職務経歴書のキャリア式は、時系列ではなく業務・スキル別に経歴を整理する書き方です。転職回数が多い人や複数の分野を経験した人が、これまでの強みを一貫性のあるかたちで伝えるために選ぶ形式です。向いている人・向いていない人の違いから、採用担当者が実際に見ているポイント、職種別の例文までまとめて紹介します。
職務経歴書のキャリア式の書き方と例文【結論】
結論|経歴を「時系列」ではなく「業務・スキル別」に整理する形式
キャリア式とは、入社した順番に沿って職歴を並べるのではなく、担当してきた業務内容やプロジェクト、身につけたスキルを軸にまとめる職務経歴書の形式です。同じ分野で複数の会社を経験してきた人や、専門性を前面に出したい人が選ぶことの多い書き方です。
キャリア式の基本構成
キャリア式の職務経歴書は、主に次の5項目で構成します。
- 職務要約:経歴全体を3〜4行で要約
- 業務・役割別の経験:担当してきた業務やプロジェクトを分野ごとに整理
- 実績:数値を用いた成果
- 活かせるスキル・知識:応募先で発揮できる専門性
- 自己PR:強みと志望動機の接続
記載例
良い例文(業務・役割別の経験欄)
【法人営業】新規開拓を中心に、年間30社への提案を担当。既存顧客への深耕営業とあわせて、担当エリアの売上を前年比120%まで伸ばした。
NG例
営業として日々の業務に誠実に取り組み、多くのお客様との信頼関係構築に努めた。「多くの」「誠実に」だけでは、成果の規模が採用担当者に伝わりません。
編年体式・逆編年体式との違い
| 形式 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| キャリア式 | 業務・スキル別に整理 | 専門性を軸にアピールしたい人 |
| 編年体式 | 古い職歴から時系列で記載 | 同一企業での在籍が長い人 |
| 逆編年体式 | 直近の職歴から時系列で記載 | 直近の経験を評価してほしい人 |
採用担当者は職務経歴書を開いた瞬間、形式そのものから「どの経験を軸にアピールしたい人か」を読み取ります。逆編年体式のテンプレートを使う場合の書き方は、以下の記事も参考にしてください。

キャリア式が向いている人・向いていない人
キャリア式は、どんな経歴の人にも合う万能な形式ではありません。向き不向きを見誤ると、かえって経歴が伝わりにくくなることもあります。
向いている人
- 転職回数が多い人:編年体式だと在籍期間の短さが目立つが、業務内容を先に示せる
- 異業種・複数職種を経験した人:時系列だと経歴が散漫に見えるが、業務別なら対応力として提示できる
- 専門性を武器にしたい人:エンジニアやコンサルなど、プロジェクト単位で成果を積み上げてきた職種と相性が良い
向いていない人
次のようなケースでは、キャリア式よりも編年体式や逆編年体式のほうが評価されやすくなります。
- 新卒・第二新卒で経験が浅い人:業務別に分けるほどの経験量がなく、かえって内容が薄く見える
- 同一企業・同一分野での在籍が長い人:時系列でのキャリアアップが伝わる編年体式のほうが強みを示しやすい
- 直近の実績を最優先で見てほしい人:直近の経歴から書ける逆編年体式のほうが目に留まりやすい
採用担当者はここを見ている
- 転職理由が一貫性のあるキャリア形成の一部として説明できているか
- 業種・職種が変わっていても、共通して発揮してきたスキルが明確か
採用担当者はここを見ている|通過するキャリア式のポイント
採用担当者は職務経歴書を読むとき、応募者の経歴そのものよりも「自社でどう活躍してくれそうか」を判断材料にしています。キャリア式で評価されやすい書類には、共通する特徴があります。
- 経験をどう活かせるかが、冒頭数行で伝わる並び順になっている
- 実績が定性的な表現ではなく、具体的な数字で示されている
- 転職の目的やキャリアの方向性に一貫性があり、納得感がある
「経験をどう活かせるか」が伝わる構成になっているか
キャリア式では、応募先の求人内容に合わせて経験の記載順を並べ替えられます。求人で求められているスキルに近い業務を先頭に配置するだけで、採用担当者は最初の数行で「活かせる経験がある」と判断しやすくなります。
実績は数字で語られているか
「頑張った」「尽力した」といった定性的な表現だけでは、成果の大きさが伝わりません。担当した案件数、達成率、削減できたコストなど、可能な限り数値に置き換えて記載します。
良い例文
【業務改善】Excelでの集計作業をマクロ化し、月次の締め作業にかかる時間を10時間短縮。あわせて入力ミスによる差し戻し件数を月平均5件から1件未満に減らした。
NG例
業務改善に積極的に取り組み、チームの生産性向上に貢献した。「積極的に」「貢献した」だけでは、何をどれだけ改善したのかが伝わりません。
キャリア式で失敗しないための書き方のコツ
キャリア式は経験を効果的にアピールできる一方、書き方を誤ると「結局どんな経歴の人なのか分かりにくい」という印象を与えてしまいます。次の3点を押さえておくと、読みやすさと専門性を両立できます。
冒頭に編年体式の職歴要約を添える
キャリア式の職務経歴書は、業務・スキル別に情報が分かれているぶん、在籍していた会社や期間が把握しづらくなります。本文に入る前に、会社名・在籍期間・職種を時系列で簡潔にまとめた一覧を添えることで、採用担当者は全体の経歴を先に把握したうえで詳細を読み進められます。
分量はA4用紙1〜2枚に収める
業務別に経験を整理していくと、書きたいことが増えて枚数が膨らみがちです。しかし採用担当者は1件あたり数十秒〜数分で書類に目を通すため、3枚を超える職務経歴書は最後まで読まれないリスクが高くなります。
目安として、業務・役割別の項目は3〜4分野に絞り、各項目は3〜5行程度でまとめてください。応募先の求人内容と関連が薄い経験は、思い切って一覧形式に簡略化するとバランスが取れます。
自己PRは長文にせず見出しで分割する
アピールしたい強みが複数ある場合、一つの段落に詰め込むと要点がぼやけます。「課題解決力」「マネジメント経験」のように強みごとに小見出しを立て、それぞれ3〜4行でまとめると読みやすくなります。
アピールしたい実績を先頭に並べ替える
キャリア式は項目の順番を自由に組み替えられるのが強みです。応募先の求人票に書かれているキーワードと重なる経験があれば、その項目を職務経歴書の先頭に配置しましょう。
採用担当者はここを見ている
- 冒頭数行で経歴全体の流れが把握できるか
- 自己PRが具体的なエピソードと数字で裏付けられているか
【職種別】キャリア式の例文
職種や状況によって、キャリア式で強調すべきポイントは変わります。営業・エンジニア・事務・転職回数が多い人の4パターンを例に、良い例とNG例を紹介します。
営業職の例文
良い例文
法人営業として新規開拓を担当。年間30社の新規契約を獲得し、担当エリアの売上を前年比120%に伸ばした。既存顧客に対しては提案内容を見直し、解約率を8%から3%へ改善した。
NG例
法人営業として新規開拓や既存顧客対応を幅広く担当し、目標達成に向けて努力を続けた。「幅広く」「努力を続けた」では、成果の水準が採用担当者に伝わりません。
営業職向けのテンプレートを使ってそのまま清書したい場合は、営業の職務経歴書テンプレートも参考にしてください。
エンジニア職の例文
良い例文
ECサイトのバックエンド開発をリーダーとして担当。決済処理の応答速度を40%改善し、月間障害件数を5件から1件未満に削減した。使用言語はPHP・Pythonが中心。
NG例
複数のプロジェクトで開発業務に携わり、チームの一員として貢献した。担当範囲・使用技術・改善結果が示されておらず、専門性の深さが判断できません。
使用技術やプロジェクト経験を整理する際は、エンジニアの職務経歴書テンプレートを使うと項目の抜け漏れを防げます。
事務・管理部門の例文
良い例文
経理事務として月次決算業務を担当。Excelでの集計作業をマクロ化し、締め作業にかかる時間を月あたり10時間短縮した。並行して請求書処理の一次窓口も兼任。
NG例
経理事務として月次決算や請求書処理などの業務を正確に行った。「正確に行った」だけでは、業務改善への貢献度が伝わりません。
事務職の場合は、事務の職務経歴書テンプレートを使うと、業務別の項目立てがしやすくなります。
転職回数が多い人の例文
転職回数が多い場合は、業務別の項目に入る前の職務要約で「なぜ複数の職場を経験してきたのか」を一文添えておくと、採用担当者が安心して詳細を読み進められます。
良い例文
【職務要約】人材・派遣業界を中心に5社で法人営業を経験。いずれの職場でも新規開拓を主軸に担当し、専門性を深めるかたちで転職を重ねてきた。担当エリアの売上を前職比で平均115%まで伸ばした実績がある。
NG例
これまで5社で営業職として勤務してきた。転職理由の一貫性が示されないまま職歴だけ並べると、「定着しない人」という印象を与えかねません。
派遣を挟んで複数の職場を経験してきた場合は、派遣の職務経歴書テンプレートも参考になります。より詳しい対策は以下の記事でも解説しています。

まとめ
- キャリア式は業務・スキル別に経歴を整理する形式で、転職回数が多い人や異業種経験者、専門職に向いている
- 新卒・第二新卒や同一分野での在籍が長い人には、編年体式や逆編年体式のほうが向いている場合もある
- 採用担当者は「経験をどう活かせるか」「実績が数字で示されているか」を重視している
- 冒頭に編年体式の職歴要約を添え、分量はA4用紙1〜2枚を目安にまとめると読みやすくなる
自分で書くのが難しいと感じたら、職務経歴書の自動作成ツールで下書きを効率化するのも一つの方法です。

職務経歴書のキャリア式に関するよくある質問
- キャリア式と編年体式はどちらが有利ですか?
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有利・不利は一概に言えず、経歴の内容によって適した形式が変わります。同一分野で転職回数が多い人や専門性を訴求したい人はキャリア式、在籍期間が長く時系列でキャリアアップが分かりやすい人は編年体式が向いています。
- 新卒や第二新卒でもキャリア式を使えますか?
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経験が浅いうちは業務別に分けるほどの分量がなく、内容が薄く見えやすいため、あまりおすすめできません。新卒・第二新卒の場合は、時系列で経歴を示せる編年体式のほうが伝わりやすくなります。
- キャリア式の職務経歴書は何枚くらいが目安ですか?
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A4用紙1〜2枚が目安です。業務・役割別の項目を3〜4分野に絞り、各項目を3〜5行程度でまとめると、読みやすい分量に収まります。
- キャリア式でも自己PR欄は必要ですか?
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必要です。業務・実績の記載だけでは、応募先でどう貢献したいかという意欲が伝わりにくいため、自己PR欄で強みと志望動機を接続してください。

