この記事では、介護職の履歴書の書き方を採用担当者の視点から解説します。資格欄の正式名称、志望動機の例文(未経験・経験者・ブランクあり)、採用担当者が書類選考で確認するポイントまで網羅しています。介護施設に提出する履歴書を、手書き・PC作成どちらの形式でも活用できる内容です。
採用担当者が介護職の履歴書で最初にチェックする3か所
書類選考で採用担当者が実際に重視する3か所を先に把握しておくと、履歴書作成の優先順位が明確になります。
①資格欄:「介護士」「ヘルパー2級」は採用担当者に通じない
資格欄は、採用担当者がスキルレベルを最初に確認する場所です。「介護士」は正式な資格名称ではなく、書いても採用担当者には何の資格を保有しているか伝わりません。また「ホームヘルパー2級」は2013年の制度改正で廃止された旧称です。現在の正式名称に書き直す必要があります。
NG例(よくある間違い)
- 「介護士 取得」→ 正式な資格名称ではない
- 「ホームヘルパー2級 取得」→ 2013年廃止の旧称。現在の正式名称で書く
- 「ヘルパー2級 修了」→ 略称を使うのはNG
正しい書き方
- 「介護職員初任者研修 修了」(旧ホームヘルパー2級に相当)
- 「介護福祉士 取得」(国家資格のため「修了」ではなく「取得」)
詳しい資格名称の一覧は、後半の「資格欄の正しい書き方」セクションで確認できます。
なお、資格欄の「職業欄」への記載方法(「介護士」か「会社員」か)について迷う方は、介護職の履歴書「職業欄」の書き方もあわせて確認してください。

②職歴欄:施設名とサービス種別が省略されていると経験の中身が伝わらない
「○○介護サービス株式会社 介護員として勤務」という書き方では、採用担当者はどのサービス種別(特養・デイ・グループホーム等)で経験を積んだのか判断できません。介護施設の種別によって業務内容が大きく異なるため、「社会福祉法人○○ 特別養護老人ホーム○○苑 介護職員」のように法人名・施設種別・施設名を全て記載することが重要です。
採用担当者はここを見ている
- どのサービス種別での経験か(特養・デイ・グループホーム・訪問介護など)
- 在籍期間と担当業務の具体性
- 施設の規模(定員数)が記載されていると経験値がより伝わりやすい
③志望動機欄:「高齢者が好き」だけでは書類選考を通りにくい理由
介護施設の採用担当者が挙げるNG志望動機の筆頭は「高齢者が好きだから」です。この理由だけでは「なぜこの施設を選んだのか」「どんなケアができる人材なのか」が伝わりません。
採用担当者が志望動機で確認しているのは、主に3点です。
- その施設・法人を選んだ具体的な理由(理念・ケア方針・サービス種別)
- これまでの経験やスキルをどう活かせるか
- 長期的に働き続けられるかどうか(早期離職リスクがないか)
状況別の例文は後半の「志望動機の書き方と例文」セクションで紹介しています。
介護職の履歴書 基本情報欄・学歴・職歴の書き方
基本情報欄(日付・氏名・住所・電話番号)の書き方
基本情報欄の中でもっとも間違いが多いのが日付の書き方です。日付は「郵送の場合は投函日、持参の場合は面接当日の日付」を記載します。履歴書を作成した日ではありません。
| 項目 | 正しい書き方 | よくあるNG |
|---|---|---|
| 日付 | 郵送:投函日 持参:面接当日の日付 | 履歴書を作成した日付 |
| 氏名 | 姓と名の間を1文字分空ける | 姓名をくっつけて書く |
| 住所 | 都道府県から丁番地・部屋番号まで正確に | マンション名・部屋番号を省略する |
| 電話番号 | つながりやすい番号(携帯)を優先 | 固定電話のみ記載 |
| メールアドレス | 受信できる個人アドレス | 会社支給のメールアドレス |
学歴欄の書き方
学歴欄は中学校卒業から書き始めるのが原則です。介護福祉士養成校・専門学校・短大・大学など、介護に関連する学歴がある場合は、学部・学科・コース名まで正式名称で記載します。西暦と和暦は、履歴書全体を通じて統一することも重要です。
正しい書き方(例)
2014年3月 ○○専門学校 介護福祉学科 卒業
職歴欄の書き方(施設名の正式名称と業務内容)
職歴欄では、法人名・施設種別・施設名をセットで記載します。「特養」「デイ」などの略称は使わず、正式名称で書くことが基本ルールです。
| 施設種別 | NG(略称・通称) | OK(正式名称) |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 特養 | 特別養護老人ホーム |
| デイサービス | デイ | 通所介護事業所 |
| グループホーム | GH | 認知症対応型共同生活介護 |
| 介護老人保健施設 | 老健 | 介護老人保健施設 |
| 訪問介護 | ヘルパーステーション | 訪問介護事業所 |
さらに、担当していた業務内容を1行で添えると採用担当者に経験の実態が伝わります。夜勤の有無や月あたりの夜勤回数は、採用担当者が即戦力かどうかを判断するうえで重視するポイントです。積極的に記載しましょう。
職歴記載の例
2018年4月 社会福祉法人○○会 特別養護老人ホーム○○苑 入職
身体介護・生活援助全般を担当。夜勤業務(月8回)に従事。定員60名規模。
介護職の資格欄の正しい書き方(正式名称一覧)
介護業界には独自の資格体系があり、旧称と現称が混在しているため、正式名称を把握せずに書いてしまうケースが多く見られます。以下の一覧で事前に確認しておきましょう。
| よく使われる呼称 | 履歴書に書く正式名称 | 記載例 |
|---|---|---|
| ホームヘルパー2級(旧称) | 介護職員初任者研修 | 介護職員初任者研修 修了 |
| ホームヘルパー1級(旧称) | 介護職員実務者研修 | 介護職員実務者研修 修了 |
| 介護福祉士 | 介護福祉士 | 介護福祉士 取得 |
| ケアマネジャー | 介護支援専門員 | 介護支援専門員 取得 |
| 認知症ケア専門士 | 認知症ケア専門士 | 認知症ケア専門士 取得 |
介護職員初任者研修の正式な書き方
介護職員初任者研修は講座修了によって得られる資格のため、「修了」と記載します。「取得」「合格」は不正確な表現です。修了証に記載されている年月日を確認して書きましょう。
正しい書き方
20○○年○月 介護職員初任者研修 修了
介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネジャー)の書き方
介護福祉士は国家資格のため「取得」と表記します。介護支援専門員も都道府県が発行する証明書に基づく資格のため「取得」が正しい表現です。複数の資格がある場合は取得年月日が早い順に記載するのが原則です。
「取得見込み」の書き方
介護福祉士の国家試験に合格し、登録申請中の場合や試験合格が確定している場合は「取得見込み」と記載できます。採用担当者は資格取得の見通しを把握したうえで選考を進めるため、正直に記載することが重要です。
正しい書き方
20○○年3月 介護福祉士 取得見込み
採用担当者が通す介護職の志望動機の書き方と例文
志望動機の基本構成(3つの要素)
採用担当者が評価する志望動機には、共通した構成があります。以下の3つの要素を組み込むことで、「この施設で長く働く意欲がある」という印象を与えられます。
- ①動機のきっかけ:なぜ介護職に(または転職を)考えたのか
- ②施設を選んだ理由:なぜ他の施設ではなくここを選んだのか(理念・ケア方針・サービス種別)
- ③入職後のビジョン:どのように貢献・成長したいか
志望動機の文字数は200〜300文字が目安です。内容が薄くなるよりは、200文字でも3要素を満たしたほうが採用担当者には好印象です。
未経験・異業種からの転職 志望動機例文
異業種から介護職へ転職する場合、採用担当者が最も気にするのは「なぜ今の仕事を辞めて介護なのか」という点です。前職の経験がどう介護に活きるかを具体的に書くことで、採用担当者の懸念を先に解消できます。
良い例文(異業種・未経験)
前職では販売業に10年携わり、接客を通じて人の役に立つことにやりがいを感じてきました。父の介護を通じて、専門知識を持って多くの方を支えたいという思いが強くなり、介護職への転職を決意しました。貴施設は「利用者一人ひとりの自立を支援する」という方針を大切にされており、私の傾聴力と接客経験を活かしながら、介護の専門知識を深めていきたいと考えています。
NG例(よくある失敗)
高齢者の方が好きで、介護の仕事をしてみたいと思いました。
「なぜこの施設なのか」が一切書かれていないため、どの施設にも使い回した文章だと判断されやすい。
経験者(介護→介護転職)の志望動機例文
介護経験者が転職する場合、採用担当者は「なぜ今の職場を離れるのか」を必ず確認します。現職の不満をそのまま書くのではなく、前向きな成長意欲や新しい環境への挑戦として表現することが重要です。
良い例文(介護経験者)
特別養護老人ホームで5年間、身体介護・生活援助全般を担当してきました。利用者様との日中の関わりをさらに深めたいという思いから、日中活動型のサービスに力を入れている貴施設を志望しました。これまで培った身体介護スキルと夜勤経験を活かしながら、利用者様の「できること」を一緒に増やすケアに取り組んでいきたいと考えています。
ブランクありの志望動機例文
育児・介護・療養などでブランク期間がある場合、曖昧にするよりもブランクの理由を一文で明示したうえで復職への意欲を書くほうが採用担当者の心証は好転します。理由を隠そうとすると、かえって面接で深掘りされる原因になります。
良い例文(育児によるブランクあり)
育児のため2年間現場を離れておりましたが、子どもが保育園に入園したことを機に復職を考えるようになりました。離職中も介護福祉士の資格を保持し、家族の在宅介護を通じてケアへの意欲を維持してきました。貴施設は育児中のスタッフへの配慮があると伺っており、長期的に貢献できる環境として志望しました。
空白期間の詳しい書き方は、履歴書の空白期間の書き方でも状況別に解説しています。

採用担当者が評価する介護職の自己PRの書き方と例文
採用担当者が介護職の自己PRで見ているポイント
自己PRは「あなた自身の強みを施設にどう活かせるか」を伝える欄です。志望動機と内容が重複しがちですが、志望動機が「施設への想い」なのに対し、自己PRは「自分の強みとその根拠」を示す場所です。
採用担当者が介護職の自己PRで評価する3点
- コミュニケーション力の具体例:「傾聴を心がけてきた」など、エピソードを伴うもの
- 身体的・精神的なタフさ:夜勤経験の有無・継続できた期間など(経験者の場合)
- 成長意欲・学習姿勢:資格取得中・研修参加・自己学習など、学び続ける姿勢
自己PR例文(経験者・未経験者別)
例文①:介護経験者
特別養護老人ホームで5年間の介護経験を通じ、認知症利用者の方への対応と身体介護を強みとしています。感情が不安定になりやすい夕方の時間帯に傾聴と声かけのタイミングを工夫することで、利用者様の落ち着きを取り戻せた事例が複数あります。今後は介護支援専門員の資格取得を視野に入れ、ケアの質をさらに高めていきたいと考えています。
例文②:未経験・異業種転職
10年間の飲食業での接客経験を通じ、相手のニーズを聞き取り状況に応じた対応をする力を培いました。高齢のお客様から「話をよく聞いてくれる」と言われることが多く、介護の現場でもこのコミュニケーション力を活かせると考えています。現在、介護職員初任者研修の受講を開始しており、一日でも早く現場に貢献できる準備を進めています。
まとめ
- 採用担当者が最初に確認するのは資格欄・職歴欄・志望動機の3か所
- 「介護士」「ホームヘルパー2級」は使わず、正式名称(介護職員初任者研修修了など)で書く
- 職歴欄は法人名・施設種別・施設名をセットで記載し、担当業務と夜勤の有無も添える
- 志望動機は「動機のきっかけ」「施設を選んだ理由」「入職後のビジョン」の3要素を組み込む
- ブランクがある場合は理由を一文で明示し、復職への意欲を具体的に書く
履歴書は採用担当者への最初の自己紹介です。正確な情報と具体的なエピソードを組み合わせることで、書類選考の通過率は変わります。
介護職の履歴書に関するよくある質問
- 介護職の履歴書は手書きとパソコン作成どちらがよいですか?
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採用担当者の多くは手書きかPC作成かで評価に差をつけません。手書きは丁寧さが伝わる側面がある一方、PC作成は読みやすく複数施設への応募時に効率的です。どちらで作成するかより、内容の正確さと具体性のほうが選考に影響します。
- ホームヘルパー2級の資格は履歴書に書けますか?
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書けますが、現在の正式名称「介護職員初任者研修 修了」に書き換えることを推奨します。ホームヘルパー2級は2013年の制度改正で廃止された旧称です。現役の採用担当者は新旧の名称を把握していますが、正式名称で書くことで「資格への正確な理解がある」という印象を与えられます。
- 介護職への転職で志望動機が書けない場合はどうすればよいですか?
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志望動機が思い浮かばない場合は、「介護に興味を持ったきっかけ」から書き始めると整理しやすくなります。家族の介護・ボランティア経験・前職での高齢者との関わりなど、具体的なエピソードを1つ選び、「なぜこの施設なのか」に結びつけることで、採用担当者に伝わる志望動機が完成します。
- 介護職の履歴書で空白期間はどう書けばよいですか?
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「育児のため」「介護のため」「療養のため」など、空白の理由を一文で書いたうえで、現在は解消されている旨を添えるのが原則です。曖昧にするより正直に書いたほうが採用担当者の心証はよく、面接での確認もスムーズになります。


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