この記事では、在職中の転職活動で使う職務経歴書の書き方を、「現在に至る」「退職予定日」「連絡先」の記載例つきで解説します。現職にいることを不利にしないための書き方と、採用担当者が在職中の応募者を実際にどう見ているかまで整理しました。忙しい合間でも書類選考を通過できる状態に仕上げられます。
在職中の職務経歴書、採用担当者はどう見ている?
在職中に応募することを「腰が重い」「すぐ動けないから不利」と考える人は少なくありません。実際の採用現場では逆の受け止め方をされることが多く、まずはこの前提を知っておくと書類全体の方向性が決まります。
「在職中の応募=不利」は誤解
離職してから活動している人より、在職中の人のほうが「計画的にキャリアを動かせる人」と見られる場面が多くあります。収入が途切れていないぶん判断に焦りがなく、条件面のミスマッチが起きにくいと考える採用担当者もいます。
採用担当者はここを見ている
- 連絡の取りやすさ:日中に電話が難しいなら、つながる時間帯が書いてあるか
- 入社できる時期:退職交渉を含めていつから働けるかの見通し
- 現職での実績:今まさに担当している業務を、具体的な数字で語れているか
つまり在職中であること自体は評価を下げません。連絡・入社時期・実績の3点を書類でどう見せるかで通過率が変わります。この記事では、その3点を軸に具体的な書き方を解説します。
在職中だからこそ書ける「現在進行形の実績」
離職者と差がつくのが、今も動いている案件を「現在進行形」で書ける点です。過去形でまとめると終わった話に見えますが、進行中の数字を入れると即戦力の印象が強まります。
良い例文
現在、法人向けSaaSの新規営業を担当し、四半期ごとに約20社の商談を管理しています。直近半期は目標比115%で推移しており、既存顧客の解約率も前年から3ポイント改善させました。
「〜していました」ではなく「〜しています」と書けるのは在職中の強みです。担当中の案件は、数字が固まっていなくても今の到達点として書いて問題ありません。職務経歴書全体の基本構成から見直したい場合は、職務経歴書の書き方の基本もあわせて確認してください。

「現在に至る」「在職中」「以上」の正しい使い分け
在職中の職務経歴書でまず迷うのが、現職をどう締めくくるかです。使う言葉は「現在に至る」「在職中」「以上」の3つで、それぞれ役割が違います。まとめると次のとおりです。
| 表現 | 意味 | 使う場所 |
|---|---|---|
| 現在に至る | 今もその会社に在籍している | 職歴の最終行の次の行 |
| 在職中 | 「現在に至る」と同じ意味 | 職歴の最終行の末尾、または補足 |
| 以上 | これ以上の職歴はないという締め | 最終行の右端(右寄せ) |
「現在に至る」と「在職中」はどちらを使っても構いません。意味は同じで、在籍していることを示す目的も共通です。どちらか一方に統一して使えば問題ありません。
職務経歴書での基本の書き方
職務経歴の最後に在籍中であることを示し、その下の行に「以上」を右寄せで置くのが定番の形です。実際の並びは次のようになります。
良い例文
2021年4月 株式会社〇〇入社
営業部にて法人向け提案営業を担当
現在に至る
以上
職務経歴書はレイアウトの自由度が高いため、経歴の末尾に「(在職中)」と添える書き方でも通用します。大切なのは、読んだ人が「今もこの会社にいる」と一目で分かることです。
「以上」で締める/有給消化中の扱い
「以上」は職歴のいちばん下に右寄せで1回だけ書きます。複数の会社を経験している場合でも、途中の会社に「退社」と書けば足りるので、その都度「以上」を入れる必要はありません。
退職日が決まっていて有給消化に入っている段階でも、在籍自体が続いているなら扱いは在職中と同じです。「現在に至る」で問題なく、わざわざ「有給消化中」と書く必要はありません。退職予定日を伝えたい場合は、次の章の書き方を使います。
退職予定日の書き方|確定・未確定・交渉中の3パターン
在職中の応募で採用担当者が知りたいのは「いつから来られるか」です。退職予定日は、決まっている度合いによって書き方を変えます。状況別に整理すると次のようになります。
| 状況 | 書き方の方針 | 記載例 |
|---|---|---|
| 退職日が確定 | 日付を明記する | 2026年8月31日退職予定 |
| まだ未確定 | 時期の目安と相談可を伝える | 内定後1〜2か月を目安に退職予定 |
| 交渉中 | 調整中である旨を添える | 退職時期を現職と調整中(相談可) |
退職予定日は、職務経歴書の末尾か履歴書の本人希望欄のどちらかに書けば十分です。両方にびっしり書く必要はありません。決まっていないのに無理に日付を入れるのは避けましょう。
NG例
退職時期は未定です。「未定」だけで終えると、入社の見通しが立たず選考を先送りされやすくなります。いつ頃を想定しているかを必ず添えます。
良い例文
現在就業中のため、内定後に退職手続きを行います。引き継ぎを含め、おおむね1〜2か月で入社可能です。時期はご相談に応じます。
入社可能日の考え方や履歴書側の書き方をもっと詳しく知りたい場合は、在職中の入社可能日の書き方も参考になります。

在職中は「連絡の取りやすさ」で差がつく|本人希望欄の書き方
在職中は日中に電話へ出られないことが多く、企業側も「連絡がつかない」ことを気にしています。ここを先回りして書いておくと、選考のやりとりがスムーズになり、印象も良くなります。
本人希望欄には、つながりやすい時間帯と連絡手段を具体的に書きます。「平日日中は電話に出られない」ことを前提に、代わりの連絡方法をセットで示すのがコツです。
良い例文
在職中のため、平日9〜18時は電話に出られない場合があります。ご連絡はメールをいただければ当日中に返信いたします。お電話は平日18時以降または土日にいただけますと確実です。
採用担当者はここを見ている
- 連絡がつく時間帯が具体的に書かれているか(「随時」ではなく時刻で)
- 電話に出られない場合の代替手段(メール等)が用意されているか
- 返信の目安が書かれ、やりとりの見通しが立つか
連絡手段を1つに限定せず、電話とメールの両方の条件を書いておくと親切です。「連絡が取りにくい人」ではなく「連絡の段取りができている人」という印象に変わります。
現職にバレずに転職活動を進める注意点
在職中の活動でいちばん避けたいのが、現職に転職活動が知られてしまうことです。職務経歴書そのものより、作成や送付の「やり方」で足がつくケースが目立ちます。次の点に注意してください。
- 会社のPC・メール・プリンターを使わない:閲覧履歴や印刷ログが残る場合があります
- 連絡先は私用のものにする:会社アドレスや代表電話を書かない
- 現職の社外秘は書かない:具体的な顧客名や未公開の数字は避け、規模感で表現する
- SNSやビジネス系サービスの公開設定を確認:転職意欲が現職の同僚に伝わらないようにする
実績を数字で書くときは、守秘義務に触れない範囲で丸めるのが基本です。「大手食品メーカー3社を担当」のように、個社が特定されない粒度にすれば、アピールと情報保護を両立できます。
「なぜ今、転職?」退職理由・志望動機で角を立てない書き方
在職中の応募で必ず気になるのが「働けているのに、なぜ辞めるのか」という点です。職務経歴書に長い退職理由を書く必要はありませんが、志望動機とつながる一文があると、面接前の疑問を先に解消できます。
ポイントは、現職への不満を並べないことです。不満から入ると「うちでも同じ理由で辞めるのでは」と警戒されます。現職で得たものを土台に、次でやりたいことへつなげる形にします。
NG例
現職は残業が多く、評価制度にも納得できないため転職を決めました。不満だけを理由にすると、環境が変われば辞める人だと受け取られます。
良い例文
現職では法人営業として提案から契約後の運用支援まで担当してきました。今後はより大きな案件で企画段階から関わりたいと考え、上流工程に強い貴社を志望しています。
退職理由と志望動機は、別々に考えるとちぐはぐになりがちです。「現職では〇〇を経験した→だから次は△△をしたい→それができるのが貴社」という一本の線で結ぶと、在職中でも転職の必然性が自然に伝わります。
忙しい在職者が効率よく職務経歴書を仕上げるコツ
在職中は、まとまった作成時間を取りにくいのが現実です。ゼロから完璧を目指すより、土台を用意してから中身を磨くほうが早く仕上がります。時間を短縮する手段は主に3つあります。
- テンプレートや作成ツールで骨組みを作る:項目の抜けを防ぎ、レイアウトに悩む時間を減らせます
- 第三者に添削してもらう:自分では気づけない伝わりにくさを短時間で洗い出せます
- 転職エージェントの作成サポートを使う:業界ごとの評価ポイントを踏まえて仕上げられます
まず全体を素早く形にしたい人は職務経歴書の自動作成ツールから始めると効率的です。仕上げの精度を上げたい段階では有料の添削サービス、作成そのものを任せたい場合は代行サービスという選択肢もあります。

まとめ
在職中の職務経歴書は、時制の表現よりも「連絡・入社時期・現職の実績」をどう見せるかで通過率が決まります。押さえるポイントを整理します。
- 現職は「現在に至る」か「在職中」で示し、最終行に「以上」を右寄せで置く
- 退職予定日は確定・未確定・交渉中で書き分け、「未定」だけで終えない
- 本人希望欄に、つながる時間帯と代替の連絡手段を具体的に書く
- 会社の設備を使わず、社外秘は粒度を丸めて現職バレを防ぐ
- 退職理由は不満で終えず、志望動機まで一本の線でつなぐ
ここまで読んで手を動かす気になったら、まず現職の実績を数字で1行書き出すところから始めてください。そこが固まれば、残りの項目は今日中にでも埋められます。
在職中の職務経歴書に関するよくある質問
- 職務経歴書に「在職中」と「現在に至る」の両方を書いてもいいですか?
-
両方を重ねて書く必要はありません。意味が同じなので、どちらか一方に統一して使えば十分です。職務経歴の末尾に「現在に至る」または「在職中」と入れ、その下に「以上」を右寄せで置く形が読みやすくおすすめです。
- 退職日がまだ決まっていません。どう書けばいいですか?
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「未定」とだけ書くのは避け、時期の目安を添えます。「内定後1〜2か月を目安に退職予定」「時期は相談可」のように書くと、採用担当者が入社の見通しを立てやすくなり、選考が進みやすくなります。
- 在職中だと平日に連絡が取れません。不利になりますか?
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連絡がつく時間帯と代替手段を先に書いておけば不利にはなりません。「平日18時以降または土日は電話可、日中はメールで当日返信」のように具体的に示すと、やりとりの段取りができている人だと評価されます。
- 現職の実績はどこまで具体的に書いていいですか?
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個社が特定される社外秘は避け、規模感や役割で表現します。「大手食品メーカー3社を担当」「四半期で約20社の商談を管理」のように数字を丸めて書けば、守秘義務を守りながら実績の大きさを伝えられます。


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