行業務検定(財務2級) | 銀行業務検定試験 財務2級 |
| 生命保険募集人(一般課程) | 生命保険募集人資格(一般課程) |
| 内部管理責任者 | 内部管理責任者資格 |
証券外務員・銀行業務検定の正式名称と書き方の詳細は、以下の記事も参考にしてください。

銀行業務検定を履歴書に書くときの正式名称と採用担当者の評価実態

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銀行営業(個人・法人向け)の例文
銀行営業の職務経歴書では、「リテール営業なのか法人営業なのか」「資産運用提案なのか融資なのか」を明確にすることが最初のポイントです。両方経験している場合はセクションを分けて記載します。銀行特有の表記ルールと志望動機の書き方は、銀行への転職・就職で提出する履歴書の書き方も参照してください。

良い例文(銀行リテール営業)
【担当業務】
個人顧客約120名の資産運用コンサルティング。主力商品は投資信託・変額保険・仕組み預金。
【実績】
・2024年度:投資信託販売額2億8,000万円(目標2億5,000万円・達成率112%)
・変額保険新契約件数 年間30件(支店内2位 / 担当者25名中)
・富裕層顧客紹介件数 年間12名(前年6名・前年比200%)
NG例
「個人のお客様に金融商品の提案を行い、資産運用のサポートをしてきました。顧客満足度が高く、評価されました。」
何の商品を・何件・どの水準で売ったかが一切不明。採用担当者は「自社でも同じことができるか」を判断できず、書類選考を通過しません。
証券リテール営業の例文
証券営業では「株式・債券・投資信託のうちどれがメインか」「新規開拓か既存顧客深耕か」「手数料収入型か預かり資産残高型か」を明確にします。近年はフィー型(残高連動)への移行が進んでいるため、どちらで実績を上げてきたかも記載ポイントになります。
良い例文(証券リテール営業)
【担当業務】
個人顧客80名・法人顧客20社の資産運用提案(株式・投資信託・社債)。新規顧客開拓はセミナー・紹介経由が中心。
【実績】
・担当顧客の預かり資産残高:7億2,000万円(1年前比+1億5,000万円)
・投資信託残高 支店内10名中1位(2024年3月期)
・新規顧客獲得 月平均4名(社内平均2名)
保険営業(生命保険・損害保険)の例文
保険営業では「生命保険か損害保険か」「個人ルートか法人ルートか」「代理店か直販か」を区別して記載します。保険営業特有のアピールポイントとして「顧客へのリスク説明の徹底」「ライフプランニング提案力」「継続率」を盛り込むと採用担当者に刺さります。
良い例文(生命保険営業)
【担当業務】
個人顧客への生命保険・医療保険提案(担当顧客数200名)。ライフプランニングシートを活用し、必要保障額から逆算した提案を実施。
【実績】
・新規契約件数:年間60件(目標48件・達成率125%)
・継続率:96.5%(全国平均88%を大幅上回る)
・表彰:2023年・2024年 全社TOP20表彰受賞
生命保険・損害保険の資格欄の正式な書き方は、以下の記事も参考にしてください。


採用担当者が落とす!よくあるNG例と改善策
競合他社の多くの記事はNG例を掲載していません。しかし採用の現場では「どう書けばよいか」よりも「なぜ落とされるのか」を知ることの方が書類通過に直結します。金融営業の職務経歴書でよく見られるNGパターンを3つ紹介します。
業務説明になっていて実績がゼロのパターン
NG例
「投資信託・保険商品の提案・販売業務を担当しました。お客様のニーズを聞いて、最適な商品をご提案するよう努めていました。」
このパターンは「業務の説明」になっていて「実績・成果」がないのが致命的です。採用担当者は「この人を採用すれば数字が取れるか」を知りたいわけですが、実績のない職務経歴書からはその判断ができません。「どれだけ売ったか・どの水準にいたか」を必ず数値で示してください。
取り扱い商品と顧客が「金融商品全般」と曖昧なパターン
NG例
「様々な金融商品を個人・法人問わず幅広いお客様に提案してきました。」
「様々な」「幅広い」はNGワードです。採用担当者は「どの商品を・どの顧客に」という具体性から、自社業務とのマッチングを判断します。取り扱い商品はすべて列挙し、担当顧客は属性(個人富裕層・中小企業法人・退職予定者など)で説明してください。
成績が低かった時期の扱い方
成績が良くなかった時期があっても、職務経歴書に「空白」は禁物です。低成績期間を「隠す」のではなく「文脈で説明する」ことで、採用担当者の印象は大きく変わります。
成績が低かった時期の書き方例
「2022年度は新商品への切り替え期にあたり、目標比75%にとどまりました。翌2023年度には新商品の知識を重点的に習得し、提案スキルを強化した結果、達成率108%まで回復させました。」
実績の推移とそれに向けた行動を正直に書く方が、面接での説明とも整合しやすく、採用担当者の信頼を得られます。「数字がない・実績が少ない」とお悩みの方は、数字ゼロでも通過できる職務経歴書の書き方も参考にしてください。

異業種から金融営業を目指す場合の職務経歴書の書き方
金融営業未経験で転職を目指す場合、職務経歴書でよくある誤りは「前職の業務内容をそのまま書くだけ」です。採用担当者が知りたいのは「あなたが金融営業として機能するか」であり、前職の業務をそのまま羅列しても評価されません。
前職経験を「金融営業に活かせるスキル」に変換する
大切なのは「翻訳」です。小売業での接客経験は「ヒアリング力・クロージング力」として言語化でき、IT営業の経験は「法人顧客への複雑な商品提案スキル」として転用できます。前職の業務を「金融営業で役立つ言葉」に置き換えることが、書類選考通過の鍵です。
| 前職の業務 | 金融営業での活かし方(翻訳例) |
|---|---|
| 保険代理店での提案営業 | 顧客リスク分析・保障設計の提案スキル→生命保険・損害保険の提案に直結 |
| 不動産仲介営業 | 高額商品のクロージング経験・複数ステークホルダーの調整→法人向け金融商品提案に活用 |
| 小売業での接客 | 顧客ニーズの引き出し・信頼構築力→リテール金融営業の顧客接点に活用 |
| BtoB法人営業 | 決裁者へのアプローチ・課題解決型提案→法人向け融資・資産運用提案に活用 |
異業種でも評価される3つの共通スキル
金融営業未経験者が書類選考を通過するためには、以下の3つのスキルを自己PR欄で明示することが重要です。採用担当者は「金融知識は入社後に身につけられる」と考えていますが、「人間力・信頼構築力・数字への向き合い方」は経歴から読み取ろうとします。
- ヒアリング力:顧客の状況・課題・感情を正確に把握する力。前職での顧客対応件数・提案成功率などを数値化して示す
- 目標達成への執着力:金融営業は数字の世界。前職での「目標達成率・前年比・社内ランキング」を必ず記載する
- 長期的な信頼構築力:金融商品は「継続的な関係性」が前提。前職でのリピート率・継続受注率・担当継続期間などで示す
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 金融営業の職務経歴書では「取り扱い商品・担当顧客属性・実績の数値」の3点が最重要
- 実績は目標・達成率・ランキング・前年比の4点セットで記載する
- 資格欄は正式名称で記載(略称・通称はNG)
- 最も多いNGパターンは「業務説明で終わっていて実績がない」書類
- 成績が低かった時期は「隠す」より「文脈で説明する」方が採用担当者の信頼を得られる
- 異業種からの転職は「前職スキルの翻訳」と「ヒアリング力・目標達成力・信頼構築力の提示」が鍵
職務経歴書の完成度は書類選考の通過率に直結します。採用担当者が本当に見ているポイントから逆算した書き方で、転職活動を前進させてください。
金融営業の職務経歴書に関するよくある質問
- 金融営業の職務経歴書は何枚が適切ですか?
-
A4判2〜3枚が適切です。1枚では実績や職務内容の詳細が伝わりにくく、4枚以上になると採用担当者が読み疲れます。経験が浅い場合(1〜3年)は2枚、複数の職場・商品を経験している場合は3枚を目安にしてください。
- 顧客情報や実績の数字は個人情報保護上、詳しく書いても大丈夫ですか?
-
担当顧客数・実績金額・達成率などは一般的に記載して問題ありません。ただし特定の顧客名・取引内容・企業名など、守秘義務の対象となる情報は記載を避けてください。「個人顧客150名担当」「担当顧客の預かり資産残高合計7億円」のように匿名化した集計値で示すのが適切です。
- 銀行・証券・保険のどれから転職するかで書き方は変わりますか?
-
業種によって強調すべき記載内容が異なります。銀行は「個人/法人の別・商品種別・達成率」、証券は「預かり資産残高・残高増加額」、保険は「新規契約件数・継続率・表彰実績」をそれぞれ前面に出すことが効果的です。転職先が同業種か異業種かによっても、アピールすべきポイントが異なるため、応募先のビジネスモデルに合わせて記載内容を調整してください。
- 証券外務員の資格がないと金融営業への転職は難しいですか?
-
資格がなくても金融営業への転職は可能です。資格がない場合は「入社後◯か月以内に取得予定」と職務経歴書の資格欄や自己PR欄に明記することで、採用担当者に学習意欲と計画性を示せます。採用後に資格取得を前提とした採用を行っている金融機関も多くあります。


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