履歴書を書き進めて手が止まるのが「本人希望記入欄」です。書く希望が思いつかないケースと、そもそも用紙に欄が印刷されていないケースの両方で迷う人が多い項目です。この記事では、どちらの「ない場合」なのかを切り分けたうえで、採用担当者の印象を下げない書き方と例文を、状況別に紹介します。
「本人希望欄がない」には2つの意味がある
「本人希望欄 ない場合」で調べている人は、次の2つのどちらかで困っています。対処法がまったく違うため、自分がどちらかを最初に確認してください。
| パターン | 状況 | 結論 |
|---|---|---|
| A:書くことがない | 欄はあるが、伝えたい希望が思いつかない | 「貴社の規定に従います」と書く |
| B:欄そのものがない | 使っている用紙に本人希望記入欄が印刷されていない | 備考欄・別紙・面接などで補う |
書く希望が特にない(パターンA)
勤務地も職種も会社の指示に従うつもりで、特に伝えたい条件がないケースです。この場合でも空欄はおすすめしません。理由は次のH2で詳しく解説しますが、結論だけ言うと「貴社の規定に従います」の一文を入れておくのが最も無難です。
用紙に欄が印刷されていない(パターンB)
コンビニや100円ショップで買った簡易的な履歴書、あるいはJIS規格ではない様式だと、本人希望記入欄そのものがないことがあります。この場合は「書く場所がない」だけなので、伝えたい希望があるかどうかで対応を分けます。詳しい方法は記事後半の対処法で扱います。
まず確認すること
- 欄はあるが書くことがない → パターンAへ(次のH2)
- 欄が印刷されていない → パターンBへ(「用紙に欄がない場合の対処法」)
- そもそも履歴書のどの欄も広く迷う → 本人希望欄の書き方の基本から確認する

書く希望が「特にない」場合は「貴社の規定に従います」
伝えたい条件がないときの正解は、空欄でも「特になし」でもなく「貴社の規定に従います」です。ひと言でも記入しておくことで、記入漏れの疑いを避けられ、指示に素直に従う姿勢も伝わります。
採用担当者はここを見ている
- 空欄は「書き忘れ」なのか「意欲がない」のか判断できず、確認の手間が増える
- 「特になし」は素っ気なく、丁寧に扱っていない印象を与えることがある
- 短くても記入があると、書類全体を最後まで整えられる人だと伝わる
「なし」と「貴社の規定に従います」は、意味はほぼ同じでも読み手の受け取り方が変わります。手間はほとんど変わらないので、印象が良い後者を選んでおくのが安全です。
良い例文
貴社の規定に従います。
(勤務条件などについて)特に希望はございません。貴社の規定に従います。
NG例
(空欄のまま提出する)記入漏れを疑われ、意欲を問われる原因になります。
特になし。/なし。間違いではありませんが、丁寧さに欠ける印象を残します。
履歴書の用紙に本人希望欄がない場合の対処法
使っている履歴書に本人希望記入欄が印刷されていないときは、無理にどこかへ書き込む前に「伝えたい希望が本当にあるか」を整理します。希望がなければ、書く場所がなくても問題ありません。伝えるべき条件があるときだけ、次の方法で補います。
| 方法 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 備考欄・余白に書く | 備考欄がある様式で、条件が1〜2行で収まる | 他の欄をはみ出して使わない |
| 別紙・送付状を添える | 連絡可能な時間帯など、伝えたい情報が複数ある | A4一枚で簡潔にまとめる |
| 面接で口頭で伝える | ニュアンスを補足したい/絶対条件ではない | 聞かれる前提で準備しておく |
| 応募先に確認する | 指定様式かどうか判断できない | 問い合わせ方も見られている意識で |
基本の考え方は「与えられたスペースに収める」です。欄がないからと関係のない欄へ書き足すと、かえって読みにくい書類になります。備考欄の使い方に迷うときは履歴書の備考欄の書き方もあわせて確認してください。

採用担当者はここを見ている
- 限られたスペースに情報を収められるかは、仕事での要約力の判断材料になる
- 指定様式かどうかを迷ったまま自己判断で進めるより、確認できる人が好印象
- 別紙を添える場合、履歴書本体との整合が取れているかも見られている
本人希望欄に「書いてよいこと」と「避けること」
欄があってもなくても、伝える内容の線引きは同じです。ここを外すと、条件を書いたこと自体がマイナスに働きます。書いてよいことと避けることを整理しておきましょう。
| 書いてよいこと | 避けること |
|---|---|
| 連絡可能な時間帯・手段(在職中など) | 志望動機や自己PR |
| どうしても譲れない勤務地・勤務時間の条件 | 給与・待遇の要求 |
| 配慮が必要な健康・家庭の事情(理由つき) | 「○○の場合は休みます」など断定的な制約 |
| 希望職種(募集職種の範囲内) | 「特になし」「なし」だけの記載 |
ポイントは「絶対に譲れない条件」だけを、理由を添えて簡潔に書くことです。多くの採用担当者は本人希望欄の内容を「入社の絶対条件」として読みます。軽い気持ちで並べた希望も条件と受け取られ、選考で不利になることがあります。
採用担当者はここを見ている
- 希望を並べすぎる人は「条件を満たさないと辞退するのでは」と警戒される
- 給与や待遇の要求は、面接や内定後にすり合わせる前提のため履歴書では逆効果
- 理由が添えられた条件は、身勝手ではなく事情として受け止めてもらいやすい
状況別・本人希望欄の例文
ここからは、伝えたい条件があるときにそのまま参考にできる例文を状況別にまとめます。いずれも「条件+理由」をワンセットにすると角が立ちません。
勤務地を限定したい場合
良い例文
家族の介護のため、勤務地は○○市内を希望いたします。それ以外の条件は貴社の規定に従います。
勤務地の希望は書き方しだいで印象が変わります。理由の添え方や、書くと不利になるケースは勤務地希望の書き方で詳しく解説しています。
勤務時間に希望がある場合
良い例文
育児のため、当面は9時から16時までの勤務を希望いたします。将来的にはフルタイム勤務も可能です。
時短や時間帯の希望は、伝え方によって「配慮が必要な人」ではなく「見通しを持って働ける人」と受け取ってもらえます。詳しくは勤務時間の希望の書き方を参考にしてください。
在職中で連絡時間が限られる場合
良い例文
現在在職中のため、ご連絡は平日18時以降、またはメールにていただけますと幸いです。
在職中は連絡手段の希望を書いておくと、行き違いを防げます。職歴欄の「現在に至る」の書き方とあわせて、在職中の履歴書の書き方も確認しておくと安心です。
扶養内で働きたいパートの場合
良い例文
扶養の範囲内での勤務を希望いたします。勤務日数・時間は相談のうえ調整させていただければ幸いです。
健康面で配慮が必要な場合
良い例文
通院のため、月に1回程度、平日日中にお休みをいただく可能性があります。業務に支障はございません。
健康や通院の事情は、隠すより「業務に支障がない」ことまでセットで伝えると安心されます。書き方の線引きは健康状態欄の書き方で詳しく扱っています。
まとめ
- 「本人希望欄がない」は、書くことがない場合と欄そのものがない場合の2種類
- 書くことがなければ空欄・「特になし」を避け「貴社の規定に従います」と記入する
- 用紙に欄がなければ、備考欄・別紙・面接・企業への確認で無理なく補う
- 条件を書くなら「絶対に譲れないものだけ」を理由とセットで簡潔に
本人希望欄は、条件を主張する場ではなく「一緒に働くための最低限のすり合わせ」を伝える欄です。迷ったら書きすぎず、譲れない一点だけを丁寧に記しておけば十分です。
履歴書の本人希望欄に関するよくある質問
- 本人希望欄を空欄で提出しても大丈夫ですか?
-
おすすめしません。空欄は記入漏れや意欲不足と受け取られることがあります。特に伝えたい希望がなくても「貴社の規定に従います」と一文入れておくのが無難です。
- 「特になし」と書くのはNGですか?
-
間違いではありませんが、素っ気なく丁寧さに欠ける印象を与えることがあります。同じ意味でも「貴社の規定に従います」のほうが好印象です。
- 使っている履歴書に本人希望欄がありません。どうすればいいですか?
-
伝えたい希望がなければ、欄がなくても問題ありません。条件がある場合は、備考欄や余白、別紙、または面接で伝えます。指定様式か不明なときは応募先に確認すると確実です。
- 給与や待遇の希望は本人希望欄に書いてもいいですか?
-
履歴書の段階では避けるのが基本です。給与や待遇は面接や内定後にすり合わせる前提のため、履歴書に書くと条件重視の印象を与えやすくなります。


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