この記事では、在職中の転職活動で履歴書の職歴欄をどう書くかを解説します。「現在に至る」「以上」の使い方から、退職予定日が決まっていない場合の対処、本人希望欄の書き方まで、採用担当者に好印象を与える書き方を紹介します。
在職中の職歴欄は「現在に至る」「以上」の2点セット
在職中に転職活動をしている場合、職歴欄には必ず2つの定型文を使います。この2つを正しい位置に書くことで、採用担当者に「今もこの会社に在籍している」という事実を正確に伝えられます。
「現在に至る」と「以上」の意味と書く位置
「現在に至る」は「この会社に今も在籍しています」という意味の定型文で、職歴欄で現在在籍している会社名の直下に書きます。「在職中」という括弧書きを補足する必要はなく、「現在に至る」だけで在職中の意味が正確に伝わります。
「以上」は「これ以降に学歴・職歴はありません」という意味の締め言葉です。職歴欄の最後の行に右寄せで書きます。学歴欄にも「以上」が必要なため、職歴欄の「以上」と混同しやすいですが、学歴と職歴それぞれの欄末に1行ずつ必要です。
採用担当者はここを見ている
- 「現在に至る」と「以上」のどちらか一方でも欠けると、書類が未完成に見える
- 両方が揃っていることが「履歴書を丁寧に書いた」という第一印象を作る
- 「以上」は右寄せが正式なスタイル。センタリングや左寄せは避ける
基本記入例(在職中パターン)
以下が在職中の職歴欄の基本的な記入例です。現在の会社が2社目の場合を例に挙げます。
| 年 | 月 | 職歴 |
|---|---|---|
| 20XX | 4 | 株式会社〇〇 入社 |
| 20XX | 3 | 一身上の都合により退職 |
| 20XX | 4 | △△株式会社 入社 |
| 現在に至る | ||
| (右端に)以上 |
良い例文
20XX年4月 △△株式会社 入社(△△部門 配属)
現在に至る
以上
「以上」は職歴欄の最終行に右寄せで記入します。スペースや下線で右端に寄せる方法が一般的です。手書きの場合は行末に書き、PC作成の場合は右揃えで入力してください。
退職予定日の書き方【ケース別】
在職中の転職活動で最も迷うのが退職予定日の扱いです。決まっているか、決まっていないかで書き方が変わります。
退職予定日が決まっている場合
退職日が確定している場合は、「現在に至る」の代わりに退職予定日を具体的に記載します。採用担当者が入社日の調整をしやすくなるため、確定している場合は積極的に書いてください。
良い例文(退職予定日が確定している場合)
20XX年4月 △△株式会社 入社
20XX年9月30日 退職予定
以上
退職予定日の表記は「20XX年X月X日 退職予定」が標準です。「退社予定」という書き方もありますが、履歴書では「退職」が正式な表現です。「退社」は「その日の業務が終わって帰宅する」という意味にも使われるため、法的な意思表示には「退職」を使います。
退職予定日がまだ決まっていない場合
退職予定日が未確定の場合は、「現在に至る」だけを書いて退職予定日は記載しません。未確定の日付を書いてしまうと、内定後に「やはり退職できなかった」というトラブルになるリスクがあります。
退職予定日が未定の場合は本人希望欄を活用します。「内定後、退職手続きのため1〜2ヶ月程度いただく予定です。入社日はご相談可能です。」と書くことで、採用担当者に必要な情報を正直に伝えられます。
退職予定日が未定の場合の記入パターン
【職歴欄】
20XX年4月 △△株式会社 入社
現在に至る
以上
【本人希望記入欄】
内定後、退職手続きのため1〜2ヶ月程度いただく予定です。入社日はご相談可能です。
有給消化期間中の書き方
有給消化中かどうかにかかわらず、退職日を迎えるまでは法律上在籍中です。そのため有給消化中も「現在に至る」と書いて問題ありません。
退職日(有給消化終了日)が確定している場合は、「20XX年XX月XX日 退職予定」として退職予定日を記載することもできます。採用担当者の立場からすると、退職日が明確なほど入社日の調整がしやすいため、有給消化の終了日が確定していれば記載するのがおすすめです。
採用担当者が在職中の応募者を見る本音
在職中に転職活動をしていることを履歴書に書くと、「なぜ在職中なのに転職?」とマイナスに見られないか不安になる方もいます。しかし採用現場の実態は異なります。
在職中はむしろ採用担当者へのポジティブ情報
採用担当者の立場からすると、在職中の応募者には以下のような印象を持つことが多いです。
- 計画的な転職だと判断できる:衝動的に辞めたのではなく、次の会社を決めてから動いている印象を受ける
- 現職でも評価されている可能性が高い:問題を起こして「辞めざるを得なかった」わけではないと推測できる
- 収入が途切れていない安定感:経済的に余裕がある状態での判断であることが伝わる
一方、離職後に転職活動している応募者は「なぜ次を決める前に辞めたのか」という点を採用担当者が気にするケースがあります。それと比較すると、在職中の応募はむしろ安心材料になることが多いです。
なお、在職中と離職後の書き方の違いについては履歴書の空白期間の書き方も参考にしてください。

採用担当者が実際に確認したいのはここだけ
「在職中かどうか」よりも、採用担当者が書類選考と選考プロセスで確認したいのは以下の3点です。
採用担当者が在職中の応募者に確認したいこと
- 内定後いつから入社できるか(退職手続きに何ヶ月必要か)
- 連絡が取れる時間帯(面接日程の調整のため)
- 本当に転職できる意思があるか(現職に引き留められて辞められないケースがある)
これら3点を本人希望欄でしっかり伝えておくことで、採用担当者の疑問をあらかじめ解消できます。次の章で具体的な書き方を紹介します。
本人希望記入欄を使いこなす(在職中だからこそ必要な情報)
本人希望欄は「特になければ貴社規定に従います」と書けばよい欄とされています。ただし在職中の場合は例外で、連絡可能な時間帯と入社可能日の2つを積極的に書くことをすすめます。これが在職中の転職活動を円滑に進める鍵です。
連絡が取れる時間帯の書き方
採用担当者は面接日程の調整や合否連絡のために応募者に電話やメールで連絡します。在職中の場合、日中は業務中で電話に出られないことが多いため、連絡できる時間帯を明示しておくことで採用担当者側の手間を減らせます。
良い例文(連絡可能時間の書き方)
現在在職中のため、平日日中のお電話が難しい状況です。平日19時以降または土日にご連絡いただけますと幸いです。日中はメールにてご連絡ください。
電話よりもメールが管理しやすい場合は「メールでのご連絡をお願いできますと幸いです」と添えておくと親切です。採用担当者も相手の状況に合わせた連絡手段を選びたいと思っているため、こうした配慮は悪い印象を与えません。
入社可能日の伝え方
在職中から転職する場合、内定を得てから実際に入社するまでに退職手続きの期間が必要です。一般的に1〜3ヶ月かかることが多く、会社によっては規定の退職通知期間(1〜2ヶ月前通知など)が定められています。
良い例文(入社可能日の伝え方)
内定後、退職手続きのため1〜2ヶ月程度お時間をいただく予定です。入社日についてはご相談可能です。
「〜程度」「ご相談可能」という柔軟な表現を使うことで、採用担当者がスケジュールを調整しやすくなります。入社日の詳細な書き方については履歴書の入社可能日の書き方を参考にしてください。

採用担当者が実際に困るNG例
在職中の履歴書で採用担当者が「書き方を見直してほしい」と感じるパターンが3つあります。正しい意図があっても、表現の選択で不必要な疑問を招くことがあります。
「現在退職準備中」など曖昧な表現を書く
NG例
20XX年4月 △△株式会社 入社
現在退職準備中
以上
「退職準備中」という表現は採用担当者に「準備とは何か?」「準備が終わらないと退職しないのか?」という疑問を与えます。また「準備中」という状態が曖昧で、いつ退職できるのかが読み取れません。定型文の「現在に至る」で十分です。余計な修飾を加えることが逆効果になります。
「現在に至る」または「以上」のどちらかを書き忘れる
NG例
20XX年4月 △△株式会社 入社
現在に至る
(「以上」がない状態で終わっている)
採用担当者は多くの書類を短時間で確認します。「以上」がない書類を見ると「この後にもページが続く?」または「書き忘れがある?」という疑問が生じます。「現在に至る」だけでも職歴の状態は伝わりますが、「以上」がないと書類の完成度が低く見えます。
確定していない退職予定日を記載してしまう
NG例
20XX年9月末 退職予定
(まだ退職の意思を会社に伝えていない段階でこの日付を記載)
内定が出る前の段階では退職日が未確定のことが多いです。希望の退職日を書いてしまうと、実際には現職に引き留められて予定通りに退職できなかった場合、採用企業との入社日調整がやり直しになります。退職予定日が未確定なら「現在に至る」と書き、本人希望欄で「内定後、入社日はご相談可能です」と記載する方が誠実です。
副業・ダブルワーク中の場合の書き方
本業に加えて副業をしている場合、職歴欄への記載方法に悩む方が少なくありません。副業が転職先の業務内容と近い場合と遠い場合で、対応が変わります。
副業を職歴欄に書くかどうかの判断基準
副業を職歴欄に記載するかどうかは、以下の基準で判断します。
| 状況 | 職歴欄への記載 | 理由 |
|---|---|---|
| 副業が今回の転職先の業種・職種と近い | 書くことを検討 | 経験・スキルのアピールになる |
| 副業が今回の転職と無関係 | 書かなくてよい | 記載が必須ではなく、書類が複雑になる |
| 副業の収入が本業より多く主な業務になっている | 書く | 実態に合わせた正確な職歴記載が必要 |
副業を職歴欄に書く場合は、本業の在籍期間と副業の開始時期を時系列で記載します。副業は「業務委託」「フリーランス」「アルバイト」などの雇用形態を明記し、本業との兼業状態がわかるように書くことが大切です。
本業のみ記載する場合の書き方
副業を書かない場合は、本業について「〇〇株式会社 入社」→「現在に至る」→「以上」で完結します。副業での経験やスキルは、自己PR欄や面接で直接伝える方法もあります。
本業のみ記載する場合の例文
20XX年4月 △△株式会社 入社(〇〇部門 所属)
現在に至る
以上
ダブルワーク中の職歴の書き方は、状況によってパターンが複数あります。詳しくは履歴書のダブルワーク書き方を確認してください。

まとめ
- 在職中の職歴欄は「現在に至る」+右寄せの「以上」をセットで書く。どちらかの書き忘れに注意
- 退職予定日が確定していれば「20XX年X月X日 退職予定」と記載。未定なら「現在に至る」のみにして、本人希望欄で「内定後ご相談」と伝える
- 有給消化中も在籍中のため「現在に至る」で問題なし。退職日が確定していれば退職予定日を記載できる
- 採用担当者は在職中の応募をネガティブに見ない。連絡可能な時間帯と入社可能日を本人希望欄で伝えることが在職中ならではの対応策
- 副業がある場合は転職先との関連性で記載するかを判断。無関係なら本業のみ職歴欄に書き、副業経験は面接でアピールする
職歴欄を整えたら、次に準備が必要なのは職務経歴書です。在職中の場合は準備できる時間が限られるため、履歴書と並行して早めに着手することをすすめます。

在職中の履歴書の職歴の書き方に関するよくある質問
- 「退職予定」と「退社予定」はどちらが正しいですか?
-
履歴書では「退職予定」が正式な表現です。「退社」は「その日の業務が終わって帰宅する」という意味にも使われる言葉のため、法的な意思表示が必要な書面では「退職」を使うのが原則です。「退社予定」を書いても大きな減点にはなりませんが、「退職予定」に統一することをすすめます。
- 有給消化中は「現在に至る(在職中)」と「退職予定」どちらで書けばよいですか?
-
有給消化中は法律上まだ在籍しているため、「現在に至る」と書いて問題ありません。退職日(有給消化終了日)が確定している場合は「20XX年X月X日 退職予定」と記載することもできます。退職日が確定している場合は退職予定日を書いた方が、採用担当者が入社日の調整をしやすくなります。
- パート・アルバイトが在職中の場合も「現在に至る」は必要ですか?
-
はい、雇用形態に関わらず「現在に至る」と「以上」は必要です。パート・アルバイトであっても、現在その会社に在籍していることを示す定型文として「現在に至る」を使い、その後「以上」を右寄せで書いてください。
- 転職活動が長引いて「現在に至る」と書いた後に退職してしまった場合はどうすればよいですか?
-
退職後に書類を提出する場合は、「現在に至る」を「20XX年X月 一身上の都合により退職」に書き直して再提出してください。提出済みの書類については、面接時や選考途中に「退職しました」と担当者に報告するのが誠実な対応です。在職中から離職後に変わった場合は本人希望欄の入社可能日も更新してください。
- 在職中の転職活動は採用担当者からマイナスに見られますか?
-
基本的にマイナスに見られることはありません。採用担当者の立場からすると、在職中の応募は「計画的な転職」として映ることが多く、むしろ安定感があると判断される場合があります。ただし「なぜ在職中にもかかわらず転職を考えているのか」という点は面接で確認される可能性があるため、転職理由を明確に整理しておくことが重要です。


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