履歴書の志望動機は、書き出しで結論、エピソードで根拠、締めくくりで入社後の貢献を伝えると通過率が上がります。何を書けばよいかわからず手が止まっている方に向けて、転職・未経験・第二新卒・ブランクありなど状況別の例文と、採用担当者が実際に見ているポイントを具体的に紹介します。
履歴書の志望動機の書き方|結論と状況別の例文
志望動機欄で採用担当者が知りたいのは、「なぜこの会社なのか」「入社後にどう貢献できるか」の2点です。この2つが伝われば、文章の巧拙よりもずっと評価が上がります。まずは基本の型を押さえ、その後で自分の状況に近い例文を確認してください。
基本の書き方3ステップ
志望動機は次の3ステップで組み立てます。順番を守るだけで、読み手にとって理解しやすい文章になります。
- ①書き出し(40〜60字):なぜこの会社を選んだのか、結論を先に伝える
- ②エピソード(100〜150字):結論の根拠になる自分の経験・スキルを具体的に書く
- ③締めくくり(40〜60字):入社後にどう貢献したいかを一文で示す
全体の文字数は200〜300字が目安です。使っているテンプレートによって欄の広さが違うため、コンパクトにまとめたい場合はJIS規格に沿った履歴書テンプレート、欄を広く使いたい場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを選ぶと書きやすくなります。
【転職の場合】の例文
転職の志望動機では、経験をアピールしながら「なぜ今の会社ではなく応募先なのか」を明確にすることがポイントです。応募先を選んだ理由が曖昧だと、志望度が低いと判断されます。転職活動用の書式には転職用の履歴書テンプレートが使いやすいです。
良い例文(同業種転職・営業職)
貴社の「地域密着型の提案営業」というスタイルに共感し、応募いたしました。前職では7年間、不動産営業として契約交渉を担当し、3年連続で社内売上上位10名に入りました。より顧客の状況に合わせた提案ができる環境で力を発揮したいと考え、貴社を志望しております。入社後は前職の経験を活かし、早期の戦力化を目指します。
NG例
御社の事業内容に興味を持ち、応募いたしました。前職でも同様の業務を行っており、培ったスキルを活かして貢献したいと思います。「なぜこの会社か」が書かれておらず、どの会社にも送れる内容になっているため、志望度が低いと判断されやすい例文です。
【未経験職種への転職の場合】の例文
未経験職種への転職では「なぜこの業界・職種を選んだのか」という動機の説得力が最も重要です。採用担当者は「すぐに辞めるのではないか」という不安を持っているため、経験の浅さよりも一貫した動機を丁寧に伝えることが評価につながります。
良い例文(未経験でIT業界へ)
前職の接客業で感じた「業務の非効率さを改善したい」という課題意識からITに関心を持ち、独学でHTML・CSSを学習してまいりました。貴社は未経験者向けの研修制度が充実している点に魅力を感じ、応募いたしました。前職で培った顧客対応力を活かし、早期に戦力となれるよう努めます。
NG例
IT業界に興味があり、未経験ではありますが応募いたしました。前職とは異なる環境で自分を試したいと思っております。「なぜIT業界か」が説明されておらず、自分目線のみで会社への貢献に触れていない点がNGです。
採用担当者はここを見ている
- 会社名・製品名・具体的なサービス名など、その会社だけに当てはまる言葉が入っているか
- 経験やスキルが応募先の仕事内容と結びついているか
- 入社後にどう働きたいかのイメージが具体的に書かれているか
志望動機が思いつかない・書けないときの対処法
志望動機が思いつかない主な原因は、企業研究の不足と自分の経験の棚卸し不足の2つです。この2つを埋めれば、多くの場合は書けるようになります。
- 企業研究が浅い:会社のホームページや採用ページを読み込めておらず、事業内容や強みを言葉にできない
- 自分の経験を整理できていない:「自分だからこそ貢献できること」が言語化されていない
- 条件面しか見ていない:給与や勤務地といった条件だけで応募先を選んでおり、仕事内容への関心が薄い
対処法として、応募先のホームページから「共感できる点」を1つ見つけ、それに自分の経験を1つ結びつけるところから始めてください。この2つが揃えば、その会社だけに通じる志望動機の材料がそろいます。
どうしても書けない場合の選択肢
応募先の求人票に志望動機欄が必須と書かれていない場合は、志望動機なしの履歴書テンプレートを使い、その分の熱意を自己PR欄で伝えるという方法もあります。ただし志望動機欄がある書式では、空欄のまま提出しないよう注意してください。
採用担当者が志望動機で見ている3つのポイント
採用担当者が書類を確認する時間は、1枚あたり30秒〜1分程度といわれています。短時間で判断される3つの観点を押さえておきましょう。
| 観点 | 見られている内容 |
|---|---|
| なぜ自社か | 同業他社でも通じる内容ではなく、その会社を選んだ理由が具体的か |
| 何を貢献できるか | 経験やスキルが応募先の仕事内容とつながっているか |
| どう働きたいか | 入社後のイメージが自社の仕事内容と一致しているか |
逆に、以下のような内容は評価を下げるNGパターンとして扱われます。
| NGな書き方 | 理由 |
|---|---|
| 給与・待遇・安定性だけを理由にする | 「この会社でなくてもよいのでは」と志望度を疑われる |
| 前職への不満をそのまま書く | 「自社でも同じ不満を持つのでは」と懸念される |
| 複数の応募先に同じ文章を使い回す | 企業研究をしていないことがすぐに伝わる |

志望動機と自己PRの違い
志望動機と自己PRは、どちらも「自分をアピールする欄」に見えるため内容が重複しがちです。役割の違いを整理すると、書き分けやすくなります。
| 項目 | 志望動機 | 自己PR |
|---|---|---|
| 問いの中心 | なぜこの会社・仕事を選んだか | 自分は何が強みか |
| 視点 | 会社・仕事に向いている | 自分の経験・スキルに向いている |
| 重複を避けるコツ | 「なぜ」に絞って書く | 「何ができるか」の実績で示す |
迷ったときは、志望動機には応募先を選んだ理由だけを書き、実績や強みの詳細は自己PR欄に譲るという役割分担にすると、内容が重複しにくくなります。
状況別の志望動機の例文
ここでは、第二新卒とブランクがある場合の例文を紹介します。どちらも「経験の少なさ」や「空白期間」を正面から説明するのではなく、そこから得た気づきを次にどう活かすかを伝えることがポイントです。
第二新卒の場合
良い例文
前職では1年間、法人向けの事務職として書類作成とデータ管理を担当してまいりました。より専門性を高められる環境を探す中で、貴社の研修制度の充実度に魅力を感じ応募いたしました。短期間で培った正確な事務処理能力を活かし、早期に業務に貢献したいと考えております。
NG例
前職が自分に合わなかったため転職を決意しました。貴社であれば長く働けると思い応募いたしました。退職理由がそのまま書かれており、応募先を選んだ積極的な理由が示されていない点がNGです。
ブランクがある場合
良い例文
体調の回復を優先していた期間を経て、改めて働くことへの意欲が高まり、これまでの接客経験を活かせる貴社へ応募いたしました。ブランク期間中は基礎的なパソコンスキルの学習を続けており、復職に向けた準備をしてまいりました。まずは無理のないペースで貢献し、徐々に業務の幅を広げていきたいと考えております。
NG例
しばらく働いていませんでしたが、そろそろ働かなければと思い応募いたしました。ブランク期間に何をしていたか、なぜこの会社かの説明がなく、消極的な印象を与えてしまう例文です。

まとめ
- 志望動機は「書き出し(結論)→エピソード(根拠)→締めくくり(貢献)」の3段構成で、200〜300字にまとめる
- 採用担当者は「なぜ自社か」「何を貢献できるか」「どう働きたいか」の3点を見ている
- 書けないときは、企業研究の不足と経験の棚卸し不足のどちらかが原因のことが多い
- 志望動機は「なぜこの会社か」、自己PRは「自分の強み」と役割を分けると重複を避けられる
自分の状況に近い例文を土台にしながら、応募先ならではの理由を1つ加えるだけで、他の応募者と差がつく志望動機になります。

履歴書の志望動機に関するよくある質問
- 志望動機の文字数は何文字が適切ですか?
-
目安は200〜300字です。採用担当者が30秒〜1分程度で読める分量とされています。欄が大きい書式では、8割程度を埋めると熱意が伝わりやすくなります。
- 志望動機に退職理由を書いてもいいですか?
-
退職理由をそのまま書くのは避けてください。「より〇〇な環境で力を発揮したい」のように、前向きな表現に変換して盛り込むと自然です。退職理由の詳細は、面接で聞かれた際に正直に答えれば問題ありません。
- 志望動機と自己PRの内容が重複してしまいます。どうすればいいですか?
-
志望動機は「なぜこの会社・仕事を選んだか」、自己PRは「自分の強み」に役割を絞ると重複を避けられます。実績や強みの詳細は自己PR欄にまとめ、志望動機は応募先を選んだ理由に集中させてください。
- 未経験の職種に応募する場合、経験がなくても評価されますか?
-
経験の有無よりも、なぜその業界・職種を選んだのかという動機の一貫性が重視されます。前職で感じた課題意識や、独学での学習経験など「すぐに辞めない理由」が伝われば、経験の浅さは十分にカバーできます。

