この記事では、職務経歴書の書き方をテンプレートの選び方から各項目の記入例・NG例まで、採用担当者の視点で解説します。書類選考を通過するための5つのコツと、転職状況別の対処法も紹介します。
採用担当者が30秒で判断する「職務経歴書の読まれ方」
履歴書との違いと採用担当者の使い方
職務経歴書と履歴書は提出先が同じ企業でも、採用担当者が確認する目的がまったく異なります。この違いを理解せずにテンプレートを埋めていると、どれだけ丁寧に書いても「読まれない書類」になりかねません。
| 書類 | 採用担当者が確認すること | 書式 |
|---|---|---|
| 履歴書 | 応募条件の基本確認(年齢・学歴・職歴の在籍期間・写真) | 規定フォーム(JIS規格等) |
| 職務経歴書 | 実務能力・成果・スキルが自社の求める人材像と合致するか | 自由形式(A4縦) |
履歴書が「条件スクリーニング」の書類であるのに対し、職務経歴書は「実力の証明書」です。採用担当者は職務経歴書を読みながら、「この人を採用したら、うちの職場でどんな仕事をしてもらえるか」を具体的にイメージしています。
採用担当者が最初に目を止める3か所
書類選考担当者は多い日に数十〜数百通の職務経歴書を確認します。じっくり読む前に「30秒でざっくり判断」しているのが実態です。その30秒で目が止まる箇所は3か所に絞られます。
採用担当者が最初にチェックする3か所
- ①職務要約(冒頭の3〜5行): 「どんな経験があるか」を最初にここで判断する。ここがぼんやりしていると読むのをやめる担当者もいる
- ②直近の職務経歴の「成果・実績」欄: 具体的な数字・実績があるかどうかを確認する。「担当しました」で終わる書類は印象に残らない
- ③全体のレイアウト・見た目: 読みやすいか、文字が詰まりすぎていないか。ぱっと見の整理感がまず目に入る
テンプレートを使って全欄を埋めただけでは、この3か所で印象を残すことが難しくなります。後半で解説する「書き方のコツ」を読む前に、採用担当者がどこを見ているかを頭に入れておいてください。
職務経歴書テンプレートの種類と選び方
3つの形式の違いと使い分け
職務経歴書のテンプレートには大きく3種類の形式があります。ダウンロードする前に、自分のキャリアに合った形式を選ぶことが重要です。形式を間違えると、せっかくの経験が伝わりにくくなります。
| 形式 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 逆編年体形式(推奨) | 直近の職歴から古い順に記載 | 転職活動全般。直近のスキル・実績をアピールしたい人 |
| 編年体形式 | 古い職歴から時系列に記載 | キャリアのステップアップ過程を見せたい人 |
| キャリア形式 | 職種・スキル別に整理して記載 | 複数職種の経験があり、スキルで勝負したい人 |
迷ったら逆編年体形式を選んでください。採用担当者が最も確認したい「直近の職務内容・実績」が冒頭に来るため、読み手の負担が少なく、書類選考通過率が最も安定しています。
WordとExcel、どちらで作るべきか
- Word推奨の場合: 文章量が多い・自己PRを詳しく書きたい・営業・企画・事務などの職種
- Excel推奨の場合: 数値・スキルを表形式で整理したい・プロジェクト一覧を見やすくまとめたい・技術職・エンジニア職
提出時はいずれもPDF形式に変換してから送付するのがマナーです。WordやExcelのままメール送付すると、相手の環境でレイアウトが崩れる場合があります。
【項目別】職務経歴書の書き方と記入例
職務経歴書に記載する主な項目は6つです。採用担当者の目線から「どう書けば書類選考の通過率が上がるか」を、記入例・NG例とともに解説します。
① 日付・氏名(提出日を記載する)
書類の右上(または左上)に作成日と氏名を記載します。提出日の日付を記入するのが原則です。過去に作成した職務経歴書を使い回す場合は、必ず日付を更新してください。採用担当者は古い日付に気づきます。
記入例
令和〇年〇月〇日現在
氏名:山田 太郎
② 職務要約(採用担当者が最初に読む最重要欄)
職務要約は「この人はどんな経験があるか」を3〜5行で端的に伝える欄です。採用担当者が職務経歴書を開いて最初に目を通す欄であり、ここで興味を持ってもらえないと後半は読まれないこともあります。
書き方の型は「業界・職種の経験年数」+「主な業務内容」+「強み・実績の一言」の3段構成が最も伝わりやすいです。職務要約はすべての欄の中で最も力を入れて書くべき箇所です。
良い職務要約の書き方例(営業職 5年経験)
食品メーカーの法人営業として5年間、小売・飲食チェーンへの新規開拓と既存顧客管理を担当してまいりました。最終年度は担当エリアの年間売上目標を120%達成し、社内表彰を受けています。提案営業・クロスセルの経験を活かし、関東圏での営業マネジメントに携わりたいと考えております。
NG例
食品メーカーで営業を5年やっていました。顧客対応や提案書の作成などを担当していました。成果・数字がなく「やっていました」で終わっているため、採用担当者の印象に残りません。
③ 職務経歴(各社での業務内容と実績)
在籍した企業ごとに「会社概要」「在籍期間」「業務内容」「成果・実績」を記載します。特に「成果・実績」欄は数字で書くことが最大のポイントです。会社の規模感を伝えるためにも、知名度が低い会社の場合は業種・従業員数・売上規模を必ず添えてください。
採用担当者はここを見ている
- 会社概要の記載: 「業種・従業員数・売上規模」を書くと業界規模が伝わり、実績の重みが変わる
- 成果は数字で: 「売上を上げた」ではなく「担当顧客の解約率を12%→4%に改善した」が通過率を高める
- チームの規模: 「チームリーダーとして5名を統括」など規模感がわかる情報は積極的に書く
職務経歴の記入例(逆編年体)
【〇〇株式会社】(2020年4月〜現在)
業種:食品製造・卸売 / 従業員数:350名 / 売上高:約50億円
【業務内容】
・関東圏スーパー・飲食チェーン約80社への法人営業(新規開拓4割・既存管理6割)
・月次提案書作成5〜8件、見積もり調整、受発注管理
・後輩社員2名のOJT担当
【実績】
・2022年度:担当エリア売上目標120%達成(部門1位)
・2023年度:新規顧客獲得15社(前年比150%)
④ 活かせる経験・スキル
これまでの職務から得たスキル・知識を箇条書きで整理する欄です。応募企業が求めるスキルと紐づけて書くのが基本です。「〜が得意です」という抽象的な書き方ではなく、具体的なツール名・経験年数・対象規模を添えてください。
記入例
- 法人営業・提案営業(5年 / 飲食・小売チェーン対象)
- Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル活用可)、PowerPoint(提案資料作成)
- SFA(Salesforce)の日常利用・データ入力・レポート作成
- 後輩社員のOJT指導(最大2名同時担当)
⑤ 資格・語学
業務に関連する資格・語学スキルを記載します。応募職種と無関係な資格は省略しても問題ありませんが、取得年月を必ず添えることが重要です。「保有」だけでは古い資格かどうかが伝わりません。語学スキルはスコアで示せると、採用担当者が客観的に判断できます。
記入例
・普通自動車第一種免許(2019年3月取得)
・日商簿記3級(2020年11月取得)
・TOEIC:720点(2023年9月受験)
⑥ 自己PR(最後の欄だが、採用担当者が必ず目を通す)
自己PRは「この人が入社したらどんな働き方をするか」を採用担当者がイメージする欄です。200〜300文字が目安で、具体的なエピソード+強み+入社後の貢献の流れで書きます。「コミュニケーション能力があります」のような抽象的な自己評価では差がつきません。
良い自己PRの書き方例
前職では新規開拓営業が社内で最も苦手とされるポジションを担当しましたが、3年間で自社最多となる新規顧客15社獲得という結果を出せました。成功の鍵は、訪問前に相手企業の課題を仮説として持参し、商談初回から「問題解決の提案」として入ることでした。この課題仮説型の営業スタイルは、御社の新規市場開拓でもそのまま活かせると確信しています。
書類選考を通過する職務経歴書の書き方 5つのコツ
コツ1:成果はかならず数字で表す
採用担当者が最も判断しやすいのは、数字で表された成果です。「売上を上げました」ではなく「前年比130%を達成しました」と書くだけで、同じ経験でも伝わり方がまったく変わります。
| 数字なし(NG) | 数字あり(OK) |
|---|---|
| 顧客フォローを行い、解約を減らした | 担当顧客の年間解約率を12%から4%に改善 |
| チームをまとめてプロジェクトを完遂した | 5名チームのリーダーとして6ヶ月のプロジェクトを納期内に完了 |
| 新規開拓に注力し、成果を出せた | 新規顧客を月3〜5社のペースで獲得し、半年で年間目標を達成 |
「正確な数字を覚えていない」という場合は、概算でも問題ありません。「約30%改善」「10名前後のチームを管理」のように書いても、何も書かないより格段に伝わります。
コツ2:見出し・箇条書き・余白で「読みやすさ」を作る
職務経歴書は文章を読ませる書類ではなく、「情報を整理して伝える書類」です。長い文章を段落で書くより、箇条書きと見出しで整理するほうが読み手の負担が下がります。
- 業務内容は箇条書きで5〜8項目程度にまとめる
- 会社ごとに「会社概要・業務内容・実績」と項目を分けて見出しをつける
- 余白(マージン)は詰めすぎず、A4用紙の中に余裕を持たせる
- フォントは明朝体か游明朝、本文10.5〜11pt・見出し12〜14pt で統一する
コツ3:1〜2枚に収める(3枚が上限)
職務経歴書の適切な枚数はA4サイズで1〜2枚が基本です。転職回数が多い・経歴が長い場合でも、3枚を超えるのは避けてください。枚数が多いほど読まれない可能性が高くなります。
3枚以上になる場合は、直近3〜5年の職務経歴を中心に情報を絞り込みましょう。古い職歴は「〇〇会社にて営業職を経験(20XX年〜20XX年)」のように1行でまとめても問題ありません。
コツ4:応募企業に合わせてカスタマイズする
同じ職務経歴書をすべての企業に使い回すのは避けてください。採用担当者が「この応募者はうちに合っている」と感じるかどうかは、職務要約と自己PRが応募企業の求める人物像に合っているかどうかで大きく変わります。
少なくとも「職務要約の最後の一文(入社後にやりたいこと・貢献したいこと)」と「自己PR」は、企業ごとに書き換えることをおすすめします。業務内容・実績欄はそのまま流用しても問題ありません。
コツ5:提出前に「声に出して」読み返す
誤字・脱字・不自然な表現は画面で読むよりも声に出したほうが気づきやすいです。職務経歴書を書き終えたら、一度全文を声に出して読み返してください。読んでいて詰まる箇所・違和感がある箇所は、採用担当者にも伝わりにくい箇所です。
よくあるNGパターンと改善例
NG1:業務内容の羅列だけで成果が見えない
NG例
・営業活動を行いました
・お客様への提案書を作成しました
・社内会議に参加しました
「何をしたか」だけで「どんな成果を出したか」がまったく見えません。採用担当者は次の候補者の書類に進みます。
改善例
・関東圏スーパー80社への法人営業(新規開拓4割・既存管理6割)
・月次提案書を5〜8件作成、年間受注率38%を達成
・週次の営業会議で担当エリアのデータ分析資料を作成・報告
NG2:テンプレートをそのまま埋めただけで個性がない
テンプレートは「書くべき項目を忘れないための枠組み」です。テンプレートを使うこと自体は問題ありませんが、各欄に自分の経験の具体性を入れなければ、採用担当者の目には「量産型の書類」にしか映りません。
採用担当者が「読みたい」と思う書類の条件
- 「100人の中から選ばれて担当した」「社内で初めての取り組みだった」のような固有のコンテキストがある
- 困難だったことと、それをどう乗り越えたかが書いてある
- 「応募企業でもこの経験が使えそう」と採用担当者がイメージできる書き方になっている
NG3:フォント・文字サイズがバラバラ
書類の見た目は第一印象に直結します。フォントが混在している、文字サイズが揃っていない、一部だけ太字になっているといった「見た目の乱れ」は、内容を読む前にマイナス評価につながります。提出前に以下の3点を必ず確認してください。
- フォントは1〜2種類に統一(明朝体または游明朝推奨)
- 本文・見出し・日付のサイズを統一ルールで決める
- PDFに変換して最終確認し、レイアウト崩れがないか目視する
状況別 書き方のヒント
転職回数が多い場合(3回以上)
転職回数が多い場合、採用担当者が気にするのは「またすぐ辞めるのでは」という懸念です。この懸念を払拭するためには、各職場での転職理由を一言添えることが有効です。また、直近2〜3社に絞って詳細を書き、それ以前の職歴は1〜2行でまとめる「逆編年体+省略スタイル」が読みやすくなります。
転退職理由の一言添え方の例
【退職理由】会社都合による事業撤退のため(2022年3月退社)
【退職理由】より専門性の高い環境でのスキルアップを目指し自己都合退職
ブランク(空白期間)がある場合
空白期間がある場合、多くの人が「書かずに放置」か「曖昧に書く」という選択をしますが、これは逆効果です。採用担当者は経歴に空白があれば必ず確認します。
「何をしていたか」を簡潔に一文で書くことで、採用担当者の疑念を払拭できます。家族の介護・療養・資格取得・育児・留学など、どんな理由でも正直に書いた方が印象は良くなります。
空白期間の書き方例
2023年5月〜2024年3月 家族の介護に専念(現在は状況が落ち着き、フルタイム勤務可能です)
2023年1月〜2023年12月 日商簿記2級・FP3級の取得に向けて自己学習
未経験職種への転職の場合
未経験職種への転職では、「今までの経験のどの部分が応募職種に転用できるか」を職務要約と自己PRで明示することが重要です。採用担当者は「なぜこの人が未経験でも活躍できると思うか」の根拠を探しています。
未経験転職時の職務要約例(営業→マーケティング)
前職の法人営業(5年)で培った「顧客課題の仮説設定・提案・フィードバック収集」のプロセスは、マーケティング業務の基本的な思考法と共通しています。独学でGoogle Analytics・SEOの基礎を習得しており(Google アナリティクス個人認定資格取得済み)、デジタルマーケティング領域でこの経験を活かしたいと考えています。
まとめ
- テンプレートは逆編年体形式を基本に選ぶ: 転職活動全般で最も通過率が安定している
- 採用担当者が最初に見る3か所を意識する: 職務要約・直近の成果欄・全体のレイアウト
- 成果は数字で書く: 「〜しました」で終わらず「〜を達成しました」の形で具体化する
- A4で1〜2枚に収める: 多くても3枚が上限。古い職歴は省略してよい
- 状況別の対処法を把握する: 転職回数・ブランク・未経験はそれぞれ書き方が変わる
職務経歴書はテンプレートを埋めれば完成する書類ではありません。採用担当者が「この人に会いたい」と感じるかどうかは、自分の経験の具体性と応募先への貢献イメージをどれだけ伝えられるかにかかっています。
職務経歴書の書き方に関するよくある質問
- 職務経歴書は何枚が適切ですか?
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A4サイズで1〜2枚が基本です。転職回数が多い・経歴が長い場合でも、3枚が上限です。直近3〜5年の経歴を詳しく書き、それ以前の職歴は概要のみに絞りましょう。
- 職務経歴書と履歴書は何が違いますか?
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履歴書は基本情報の確認書類(学歴・資格・写真など)、職務経歴書は実務経験・スキル・成果の証明書類です。採用担当者は履歴書で「条件を満たしているか」、職務経歴書で「実力があるか」を確認します。書式も異なり、履歴書は規定フォーム、職務経歴書はA4縦の自由形式です。
- テンプレートはどの形式を選べばいいですか?
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転職活動全般では「逆編年体形式」が最もおすすめです。直近の職務経歴が冒頭に来るため、採用担当者が求めるスキル・実績を最初に確認できます。スキルを整理してアピールしたい場合は「キャリア形式」も選択肢です。
- 成果や実績に自信がない場合でも職務経歴書は書けますか?
-
書けます。インパクトのある成果がなくても、「担当顧客数:50社」「月次レポート作成:5件」のように業務規模を数字で示すだけで、採用担当者が業務量を把握しやすくなります。概算の数字でも書かないよりはるかに伝わります。
- 職務経歴書はWordとExcelどちらで作るべきですか?
-
どちらでも問題ありません。文章が多い職種(営業・事務・企画)はWord、数値やスキルを表で整理したい職種(エンジニア・技術職)はExcelが使いやすいです。提出時はPDF形式に変換するのがマナーです。


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