この記事では、履歴書の本人希望欄に何を書けばいいか、書いてはいけないかを採用担当者の目線から解説します。希望がない場合の正しい書き方から、在職中・扶養範囲内・健康面などの状況別例文まで、書類選考を通過するための具体的な対応をまとめます。
「希望欄」は採用担当者に「入社の絶対条件」として読まれる
履歴書の本人希望記入欄(通称:希望欄)は、多くの応募者が「気軽に書く欄」と誤解しています。しかし採用担当者の受け取り方は大きく異なります。
採用担当者が希望欄を確認するとき、そこに書かれた内容を「入社にあたっての絶対条件」として受け取ります。つまり「この条件が満たされなければ入社しません」というメッセージと同義に読まれます。
採用担当者はここを見ている
- 希望欄の記載を「入社できない理由があれば教えてください」という問いへの回答として見ている
- 複数の条件が並んでいる書類は「仕事内容より条件を重視している」と判断されやすい
- 空欄や「特になし」の書類は「何も考えていない」という印象を与えることがある
この認識を持った上で書くかどうかで、希望欄の印象は大きく変わります。「希望を書く欄」ではなく「入社への意志を補足する欄」として位置づけることが、書類通過の第一歩です。
履歴書の希望欄の書き方 基本3ルール
希望がない場合は「貴社の規定に従います」と書く
特に譲れない条件がない場合の正解は、「貴社の規定に従います。」のひと言です。
「何か書かないといけない」と焦って余計な条件を書くより、この一文の方が採用担当者への印象は確実に良くなります。「どんな環境でも前向きに対応できる」という姿勢が、簡潔に伝わるからです。
良い例文
貴社の規定に従います。
希望がある場合は「1条件+理由」を簡潔に書く
どうしても伝えなければならない条件がある場合は、1つだけ・理由を一言添えて書くのが原則です。複数の条件を並べると「条件ばかり気にしている」という印象が強まります。
良い例文
勤務地は○○エリア希望(転居困難なため)。その他は貴社の規定に従います。
NG例
給与30万円以上・残業なし・勤務地○○希望・土日休み希望→ 複数の条件を一気に列挙するのは「条件ありき」の印象を与えます
空欄や「特になし」は書かない
空欄と「特になし」は、どちらも採用担当者に好印象を与えません。
| 書き方 | 採用担当者の受け取り方 |
|---|---|
| 空欄 | 書き忘れ、または何も考えていないという印象 |
| 「特になし」 | 意欲が感じられない。礼儀として配慮が足りない印象 |
| 「貴社の規定に従います。」 | 柔軟に対応できる。入社意欲が感じられる |
希望が何もない場合でも、必ず「貴社の規定に従います。」と記入してください。
履歴書の希望欄に書いていいこと4パターン(例文付き)
以下の4つは、希望欄に記載しても採用に不利になりにくいケースです。いずれも「理由が合理的・やむを得ない」ことを簡潔に伝えることが条件です。
希望する職種・勤務地がある場合
募集要項に複数の職種・勤務地が記載されている場合は、希望欄に明記するとマッチングがスムーズになります。採用担当者も「どの枠で検討すればよいか」が判断しやすくなるため、むしろ書いた方が親切です。
良い例文
希望職種:営業職(前職の法人営業経験を活かしたいため)。勤務地はご指定の範囲内であれば柔軟に対応します。
採用担当者はここを見ている
- 職種・勤務地の希望は、合理的な理由があれば減点にならない
- 「その他は柔軟に対応します」と添えることで、固執した印象を避けられる
在職中で連絡可能な時間帯がある場合
現在就業中で日中の電話対応が難しい場合、希望欄に連絡可能な時間帯を明記するのは歓迎されます。採用担当者も連絡がつかない時間帯に電話することを避けられるため、双方にメリットがあります。
良い例文
現在就業中のため、ご連絡は平日18時以降もしくは土日にいただけますと幸いです。
勤務時間の希望を細かく書きたい場合は、履歴書の勤務時間の書き方も参考にしてください。

入社可能日の希望がある場合
在職中で退職手続きに時間がかかる場合や、現職の引き継ぎ期間が必要な場合は、入社可能日を明記します。採用担当者は採用計画を立てる上で入社予定日を必要とするため、むしろ明示した方が選考がスムーズに進みます。
良い例文
2026年9月1日以降に入社可能です(在職中のため、退職手続きに約1か月要します)。
入社可能日の正確な書き方については、履歴書 入社可能日の書き方で詳しく解説しています。

扶養範囲内・健康面など家庭の事情がある場合
パート・アルバイトとして応募する場合で扶養範囲内の勤務を希望するとき、または持病・通院・介護など家庭の事情があるときは、希望欄への記載が認められます。
ただし書き方には注意が必要です。「〜できません」という否定形ではなく、「〜を希望します」という形で希望として伝えることで、採用担当者への印象が変わります。
良い例文(扶養範囲内希望)
扶養範囲内での勤務を希望します(週3〜4日、1日5〜6時間程度を想定しております)。その他は貴社の規定に従います。
良い例文(通院・健康面の事情)
週1回の通院があるため、水曜日午前中にお休みをいただける職場を希望します。業務への支障は最小限となるよう努めます。
扶養範囲内の記載ルールは年度によって変わることがあります。詳しくは履歴書の本人希望欄に扶養内を書く方法で最新の例文と注意点を確認してください。

採用担当者が落とすNG例5パターン
希望欄の書き方で選考を通過するためには、「書くべきこと」と同じくらい「書いてはいけないこと」を知ることが大切です。採用担当者が書類選考で実際に落とすNGパターンを5つ紹介します。
| NGパターン | 採用担当者の判断 |
|---|---|
| 給与・残業時間の具体的な条件を書く | 条件ばかり気にしている、志望度が低い |
| 「特になし」と書く | 礼儀がない、何も考えていない |
| 空欄のままにする | 書き忘れ、または無頓着という印象 |
| 複数の条件を羅列する | 自分本位で協調性に欠ける |
| 志望動機や長文の説明を書く | 欄の使い方を理解していない |
NG例①:給与・残業条件を具体的に書く
「月給30万円以上希望」「残業は月20時間以内希望」のような待遇に関する具体的な条件。採用担当者は「仕事内容より条件を優先している」と受け取ります。給与交渉は内定後の面接・オファー面談で行うのが原則です。
NG例②:募集要項を超える条件提示
「年収700万円以上希望」のように、募集要項に記載された条件を大幅に超える希望を書くと、「募集内容を読んでいない」と判断されて選考対象外になることがあります。
NG例③:否定形で条件を伝える
「転勤不可」「残業一切不可」「○○はできません」という否定形の表現。「〜を希望します」という肯定形に言い換えるだけで、印象が大きく変わります。
状況別の希望欄 書き方例文集
希望が何もない場合(基本形)
希望条件が何もない場合の正解は一択です。
例文
貴社の規定に従います。
採用担当者にとって、この一文は「柔軟に対応できる」「入社意欲が高い」というポジティブなシグナルになります。余分な条件を書かないことで、かえって評価が上がるケースもあります。
転職活動中・在職中の場合
現在就業中で転職活動を行っている場合、連絡可能な時間帯と入社可能日を合わせて記載するのが効率的です。
例文
現在就業中のため、ご連絡は平日19時以降にお願いできますと幸いです。入社は2026年9月以降を希望します(退職手続きのため)。その他は貴社の規定に従います。
扶養範囲内(パート・アルバイト)希望の場合
配偶者の扶養範囲内での勤務を希望するパート・アルバイト応募の場合、勤務日数や時間の目安も添えると採用担当者が判断しやすくなります。
例文
扶養の範囲内での勤務を希望します(週3〜4日、1日5〜6時間程度)。シフトや曜日はご相談のうえ柔軟に対応します。
バイトの場合の休み希望の書き方は、バイト履歴書の休み希望の書き方も参考にしてください。

健康面・通院・介護など家庭の事情がある場合
定期的な通院や家族の介護など、業務時間に影響する事情がある場合は正直に記載することが大切です。選考過程で判明するよりも、最初から伝えておく方が採用担当者への誠実さが伝わります。
例文(通院がある場合)
週1回の通院があるため、木曜日に午前休をいただける職場を希望します。業務スケジュールへの影響は最小限となるよう努めます。その他は貴社の規定に従います。
NG例
持病があるため残業は一切できません。木曜日は休みが必要です。→ 否定形・一方的な要求は採用担当者に「協調性がない」という印象を与えます
希望職種・勤務地がある場合
複数の職種・勤務地で募集している企業への応募時は、希望を明示することで採用担当者の判断を助けられます。「希望の理由」を一言添えることが、単なる条件列挙との大きな違いです。
例文
希望職種:営業企画職(前職での市場分析の経験を活かしたいため)。勤務地はご指定の範囲内であれば問いません。
希望欄で採用担当者に好印象を与えるポイント
「貴社の規定に従います」だけでは、選考を通過できないわけではありません。しかし、書き方次第で希望欄を「選考を有利に進めるための欄」に変えることができます。
採用担当者が選考で「この人は自己理解ができている」と評価するのは、条件ゼロの応募者ではなく、やむを得ない事情を合理的な言葉で伝えられた応募者です。
- 「理由付きで1条件だけ」書いてある書類は、誠実さと自己把握力の高さが伝わる
- 否定形より肯定形で書く(「〜できません」→「〜を希望します」)
- 希望欄に書いた内容は面接で必ず確認される。書いた理由を自分の言葉で説明できるよう準備しておく
- 条件を書く場合でも「その他は貴社の規定に従います」と締めくくることで、柔軟性が伝わる
採用担当者はここを見ている
- 希望欄は「条件の交渉窓口」ではなく「入社意欲の補足欄」として使うことが採用担当者の期待に合致する
- 条件を一切書かない応募者と、理由付きで1条件だけ書いた応募者を比べると、後者の方が「自己理解ができている」という評価になることがある
- 社会保険の加入希望など、制度面の希望は誤解が生まれないよう制度名を正確に記載すること
社会保険加入希望の書き方については、履歴書 社会保険加入希望の書き方で詳しく解説しています。

まとめ
- 希望欄は「入社の絶対条件」として採用担当者に読まれる欄。「ただの希望」ではない
- 希望がない場合は「貴社の規定に従います。」が最も好印象
- 希望がある場合は「1条件+理由」を簡潔に。複数の条件を羅列しない
- 空欄・「特になし」はいずれもNG。必ず何かを書く
- 書いてよいのは:職種・勤務地希望、連絡可能時間帯、入社可能日、扶養範囲内・健康面の事情
- 条件を書く場合でも「その他は貴社の規定に従います」と締めることで柔軟性が伝わる
履歴書の希望欄に関するよくある質問
- 「特になし」と書いてはいけないのはなぜですか?
-
「特になし」は礼儀として配慮が足りない印象を与え、意欲が感じられないと判断される場合があります。希望が何もない場合でも、「貴社の規定に従います。」と記載することで、柔軟性と入社意欲を伝えられます。空欄も同様に避けてください。
- 給与の希望は書いてもいいですか?
-
基本的には書かない方が無難です。給与に関する具体的な条件は「条件ばかりを気にしている」という印象につながりやすく、採用担当者がネガティブに受け取るケースがあります。給与交渉は内定後のオファー面談や面接の場で行うのが一般的なマナーです。
- 在職中の転職活動で連絡可能な時間帯はどこに書けばいいですか?
-
本人希望欄に記載するのが最も適切です。「現在就業中のため、ご連絡は平日18時以降にお願いできますと幸いです。」のように、簡潔に一文で伝えましょう。履歴書の他の欄(自己PR欄など)には書かないようにしてください。
- パート応募で扶養範囲内の希望を書くと不採用になりますか?
-
パートやアルバイトの募集では、扶養範囲内希望は一般的な条件として認識されています。「週3〜4日・1日5〜6時間」のように具体的な勤務目安を添えることで、採用担当者も勤務条件の確認がしやすくなります。不採用の理由にはなりにくく、むしろ正直に伝えた方が入社後のトラブルを防げます。


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