この記事では、履歴書の職歴欄で「退社」と書く場合の正しい表現を解説します。「退職」との言葉の違いから、自己都合・会社都合・在職中・パートなど状況別の書き方と例文、採用担当者が実際に確認しているポイントまで紹介します。
履歴書の職歴欄は「退社」と「退職」どちらを書く?
採用担当者に正確な職歴を伝えるには、まず「退社」と「退職」の違いを整理しておく必要があります。結論を先に伝えると、どちらを使っても採用選考に直接影響することはほぼありませんが、書類には「退職」の方が適した表現です。
「退社」と「退職」の言葉の意味の違い
二つの言葉は一見同じに見えますが、辞書的な意味に差があります。
| 用語 | 主な意味 | 書類での一般性 |
|---|---|---|
| 退職 | 職・職務を辞めること(書き言葉として一義的) | 高い(慣用表現) |
| 退社 | ①会社を去ること(辞職の意味) ②その日の業務を終えて帰宅すること | やや低い(二義性あり) |
「退職」は「仕事・役職から退く」という意味に限定されています。一方「退社」は「今日、退社した」と使えば「帰宅した」という意味にもなります。履歴書のような公式書類では、意味が一つに定まる「退職」を使う方が誤解が生じません。
採用担当者はどちらに敏感か
採用担当者が「退社と書いてあったから不合格にした」という判断をすることは実際にはほぼありません。ただし、同じ書類内で「退社」と「退職」が混在していると、細部への注意力が低い印象を与えることがあります。
採用担当者はここを見ている
- 「退社」か「退職」かの表記より、書類全体で統一されているかどうかを確認している
- 職歴欄の用語が混在していると「書類の作成が雑な人」という第一印象を持つことがある
- 転職回数・入退社の時系列・在職期間の整合性が、採用担当者が実際にチェックするポイント
迷ったときは「退職」を選んでおくのが無難です。初めて転職書類を書く方は、最初から「退職」で統一することをおすすめします。
【ケース別】退社・退職の書き方と例文
職歴欄の書き方は、退職した理由や雇用形態によって異なります。採用担当者が最初に確認するのは「退社」か「退職」かという表記ではなく、退職理由に合った正しい表現が使われているかです。4つのケースに分けて例文を紹介します。
自己都合退職の書き方と例文
自分の意思で退職した場合は、「一身上の都合により退職」と書くのが一般的な書き方です。具体的な退職理由(キャリアアップ、家庭の事情、体調など)は職歴欄に書く必要はなく、「一身上の都合」の一言にまとめます。
良い例文
20XX年4月 株式会社〇〇 入社
20XX年3月 一身上の都合により退職
NG例
20XX年3月 上司との方針が合わず精神的に限界を感じたため退職
退職理由の詳細を書くと、採用担当者から「書類作成の基本を知らない」と見られる。理由は面接で整理して伝えれば十分。
採用担当者はここを見ている
- 「一身上の都合」と書かれていても、面接で理由を確認する前提で書類選考を進めている
- 職歴欄は「事実の記録欄」であり、退職の経緯を説明する場ではない
- キャリアアップを目的とした転職は、面接でポジティブに伝えれば問題ない
会社都合退職の書き方と例文
倒産・リストラ・事業所閉鎖など、会社側の事情による退職は「会社都合により退職」と明記します。会社都合退職を「一身上の都合」と書き換えることは避けてください。雇用保険の被保険者記録など公的なデータと照合されるケースがあります。
良い例文
20XX年4月 株式会社〇〇 入社
20XX年3月 会社都合により退職(事業所閉鎖のため)
NG例
20XX年3月 一身上の都合により退職(実際は会社都合)
会社都合を一身上と書くと、採用後に事実が判明した際に信頼を大きく失う。整合性が取れない事実を隠す必要はない。
採用担当者はここを見ている
- 会社都合退職は、本人の問題ではなく会社側の事情によるものと認識している
- 倒産・リストラなどを正直に書くことで、誠実な印象を与えることが多い
- 事由を括弧書きで補足(「事業所閉鎖のため」「整理解雇のため」)すると、採用担当者が状況を理解しやすい
会社都合退職の書き方については、自己都合・会社都合の違いと履歴書への影響を詳しく解説した記事もあわせて参考にしてください。
参考:会社都合退職の履歴書の書き方|ポイントと例文を徹底解説
契約期間満了の書き方と例文
派遣社員・契約社員など雇用期間に定めがある場合は「契約期間満了につき退職」と書きます。自己都合退職とは異なる表現を使うことで、採用担当者が雇用形態と退職理由を正確に把握できます。
良い例文(派遣社員の場合)
20XX年4月 〇〇株式会社(派遣元:△△株式会社) 就業
20XX年3月 契約期間満了につき退職
派遣社員の場合は、就業先(派遣先)だけでなく派遣元会社も記載します。「入社」ではなく「就業」と書くのが正確な表現です。
パート・アルバイトの退社の書き方と例文
パートやアルバイト経験を職歴欄に記載する場合も、正式な書き方は「退職」です。「バイトなのに退職と書くのは大げさでは」と感じる方もいますが、採用担当者はパート・アルバイト歴でも「退職」の表記を期待しています。
良い例文(自己都合の場合)
20XX年4月 〇〇株式会社(〇〇店) アルバイトとして就業
20XX年3月 一身上の都合により退職
良い例文(契約期間満了の場合)
20XX年4月 〇〇株式会社(〇〇店) アルバイトとして就業
20XX年3月 契約期間満了につき退職
「就業」「入社」どちらを使うかは企業規模・雇用形態によって変わります。正社員登用なしのアルバイト・パートの場合は「就業」、契約上「社員」として雇用されている場合は「入社」が適切です。
在職中の退社・退職の書き方
転職活動中でまだ在職している場合、職歴欄の書き方は退職後とは異なります。在職中は「現在に至る」と書き、退社予定日の有無によって表現を使い分けます。退社予定日の記載は採用担当者への重要な情報になるため、書ける場合は記載しておきましょう。
退社予定日が決まっている場合
退社日が確定している場合は、「現在に至る」の後に退社予定日を括弧書きで記載します。採用担当者は内定後の入社可能時期を早い段階で把握したいため、予定日がわかっている場合は書いておくと親切です。
良い例文
20XX年4月 株式会社〇〇 入社
現在に至る(20XX年X月退職予定)
以上
採用担当者はここを見ている
- 入社可能時期は採用判断や他の候補者との比較に直接影響する。「即日入社可」と「2ヶ月後」では採用担当者の判断が変わることがある
- 退職交渉の前段階でも「〇月末日退職予定」と書ける状態なら記載しておくと採用側が調整しやすい
- 退職予定日を書いたからといって内定が取り消されることはない。書類の段階で早めに開示する方が誠実な印象を与える
退社予定日が未定の場合
退社日がまだ決まっていない場合は「現在に至る」だけで問題ありません。連絡可能な時間帯を本人希望記入欄に書いておくと、採用担当者が面接日程などを調整しやすくなります。
良い例文
20XX年4月 株式会社〇〇 入社
現在に至る
以上
本人希望記入欄には「在職中のため、ご連絡は平日〇〇時以降にお願いいたします」と書き添えると、採用担当者が連絡タイミングを把握しやすくなります。
「現在に至る」「以上」の正しい書き方
「現在に至る」と「以上」は書き忘れやすい表現です。使い分けのルールを以下の表で確認してください。
| 表現 | 使うタイミング | 書く位置 |
|---|---|---|
| 現在に至る | 在職中の場合のみ | 最後の職歴の次の行 |
| 以上 | すべての場合(退職済み・在職中共通) | 職歴欄の末尾(必ず記載) |
すでに退職している場合は「現在に至る」は使いません。退職した月の記載の後、次の行に「以上」と書いて職歴欄を締めます。「以上」を書き忘れると、書類が未完成に見えるため必ず記載してください。
履歴書の職歴欄の書き方全般については、ダブルワーク中の職歴記入例も参考になります。

採用担当者が気になる退職欄のNG例3つ
「退社」か「退職」かという表記以上に、採用担当者が気になるのは以下のような書き方のミスです。書類を提出する前に必ず確認してください。
NG例1:退職理由を詳しく書きすぎる
「上司との方針が合わず、長期的なキャリアを考えた末に退職」
職歴欄は「いつ、どこで、どんな仕事をしたか」を記録する欄です。退職理由の説明は面接でするもので、書類に書く必要はありません。詳細を書くと書類作成の基本を理解していない印象を与えます。
NG例2:「退社」と「退職」が同じ書類内で混在
ある会社の職歴では「退社」、別の会社では「退職」と書いている。
表記の混在は「書類作成が雑な人」という第一印象につながります。「退社」でも「退職」でも構いませんが、書類全体で必ず統一してください。
NG例3:退職した年月が不正確
退職届を出した月や最終出社日の月と、雇用契約終了月(退職日が属する月)を混同する。
退職した月として書くのは「雇用契約が終了した日が属する月」です。3月31日付けで退職なら「3月」、4月10日付けなら「4月」と書きます。雇用保険の被保険者記録などの公的データとズレがあると、採用後に問題になる場合があります。
まとめ
- 履歴書では「退職」が慣用表現だが「退社」でも問題ない。書類全体で統一することが最重要
- 自己都合退職は「一身上の都合により退職」、会社都合は「会社都合により退職」と明記する
- 契約社員・派遣社員は「契約期間満了につき退職」、パート・アルバイトも「退職」を使う
- 在職中は「現在に至る」と書き、退社予定日が決まっていれば括弧書きで補足する
- 退職した年月は「雇用契約が終了した日が属する月」を正確に記入し、「以上」で締める
採用担当者が職歴欄で最初に確認するのは、表記の細かい違いより「入退社の時系列の整合性」と「退職理由の表現が状況に合っているか」です。まずは正確な日付と状況に合った表現で記載することを優先してください。
履歴書の退社に関するよくある質問
- 「退社」と書いてしまった履歴書は出し直す必要がありますか?
-
書類全体で「退社」に統一されていれば、出し直す必要はありません。ただし、同じ書類内で「退社」と「退職」が混在している場合は、どちらかに統一した書類を再提出することをおすすめします。採用担当者に「細部を気にしない人」という印象を与えないためにも、提出前に通読して表記を確認してください。
- アルバイトを辞めた場合に「退職」と書くのは大げさですか?
-
大げさではありません。採用担当者はパート・アルバイト歴でも「退職」の表記を想定しています。「退社」でも問題ありませんが、正社員の職歴と表現を揃えるためにも「退職」で統一するのが自然です。「辞めた」「止めた」など口語的な表現は使わないようにしてください。
- 在職中で退社日が決まっていない場合、内定後はどのように伝えればよいですか?
-
内定承諾後、企業に「現在在職中のため、入社まで〇ヶ月程度いただく予定です」と電話またはメールで連絡します。一般的に退職交渉から引き継ぎ完了までには1〜2ヶ月かかります。内定が出た段階で退職交渉を始め、入社可能日が確定したら速やかに採用担当者へ報告するのが基本の流れです。


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