この記事では、職務経歴書をWordで作る手順を解説します。ページ設定・フォントの選び方・表の作り方、採用担当者が気にする体裁のNG例、3つの形式の選び方まで、実際に手を動かしながら読めるようにまとめました。提出前の最終チェックリストも紹介します。
Wordで職務経歴書を作る前に知っておくこと
職務経歴書に決まった書式はない—だからこそ体裁が重要
履歴書にはJIS規格に基づいたフォーマットがありますが、職務経歴書は法律や業界で定められた統一書式がありません。市販の用紙もなく、どんな見た目にするかは完全に応募者任せです。
この「自由さ」が落とし穴になります。書式が自由だからこそ、体裁が整っているかどうかが書類の第一印象を大きく左右します。内容が良くても「読む気がしない」と判断されれば、詳しく読んでもらえません。
採用担当者が最初に見ているもの
採用担当者が書類を開いた瞬間、最初に目が行くのは「見た目の整理感」です。中身を読む前に「これは読む価値があるか」を瞬時に判断しています。
採用担当者が体裁で確認していること
- 文字サイズが適切か:小さすぎて読めない、大きすぎて間延びしていないか
- 情報が整理されているか:どこに何が書いてあるか、視線が迷わないか
- フォントが統一されているか:複数のフォントが混在していないか
- 枚数が適切か:1〜2枚に収まっているか(多すぎると読み飛ばされる)
手書きとWordの比較と使い分け
職務経歴書は手書きでも提出できますが、転職活動ではWordで作成してPDF変換して送るのが現在の標準です。
| 比較項目 | 手書き | Word |
|---|---|---|
| 書類の印象 | 誠実・丁寧な印象 | 整理感・読みやすさが高い |
| 修正のしやすさ | ミスは書き直しが必要 | 何度でも修正できる |
| 提出方法 | 郵送・手渡し向き | メール添付・応募フォーム向き |
| 作成時間 | 1社ごとに時間がかかる | 一度作れば応募先ごとに調整できる |
| 読みやすさ | 字の上手さに左右される | フォーマット次第で誰でも読みやすくできる |
特にオンラインで書類を提出する場合は、WordをそのままではなくPDF変換してから送付するのが基本です。WordのままではWordのバージョン差でレイアウトが崩れるリスクがあります。
職務経歴書の3つの形式とWordでの選び方
最初にどの形式を選ぶかによって、Wordの表構成も変わります。迷ったら「逆編年体形式」を選ぶのが正解です。転職市場で最も多く使われており、採用担当者も読み慣れています。
編年体形式(古い順)—キャリアの変遷を見せたい人向け
入社した順番に職歴を古い方から記載する形式です。キャリアが一本線でつながっており、成長過程を丁寧に伝えたい場合に向いています。
- 向いている人:同業界・同職種でのキャリアアップが明確な人、新卒3〜5年目の人
- 向いていない人:転職回数が多く直近の職歴を強調したい人
逆編年体形式(新しい順)—転職全般に最もよく使われる
直近の職歴を先頭に持ってくる形式で、転職活動では最もよく使われます。採用担当者が一番知りたい「今のスキル・直近の実績」が書類の上部に来るため、採用担当者の読む負担が少なくなるという利点があります。
- 向いている人:ほぼ全員(特に直近の職歴が応募先と関連する場合)
- 特徴:採用担当者が「今のスキル」を最初に確認できる
キャリア形式(職種・プロジェクト別)—専門性が高い人向け
業務内容やプロジェクトごとに分類して記載する形式です。時系列ではなく「何ができるか」を軸に構成するため、特定のスキルを強調したい場合に有効です。
- 向いている人:多様な業界を経験したフリーランス・専門職・マルチキャリアの人
- 注意点:経歴が複雑なため、読み解くのに時間がかかる。採用担当者に慣れてもらう前提が必要
WordでゼロからつくるSTEP手順
テンプレートを使わずゼロから作る場合の手順をSTEP順に解説します。順番通りに進めることで、後から体裁が崩れるリスクを防げます。
STEP1 ページ設定(用紙サイズ・余白・向き)
Wordを起動したら、文字を入力する前にページ設定を完了させます。後から変更するとレイアウト全体がずれるため、最初の設定が最も重要です。
推奨ページ設定
- 用紙サイズ:A4(210×297mm)縦向き
- 余白:上25〜30mm / 下25〜30mm / 左25〜30mm / 右20〜25mm
- 設定方法:[レイアウト] タブ → [余白] → [ユーザー設定の余白]
NG例:余白を極端に狭くする
余白を10mm以下に設定して1枚に詰め込もうとするケースがあります。余白が狭すぎると読む前から「息苦しい」印象を与え、採用担当者が読むのをやめてしまうことがあります。情報を削ってでも余白は確保してください。
STEP2 フォントとサイズを最初に決める
フォントは本文を書き始める前に全体の設定を決めるのが鉄則です。後から変えると、箇条書き・表・見出しそれぞれで個別に修正が必要になり、手間が倍になります。
| 項目 | 推奨フォント(日本語) | 推奨サイズ |
|---|---|---|
| 文書タイトル(職務経歴書) | 游明朝 / MS明朝 | 16〜18pt(中央揃え・太字) |
| 大見出し(会社名・区分名) | 同上(太字) | 12〜14pt |
| 本文・箇条書き | 同上 | 10.5〜11pt |
| 補足・注記 | 同上 | 9〜10pt |
印刷して郵送・持参する場合は「游明朝」「MS明朝」が読みやすく、メール添付・オンライン提出の場合は「游ゴシック」「メイリオ」が画面で見やすいです。どちらでも適切で問題ありません。
採用担当者はここを見ている
- フォントは日本語1種類・英数字1種類(例:日本語は游明朝、英数字はTimesやArial)に統一が基本
- 見出しにゴシック・本文に明朝の組み合わせは許容範囲内だが、3種類以上の混在は「整理できない人」の印象を与える
- 「強調したい」からといってフォントサイズを変えるのはNG。強調はボールド(太字)で行う
STEP3 表で構成を組み立てる
職務経歴書の多くは「左列に項目名、右列に内容」という2列の表構造を基本にしています。表を使うことで項目と情報が視覚的に整理され、採用担当者が知りたい情報をすぐ見つけられます。
表の作成手順
- Wordの [挿入] タブ → [表] → 必要な行・列数を選択(まず2列・8〜10行程度)
- 左列(項目名列)の幅を25〜30mm程度に設定。右列が広くなるように調整する
- [表のデザイン] → 「表のスタイル」でシンプルな枠線に設定(黒・0.5pt)
- 枠線を「なし」にして罫線なしで見せる形式も可。どちらでも可読性が確保されれば問題ない
STEP4 各項目の記入例
表の構成ができたら、各項目を記入します。以下は主要項目の書き方と文字数の目安です。
| 項目 | 書き方のポイント | 文字数目安 |
|---|---|---|
| 職務要約 | 「○年間○○職として○○を担当し、○という実績を上げた」形式。全体像を3〜5行でまとめる | 100〜200文字 |
| 会社概要 | 正式名称・業種・従業員数・資本金を記載。「株式会社」の位置(前株・後株)に注意 | 各項目1行 |
| 業務内容 | 担当した業務を箇条書きで具体的に列挙。「〜を担当」ではなく「〜を実施し○○を達成」まで書く | 5〜8項目 |
| 実績・成果 | 数値(売上額・前年比・件数・削減率)で具体化。数字がない場合は規模感(部下○名・プロジェクト期間)を記載 | 3〜5項目 |
| スキル・資格 | 資格は正式名称と取得年月を記載。Excelなどは「Excelスキル(VLOOKUP・ピボットテーブル可)」など具体的に | 資格ごとに1行 |
| 自己PR | 前職での経験から得た強みと、入社後にどう活用できるかをセットで記載 | 200〜300文字 |
良い書き方(実績の記載例)
【担当業務】新規顧客への営業・既存顧客フォロー(担当エリア:関東全域・担当件数 約50社)
【実績】入社初年度から目標達成率120%。担当先の解約率を前年比35%削減。
NG例(実績の記載例)
【担当業務】営業全般
【実績】成果を上げた。
「営業全般」「成果を上げた」では何も伝わりません。具体的な数字・担当規模がない記載は、採用担当者に「書く気がない」または「成果がない」と受け取られます。
無料Wordテンプレートの上手な使い方
テンプレートのおすすめ入手先
大手転職サービスが無料のWordテンプレートを公開しています。会員登録なしでダウンロードできるものも多く、ゼロから体裁を作る手間が省けます。
| サービス名 | 特徴 | テンプレート数 |
|---|---|---|
| doda | 133職種対応のサンプル付き・形式別あり | 多数 |
| リクルートエージェント | 形式別・職種別テンプレート | 多数 |
| マイナビ転職エージェント | 職種別・詳細な解説付き | 多数 |
| ハローワーク | 公的機関提供・シンプルな標準形式 | 少数 |
自分の職種に近いサンプルを参考にすると、記載すべき項目の漏れを防げます。
テンプレートを使うときに絶対やってはいけないこと
採用担当者はここを見ている
- テンプレートの「○○を記入してください」というサンプルテキストを残したまま提出するケースが実際にある
- 自分の職種と全く合わない形式のテンプレートをそのまま使い、空欄だらけで提出するケースもある
- テンプレートを「骨格」として利用し、必ず自分の実績・言葉に書き換えることが前提。サンプル文言の流用は採用担当者にすぐわかる
NG例:テンプレートのやってはいけない使い方
- 「【実績】(記入例)売上目標を達成しました」というサンプルをそのまま残す
- 「【自己PR】(記入例)チームワークを大切にしています」の文章を変えずに提出
- フォントや色をテンプレートから変えたが、設定がバラバラになり元より見にくくなる
テンプレートはあくまで「構成の骨格と体裁の参考」として使い、テキストは100%自分の言葉で書き直すのが原則です。
採用担当者が指摘する「WordのNG体裁パターン」6つ
採用担当者から実際に挙がるNG事例を6つにまとめました。提出前に一つひとつ確認してください。
NG1:フォントが複数混在している
NG例
タイトルが「HGP創英角ポップ体」、本文が「MS明朝」、実績の数字部分が「Arial」に自動で変わっている—という状態です。フォントの混在はWordを開いた瞬間に視覚的な不統一感として伝わり、「細かい点に気が回らない人」という印象につながります。
対策:フォントの設定は「Ctrl+A(全選択)」をしてから一括変更するのが確実です。
NG2:文字サイズがバラバラ
NG例
本文が12pt、括弧書きが8pt、実績の数字だけ14ptのように揃っていないケース。「強調したくて文字を大きくする」行為が原因のことが多いです。強調にはサイズ変更でなくボールド(太字)を使い、サイズは全体で統一します。
NG3:表がずれている・枠線が崩れている
表を追加・編集しているうちに、列幅がばらついたり枠線が2重になったりするケースがあります。特に行を追加・削除したあとに崩れやすいです。
採用担当者はここを見ている
- 表の枠ずれ・行の高さのバラつきは「完成前に提出した」印象を与える
- 提出前に必ず「印刷プレビュー」([ファイル] → [印刷])で確認する習慣をつける
- PDFに変換してから画面で確認することで、実際の提出物と同じ状態をチェックできる
NG4:A4 3枚以上になっている
職務経歴書の理想は1〜2枚、最大でも3枚以内です。経験が豊富であっても3枚を超えると「情報整理ができない」と判断されることがあります。
採用担当者はここを見ている
- 3枚以上になりそうなときは業務内容の羅列を削るより、「印象に残る実績だけを絞り込む」方が伝わる
- 古い職歴(10年以上前・応募先に関連しない経歴)は「社名・在籍期間・役職」だけに圧縮してもよい
NG5:和暦・西暦が混在している
NG例
「2018年4月 入社」「令和3年3月 退職」「H29年4月 異動」が混在しているケース。表記の統一は「仕事の正確さ」に直結する確認事項です。転職市場では西暦統一が標準ですが、和暦統一でも問題ありません。どちらかに揃えることが重要です。
NG6:PDFに変換せずWordファイルのまま送付する
メール添付で書類を送る場合は必ずPDF変換が必要です。WordファイルのままではWordのバージョン差異でレイアウトが崩れる可能性があり、採用担当者の環境で意図した体裁が表示されないことがあります。
PDF変換の手順
- [ファイル] → [名前を付けて保存] → ファイル形式のプルダウンで「PDF」を選択
- または [ファイル] → [エクスポート] → [PDF/XPSドキュメントの作成]
- 保存後、PDFを開いて体裁が崩れていないかを必ず確認する
職種・状況別の記入ポイント
転職回数が多い場合(3社以上)
転職回数が多いこと自体はマイナス要因ではありません。採用担当者が不安に思うのは「なぜ毎回短期間で辞めているのか」「次もすぐ辞めないか」という点です。
採用担当者はここを見ている
- 各社の在籍期間と離職理由を簡潔に添えるだけで「計画性のある転職」に見える
- 「スキルアップのため」「事業縮小に伴い」「体制変更により業務終了」など一言あるだけで印象が変わる
- 逆編年体形式を使い、直近の職歴でアピールしたい実績を最初に持ってくる
空白期間がある場合
空白期間は正直に記載するのが原則です。採用担当者は空白期間を隠そうとする応募者を「何か問題があるのでは」と感じることがあります。
良い書き方(空白期間の記載例)
2023年3月〜2023年9月(6ヶ月):健康上の理由による休養。現在は回復し、転職活動中。
2022年4月〜2023年3月(1年間):親族の介護に専念。現在は終了し、フルタイムで就業できる状態です。
空白期間を語学学習や資格取得に充てた場合は、具体的な取得資格名や学習内容を記載すると説得力が増します。「勉強していました」だけでは弱く、「TOEIC 750点取得(2023年6月)」「日商簿記2級取得(2023年4月)」のように具体性を持たせてください。
未経験職種に応募する場合
採用担当者はここを見ている
- 未経験転職で採用担当者が確認したいのは「なぜこの業界・職種を選んだのか」という動機の純粋さ
- 前職との接点(共通するスキル・経験)を明確に書くことが、経験不足を補う最善策
- 「未経験ですが頑張ります」という意欲だけでは弱い。「前職で○○を担当しており、○○という共通点があります」という具体的な接点を示す
提出前の最終チェックリスト
書類を提出する前に以下を確認してください。1項目でも漏れがあると、体裁面で減点される可能性があります。
| チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| フォント統一 | 日本語フォント1種類・英数字フォント1種類に絞られているか |
| サイズ統一 | 本文10.5〜11pt、見出し12〜14ptに揃っているか |
| ページ設定 | A4縦・余白25〜30mmになっているか |
| 枚数 | 1〜2枚(最大3枚)に収まっているか |
| 和暦/西暦統一 | どちらかに統一されているか(西暦推奨) |
| 表の体裁 | 印刷プレビューで枠のずれ・文字のはみ出しがないか |
| 誤字脱字 | 会社名・役職名の正式名称に誤りがないか |
| 空欄確認 | テンプレートのサンプルテキストが残っていないか |
| PDF変換 | メール送付の場合、PDFに変換しレイアウト崩れを確認済みか |
| ファイル名 | 「職務経歴書_氏名.pdf」のようにわかりやすい名前になっているか |
まとめ
- 職務経歴書に統一書式はない:だからこそ体裁の整理感が採用担当者の第一印象を決める
- 形式は「逆編年体」が最も一般的:迷ったらこれを選ぶ。最近の実績が先頭に来るため採用担当者が読みやすい
- Wordの設定は最初に固める:ページ設定(A4・余白25〜30mm)とフォント統一(1種類)を書き始める前に済ませる
- 枚数は1〜2枚が理想:最大3枚以内。超えそうなら情報の絞り込みを優先する
- 提出前は印刷プレビューとPDF変換で最終確認:メール送付は必ずPDF変換、フォント・表・枚数を実際の提出物と同じ状態で確認する
体裁が整った職務経歴書は、採用担当者に「仕事もきちんとしている人」という信頼感を与えます。内容を書く前にWordの設定を先に整えることが、読んでもらえる書類への最初の一歩です。
職務経歴書のWordでの書き方に関するよくある質問
- 職務経歴書のフォントは明朝体とゴシック体どちらがよいですか?
-
どちらでも問題ありません。印刷して郵送・持参する場合は「游明朝」「MS明朝」のような明朝体が印刷で読みやすく、メール添付・オンライン提出の場合は「游ゴシック」「メイリオ」のようなゴシック体が画面で見やすいです。最も重要なのはどちらか1種類に統一すること。複数のフォントを混在させないことが原則です。
- 職務経歴書は何枚が適切ですか?
-
1〜2枚が理想です。経験が豊富な場合でも3枚以内に収めるのが一般的なルールです。3枚を超えると「情報整理ができない」と判断されることがあります。枚数が増えそうな場合は、応募先に関連性の低い古い職歴は「会社名・在籍期間・役職」だけに圧縮し、直近の関連する実績に字数を集中させてください。
- Wordテンプレートをダウンロードして使っても問題ないですか?
-
問題ありません。ただし、テンプレートはあくまで「構成の骨格と体裁の参考」として使い、テキストは100%自分の言葉に書き換えることが前提です。テンプレートに入っているサンプル文言・サンプル実績をそのまま残して提出するのは絶対に避けてください。採用担当者は日々大量の書類を見ており、テンプレートのサンプル文言はすぐに見抜かれます。
- メールで送る場合、WordとPDFどちらで送るべきですか?
-
必ずPDFに変換してから送付してください。WordファイルのままではWordのバージョン差異でレイアウトが崩れ、採用担当者の環境では意図した体裁が表示されないことがあります。変換方法は [ファイル] → [名前を付けて保存] でファイル形式を「PDF」に変更するだけです。PDF変換後に必ずファイルを開いて、レイアウト崩れがないことを確認してから送付してください。


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