この記事では、JIS規格の履歴書Wordテンプレートの入手先と正しい使い方を解説します。2020年7月にJIS規格の履歴書様式例は廃止されましたが、現在も問題なく使用できます。厚生労働省様式との項目の違い、Word作成で起こりやすい失敗、採用担当者が書類審査で実際に見るポイントもあわせて紹介します。
JIS規格の履歴書とは?2020年に廃止された背景と今の状況
JIS規格の履歴書とは、日本産業規格(JIS:Japan Industrial Standards)の解説に記載されていた様式例に基づいた履歴書フォーマットのことです。長年にわたり就職・転職活動における事実上の「標準フォーマット」として使われ、コンビニや文房具店で販売されている市販の履歴書の多くもこのレイアウトをベースにしていました。
JIS規格の履歴書が廃止になった理由
2020年7月17日、一般財団法人日本規格協会がJIS Z 8303の解説から履歴書の様式例を削除しました。主な理由は、性別欄の記載方法をめぐるLGBT当事者への配慮の問題です。NPO法人POSSEなどの支援団体が性別欄の削除や変更を求める要請活動を行い、日本規格協会が対応しきれないと判断した結果、様式例全体が削除される形となりました。
その後、2021年4月16日に厚生労働省が新しい「履歴書の様式例」を公表しました。この厚生労働省様式が現在の事実上のスタンダードです。
廃止後も「JIS規格の履歴書」は使える
重要なのは、JIS規格の様式例が削除されたのはJIS規格協会の文書から、という点です。JIS規格ベースの履歴書を就職・転職活動に使うこと自体は禁止されておらず、現在も有効です。書式の種類を理由に書類選考で不利になることはほぼありません。
採用担当者はここを見ている
- JIS規格か厚生労働省様式かよりも、志望動機・職歴の記載内容の具体性が合否を左右する
- フォーマットの種類を理由に落とす採用担当者はほぼいない
- 企業から「この様式で」と指定がある場合は、必ずその指示に従う。指定違反は「指示を読まない人」と判断されるリスクがある
JIS規格と厚生労働省様式の5つの違い
JIS規格の履歴書と厚生労働省様式の最大の違いは記載項目の数です。厚生労働省様式では、応募者のプライバシーへの配慮という観点から、JIS規格にあった複数の項目が削除・変更されています。
| 項目 | JIS規格 | 厚生労働省様式 |
|---|---|---|
| 性別欄 | 「男・女」選択式 | 任意記載(未記載も可) |
| 通勤時間 | あり | 削除 |
| 扶養家族数(配偶者除く) | あり | 削除 |
| 配偶者 | あり | 削除 |
| 配偶者の扶養義務 | あり | 削除 |
どちらを選ぶべきか
厚生労働省様式はあくまで「参考例」であり、法的拘束力はありません。企業は独自の様式を使用することも認められています。そのため、JIS規格のWordテンプレートを使用しても採用上の不利益は生じません。
様式の選び方ガイド
- 企業から書式指定がある場合:必ず指定された様式を使う
- 書式指定がない場合:JIS規格・厚労省様式どちらでも可。記載項目が多いJIS規格の方が「書くことが多い」と感じる人には使いやすい
- 性別欄を任意にしたい場合:厚生労働省様式を選ぶ
- 新卒就活の場合:企業や大学から指定があればそれに従い、なければどちらでも問題ない
JIS規格の履歴書Wordテンプレートを無料でダウンロードする方法
JIS規格の履歴書Wordテンプレートは、複数の転職支援サービスや公的機関のWebサイトから無料でダウンロードできます。以下に信頼性の高いダウンロード先をまとめました。
| 配布元 | 形式 | 特徴 |
|---|---|---|
| doda(パーソルキャリア) | Word・Excel・PDF | JIS規格・厚労省様式・転職用など複数種類を用途別に提供 |
| マイナビ転職 | Word・Excel・PDF | 転職・新卒・アルバイト用をサイズ別に提供 |
| リクナビNEXT | Word・Excel・PDF | 厚労省様式対応も含む8種類 |
| ハローワーク(公共職業安定所) | Excel | 公的機関の公式配布テンプレート |
| 厚生労働省公式サイト | PDF・Excel | 2021年公表の新様式例(厚労省様式) |
WordテンプレートはA4サイズで、フォントサイズや行間があらかじめ設定されているため、各セルに文字を入力するだけで書類の体裁が整います。ただしOSやWordのバージョンによってレイアウトがずれることがあるため、印刷前にPDF変換して確認する手順が欠かせません。

Word作成の履歴書で陥りがちな3つのミス
JIS規格のWordテンプレートをダウンロードしても、そのまま入力するだけでは採用担当者に渡せる完成度にならないことがあります。採用担当者が実際に目にする「崩れた書類」の原因は、ほぼ次の3パターンに集約されます。
①フォントの不一致によるレイアウト崩れ
Wordのテンプレートは「游明朝」や「MS明朝」など特定のフォントで設計されています。使用しているPCにそのフォントがインストールされていない場合、文字が別のフォントに自動置換されてセルからはみ出したり余白が変わったりします。
NG例
フォント確認をせずに入力→印刷後に文字が枠外にはみ出している・行間がバラバラ
良い例
入力前にホームタブでフォントを確認。履歴書のフォントは明朝体10.5〜11ptが標準。文字サイズを統一してから入力を始める

②Wordのバージョン差による表示崩れ
テンプレートを作成したWordのバージョンと使用中のバージョンが異なる場合、行間・セルの幅・余白が微妙にずれることがあります。特にMac版WordとWindows版Wordの間では、同じファイルでも異なる表示になりやすいです。
対策:入力が完成したら必ずPDF変換して印刷イメージを最終確認します。PDFにすることでどの環境で開いても同じ表示になり、メール提出でも崩れません。
③印刷設定のミス(用紙サイズ・縮小印刷)
履歴書はA4サイズ(縦向き)が原則です。プリンターの設定が「用紙に合わせて縮小」になっていると文字や写真が小さくなり、読みにくい書類になります。「2ページを1枚に印刷」の設定が誤って入っているとA5サイズで出力されることもあります。
- 印刷設定:用紙サイズ「A4」・倍率「100%(縮小なし)」を確認
- PDF変換:印刷前に必ずPDFで表示を確認する
- 写真:Wordに貼り付けた証明写真が印刷後に潰れていないか確認
JIS規格の履歴書Wordテンプレート各項目の書き方
JIS規格の履歴書Wordテンプレートには、厚生労働省様式にはない「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者」欄があります。これらも含め、採用担当者が実際に確認するポイントをセクションごとに解説します。
日付・基本情報の書き方
- 日付:「記入日(提出日)」を書く。郵送の場合は投函日、持参・手渡しの場合は面接日
- 氏名:戸籍上の正式名称を記載。ふりがな欄が「ふりがな」ならひらがな、「フリガナ」ならカタカナで統一
- 現住所:都道府県から番地まで正式表記で記載(省略・略称NG)
- 連絡先:日中に連絡が取れる携帯番号とメールアドレスを記載
学歴・職歴欄の書き方
学歴と職歴は同じ欄に記載します。最初に「学歴」と書いて高校入学から記載し、続けて「職歴」と書いて職歴を記載します。最後の行に「以上」と書いて締めます。
採用担当者はここを見ている
- 学校名・学部・学科は正式名称で書く(「○大」「工学部」などの略称NG)
- 職歴は「入社」「退社」の表記を書類全体で統一する(「就職」「退職」でも可だが混在はNG)
- 現在在職中の場合は「現在に至る」と記載し、最終行に「以上」を入れる
- 会社名は「株式会社〇〇」など前株・後株を正確に記載する(略称・省略NG)
資格・免許欄の書き方
資格は正式名称と取得年月を記載します。略称では採用担当者が確認できない場合があり、信頼性が下がります。
- ×「英検2級」→ ○「実用英語技能検定2級 取得」
- ×「普通免許」→ ○「普通自動車第一種運転免許 取得」
- 業務に関連する資格を優先して記載し、無関係な資格は省略しても問題ない
志望動機欄の書き方
JIS規格の履歴書Wordテンプレートには志望動機欄が設けられています。スペースに限りがあるため、「なぜこの会社を選んだのか」という理由を1〜2文で明確に示すことが採用担当者に響く書き方のポイントです。
NG例
「貴社の事業内容に魅力を感じ、応募しました。どうかよろしくお願いいたします。」→「なぜこの会社か」が一切わからず読み飛ばされる
良い例
「前職でのカスタマーサポート5年間で培った課題解決の経験を活かし、貴社の〇〇サービスのユーザー満足度向上に貢献したいと考え応募しました。特に顧客折衝業務での即戦力として活躍できると判断しています。」
通勤時間・扶養家族欄の書き方(JIS規格固有)
JIS規格の履歴書には、厚生労働省様式にはない以下の欄があります。
- 通勤時間:自宅から会社の最寄り駅までの所要時間を「〇時間〇分」の形式で記載。片道の時間を書く
- 扶養家族数(配偶者除く):配偶者以外で税扶養に入っている人数(子ども・親など)を数字で記載
- 配偶者:「有・無」に○をつける(未婚は「無」、既婚は「有」)
- 配偶者の扶養義務:配偶者が扶養内の場合は「有」、配偶者が自身で社会保険に加入している場合などは「無」
企業から「JIS規格で提出」と指定された場合の対処法
求人票や応募案内に「履歴書はJIS規格の様式を使用してください」と明記されている場合があります。この指定がある場合は、厚生労働省様式や独自テンプレートは使わず、必ずJIS規格のWordテンプレートを使用してください。
書式の指定に従えるかどうかを、採用担当者が最初の書類審査で確認しているケースがあります。「細かい指示を守れるか」を測る意図が含まれている場合もあり、指定を無視した書式で提出することはリスクになります。
採用担当者はここを見ている
- 書式指定があるのに違う様式を使うと、「募集要項を読んでいない人」と判断されることがある
- 「JIS規格でなければならない理由」が企業側にある場合(社内管理システムとの連携・過去の採用慣行など)もある
- 指定書式が見つからない場合は採用担当者に直接確認するのが最も確実。確認する行動力そのものが好印象につながることもある
JIS規格のWordテンプレートが見つからない場合は、前述のdoda・マイナビ転職・リクナビNEXTなどからダウンロードできます。また、無料の履歴書作成ツールを使えばWeb上でJIS規格に近いフォーマットを作成・PDF出力することも可能です。

まとめ
- JIS規格の履歴書は2020年7月に様式例が削除されたが、現在も使用できる
- 厚生労働省様式との違いは「通勤時間・配偶者・扶養家族」欄の有無と性別欄の扱いの5点
- JIS規格のWordテンプレートはdoda・マイナビ転職・リクナビNEXTなどから無料ダウンロードできる
- Word使用時はフォントの確認・バージョン差・印刷設定の3点に注意する
- 企業から書式指定がある場合は必ず指定の様式に従う
書式の種類よりも、志望動機・職歴などの記載内容の具体性が選考を左右します。テンプレートを入手したら、各項目を採用担当者の目線で見直してみてください。
履歴書テンプレートword JIS規格に関するよくある質問
- JIS規格の履歴書は現在も使えますか?
-
使用できます。2020年7月にJIS規格の様式例は廃止されましたが、JIS規格ベースのフォーマットを就職・転職活動で使うこと自体は禁じられていません。採用選考で書式の種類を理由に不利になることはほぼありません。ただし、企業から「指定の様式を使うよう」指示がある場合は必ずその指示に従ってください。
- JIS規格の履歴書Wordテンプレートはどこでダウンロードできますか?
-
doda・マイナビ転職・リクナビNEXTなどの転職支援サービスのWebサイトから無料でダウンロードできます。ハローワークのサイトにもExcel形式のテンプレートがあります。Word形式は入力後にフォントと印刷設定(用紙A4・縮小なし)を確認し、必ずPDFに変換してから提出してください。
- JIS規格と厚生労働省様式はどちらを使うべきですか?
-
企業から書式指定がある場合は必ずその指示に従ってください。指定がない場合はどちらを使っても問題ありません。JIS規格の方が記載できる情報量(通勤時間・扶養家族など)が多く書きやすいと感じる方もいます。性別欄を任意にしたい場合は厚生労働省様式が適しています。
- WordのJIS規格テンプレートを使ったらレイアウトが崩れました。どうすれば直せますか?
-
フォントの不一致が原因のことが多いです。テンプレートが指定するフォント(游明朝・MS明朝など)が使用中のPCにインストールされているか確認してください。フォントがない場合は別フォントに置き換えられてレイアウトが変わります。確認後もずれる場合は、Wordのバージョン差が原因の可能性があります。入力完了後に必ずPDF変換してから印刷イメージを確認することで、問題の多くは解決できます。


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