この記事では、JIS規格の履歴書WordテンプレートをPC作成で活用したい方に向けて、2020年の廃止経緯から現在の正しい様式の選び方、採用担当者が確認しているポイントまでを解説します。
JIS規格の履歴書とは?2020年に廃止された背景と今の正解
「履歴書はJIS規格の様式を使えばよい」と言われてきた時代がありました。JIS規格とは、日本産業規格(Japan Industrial Standards)の略で、履歴書の標準的なフォーマットが規格として定められていたものです。採用側と求職者の双方が共通のフォーマットを使うことで、情報を整理しやすくなるという考え方から広まりました。
しかし現在、JIS規格の履歴書は廃止されており、「JIS規格のWordテンプレート」を探してそのまま使うことにはリスクが伴います。正しい情報を把握したうえでテンプレートを選ぶ必要があります。
JIS規格の履歴書が廃止になった理由
2020年7月、日本規格協会はJIS規格の解説の様式例から履歴書を削除しました。これが事実上の「廃止」です。廃止の背景には、性的指向・性自認(SOGI)の多様性への配慮と、公正な採用選考の確保という二つの目的があります。
旧来のJIS規格の履歴書には「性別」欄が〔男・女〕の選択式で設けられていました。また「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の各項目も含まれていました。これらの情報は採用選考において本来必要ではないにもかかわらず、求職者に回答を迫る可能性があるとして問題視されてきた経緯があります。
| 廃止された項目 | 旧JIS規格での扱い | 廃止理由 |
|---|---|---|
| 性別 | 〔男・女〕の選択式 | 性自認の多様性に配慮(現在は任意記載) |
| 通勤時間 | 記載欄あり | 採用選考に不要な個人情報 |
| 扶養家族数 | 記載欄あり | 採用選考に不要な個人情報 |
| 配偶者 | 記載欄あり | 採用選考に不要な個人情報 |
| 配偶者の扶養義務 | 記載欄あり | 採用選考に不要な個人情報 |
廃止後の新しい標準:厚生労働省の履歴書様式例
JIS規格廃止を受け、厚生労働省が2021年4月に「履歴書様式例」を公表しました。これが現在の事実上の標準フォーマットです。主な変更点は以下のとおりです。
- 性別欄が「任意記載欄」となり、未記載でも問題ない
- 通勤時間・扶養家族数・配偶者・配偶者の扶養義務の各欄が削除
- 学歴・職歴・免許・資格・志望動機・自己PRなど基本項目は維持
採用担当者はここを見ている
- 旧JIS規格の様式(性別欄・通勤時間欄あり)を使ってくると、「情報収集が古い」という印象を持つことがある
- 公正採用選考を重視する企業では、採用担当者から「新しいフォーマットに変えてください」と返却するケースが増えている
- フォーマット選びの正確さは、「細部まで気を配れるか」という人物評価にも間接的につながる
JIS規格のWordテンプレートはどこで手に入るか
「JIS規格の履歴書のWordテンプレートをダウンロードしたい」という需要は根強く、廃止後の現在も各種サービスで配布されています。ただし、ここで注意すべき点があります。
「JIS規格」と表記されていても、旧様式のテンプレートがそのまま残っているケースと、新しい厚労省様式に近い形に更新されているケースが混在しています。ダウンロード前に必ず内容を確認することが必要です。
現在ダウンロードできる「JIS規格参考」Wordテンプレート
現在、転職・就活支援系のウェブサービスの多くが「JIS規格参考」型のWordテンプレートを無料配布しています。doda・マイナビ転職・ミライトーチなどが代表的です。これらのサービスのテンプレートは定期的に更新されており、最新の厚労省様式に対応しているものが増えています。
ダウンロードするテンプレートが以下のどちらの様式かを確認してください。
- 旧JIS規格タイプ(使用に注意):性別欄が「男・女」の選択式、通勤時間・扶養家族数などの欄あり
- 厚労省推奨タイプ(現在の正解):性別欄が任意または削除、通勤時間などの欄なし
厚労省の様式をWordで使う方法
厚生労働省が公表している「履歴書様式例」はPDF形式とExcel形式で提供されています。Word形式での公式配布はないため、Wordで作成したい場合は以下のいずれかの方法をとります。
- 民間配布のWordテンプレートを使う:厚労省の様式例を参考に更新された最新版のWordテンプレートを転職サービスからダウンロードする
- Excelをそのまま使う:厚労省公式のExcelフォーマットを使用し、PDF化して提出する
- Web履歴書作成ツールを使う:Wordにこだわらず、最新様式に対応したオンラインツールで作成・PDF出力する
無料テンプレートの選び方と採用担当者目線での注意点は、履歴書テンプレート無料おすすめの選び方でも詳しく解説しています。

採用担当者が見るWordテンプレート選び3つのポイント
「とりあえずJIS規格と書いてあるテンプレートをダウンロードした」という状態のまま書類選考に臨む方が後を絶ちません。書類の中身より前に、採用担当者に「この人はきちんと情報を調べている」と思わせるためにも、テンプレート選びの基準を押さえておきましょう。
廃止済みの項目(性別欄・通勤時間欄)が書類選考に影響する理由
旧JIS規格のテンプレートには、採用選考で本来使うべきではない情報を求める欄が残っています。特に注意が必要なのが性別欄です。「男・女」から選択する欄があるテンプレートはすでに時代遅れで、大手企業では旧様式の書類を受け取ったとき、採用担当者から書き直しを求めるケースが増えています。
NG例
「性別:男」「通勤時間:45分」「扶養家族数:2名」「配偶者:有」を記載した旧JIS規格の履歴書を提出する。採用担当者はこれらの欄が「不要な個人情報の記載」であることを知っているため、最新情報を調べていないと判断されることがあります。
フォントと文字サイズの統一が採用担当者の「読みやすさ」に直結する
WordテンプレートはPDFと違い、入力時にフォントが変わってしまうケースがあります。特に注意が必要なのは以下の3点です。
- 使用するフォント:Windows環境では「游明朝」「MS明朝」、Macでは「ヒラギノ明朝」が基本。ゴシック体や特殊フォントは印象が軽くなるため避ける
- 文字サイズ:本文は10.5〜11ptが標準。セルからはみ出すと自動縮小されるため、入力量と文字サイズのバランスを確認する
- 印刷確認:入力後は必ずA4サイズで印刷プレビューを実施する
フォント選びの詳細は、履歴書のフォントは明朝体が基本|サイズ・種類を解説した記事も参考にしてください。

用途(転職・新卒・アルバイト)で選ぶべき項目構成が変わる
一口に「JIS規格のWordテンプレート」と言っても、転職用・新卒用・アルバイト用など複数のバリエーションがあります。用途に合わない様式を選ぶと、重要な情報が書けないか、逆に空欄だらけになるかのどちらかです。
| 用途 | 重視すべき欄 | 選ぶ際のポイント |
|---|---|---|
| 転職(中途) | 職歴欄・志望動機・資格 | 職歴欄が縦長に広いタイプを選ぶ |
| 新卒・就活 | 学歴欄・自己PR・ゼミ | 学歴欄と自己PR欄が大きいタイプを選ぶ |
| アルバイト・パート | 本人希望欄・志望動機 | シンプルなA4一枚タイプで十分 |
採用担当者はここを見ている
- 転職用のテンプレートで職歴欄が狭く、重要なキャリアが書ききれていない書類は選考で不利になる
- 新卒がアルバイト用の簡易テンプレートを使うと、準備が不十分という印象を与えることがある
- 「どのテンプレートを使ったか」ではなく「自分の情報を過不足なく伝えられているか」が採用担当者の本当の判断基準
転職・新卒・アルバイト別|WordテンプレートでのJIS規格活用方法
転職(中途)の場合:職歴欄の広さで選ぶ
転職活動では、職歴の量が多い方ほど「職歴欄が狭くて書けない」問題が起きやすいです。JIS規格を参考にしたWordテンプレートでも、転職向けに設計されたものは職歴欄が縦長になっています。ダウンロード前にサンプル画像でレイアウトを確認してください。
良い例文(職歴欄の書き方)
2018年4月 株式会社〇〇 入社(営業部配属)
2022年3月 一身上の都合により退職
2022年5月 △△株式会社 入社(人事部 採用担当)
2025年12月 会社都合により退職(事業縮小のため)
以上
職歴欄が足りない場合はWordの表に行を追加するか、別紙の職務経歴書で補足します。複数の会社への応募が続く場合は、会社名のみ差し替えて使い回せるよう、Wordファイルを保存しておくと効率的です。
新卒・就活の場合:学歴欄と自己PR欄のバランスを優先する
新卒の場合、職歴欄はほぼ空白になるため、学歴欄・ゼミ・クラブ・自己PR欄に十分なスペースがあるテンプレートが適しています。JIS規格参考型のテンプレートの中には、転職用と新卒用で構成が異なるものも多いため、ダウンロード時に「新卒向け」と明記されているものを選ぶと確実です。
ゼミや卒業論文のタイトルを記載できる欄があるテンプレートであれば、採用担当者への情報提供がより充実します。「学業欄に書くことがない」と感じる場合でも、語学の勉強・資格取得・学外活動などを簡潔に書ける欄があるかどうかを確認してください。
アルバイト・パートの場合:シンプルなA4一枚タイプで十分
アルバイト・パートへの応募では、詳細な職歴よりも勤務希望条件(曜日・時間・開始時期)が重視されます。本人希望欄が大きく設けられたシンプルなタイプのWordテンプレートで十分です。
市販の履歴書もA4一枚でこの構成になっています。JIS規格のWordテンプレートを探すより、現在の厚労省推奨様式に準じた最新のオンラインツールで手軽に作る方が現実的なケースも多いです。無料の履歴書作成ツールおすすめ7選も参考にしてください。

Word作成の履歴書で陥りがちなミスと採用担当者の見方
JIS規格のWordテンプレートを使っていても、入力時の操作ミスや設定の問題で書類の印象が大きく変わることがあります。採用担当者が実際に気になるポイントを3つ確認しておきましょう。
フォントが混在してしまうケース
Wordに日本語テキストを貼り付けると、貼り付け元のフォントがそのまま引き継がれることがあります。フォームの一部だけゴシック体になっていたり、文字サイズが異なっていたりすると、採用担当者に「雑な書類」という印象を与えます。入力後は全テキストを選択してフォントと文字サイズを統一することを習慣にしてください。
印刷したら文字が枠内に収まらないケース
Wordテンプレートで文字が多くなると、セルの高さが自動拡張されてレイアウトが崩れることがあります。志望動機や自己PR欄に長文を入力した際に起きやすいです。印刷プレビューで確認しながら文章量を調整するか、フォントサイズを10ptまで下げる対処が有効です。
NG例
志望動機欄に600文字超の文章を入力し、フォントが自動縮小されて7ptになっている状態で提出する。採用担当者は書類を数十秒で確認するため、文字が小さすぎると読まれないまま選考が進みます。志望動機は200〜300文字以内に絞るのが基本です。
PDF化せずにWordファイルのまま送付するケース
メール添付でオンライン提出する場合は、必ずPDF形式に変換してから送付します。Wordファイルのままでは、受け取り側の環境でレイアウトが崩れる可能性があります。また採用担当者がWordを開いた際に変更モードがオンになっていたり、コメントが表示されたりすることも起きます。
WordからPDFへの変換は「ファイル → 名前を付けて保存 → PDF(*.pdf)」を選択するか、「エクスポート → PDF/XPSの作成」で行えます。Macの場合は「ファイル → プリント → PDFとして保存」が最も確実です。
まとめ
- JIS規格の履歴書は2020年7月に廃止され、現在の標準は厚生労働省の履歴書様式例
- 旧JIS規格のWordテンプレートには「性別(男・女の選択)」「通勤時間」「扶養家族数」など廃止された欄が残っており、使用する前に様式を確認する必要がある
- Wordで履歴書を作る場合は、厚労省様式を基準に更新された民間サービスのテンプレートを使うか、公式Excel版をPDF化する方法が確実
- 転職・新卒・アルバイトでは必要な欄の構成が異なるため、用途に合ったテンプレートを選ぶことが書類通過への第一歩
- 入力後はフォントの統一・印刷プレビュー確認・PDF化の3ステップを必ず実施する
書類のフォーマット選びは、採用担当者への第一印象を左右します。古い様式を避けるだけで、他の候補者と確実に差が縮まります。
履歴書テンプレートWordのJIS規格に関するよくある質問
- JIS規格のWordテンプレートは今でも使えますか?
-
フォーマットとしては使用できますが、JIS規格は2020年7月に廃止されています。旧様式には「性別(男・女の選択)」や「通勤時間」など現在の採用選考では使わない欄が含まれているため、現在は厚生労働省の履歴書様式例を参考にしたテンプレートを使うことをおすすめします。
- 厚生労働省の履歴書様式例のWordファイルはどこでダウンロードできますか?
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厚生労働省が公式に配布しているのはPDF形式とExcel形式です。Word形式については、doda・マイナビ転職などの転職サービスが厚労省様式を参考にした最新版のWordテンプレートを無料で配布しています。「厚労省 履歴書 Word テンプレート」と検索して各サービスのページから入手してください。
- 履歴書の性別欄は書かなくても良いですか?
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厚生労働省の新様式では性別欄が「任意記載」とされており、未記載でも問題ありません。旧JIS規格の様式を使っていて「男・女」の選択式になっている場合は、空欄のまま提出するか、新しいテンプレートに切り替えることをおすすめします。
- 履歴書はWordとExcelどちらで作る方が良いですか?
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どちらでも問題ありませんが、WordとExcelそれぞれの特徴を踏まえて選ぶと効率的です。Wordは文章入力がしやすく、長い志望動機や自己PRを書きやすいです。Excelは表のレイアウトが整いやすく、罫線の調整がしやすい利点があります。どちらもPDFに変換してから提出することが前提です。


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