留学経験は、履歴書のどこに書くかで印象が大きく変わります。1年以上の正規留学・交換留学は学歴欄、語学留学やワーキングホリデーは自己PR欄というように、留学の種類ごとに書く場所と伝え方が異なります。この記事では、学歴欄と自己PR欄の使い分け、状況別の記入例、そして採用担当者が留学経験のどこを見ているかを、例文つきで解説します。
履歴書の留学経験は「学歴欄」と「自己PR欄」で書き分ける
留学経験を履歴書に書くとき、最初に決めるのは「学歴欄に書くのか、それ以外の欄で伝えるのか」です。ここを間違えると、正しい経歴なのにフォーマット違反と見なされたり、せっかくの経験が埋もれたりします。判断の基準は留学の種類と期間です。
学歴欄に書けるのは1年以上の正規留学・交換留学
海外の大学・大学院に正規で在籍した「正規留学」と、日本の学校に籍を置いたまま海外で学んだ「交換留学」は、学業として扱われます。留学期間が1年以上であれば、学歴欄に日本の学校の入学・卒業と時系列で並べて記載します。学歴欄は上から古い順に並べるのが基本なので、留学の時期に応じて自然な位置に差し込みます。
学歴欄の書き方の基礎から確認したい方は、学歴欄をどこから書き始めるかのルールもあわせて確認しておくと、留学の記載位置で迷いません。

語学留学・ワーホリ・短期留学は「その他」か自己PR欄
語学学校への留学や1年未満の短期留学、ワーキングホリデーは、一般的に「研修」に近い扱いとされ、学歴欄には記載しません。学歴欄に無理に書くと、正規の学業と混同したフォーマットと見なされることがあります。これらは学歴欄と行を分けた「その他」として書くか、自己PR欄や資格欄で成果とともに伝えるのが適切です。
どの留学がどこに入るのか、下の早見表で整理しました。
| 留学の種類 | 期間の目安 | 書く場所 |
|---|---|---|
| 正規留学(学位取得) | 1年以上 | 学歴欄 |
| 交換留学 | 1年以上 | 学歴欄 |
| 短期の大学留学 | 1年未満 | その他・自己PR欄 |
| 語学留学 | 期間問わず | その他・自己PR欄 |
| ワーキングホリデー | 期間問わず | その他・自己PR欄 |
採用担当者はここを見ている
- 留学の種類に合った欄に、正しいフォーマットで書けているか(基本的な事務処理能力の指標として見られます)
- 語学留学を学歴欄に紛れ込ませていないか(水増しと受け取られると印象を損ないます)
【学歴欄】正規留学・交換留学の書き方と記入例
学歴欄に留学を書くときは、日本の学校と同じ粒度で情報をそろえます。省略や表記の揺れがあると、担当者は「事実確認が必要」と感じ、その一手間が評価を下げる要因になります。
必ず書く3要素は「国名・期間・正式な学校名」
留学を学歴欄に書くとき、最低限そろえる情報は次の3つです。学部・学科・専攻まで書けると、応募職種との関連が伝わりやすくなります。
- 留学した国名(都市名まで添えると具体性が増します)
- 入学・卒業(修了)の年月
- 正式な学校名と学部・学科・専攻(略称ではなく正式名称)
良い例文(正規留学・学歴欄)
2020年9月 アメリカ合衆国 カリフォルニア州立大学 経営学部 マーケティング学科 入学
2024年5月 同大学 経営学部 マーケティング学科 卒業
良い例文(交換留学・学歴欄)
2021年4月 〇〇大学 国際関係学部 入学
2023年8月 交換留学によりイギリス 〇〇大学へ留学(2024年6月まで)
2025年3月 〇〇大学 国際関係学部 卒業
和暦・西暦は履歴書全体で統一する
年の表記は和暦でも西暦でも構いませんが、履歴書全体で必ずどちらかにそろえます。留学の年だけ西暦、日本の学校は和暦、といった混在は避けてください。海外の学校は入学・卒業の時期が9月始まりなど日本と異なることが多いため、実際の年月をそのまま正確に書きます。
NG例(よくある失敗)
令和2年 アメリカの大学に留学
「アメリカの大学」では学校名も学部も分からず、和暦と西暦も混在しやすいため、事実確認の手間が生まれ、記載精度への信頼を下げます。国名・正式な学校名・学部・年月を省略しないことが基本です。
中退して留学した場合・就職後に留学した場合
日本の大学を辞めて海外へ進学した場合は、「中退」と略さず「中途退学」と正式に書きます。そのうえで留学先の入学を続けて記載すれば、経歴の流れが自然に伝わります。就職後に会社を辞めて留学した場合は、職歴欄に退職を書き、留学は学歴欄(正規・交換の場合)または自己PR欄(語学留学の場合)で扱います。
良い例文(中途退学から留学)
2019年4月 〇〇大学 経済学部 入学
2021年3月 〇〇大学 経済学部 中途退学
2021年9月 カナダ 〇〇大学 経営学部 入学
【自己PR・その他欄】語学留学・ワーホリの書き方と例文
語学留学やワーキングホリデーは、学歴欄ではなく「その他」の行や自己PR欄で伝えます。ここで大切なのは、事実を並べるだけで終わらせず、その経験で何を得て、応募先でどう活かせるかまでつなげることです。
「その他」欄に1行で書くパターン
事実として留学の事実を残したい場合は、学歴欄の下に行を分けて「その他」として記載します。国名・学校名・期間が分かるように書き、語学留学であることを明記して正規留学との混同を防ぎます。学校名や地名はカタカナでもアルファベットでも構いません。
良い例文(語学留学・その他欄)
2023年4月〜2023年9月 オーストラリア 〇〇ランゲージスクールにて語学留学(6か月)
自己PR欄では「結論→エピソード→活かし方」で書く
留学を評価につなげる主戦場は自己PR欄です。次の3ステップで組み立てると、経験が仕事の力として伝わります。
- 結論:留学で身につけた強みを最初に一言で示す
- エピソード:その強みを裏づける具体的な出来事と、数字で示せる成果を書く
- 活かし方:その力を応募先の仕事でどう使うかまで書く
良い例文(語学留学の自己PR)
語学留学を通じて、異なる背景を持つ相手に合わせて伝え方を変える力を身につけました。現地では多国籍のクラスメイトとグループ課題に取り組み、意見が対立した際に一人ずつ論点を整理する進行役を担い、渡航前は600点だったTOEICを半年で820点まで伸ばしました。この調整力と語学力を、貴社の海外取引先との折衝業務で活かしたいと考えています。
NG例(よくある失敗)
半年間オーストラリアに語学留学し、英語が話せるようになりました。とても良い経験でした。
「話せるようになった」だけでは語学力の程度が伝わらず、成果も応募先での活かし方も欠けているため、感想文の域を出ません。数値と具体的な行動を必ず添えます。
採用担当者が留学経験でチェックする3つのポイント
留学経験者を積極的に採用したいと考える企業は6割を超えるという調査結果もあり、留学は基本的にプラスに働く材料です。ただし留学経験のある応募者は珍しくないため、書き方が浅いと「よくある留学の一つ」で埋もれます。採用担当者が見ているのは、次の3点です。
「遊学」ではなく目的と成果があるか
担当者が最も警戒するのは、留学が観光や気分転換の延長に見えることです。とくに期間の短い留学は、書き方によっては旅行と同一視されてマイナスに受け取られることもあります。「なぜ行き、何を得て、どう変わったか」という目的と成果を一本の線でつなぐと、計画性のある人物という印象に変わります。
語学力はTOEICなどのスコアで客観的に示す
「英語が得意」という自己申告は、担当者にとって判断材料になりません。TOEICや英検などのスコアを添えると、語学力が客観的に伝わります。留学前後でスコアがどれだけ伸びたかを示せれば、努力の量まで読み取ってもらえます。資格・検定の正式名称や書ける級・スコアの基準は、検定を履歴書に書くときのルールで確認しておくと安心です。

応募先の仕事に結びつく独自性があるか
留学経験者が多いからこそ、周囲と同じ内容では差がつきません。専攻や現地での活動が応募職種に関連していれば、その一致を明確に示します。語学以外でも、異文化の中で成果を出した具体的な行動は、慣れない環境でも能動的に動ける人物という評価につながります。
採用担当者はここを見ている
- 留学の目的と成果が具体的な行動・数字で語られているか
- 語学力が客観的なスコアで示されているか
- その経験が応募先の業務にどうつながるかまで書かれているか
留学経験を書くときのNG・注意点
書き方の細部でつまずくと、経歴そのものは正しくても評価を落とします。提出前に次の点を確認してください。
- 国名・学校名・期間のいずれかが抜けている(3要素は必ずそろえる)
- 語学留学を学歴欄に書いている(その他欄か自己PR欄へ)
- 和暦と西暦が混在している
- 「中退」と略している(「中途退学」と正式に)
- 自己PRが感想で終わり、成果と活かし方が書かれていない
留学のために学校や仕事を離れた期間は、書き方によっては空白期間(ブランク)と誤解されます。留学の事実を経歴上に明記し、その間に何をしていたかが伝われば、空白ではなく前向きな行動として読み取ってもらえます。帰国後に就職活動の期間が空いた場合の書き方は、空白期間を状況別にどう説明するかを参考にしてください。

まとめ
- 1年以上の正規留学・交換留学は学歴欄、語学留学・ワーホリ・短期留学は「その他」か自己PR欄に書く
- 学歴欄では国名・期間・正式な学校名の3要素をそろえ、和暦・西暦は全体で統一する
- 自己PRは「結論→エピソード→活かし方」で組み立て、語学力はスコアで客観的に示す
- 採用担当者は「遊学ではなく目的と成果があるか」「応募先の仕事につながるか」を見ている
留学は書く場所と伝え方さえ整えれば、大きな武器になります。手が止まっているなら、まず自分の留学がどの種類にあたるかを確かめ、書く欄を一つ決めるところから始めてください。
履歴書の留学経験の書き方に関するよくある質問
- 1年未満の語学留学は履歴書に書かないほうがいいですか?
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書かないより、書いて成果を伝えるほうが有利です。ただし学歴欄ではなく、学歴欄の下に行を分けた「その他」か自己PR欄に記載します。国名・学校名・期間を示し、語学留学であることを明記したうえで、得た力と応募先での活かし方を添えると評価につながります。
- ワーキングホリデーは学歴欄に書けますか?
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ワーキングホリデーは学業ではないため、学歴欄には記載しません。学歴欄と行を分けて「その他」として、国名・ワーキングホリデー・期間が分かるように書くか、自己PR欄で現地での就労経験や身につけた語学力・行動力を具体的に伝えます。
- 留学先の学校名は日本語とアルファベットのどちらで書きますか?
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正規留学・交換留学を学歴欄に書く場合は、正式名称を正確に記載します。語学留学などを「その他」欄に書く場合は、学校名や地名はカタカナでもアルファベットでも構いません。どちらの表記でも、履歴書全体で書き方の方針をそろえておくと読みやすくなります。
- 留学で学歴・職歴に空白ができました。マイナスになりますか?
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留学の事実を経歴上に明記していれば、単なる空白とは受け取られません。何を目的に留学し、何を得たかが伝われば前向きな期間として評価されます。帰国後の就職活動で期間が空いた場合は、その理由を一言添えると誤解を防げます。


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