「中退」したときの最終学歴とは?
この記事では、大学・高校・専門学校を中退した場合に最終学歴がどう扱われるか、就職活動への影響と履歴書への正しい書き方を解説します。
中退後の最終学歴について結論から述べると、大学を中退した場合の最終学歴は「高卒」となります。これは文部科学省の定義に基づくもので、「最終学歴」とは「最後に卒業した学校」を指すためです。在学中にどれだけ単位を修得していても、退学した学校は学歴として認められません。
学校種別・中退後の最終学歴一覧
中退した学校の種類によって、最終学歴は以下のように変わります。
| 中退した学校 | 最終学歴 | 補足 |
|---|---|---|
| 大学(4年制) | 高卒 | 何年次に中退しても変わらない |
| 大学院 | 大卒 | 学部を卒業していれば「大卒」のまま |
| 専門学校 | 高卒 | 高校卒業後に進学・中退した場合 |
| 短期大学(短大) | 高卒 | 2年制でも卒業しなければ高卒 |
| 高校 | 中卒 | 1年次でも3年次でも退学すれば中卒 |
出所:文部科学省の学歴定義をもとに編集部作成
間違えやすい3つのケース
学歴の扱いについて、よく勘違いされるケースが3つあります。
間違えやすいケース
- 高卒認定試験(高認)に合格しても最終学歴は中卒のまま:高認はあくまで「高卒と同等の学力を持つ」と証明するものです。試験に合格しただけでは最終学歴は「中卒」のままで、大学を卒業して初めて「大卒」になります。
- 大学院を中退した場合は「大卒」が最終学歴:大学院に進学するには学部の卒業が前提のため、大学院を中退しても「大卒」の地位は失われません。
- 通信制高校に転入して卒業すれば「高卒」になる:高校を中退後、通信制高校に転入・編入して卒業すれば最終学歴は「高卒」になります。高校在籍中に修得した単位を引き継げる場合があり、短期間での卒業が可能です。
中退の最終学歴が「やばい」と言われる5つの理由
「中退 最終学歴 やばい」と検索する人が増えているのには、それだけ就職活動で実際の壁にぶつかった経験者が多いからです。ここでは、採用担当者として現場で感じた「中退が不利に働くリアルな理由」を5つ挙げます。ただし、すべてが致命的な壁というわけではありません。
大卒以上の求人に応募できない場合がある
求人票には「大卒以上」と明記されているものが一定数あります。特に金融・商社・メーカーの総合職、外資系企業、一部のコンサルティングファームなどでは、応募資格の段階で「大学卒業以上」が求められ、大学中退者はエントリーすらできないケースがあります。
厚生労働省の調査によると、大企業ほど学歴要件を設けている割合が高く、従業員1,000人以上の企業では「大卒以上」を採用条件にしているケースが相対的に多い傾向があります。一方で、中小企業や成長期のベンチャー、IT・クリエイティブ・製造・介護・建設などの業界では学歴不問の求人も多く、業界・企業規模によって影響度が大きく異なります。
採用担当者に「継続力がない」と見られやすい
採用担当者が中退者の書類を見たときに最初に頭をよぎるのが、「なぜ辞めたのか」という疑問です。理由が書かれていない状態では、「継続する力が弱いのではないか」「入社しても早期退職するリスクがあるのではないか」という懸念が生まれます。
これは中退者全員に当てはまる評価ではありませんが、採用担当者が「なぜ辞めたのか」を知らないままでは不安を拭えないのが現実です。中退理由を明確に・前向きに伝えられる準備ができているかどうかが、選考突破の最大の分かれ目です。経済的事情・家族の事情・進路変更など、やむを得ない事情があれば正直に伝えることで、採用担当者の懸念を大きく払拭できます。

初任給・生涯賃金に差が出る可能性がある
企業の給与テーブルは学歴によって設定されていることが多く、大卒採用と高卒採用では初任給に差が生じる場合があります。
| 学歴区分 | 2025年度 初任給目安 |
|---|---|
| 大学卒 | 約22〜25万円 |
| 高校卒 | 約18〜21万円 |
| 中学卒 | 約17〜19万円 |
出所:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに目安として編集部作成
ただし、入社後の評価・昇進・スキル習得によって差は十分に縮められます。特に資格取得・実績を積み重ねることで大卒者を追い越すケースも珍しくありません。初任給の差は確かに存在しますが、それが生涯にわたって固定されるわけではない点を理解しておくことが大切です。
面接で必ず中退理由を聞かれる
書類選考を突破しても、面接では「なぜ中退したのですか?」という質問がほぼ確実に来ます。これを準備なしに迎えると、動揺して言葉が詰まったり、曖昧な回答になったりして、採用担当者に不安を与えてしまいます。
採用担当者として多くの中退者と面接した経験から言うと、中退理由自体よりも「その後どう動いたか」「今どんな意志を持って就職しようとしているか」の方が評価に影響することがほとんどです。「辞めた」という事実より、「辞めてから何をしたか」の方が重く見られます。
一部の国家資格・公務員試験に学歴要件がある
資格取得や公務員を目指す場合、学歴要件が壁になるケースがあります。
学歴要件がある主な職種・試験
- 国家公務員(総合職):院卒・大卒程度の試験区分では「大学卒業または同等の学力を有する者」が要件となるケースがある
- 一般職・地方公務員:「高卒程度」試験は大学中退者も受験可。ただし年齢制限があるため早めに動く必要がある
- 弁護士・公認会計士・一部の医療系資格:大学の特定学部を卒業することが受験資格に含まれる場合がある
- 高卒認定+大学受験:高卒認定取得後に大学受験し卒業すれば、大卒の資格要件を満たすことができる
目指したい職種や資格が決まっている場合は、学歴要件を事前に確認した上でキャリアプランを立てることが重要です。
中退の最終学歴でも就職できる・知っておきたいポジティブな現実
「中退の最終学歴はやばい」と聞くと悲観的になりがちですが、実際には中退後に正社員就職し、キャリアを積んでいる人は多数います。採用担当者として見てきた現実を正直にお伝えします。
学歴より実務スキルが評価される職種は多い
日本の求人全体のうち、学歴不問の求人は厚生労働省の調査によると全体の約4割を占めています。特に以下の業界・職種では、学歴よりも実務スキル・人柄・意欲が採用の中心的な判断基準になっています。
- ITエンジニア・プログラマー:ポートフォリオや技術力が最優先で評価される
- 営業職:コミュニケーション力・行動力が学歴を凌駕しやすい
- 介護・福祉職:人手不足が続いており、未経験・学歴不問での採用が広い
- 建設・製造業:技術職は資格・経験が評価の中心。学歴要件は低い傾向
- 飲食・サービス業:接客スキルや仕事への姿勢が評価される
若いうちに社会に出ることで積める実績がある
大学4年間を過ごす代わりに20歳前後で社会に出た場合、同世代の大卒者が就職活動している間に実務経験を積んでいるという見方もできます。特に成果型・実力主義の職場では、入社後に積んだ経験・実績が評価の中心になるため、中退という過去よりも、今何ができるかが問われます。
中退後に資格を取得したり、アルバイト・インターン・フリーランスで実績を積んだりしている人は、書類選考・面接の両方で強い材料になります。「中退した後に何をしたか」が、採用担当者の最大の関心事です。
中退の最終学歴を履歴書に正しく書く方法
中退を経験した方が履歴書を書く際に最も迷うのが、学歴欄の記載方法と中退理由の書き方です。ここでは採用担当者が実際に見る観点から、正しい書き方を解説します。
学歴欄への記入例(学校種別)
中退の事実は必ず記載してください。記載を省略すると学歴詐称になります。記入例は以下のとおりです。
| ケース | 学歴欄の記載例 |
|---|---|
| 大学(4年制)を中退 | ○○大学 ○○学部 ○○学科 中途退学 |
| 大学院を中退 | ○○大学大学院 ○○研究科 中途退学 |
| 専門学校を中退 | ○○専門学校 ○○科 中途退学 |
| 短期大学を中退 | ○○短期大学 ○○学科 中途退学 |
| 高校を中退 | ○○高等学校 ○○科 中途退学 |
編集部作成
記入時の3つのルール
- 「退学」「中退」ではなく「中途退学」が正式表記:「高校中退」「大学を辞めた」等の略称は不正式。「中途退学」と記載する。
- 在学した年月を入学・退学の順で記載:「○年○月 入学」「○年○月 中途退学」の形で時系列に記載する。
- 学科・専攻まで正式名称で書く:「文学部」ではなく「文学部日本文学科」のように正式名称を使う。「高校」ではなく「高等学校」と書くのが正式。
中退理由の書き方と状況別例文
中退理由は履歴書の学歴欄に書く必要はありませんが、志望動機欄や自己PR欄で補足するか、カバーレターに添えると採用担当者への印象が大きく改善されます。理由を何も触れずに提出すると「なぜ辞めたのか」という疑問が残ったままになります。
| 中退の背景 | 志望動機欄での補足例(30字程度) |
|---|---|
| 経済的な事情 | 「家庭の経済状況により学業継続が困難となり、やむなく退学しました」 |
| 病気・健康上の理由 | 「在学中に体調を崩し、療養のため退学しました。現在は完全に回復しています」 |
| 進路変更・起業 | 「在学中に独学で〇〇を習得し、早期に実務に就く道を選びました」 |
| 学校・学部のミスマッチ | 「入学後に進路を再考し、〇〇の分野でのキャリアを目指すことを決意しました」 |
編集部作成

学歴詐称は絶対NGである理由
「大学中退」の事実を隠して「高卒」とだけ書いたり、「大学卒業」と偽って記載したりすることは学歴詐称にあたります。
学歴詐称が発覚した場合のリスクは以下のとおりです。内定取り消し・入社後の懲戒解雇の可能性があり、「経歴詐称」という事実は転職活動でも大きな傷になります。企業は源泉徴収票・卒業証明書・雇用保険被保険者証などから学歴を確認できるため、バレないという前提は成立しません。
学歴詐称が発覚した場合のリスク
- 内定取り消し
- 試用期間中・入社後の懲戒解雇(就業規則に定めがある場合)
- 損害賠償請求の可能性(詐欺的行為と認定される場合)
- 転職市場での信用失墜
正直に書いた上で「中退理由」を前向きに伝える方が、長期的に見て採用担当者に好印象を与えます。中退は事実ですが、その後の行動で十分に評価を覆せます。

中退後の就職・転職が向いている人・向いていない人
「中退の最終学歴を持つ自分が就職できるのか」という不安を抱えている方に向けて、向いている人・向いていない人の特徴を整理します。
中退後の就職・転職が向いている人
向いている人の特徴
- 中退理由を明確に・前向きに話せる人:理由が整理されており、「その後どう行動したか」をセットで語れる人は採用担当者に好印象を与える
- 中退後に何らかのスキル・資格・実績を積んだ人:独学・アルバイト・資格取得・ポートフォリオ作成など、ブランク期間に動いていた実績がある人
- 業界・職種を絞って動ける人:学歴不問の求人が多い業界(IT・介護・建設・営業など)に絞って集中的に動ける人
- 転職エージェントをうまく活用できる人:非公開求人・企業との橋渡しを活用することで、一人では難しい選考にも挑戦しやすくなる
中退後の就職・転職が向いていない人
向いていない人・注意が必要な人
- 中退理由を曖昧なまま就活を始めようとしている人:「なんとなく辞めた」という状態では面接で詰まる可能性が高い。まず自己整理を先に行うべき
- 大手企業・特定の業界(金融・商社の総合職等)に絞っている人:学歴要件が厳しい分野は中退者には高いハードルになる。視野を広げる検討が必要
- 中退後に長期のブランクがあり、その間に何もしていない人:ブランクの説明ができない状態では書類選考で止まりやすい。まずブランク期間の説明を整理することが先決
「向いていない人」に当てはまっていても、準備次第で十分に挽回できます。中退の事実を整理し、「その後何をしたか・今何をしたいか」を言語化するだけで、就職活動の手応えは大きく変わります。
中退者の就職・転職におすすめの転職エージェント
中退後の就職活動は一人で進めるより、転職エージェントを活用することで選択肢と成功率を一気に広げられます。
まとめ
大学中退の最終学歴は「やばい」と言われますが、適切な準備と戦略で就職を成功させている人は多くいます。
この記事のまとめ
- 最終学歴の扱い:大学中退→高卒、高校中退→中卒が基本。大学院中退は「大卒」のまま
- 就職への影響:大卒求人への応募制限・初任給の差・面接での説明義務などが主な壁
- プラスの現実:学歴不問求人は全体の約4割。IT・介護・営業・建設など実力重視の業界は門戸が広い
- 履歴書の書き方:「○○大学 ○○学部 中途退学」と正式に記載。学歴詐称は絶対NG
- 採用担当者が見るポイント:中退理由より「中退後に何をしたか・今何をしたいか」が評価の中心
中退という事実は変えられません。ただ、採用担当者が最終的に判断するのは「あなたが今どんな人間で、入社後に何を成し遂げられるか」です。学歴よりも中退後の行動・準備・言語化が就職活動の結果を決めます。転職エージェントを活用しながら、自分の強みを整理して動き始めてください。
中退と最終学歴に関するよくある質問(FAQ)
- 大学中退の最終学歴は高卒になりますか?
-
はい、大学を中途退学した場合の最終学歴は「高校卒業」になります。大学に何年間在籍していても、退学した学校は学歴として認められないためです。「高校卒業→大学入学→大学中途退学」という流れで学歴欄に記載します。
- 中退の事実を履歴書に書かなくてもいいですか?
-
いいえ、必ず記載しなければなりません。記載を省略すると学歴詐称になります。発覚した場合は内定取り消しや懲戒解雇のリスクがあります。「○○大学 ○○学部 中途退学」と正確に書いた上で、中退理由を前向きに説明する準備をしてください。
- 大学中退でも正社員になれますか?
-
なれます。学歴不問の求人は全体の約4割を占めており、IT・介護・建設・営業などの業界では実力重視の採用が主流です。中退後にスキルや資格を習得していると、採用担当者への印象がさらに良くなります。転職エージェントを活用すると、中退者に対応した求人を効率よく探せます。
- 高校中退の最終学歴は中卒になりますか?
-
はい、高校を中途退学した場合の最終学歴は「中学校卒業(中卒)」になります。ただし、通信制高校への転入・編入で高校を卒業すれば「高卒」になります。また高卒認定試験(高認)に合格しても最終学歴は中卒のままですが、大学受験資格を得られます。大学を卒業して初めて「大卒」になります。
- 中退理由を履歴書にどう書けばいいですか?
-
学歴欄への中退理由の記載は必須ではありませんが、志望動機欄や自己PR欄で補足するのがおすすめです。「一身上の都合」という表現は避け、「経済的な事情により」「健康上の理由により」など具体的な理由を簡潔に書き、中退後の行動(資格取得・就業経験など)を合わせて記載すると採用担当者への印象が大きく変わります。詳しくは「退学理由の書き方と例文」の記事を参考にしてください。


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