この記事では、広告代理店営業の職務経歴書の書き方と例文を、採用担当者の視点から解説します。取り扱い媒体の明記・実績の数値化のコツ・守秘義務の判断基準・書類選考で落とされるNG例と改善策まで、書類通過に必要な情報をまとめました。
採用担当者が広告代理店営業の職務経歴書で最初に確認する3つのポイント
広告代理店の採用担当者は、営業職の職務経歴書を受け取ってから最初の30秒で、大きく3つの情報を確認します。この3点が書かれていなければ、どれほど豊富な経験を持っていても書類選考で落とされるリスクがあります。
採用担当者はここを見ている
- 取り扱い媒体の種類(テレビ・デジタル・雑誌・OOHなど)と担当規模感
- クライアントの業種・規模(大手メーカー・中小企業・BtoB等)と担当クライアント数
- 数字で示された実績(売上達成率・受注金額・担当クライアント数の変化)
取り扱い媒体の種類は採用担当者の「最初のスクリーニング基準」
広告代理店の採用担当者にとって、「どの媒体をどのくらいの規模感で扱ってきたか」は、応募者の経験値を判断するうえで最も重要な基準です。テレビCMを中心とした総合代理店と、Web・SNS広告を主力とするデジタル代理店とでは、求められるスキルと業務フローが大きく異なります。
自社の媒体構成に近い経験を持つ人材かどうかを、採用担当者は最初に確認します。職務経歴書の冒頭か職務要約の段階で、自分が主に扱ってきた媒体を明示することが通過への第一歩です。
クライアントの規模と業種で「即戦力度」が判断される
採用担当者が職務経歴書から読み取ろうとしているのは、「うちのクライアントを担当させてすぐに動けるか」という即戦力度です。担当してきたクライアントの業種(消費財・IT・不動産など)や規模感(担当予算・商談先の規模)を記載することで、採用担当者は自社の既存クライアントとのマッチ度を判断できます。
クライアント名を記載する際は、守秘義務との兼ね合いを考慮する必要があります。守秘義務の判断基準については後のセクションで詳しく解説します。
実績は「達成率と絶対額のセット」で示す
「売上目標達成」「予算内で着地」という表現だけでは、採用担当者には何も伝わりません。「売上目標120%達成(担当年間予算2.5億円)」のように、達成率と絶対額をセットで記載することで、はじめて自分の規模感が伝わります。
数字が明かせない場合は、「担当クライアント数前年比150%増」「リピート率85%」など別の切り口を探します。数字なしの職務経歴書が抱えるリスクについては、NG例のセクションで詳しく取り上げます。
広告代理店営業の職務経歴書の書き方と基本構成
職務経歴書は、一般的に以下の4つのブロックで構成します。各ブロックに書くべき情報と、広告営業特有の注意点を順番に解説します。
| ブロック | 記載する内容 |
|---|---|
| 職務要約 | キャリアの概要を3〜5行で圧縮。媒体・クライアント規模・実績の核心を含める |
| 職務経歴(表) | 在籍期間・会社規模・担当業務・主な実績を会社ごとに記載 |
| 業務内容(箇条書き) | 担当フェーズ・取り扱い媒体・実績数値を具体的に列挙 |
| 保有スキル・資格 | 媒体知識・デジタルツール・語学・業界資格を記載 |
職務要約:3〜5行でキャリアの核心を圧縮する
職務要約は採用担当者が最初に目を向ける箇所です。「○年間、△△を専門とする広告代理店にて、主に○○媒体の営業を担当しました」という形式では弱く、「どの媒体を・どの規模のクライアントに・どんな実績で」の3点を含む形にします。
良い職務要約の例
総合広告代理店にて7年間、主にFMCGクライアント(飲料・食品・化粧品)のテレビCM・雑誌広告を担当しました。年間担当予算は最大2億円規模。新規クライアント開拓から制作進行まで一気通貫で対応し、担当3年目に部門内売上達成率トップ(132%)を記録しました。
職務経歴の表:会社情報と担当規模を正確に記載する
会社概要の欄には、会社名・在籍期間のほか、資本金・従業員数・事業内容を記載します。広告代理店の場合は「取り扱い媒体の種類」「媒体費売上規模」を加えると採用担当者の理解が深まります。資本金の調べ方に迷った場合は職務経歴書の資本金がわからない場合の調べ方を参考にしてください。

従業員数の記載についても同様に、確認方法と正しい書き方をまとめた記事で事前に確認しておくと安心です。
業務内容:媒体×クライアント×実績の3点セットで書く
業務内容を箇条書きで列挙するときは、「何をしたか」だけでなく「どの媒体で・どのクライアントに・どんな成果を出したか」の3点をセットにします。以下は記載の参考例です。
- 食品・飲料メーカーなど計12クライアントへのテレビCM・Web広告の統合提案営業(年間媒体費500万〜1.5億円規模)
- 媒体選定〜入稿・オンエア確認まで担当。複数媒体の同時進行案件を最大5本ハンドリング
- 担当クライアントのリピート率:平均82%(在籍4年間の平均)
- 提案コンペ勝率:70%(社内平均55%に対し15ポイント上回る)
保有スキルと活かせる能力:「何ができるか」を具体的に言語化する
広告営業の保有スキル欄には、扱える媒体の種類に加えて、デジタル関連スキル(Google Ads認定・Meta広告運用・DMP活用など)や業界資格を記載します。「コミュニケーション力が高い」などの抽象的な表現は避け、「担当クライアント数50社・離反率5%未満で3年間維持」のように数字で具体化します。活かせる能力の言語化に迷う場合は、下記の記事で例文付きで解説しています。

媒体別・状況別の職務経歴書例文
以下に、2つのタイプの広告代理店営業職向けの例文を示します。自分のキャリアに近いほうを参考に、数字と媒体情報を自分の実績に書き換えてください。
【例文①】総合広告代理店(テレビ・雑誌・OOH中心)の場合
職務要約の例
大手総合広告代理店にて8年間、主に食品・飲料メーカーへのマス媒体(テレビCM・雑誌・交通広告)の提案営業を担当しました。担当案件の年間予算は500万円〜3億円規模。クライアントの課題抽出から企画立案・クリエイティブ制作進行・効果測定まで一気通貫で対応し、5年目以降はチームリーダーとして後輩3名の育成も担当しました。在籍期間中の売上達成率は毎期110〜135%で推移しています。
この例文のポイントは、「在籍年数・媒体種別・クライアント業種・予算規模・担当フェーズ・マネジメント経験・達成率」の7つの情報を職務要約に凝縮している点です。採用担当者がこれを読めば、自社との適合度を30秒以内に判断できます。
【例文②】デジタル広告代理店(Web・SNS・運用型広告中心)の場合
職務要約の例
デジタル専業広告代理店にて5年間、主にEC事業者・アプリサービスへの運用型広告(Google・Meta・TikTok Ads)の提案・運用営業を担当しました。担当クライアント数は常時15〜20社(月次予算合計5,000万円規模)。入社3年目にGoogle認定資格を取得し、担当クライアントの平均CPA改善率は前任比30%削減を達成しています。現職ではインハウス化支援の提案も担当し、広告主の内製化移行プロジェクトを5件完遂しました。
複数媒体を担当した場合:媒体別に実績を分けて書く
テレビ・デジタル両方を経験している場合は、媒体ごとに分けて記載することで、採用担当者がそれぞれの経験の深さを判断しやすくなります。
| 媒体 | 担当内容 | 実績例 |
|---|---|---|
| テレビCM | 年間2〜3本のCM制作・枠買い付け・オンエア管理 | 担当クライアントのブランド認知度+12%(自社調査) |
| デジタル広告 | リスティング・SNS広告の設計〜運用・改善提案 | CPA前期比25%改善(担当期間24ヶ月) |
| 雑誌・OOH | 媒体選定・入稿管理・効果測定レポート作成 | 4媒体同時入稿をプロジェクト単独でハンドリング |
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →採用担当者が落とすNG例と改善策
以下に、広告代理店営業の職務経歴書でよく見られる3つのNGパターンを示します。それぞれ「どこがNGか」「どう直すか」をセットで確認してください。
NG例①:業務を箇条書きするだけで実績がゼロ
NG例
・クライアントへの広告提案を実施しました
・媒体の選定と入稿管理を担当しました
・クリエイティブの進行管理を行いました
業務の列挙だけでは、その人がどのレベルで・どれだけの規模感で動いてきたかが一切伝わりません。この書き方の最大の問題は「誰でも書ける内容」になっていることです。
改善例
・食品メーカー・IT企業など計12クライアントへのテレビCM・Web広告の統合提案営業(年間媒体費500万〜1.5億円規模)
・媒体選定〜入稿・オンエア確認まで担当。複数媒体の同時進行案件を最大5本ハンドリング
・クリエイティブ進行管理:制作会社3社とのディレクション経験、納期遵守率100%
NG例②:クライアント・媒体情報が一切ない
NG例
・各種クライアントへの広告営業を担当
・複数媒体の提案・運用を経験
・担当クライアントの広告効果を改善
「各種」「複数」「改善」というキーワードは情報ゼロに等しいです。採用担当者が知りたいのは、具体的に「どの業種のクライアントを・どの媒体で・どのくらいの規模感で扱ってきたか」です。守秘義務を気にしてクライアント名を出せない場合でも、業種と規模感は必ず書くようにします。
改善例
・大手飲料メーカー・EC事業者・不動産会社など合計15社を担当(担当期間3年間)
・取り扱い媒体:テレビCM・交通広告・Google/Meta広告
・担当クライアントのリピート率:88%(在籍期間通算)
NG例③:「100%達成」だけでは規模感が伝わらない
「毎期目標を達成しています」という一文は、一見良さそうに見えますが採用担当者には意味を持ちません。目標が低く設定されていれば100%達成は当然であり、担当していた案件の規模感もわからないからです。
NG例
・担当クライアントの売上目標を毎期達成しています
改善例
・売上達成率:120〜145%(在籍5年間すべての期で100%超)
・担当年間予算:最大1.8億円(入社3年目から億超えの担当を任される)
・社内表彰:3期連続でトップセールス(部門内15名中)
実績として書ける数字が少ない場合の対処法は、職務経歴書 実績なし 例文で詳しく解説しています。

広告代理店営業が守秘義務の範囲をどう判断するか
「クライアント名を書いてもいいのか」「売上数字は出してOKか」——この疑問は、広告代理店出身者の多くが職務経歴書を書く際に直面します。守秘義務は「クライアント情報そのもの」の開示を禁じるものであり、自分の経験・実績を転職活動で示すこと自体を全面禁止するものではありません。
判断の目安は以下の通りです。
| 情報の種類 | 基本的な判断 | 対処法 |
|---|---|---|
| クライアント名 | 基本的には記載を控える | 「大手食品メーカー」「上場IT企業」など業種・規模で代替 |
| 担当予算額 | 社内公開情報なら記載可能なケースが多い | 「年間予算○○円規模」と概算で記載 |
| 売上達成率 | 記載可能 | 「120%達成」など率で記載 |
| 具体的な企画内容 | 公開済みの案件は記載可能 | 社名は伏せ「大手飲料メーカーの新商品キャンペーン」と記載 |
| 受賞・表彰内容 | 記載可能 | 「○年度 ◯◯賞 受賞」と記載 |
不安な場合は、在籍中の就業規則・秘密保持契約書を確認するか、「業種・規模・実績の概要」として記載する形を取ります。この方法で書かれた職務経歴書でも、採用担当者が「規模感と実績の質」を把握する上で十分な情報量になります。
職務経歴書を書く前に整理しておきたい4つの視点
職務経歴書に取りかかる前に、以下の4軸を自分なりに棚卸しておくと、書くべき内容が整理されてスムーズに進みます。
視点①:担当クライアントの業種と規模感を書き出す
在籍中に担当したクライアントを業種別に書き出し、年間予算帯ごとに分類します。「FMCG系5社(年間予算500万〜2億)」「IT系3社(年間予算100万〜3,000万)」のように整理することで、自分の経験の幅と深さが見えてきます。
視点②:扱った媒体と経験の深さを確認する
媒体ごとに「提案だけか・運用まで関与したか・効果測定まで担当したか」を整理します。テレビCMであれば「枠買い付け→制作進行→オンエア確認→効果測定」まで一気通貫で担当したか、それとも一部のみかによって、アピールできる専門性が変わります。
視点③:数字で語れる実績を全て書き出す
「売上達成率」「新規獲得件数」「リピート率」「担当クライアント数の変化」「受賞歴」など、数字に変換できる実績をすべて書き出します。どうしても数字にならないものは「担当クライアントの継続年数」「担当した案件の規模感」などで代替できます。
視点④:提案から実施まで、どのフェーズに関与したかを明確にする
広告代理店の営業は、クライアントとの窓口だけを担う人と、メディアプランニング・クリエイティブディレクション・効果測定まで幅広く担う人に分かれます。自分がどのフェーズまで関与してきたかを明確にすることで、転職先での役割の期待値とのずれを防げます。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 採用担当者が最初に確認するのは「媒体の種類」「クライアントの規模と業種」「数値化された実績」の3点
- 職務要約は「媒体・クライアント規模・実績」の3点を含む3〜5行で構成する
- 業務内容は「媒体×クライアント×実績」の3点セットで箇条書きにする
- 守秘義務があっても業種・規模感・達成率は書けるため、情報ゼロにはしない
- NGパターンは「実績なし」「媒体・クライアント情報なし」「達成率だけで規模感がない」の3つ
書類通過に必要な情報が揃わないと感じるなら、有料の添削サービスを活用する方法もあります。職務経歴書の有料添削サービスでは、採用担当者の視点でどこを直すべきかをピンポイントでフィードバックしてもらえます。

広告代理店 営業 職務経歴書に関するよくある質問
- クライアント名は職務経歴書に書いてもいいですか?
-
基本的には控えることを推奨します。守秘義務との兼ね合いがあるため、「大手食品メーカー」「上場IT企業(EC事業者)」のように業種と規模感で代替しましょう。担当予算の概算・リピート率・達成率は守秘義務の対象になりにくいため、積極的に記載するとよいです。
- テレビ中心の経験でデジタル代理店に転職する際、職務経歴書でどうアピールすれば有利ですか?
-
媒体が変わることよりも、「クライアントとの関係構築力」「課題を把握して最適な解決策を提案するプロセス」が評価されます。デジタル代理店への転職を希望する場合は、マス媒体での経験を活かしながらデジタルへの学習意欲・基礎知識(Google Ads認定資格・SNS広告の基礎理解)も保有スキル欄に加えると有利です。
- 在籍期間が1〜2年と短い場合、職務経歴書はどのように書けばよいですか?
-
在籍期間が短くても、担当した案件のインパクトと自分が関与したフェーズを明確に書くことが重要です。「1年間で新規クライアント8社を開拓」「短期間でも年間予算1億円超の案件を単独で担当」のように、密度を数字で見せましょう。離職理由は面接で聞かれますが、職務経歴書に書く必要はありません。
- 職務経歴書と履歴書の職歴欄は同じ内容で問題ありませんか?
-
書き分けが基本です。履歴書の職歴欄は「在籍期間・会社名・役職」を簡潔に示す場所です。職務経歴書は「何をどのくらいの規模でどんな成果を出したか」を詳細に記載する書類で、両者の役割は異なります。同じ内容を繰り返してしまうと、採用担当者に「書類の使い分けができていない」という印象を与えかねません。


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