この記事では、履歴書テンプレートの選び方と項目別の記入例を採用担当者の視点で解説します。転職・新卒・アルバイトなど状況別のフォーマット選択基準と、書類選考で落とされやすいNGパターン、採用担当者が「通過させたい」と感じる記入のポイントをまとめました。
テンプレートを選ぶ前に採用担当者が見ていること
履歴書のテンプレートは、多くの就職・転職サイトで無料配布されています。ただし、採用担当者が書類選考でチェックするのは「どのテンプレートを使ったか」ではありません。テンプレートの選択よりも、その中身をどう埋めたかが選考を左右します。
採用担当者が一枚の履歴書を確認する時間は、平均30秒から1分程度とされています。この短い時間内に「読みやすい」「情報が正確」「空欄がない」という印象を与えられるかどうかが、書類選考の通過率に直結します。
採用担当者はここを見ている
- 写真の清潔感と規格(縦4cm×横3cm、スーツ着用が基本)
- 日付・住所・氏名など基本情報の正確さ(誤字がないか)
- 学歴・職歴欄の記載に漏れや矛盾がないか
- 資格欄の正式名称が正確に書かれているか
- 志望動機・自己PR欄が空欄または「特になし」になっていないか
テンプレートの種類より「記入内容」が選考を左右する
厚生労働省推奨テンプレートも、転職サイトが配布するテンプレートも、採用担当者の目には「同じ書類フォーマット」として映ります。差がつくのはそこに書かれた内容です。
たとえば、志望動機欄が広いテンプレートを選んでも、「貴社の事業内容に興味があります」という一文しか書かなければ意味はありません。逆に、スペースが小さいテンプレートでも、要点を絞って具体的に書いた志望動機は読み手に刺さります。
NG例
「貴社に興味を持ち、ぜひ働きたいと思いました。よろしくお願いします。」
理由を書かずに意欲だけを伝えても、採用担当者には判断材料が届きません。何に興味を持ったのか、なぜこの会社でなければいけないのかが伝わらない志望動機は、どんな立派なテンプレートに書いても通過できません。
どのフォーマットでも守るべき最低条件
テンプレートの種類にかかわらず、採用担当者が書類選考で「即アウト」と判断する状態があります。以下の4つは、どのフォーマットを選んでも必ず満たしてください。
- 空欄を残さない:「特になし」「なし」と明記し、完全な空欄は避ける
- 日付を統一する:西暦か和暦、どちらかに統一する(混在はNG)
- 修正液・二重線の訂正なし:手書きの場合、訂正は書き直しが原則
- 提出方法に合った形式で保存:メール送付の場合はPDFに変換し、レイアウト崩れを防ぐ
目的・状況別|おすすめ履歴書テンプレートの選び方
テンプレートを選ぶ基準は「自分が何をアピールしたいか」によって変わります。職歴が豊富なら職歴欄が広いフォーマット、志望動機で熱意を伝えたいなら記述欄が大きいフォーマットが適切です。
| 状況・目的 | 推奨フォーマット | ポイント |
|---|---|---|
| 転職(職歴複数) | 厚生労働省推奨様式 / 職歴欄が多い型 | 職歴・退職理由を正確に記載 |
| 新卒・第二新卒 | 志望動機・自己PR欄が広い型 | 学生時代の経験や意欲を具体的に記載 |
| アルバイト・パート | 1枚完結の簡易型 | シフト希望や勤務可能日数を本人希望欄に記載 |
| 資格・スキルをアピールしたい | 資格・免許欄が多い型 | 正式名称で漏れなく記載 |
| 写真提出が不要な企業向け | 写真欄なし型 | 企業から指定がある場合に限り使用 |
転職者向け|厚生労働省推奨テンプレートが基本
転職活動では、2021年4月に厚生労働省が改訂した推奨様式が現在のスタンダードです。旧様式から変更になった主なポイントは以下のとおりです。
- 性別欄が「任意記載」に変更(書かなくても不利にはならない)
- 「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の欄が廃止
- 本人希望欄に記入する項目が整理され、よりシンプルな構成になった
転職者が「職歴欄が足りない」と感じる場合は、職歴欄が多いフォーマットを選んでも問題ありません。厚生労働省の推奨様式はあくまで「基準」であり、様式の指定がない企業では自分の状況に合ったフォーマットを選べます。
採用担当者はここを見ている
- 「入社」「退職」の語が正確に使い分けられているか(アルバイトは「勤務」「退職」)
- 退職理由が「一身上の都合により退職」と統一されているか(ネガティブな理由を書く必要はない)
- 現在在職中の場合、「現在に至る」で正しく締められているか
より多くの無料テンプレートの比較と選び方については、履歴書テンプレートの無料おすすめと選び方を解説した記事もあわせて参考にしてください。

新卒・第二新卒向け|志望動機・自己PR欄が広いフォーマット
新卒や第二新卒は、職歴が少ないぶん「志望動機」「自己PR」で採用担当者の目に止まる必要があります。これらの記述欄が広いフォーマットを選び、スペースを有効活用することが重要です。
一方で、欄が広いからといって文章量を増やせばいいわけではありません。採用担当者が読みやすいのは「200〜300字でポイントを絞り込んだ文章」です。欄の広さに引っ張られて冗長な文章を書くのは避けてください。
アルバイト・パート向け|1枚で収まる簡易フォーマット
アルバイトやパートの応募では、A4一枚で収まる簡易フォーマットが一般的です。項目が多い本格的な履歴書を提出しても採点に影響はほぼありませんが、記載しなくていい欄が多すぎると「空欄だらけ」になり、印象が悪くなります。
本人希望欄には勤務可能な曜日・時間帯・シフトの希望を具体的に記載してください。「相談可」と書くより「週3〜4日、10〜17時が希望です」のほうが採用担当者に配慮の印象を与えます。
手書きかPC作成か|採用担当者の本音
採用担当者の多くは「手書きかPCかで合否を判断しない」と答えています。ただし、実際の現場ではこんな声が聞かれます。
- 手書きが評価される場面:丁寧さ・誠実さを重視する職種(接客・保育・医療福祉系など)、「手書き指定」がある求人
- PC作成が適している場面:IT・事務・金融などのデスクワーク系、応募数が多い大手企業、メール送付が指定されている求人
指定がなければ、誤字が出にくく修正しやすいPC作成が現実的です。ただし、PCで作成した場合は必ずPDF形式で保存して送付してください。WordやExcelのまま送ると、受信側の環境でレイアウトが崩れます。
PC作成で使えるツールの比較は、履歴書作成ツールおすすめ7選の記事で詳しく解説しています。

項目別 記入例と採用担当者が評価するポイント
ここからは、履歴書の各項目について具体的な記入例を紹介します。「何を書けばいいかわからない」項目を中心に、採用担当者が実際にチェックするポイントも合わせて解説します。
基本情報・日付欄の記入例
日付は「記入日(手書きの場合)」または「送付日(郵送・メールの場合)」を書くのが原則です。「面接日の日付」を書く必要はありません。
記入例
2026年6月20日(郵送日に合わせる。西暦か和暦のどちらかに統一する)
ふりがな欄:「ふりがな」と印字されていれば平仮名、「フリガナ」ならカタカナで記入。
住所欄:都道府県から省略せず記載。マンション名・部屋番号まで書く。
学歴・職歴欄の書き方と記入例
学歴は中学校卒業から記載するのが慣習です。大学・大学院まで進学している場合は高校から記載する場合が多いですが、「中学校卒業」から書いても問題ありません。
記入例(学歴・職歴)
【学歴】
2020年3月 〇〇高等学校 普通科 卒業
2020年4月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
2024年3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
【職歴】
2024年4月 株式会社〇〇 入社(〇〇事業部 配属)
2026年3月 一身上の都合により退職
以上
NG例
「2024年 〇〇会社 入社」(年月が不完全、会社名が略称)
年月は必ず「20〇〇年〇月」まで書きます。会社名は正式名称(「(株)」ではなく「株式会社」)を使ってください。採用担当者は書類に書かれた内容で在職確認を行うため、略称や誤記は信頼性を下げます。
フォントや文字サイズの選び方については、履歴書のフォントは明朝体が基本|サイズ・種類と採用担当者が見るポイントを解説した記事を参考にしてください。

資格・免許欄の正式名称と記入例
資格欄で採用担当者が最も気にするのは「正式名称で書かれているかどうか」です。略称や俗称で書くと、資格の有無そのものを疑われることがあります。
| 資格名(略称・俗称) | 履歴書に書く正式名称 |
|---|---|
| 普通自動車免許 | 普通自動車第一種運転免許 取得 |
| 日商簿記2級 | 日本商工会議所主催 簿記検定試験2級 合格 |
| TOEIC | TOEIC® Listening & Reading Test 〇〇点 |
| 英検2級 | 実用英語技能検定 2級 合格 |
| MOS(Word/Excel) | Microsoft Office Specialist Word 2019 取得 |
採用担当者はここを見ている
- 運転免許は「AT限定」か「限定なし」かを必ず記載する(業務に影響するため)
- 取得年月が古い資格は、更新が必要なものかどうかを確認してから記載する
- 「取得見込み」の場合は「〇〇年〇月 取得見込み」と記載可(試験合格後が理想)
志望動機欄の記入例(良い例・NG例)
志望動機は「なぜこの会社なのか」と「自分が何を貢献できるか」の2点が含まれていると採用担当者に刺さります。企業のホームページや求人票を読み込み、具体的な理由を盛り込むことが通過率を上げる最短ルートです。
良い例文(転職・事務職の場合)
前職では3年間、営業事務として受発注管理・見積書作成・顧客対応を担当してきました。貴社が取り組む「ペーパーレス化プロジェクト」に関する採用ページを拝見し、業務効率化への積極的な姿勢に共感しました。前職でExcelマクロを活用した業務改善を実施した経験を活かし、即戦力として貢献できると判断し応募しました。
NG例
「貴社の事業内容に魅力を感じました。私は事務経験があり、貢献できると思い応募しました。よろしくお願いします。」
「魅力を感じた」の中身が書かれていないと、採用担当者には何も伝わりません。どの事業、どんな点に魅力を感じたのかを具体的に記載してください。
自己PR欄の記入例(良い例・NG例)
自己PRは「自分がどんな人間か」を伝える欄です。「コミュニケーション能力があります」のような主観的な主張では差別化できません。「〇〇した経験から、△△という強みを培いました」という具体的なエピソード構造で書くのが通過率を上げるコツです。
良い例文
前職では月次の請求書発行業務(約200件/月)を一人で管理し、エラー率をゼロに維持してきました。細かい数値の確認作業を正確にこなす几帳面さと、期日を絶対に守る計画性が私の強みです。同様の正確さが求められる貴社の経理補助業務でも、即座に力を発揮できます。
NG例
「私はコミュニケーション能力が高く、チームワークを大切にしています。どんな仕事でも一生懸命頑張ります。」
「コミュニケーション能力」「一生懸命」は、ほぼすべての履歴書に書かれている表現です。採用担当者の記憶には残りません。具体的な数字や状況を盛り込んでください。
状況別 よくある記入例
「自分の状況にどう当てはめるかわからない」という方向けに、3つの状況別の記入例を紹介します。
転職(社会人経験あり)の場合
転職活動中の場合、退職理由を正直に書く必要はありません。「一身上の都合により退職」が標準表現です。ただし、会社都合の退職(リストラ・倒産など)の場合は「会社都合により退職」と記載すると、採用担当者に事情がわかり心証が良くなる場合があります。
記入例(在職中・転職活動中の場合)
2022年4月 株式会社〇〇 入社(営業部 配属)
現在に至る
※職歴が1社のみで現職中の場合、「以上」は「現在に至る」の後に書く。
退職理由の書き方や会社都合退職の記載方法については、会社都合退職の履歴書の書き方と例文を詳しく解説した記事も参考にしてください。
空白期間・ブランクがある場合
病気療養・育児・介護・就職活動中など、職歴に空白期間がある場合は、その期間を「空白」のままにしないことが重要です。採用担当者は「何もしていない期間」より「何をしていたかを正直に伝えている応募者」を評価します。
記入例(ブランク期間あり)
2024年4月 株式会社〇〇 退職
2024年4月〜2025年3月 病気療養のため休職(回復後、転職活動を開始)
2025年4月 転職活動中(現在に至る)
ブランク期間の書き方は職歴欄よりも「本人希望欄」や「備考欄」に一言添える形でも構いません。詳細は面接で聞かれますが、書類では「空白期間の理由を一言で説明できている状態」にしておくと採用担当者の疑念が解消されます。
アルバイト経験のみの場合
学生・フリーターからの正社員応募では、アルバイト経験を職歴欄に記載して問題ありません。ただし、「アルバイト経験のみ」という状況で採用担当者の心証を下げないためには、継続期間・業務内容・担当した役割を具体的に書くことが必要です。
記入例(アルバイト経験のみ)
2022年4月〜2026年3月 〇〇カフェ(アルバイト)
接客・レジ操作・在庫管理を担当。月間売上管理の補助業務も経験。
以上
フリーターから正社員を目指す際の履歴書の書き方については、フリーターの履歴書の書き方を採用担当者目線で解説した記事も参考にしてください。
提出前に確認する5つのチェックポイント
書き終えた履歴書を提出する前に、次の5点を必ず確認してください。採用担当者が「即アウト」と判断するミスのほとんどは、この確認で防げます。
- 日付と元号・西暦の統一:すべての日付が西暦または和暦のどちらかに統一されているか確認する
- 会社名・資格名の正式表記:「(株)」を「株式会社」に直し、資格は公式サイトの正式名称を確認する
- 空欄の処理:志望動機・自己PR欄に「特になし」と書いていないか。書くことがない欄は「なし」と記入する
- 写真の状態:3か月以内に撮影したスーツ着用の写真か、サイズ(縦4cm×横3cm)が規格内か
- 提出形式の確認:メール送付の場合はPDFに変換されているか、ファイル名が「履歴書_氏名_日付」になっているか
採用担当者はここを見ている
- ファイル名が「無題.pdf」や「resume.pdf」のままで届く書類は、採用管理が煩雑になり印象が下がる
- 写真が横向きや切れかけている状態では、書類の内容以前の問題として扱われる
- 署名欄に捺印が漏れているケースは、転職市場では「惜しい」という印象より「雑」という印象に直結する
まとめ
- 採用担当者はテンプレートの種類より「記入内容の正確さと読みやすさ」を重視している
- テンプレートは状況別(転職・新卒・アルバイト)に選ぶのが基本。転職者は厚生労働省推奨様式が現在のスタンダード
- 資格名・会社名は正式名称で記載。略称は採用担当者の信頼性評価を下げる
- 志望動機・自己PRは「なぜこの会社か」「何を貢献できるか」の2点を200〜300字で具体的に書く
- メール送付の場合は必ずPDF変換。ファイル名は「履歴書_氏名_日付」形式にする
テンプレートを正しく選んで丁寧に記入することが、書類選考通過の第一歩です。状況別の記入例を参考に、採用担当者に伝わる履歴書を作成してください。
履歴書テンプレートに関するよくある質問
- 厚生労働省の推奨テンプレートは必ず使わないといけませんか?
-
必須ではありません。厚生労働省が推奨する様式は「標準的なフォーマットの参考例」として提示されているもので、法的な義務はありません。企業から様式の指定がない限り、転職サイトや市販の履歴書用紙など、自分の状況に合ったフォーマットを選んで構いません。ただし、性別・通勤時間・扶養家族数などの記載欄があるフォーマットは2021年4月の改訂前のものです。現在は新様式の使用が推奨されています。
- 手書きとPC作成、採用担当者はどちらを好みますか?
-
採用担当者のほとんどは「手書きかPCかで合否を判断しない」と答えています。ただし業界や職種によって印象が変わることがあり、接客・保育・医療福祉系では手書きが誠実さの表れとして評価される場面があります。ITや事務系、大手企業への応募、メール送付が指定されている場合はPC作成が実用的です。企業から指定がない場合は、誤字が出にくいPC作成を選んでも問題ありません。
- 志望動機欄が狭いテンプレートを使っても書類選考は通過できますか?
-
通過できます。採用担当者は「欄の広さ」ではなく「書かれた内容」を評価します。志望動機欄が狭い場合は200字以内に要点を絞り込み、「なぜこの会社なのか」「自分は何を貢献できるか」の2点を簡潔に盛り込んでください。欄が広いテンプレートを選んで文章量を増やしても、内容が薄ければ通過率は上がりません。必要に応じて職務経歴書や補足書類を添付し、詳細はそちらで伝えるという方法も有効です。
- 履歴書テンプレートはどこで入手できますか?
-
厚生労働省の公式ウェブサイト(mhlw.go.jp)から推奨様式をPDF・Word形式で無料ダウンロードできます。このほかdodaやマイナビ、リクナビNEXTなど大手転職サイトも無料でテンプレートを配布しています。市販の履歴書はコンビニや文具店で購入可能です。各テンプレートの特徴と状況別の選び方については、当サイトの「履歴書テンプレート無料おすすめ」の記事で詳しく解説しています。


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