この記事では、営業事務の職務経歴書を書く際に採用担当者が実際にチェックしているポイントと、通過率を上げる書き方を解説します。職務要約・業務内容・自己PRそれぞれの良い例とNG例、業種別の書き方の違いまで具体的に紹介します。
営業事務の職務経歴書で採用担当者が最初に確認する3点
採用担当者が職務経歴書を読むのに使う時間は、平均30秒から1分程度です。その短時間で「この人は採用できる」と判断されるには、読む側が何を見たいかを把握して、その情報を最初に見える場所に置くことが必要です。
採用担当者が営業事務の職務経歴書を見たとき、最初に目が行くのは以下の3箇所です。
- 職務要約:どんな規模の会社で、何年、どんな業務を担当していたか
- 業務内容:具体的な業務範囲と処理量(数値があると判断しやすい)
- PCスキル:使用ツールと習熟度(Excelの場合は関数・マクロの使用経験など)
職務要約(3〜4行)で全体像を伝える
職務要約は職務経歴書の最上部に置く「経歴のダイジェスト」です。採用担当者はまずここを読み、詳細を読む価値があるかを判断します。文字数は200〜250文字が目安で、「どの業界・規模の会社で、何年、何をしてきたか」を1段落にまとめます。
営業事務の場合、職務要約で伝えるべき要素は次の通りです。
- 在籍した会社の業種・規模(従業員数や売上規模)
- 担当業務の範囲(受発注・書類作成・顧客対応など)
- 担当した営業担当者の人数(「営業5名のサポート」など)
- 特筆すべき実績や得意領域(あれば)
採用担当者はここを見ている
- 職務要約がない書類は、経歴を把握するのに読む時間が倍以上かかる。その時点で候補から外れるケースもある
- 「営業事務として幅広く業務を担当してきました」という抽象的な要約は、何もアピールしていないに等しい
- 在籍会社の規模感(取引先数・売上・社員数)が書いてあると、業務量のイメージが格段にしやすくなる
業務内容欄|数値化できる業務を洗い出す
業務内容欄は職務要約の次に読まれる箇所です。採用担当者が確認したいのは「即戦力として使える業務範囲かどうか」です。
営業事務の業務は多岐にわたりますが、以下のような業務は数値と組み合わせることで具体性が格段に上がります。
| 業務内容 | 数値化の例 |
|---|---|
| 受発注処理 | 1日平均30〜50件の受注処理 |
| 見積書・請求書作成 | 月間150件の請求書発行 |
| 電話・メール対応 | 1日平均20件の問い合わせ対応 |
| 営業担当者のサポート | 営業7名の事務全般をサポート |
| データ管理・集計 | 週次売上レポートの作成・集計 |
PCスキル欄|「Excel使用経験あり」では伝わらない理由
「Excel・Word・PowerPoint使用経験あり」と書いても、採用担当者には情報がほとんど伝わりません。営業事務が日常的にExcelを使う仕事である以上、使える機能のレベルまで明記することが必須です。
採用担当者が見たいのは「どのレベルの業務を任せられるか」という判断材料です。以下のように具体的に記載しましょう。
- Excel:VLOOKUP・IF関数・ピボットテーブルを使った売上集計(日常的に使用)
- Word:提案書・議事録・社内稟議書の作成(年間100件以上)
- PowerPoint:営業提案書・会議資料の作成(月3〜5件)
- 業務システム:SalesforceなどのかんたんなCRM操作、受発注管理システムの日常運用
営業事務の仕事内容を職務経歴書に落とし込む方法
「日常的な業務だから特別なことをしていない」と感じている人ほど、書き方次第で評価が大きく変わります。採用担当者が読んで「この仕事量をこなしていたのか」と感じる書き方に変換することが、書類選考通過の鍵です。
受発注業務の書き方と数値化のコツ
受発注業務は営業事務の中核業務のひとつです。ただし「受発注業務を担当」とだけ書くと、補助的な作業しかしていないと判断されかねません。
採用担当者が読んで「戦力になる」と判断できる書き方を確認してください。
NG例
受発注業務、書類作成、顧客対応などを担当。何件・どの規模かが不明で、業務量の判断ができない。
良い例文
取引先50社からの受注処理を担当(1日平均40件)。入力から出荷指示・伝票作成まで一気通貫で対応。繁忙期は通常の1.5倍の処理量をこなすため、入力テンプレートを自作し、1件あたりの処理時間を約30%削減した。
「テンプレートを自作した」「処理時間を削減した」という工夫の記述が、候補者を受動的な作業者ではなく主体的な問題解決者として見せるポイントです。
営業サポート業務(商談資料・見積書作成)の書き方
商談資料や見積書の作成は、営業担当者との連携がないとできない業務です。「誰に頼まれて・どの程度の量を・どんな品質で仕上げていたか」を書くと、仕事の精度が伝わります。
たとえば次のように書くと採用担当者の目が止まります。
- 営業担当5名の商談用提案書・見積書を月平均30件作成。依頼から最短1時間で仕上げる体制を自分で整えた
- 顧客ごとの値引き率・条件をスプレッドシートで管理し、見積もりミスをゼロに維持
電話・メール対応の経験をどう表現するか
「電話・メール対応を担当」という一文では採用担当者に何も伝わりません。コミュニケーション能力を伝えるには、「どんな状況で」「どんな相手に」「どう対応したか」まで踏み込む必要があります。
- 取引先・新規問い合わせ対応(1日20件以上)。初回問い合わせから担当営業へ引き継ぐまでのフロー整備に貢献
- クレーム発生時は営業事務が一次窓口として初動対応を担い、担当営業の商談時間を確保
採用担当者が通過させたくなる例文パターン
実際に職務経歴書で使える例文を紹介します。良い例とNG例を比較することで、採用担当者の視点から何が評価されるかが具体的にわかります。
職務要約|良い例・NG例
NG例
食品メーカーにて、営業事務として幅広く業務を担当してきました。受発注処理や書類作成のほか、電話・メール対応なども行っていました。規模感・数量・特徴がなく、何もアピールできていない。
良い例文
東証プライム上場の食品メーカー(売上200億円・社員400名)にて、営業事務として5年間勤務。営業担当7名のバックオフィス業務全般を担当し、受発注処理(1日40件)・請求書管理・商談資料作成・顧客対応(1日20件以上)を一気通貫で対応。受注処理テンプレートの整備により業務効率化にも貢献しました。
業務内容|良い例・NG例
業務内容欄は箇条書きで整理するのが基本です。NG例では「内容」だけが並び、良い例では「規模感・頻度・工夫」が加わっています。
NG例
- 受発注業務
- 請求書・見積書作成
- 電話・メール対応
- データ入力・集計
良い例文
- 受発注処理:取引先45社の注文対応(1日平均35〜50件)、出荷指示・納品書作成まで一貫担当
- 請求書・見積書作成:月150件の請求書発行、見積書は依頼から1時間以内を目標に対応
- 顧客対応:電話・メールで1日20件以上の問い合わせを一次対応し、担当営業へ適切に取り次ぎ
- Excelでの売上集計:VLOOKUP・ピボットテーブルを活用し、週次・月次の営業実績レポートを作成
自己PR例文3パターン|営業事務 職務経歴書 自己PR
自己PRは「どんな強みを持つ営業事務か」を採用担当者に印象づける箇所です。次の3パターンから自分の状況に近いものを参考にしてください。
パターン①:即戦力・処理スピード型
営業担当7名の受発注・書類作成業務を5年間担当し、1日50件以上の処理をミスなく対応してきました。業務の繁閑に応じて処理の優先順位を自己判断できるため、担当営業から「○○さんに任せれば安心」と言われていました。新しい受発注システムへの移行時には社内マニュアルを作成し、メンバーへの操作説明も担当した経験があります。
パターン②:営業連携・調整力型
営業と顧客の間に立つ調整役として、社内外双方のニーズを汲んで動くことを意識してきました。担当営業の商談スケジュールを把握した上で、必要な見積書・資料を先回りで準備することで、締め切り当日の突発対応をゼロにした実績があります。クレームや急な仕様変更時も初動対応と社内調整を並行して進め、担当営業の商談時間を確保することができます。
パターン③:業務改善・効率化型
現状の業務フローに疑問を持ち、改善提案を積極的に行ってきました。受発注入力の手動転記に時間がかかっていた問題に対し、Excelマクロを組んで自動転記化したところ、1件あたりの処理時間を3分から1分に短縮できました。結果として月間の残業時間を約15時間削減でき、正確性も向上しました。
自己PRを書く際は、「〜を意識しています」ではなく「〜という結果につながりました」という実績ベースで終わらせることが採用担当者に刺さる書き方です。
書類作成の時間を短縮したい場合は、職務経歴書の自動作成ツールを活用して下書きを作る方法も有効です。

業種・企業規模別の職務経歴書の書き方の違い
営業事務は業種によって担当業務の比重が大きく異なります。応募先の業種に合わせて強調するポイントを変えることで、「うちで即戦力になれる人だ」という印象を与えやすくなります。
メーカー・商社系営業事務の場合
メーカー・商社では受発注の量が多く、正確性とスピードが最重視されます。取引先数・受注処理件数・在庫管理との連携経験などを前面に出す構成が有効です。
- 強調すべきポイント:受注処理の量と正確性、納期管理、在庫・物流部門との連携
- 有効な数値化:取引先数、1日の受注処理件数、月次の請求書発行数
- 評価される経験:受発注管理システム(SAPや奉行クラウドなど)の操作経験
IT・サービス系営業事務の場合
IT・サービス系では案件管理・契約書処理・SFA/CRMツールの操作経験が重視されます。メーカー系とは異なり、複数の小規模案件を並行管理するマルチタスク能力がアピールポイントになります。
- 強調すべきポイント:契約書管理、SalesforceなどのCRM操作、複数案件の進捗管理
- 有効な数値化:同時並行で管理していた案件数、月次の契約処理件数
- 評価される経験:SlackやNotionなどのコラボレーションツールの活用実績
経験が少ない・ブランクがある場合の書き方
経験2年未満でも伝わる経験の言語化術
「2年未満では書くことがない」と思いがちですが、在籍期間の短さを量で補う方法があります。担当業務の幅の広さ・習得したスキルの具体性・取り組み姿勢を丁寧に書くことで、短期間でも業務能力が伝わります。
- 入社後何ヶ月でどの業務を任されるようになったかを時系列で書く
- 「1人でこなした業務」と「上長指示のもとで行った業務」を区別して記載する
- 短期間で業務を習得した経緯(自学・マニュアル整備など)を自己PRに盛り込む
採用担当者はここを見ている
- 経験の長さより「業務をどこまで習得しているか」の深さを見ている
- 「入社半年で業務マニュアルを更新した」「1年で一人立ちした」など成長スピードを示す記述が有効
ブランク期間の扱い方
育児・介護・体調不良など理由があるブランクは、正直に記載した上で現在の状況を簡潔に説明すれば問題ありません。採用担当者が懸念するのはブランクそのものではなく、「説明がない」ことと「再開後に継続できるかどうか」の2点です。
- 職歴欄のブランク期間には「○○年○月〜○○年○月 育児のため休職」と記載する
- 自己PRや職務要約の末尾に「現在は復帰準備を整え、フルタイム就業が可能です」と一文加える
- ブランク中に業務に関連する勉強(Excel・簿記など)をしていれば資格欄や自己PRに記載する
書類の完成度に不安がある場合は、転職エージェントの添削サービスを活用する方法があります。無料で対応してもらえるサービスとの違いについては職務経歴書の添削サービスの選び方も参考にしてください。

まとめ
- 職務要約(200〜250文字)は必ず設け、会社規模・担当業務・年数を明記する
- 業務内容は「業務名」だけでなく「処理件数・頻度・担当した営業人数」で具体化する
- PCスキルは使用機能・習熟度まで記載し、「使用経験あり」だけで終わらせない
- 自己PRは実績ベースで締める(「〜しています」ではなく「〜という結果になりました」)
- 業種に合わせて強調ポイントを変えると、応募先への適合度が高まる
採用担当者が職務経歴書で見たいのは「この人に何を任せられるか」というイメージです。業務の羅列ではなく、量・質・工夫のある記述に変えることで、書類選考の通過率は確実に変わります。
営業事務の職務経歴書に関するよくある質問
- 職務経歴書はA4何枚が適切ですか?
-
1〜2枚が一般的な目安です。経験年数が5年以上の場合は2枚まで許容されますが、3枚以上になると要点を絞る能力が低いと判断される場合があります。情報を詰め込みすぎず、採用担当者が30秒で概要を把握できる量を意識してください。
- 営業事務未経験でも職務経歴書は書けますか?
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書けます。事務経験が他の職種でもある場合は、PCスキル・書類作成・電話対応などの共通スキルを強調します。まったく事務職の経験がない場合でも、過去の仕事でデータ管理・調整業務・顧客対応などを担当していれば、それを整理して書くことができます。志望動機欄で「なぜ営業事務か」を具体的に説明することが求められます。
- 職務経歴書と履歴書の違いは何ですか?
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履歴書は学歴・職歴・資格などの事実を時系列で記録する書類です。職務経歴書はその職歴の中身を詳しく説明するための書類で、採用担当者が「何ができる人か」を判断するために読みます。営業事務の転職では両方の提出を求められることがほとんどで、それぞれの役割を意識して書き分けることが必要です。
- 職務経歴書は手書きとPC作成どちらがよいですか?
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営業事務の場合はPC作成が強く推奨されます。PCスキルそのものが評価対象になる職種であるため、手書き提出はマイナスイメージになりやすいからです。WordまたはExcelで作成し、PDFに変換して提出するのが一般的です。


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