この記事では、事務職の履歴書の書き方を項目別に解説します。採用担当者がチェックしているポイントと即落とされるNG例、志望動機・自己PR・職歴・PCスキル欄の具体的な書き方と例文を確認できます。
事務の履歴書で採用担当者が最初に確認する3つのポイント
事務職の採用では、履歴書が「書類作成能力のサンプル」として機能します。採用担当者が事務職の応募者に対してとくに注目するのは次の3点です。
採用担当者はここを見ている
- 丁寧さ・正確さ:誤字脱字・年号の統一ミス・修正液の使用は即マイナス評価。採用担当者の47.2%が「誤字脱字が多い」を最大のマイナス要因と回答している
- 事務スキルの具体性:「PC操作全般できます」は評価されない。実務ベースでどのレベルのスキルを持つかが伝わるかを見ている
- 志望動機の説得力:「事務の仕事がしたいです」だけでは通らない。なぜこの会社の事務職なのかが伝わるかを必ず確認する
事務の履歴書は「仕事の品質」として評価される
営業職や技術職であれば、履歴書はあくまで「経歴のまとめ」として見られます。一方で、事務職の場合は違います。「履歴書の丁寧さ=仕事への姿勢の反映」として判断されます。
日々の業務で書類・データ・コミュニケーションを正確に扱うことを求められる職種だからこそ、採用担当者は履歴書1枚でその人の仕事ぶりを読もうとします。誤字が1文字あるだけで「こういう仕事をする人」と判断されてしまうのが事務職の現実です。
即落とされる3つのNG
| NGパターン | 採用担当者の受け取り方 |
|---|---|
| 誤字・脱字・修正液の跡 | 「書類の仕事を任せられない」と判断される |
| 「Excel・Word使えます」だけのPC欄 | 「具体的に何ができるか不明。信用できない」と受け取られる |
| 「事務の仕事がしたいです」の志望動機 | 「うちでなくてもいいのでは」とスルーされる |
志望動機の書き方と例文(事務職版)
事務職の履歴書で採用担当者が最も重視するのが志望動機です。この欄は約7割の採用担当者が「選考の重要判断材料」として見ています。
採用担当者がNGと判断する志望動機のパターン
内容は間違っていなくても、次のような志望動機は採用担当者の記憶に残りません。
NG例
「以前から事務の仕事に興味があり、正確さを活かして活躍したいと思い志望しました。貴社では細かい作業が多いと聞き、自分に向いていると感じました。」
「事務に向いている」は根拠がなく、なぜこの会社かが一切伝わらない。どの会社にも使い回せる内容は評価されない。
採用率を上げる志望動機の3要素
採用担当者が「この人に会いたい」と思う志望動機には、次の3要素がセットで入っています。
- ①これまでの経験・スキル:どんな業務経験・スキルを持っているか(具体的に)
- ②なぜこの会社の事務職か:同業他社や一般事務ではなく、この会社を選んだ具体的な理由
- ③入社後に何で貢献するか:自分のスキルや経験をどう活かすかの具体的なイメージ
志望動機例文|状況別3パターン
【パターン①:事務経験ありの場合】
良い書き方(事務経験あり)
前職の営業事務では、受発注管理・見積書作成・顧客対応を担当し、月200件超の処理を担いました。ExcelのVLOOKUP関数を活用した進捗管理シートを独自に作成し、チーム内の確認漏れを削減した経験があります。貴社では複数部門を横断する事務サポートを担うと拝察しており、業務効率化への関心を発揮しながら組織全体を支えたいと考えています。
【パターン②:事務未経験(他業種から転職)の場合】
良い書き方(事務未経験・他業種から)
販売職で5年間、日々の売上報告書の作成や在庫管理ツールへの入力を担当し、数字を正確に扱うことへの適性を感じてきました。より専門的にデータ管理・書類業務に携わりたいと考え、事務職へのキャリアチェンジを決めました。貴社の経理補助業務では、現職で培った数字への丁寧さと正確さを直接活かせると判断し志望しました。
【パターン③:ブランクあり・再就職の場合】
良い書き方(ブランクあり・再就職)
出産・育児のため3年間休職していましたが、この期間にExcel関数(VLOOKUP・ピボットテーブル)の独習を継続しました。以前の一般事務での経験(文書管理・電話応対・データ入力)と習得したPCスキルを合わせ、即戦力として貢献できます。貴社の時短正社員制度を活用しながら長期的に働ける環境として志望しました。
自己PRの書き方と例文(事務職版)
自己PRは「これまでの経験・強み」を伝える欄です。事務職では「正確さ」「コミュニケーション力」「業務効率化への意識」の3つが評価されやすいですが、書き方を間違えると印象に残りません。
「正確さ」だけでは差がつかない
事務職の自己PRで最も多い書き出しは「几帳面で正確な仕事ができます」です。採用担当者が100枚の履歴書を見ると、その大半に同じような表現が並んでいます。
「正確さ」はアピールではなく、事務職の最低条件です。どんな場面でどう正確さを発揮したか、数字や具体的な状況で語ることで初めて評価されます。
事務職で評価されるスキルと伝え方
| スキル | 弱い書き方(NG) | 強い書き方(OK) |
|---|---|---|
| 正確さ | 几帳面で丁寧に仕事します | 請求書1,000枚/月の処理でミス率ゼロを継続 |
| PC操作 | Word・Excel使えます | ExcelでVLOOKUP・ピボットテーブルを活用した集計業務3年の経験あり |
| コミュニケーション | 人と話すのが得意です | 社内10部署の問い合わせ窓口として月150件以上の対応実績 |
自己PR例文(事務経験あり)
良い書き方(事務経験あり)
前職の営業事務では、受発注業務・請求書作成・在庫確認を担当し、月間処理件数は200件超でした。納期ミスを防ぐため独自の進捗管理シートをExcelで作成し、担当者全員が共有できる仕組みを構築しました。この取り組みにより、チーム内での確認漏れが前年比40%減少しました。「問題を仕組みで解決する」ことを意識して業務に取り組んできた経験を活かしたいと考えています。
自己PR例文(事務未経験)
良い書き方(事務未経験)
接客業で4年間、日々の売上管理・シフト作成・発注業務を担当してきました。PCは独学でExcel(VLOOKUP・IF関数)を習得し、現職のシフト管理をスプレッドシートで自動化した経験があります。数字や情報を整理してわかりやすく管理することへの関心が強く、事務職においてもこの姿勢で業務改善に貢献できると考えています。
職歴欄の書き方|「一般事務」だけで終わらせないコツ
職歴欄でよくあるミスが「〇〇株式会社 一般事務 2020年4月〜2024年3月」という一行記載です。これでは採用担当者に何も伝わりません。
採用担当者はここを見ている
- どんな規模・業界の会社で働いていたか
- 具体的にどんな業務を担当したか(複数)
- どんなツール・システムを使ったか(Excel・会計ソフト・基幹システム名)
- 業務の工夫・改善経験があるか
事務種別の職歴記載例
【一般事務の場合】
良い書き方(一般事務)
〇〇商事株式会社(製造業・従業員200名)総務部 一般事務
・来客対応・電話応対・郵便物の仕分けおよび発送
・会議室・備品管理、社内稟議書の回覧管理
・Excel(VLOOKUP関数)を使った月次報告書の作成
・会計システム(弥生)へのデータ入力・伝票整理
【営業事務の場合】
良い書き方(営業事務)
△△物産株式会社(卸売業・従業員80名)営業部 営業事務
・見積書・請求書・発注書の作成と管理(月150〜200件)
・受発注管理・在庫確認・納期調整の顧客対応(電話・メール)
・営業担当者5名のスケジュール管理・出張手配
・基幹システム(SAP)へのCRMデータ入力・更新
事務経験がない場合の職歴の書き方
事務経験がない場合、職歴欄でアピールできるのは「事務的要素が含まれる経験」です。販売職での売上管理、接客業でのデータ入力、工場勤務での記録業務など、事務に転用できるスキルは必ず見つかります。
良い書き方(他業種から事務へ転職)
□□フードサービス株式会社(飲食業・従業員30名)ホールスタッフ
・接客・会計・日次売上報告書の作成(Excelにて)
・月次シフト表の作成(10名分)・食材発注業務
・本部とのメール連絡・電話対応(1日30〜50件)
資格・スキル欄の書き方|PCスキルは事務職で特に見られる
事務職の選考では、資格・スキル欄への注目度が他職種より高い傾向があります。特にPCスキルの書き方は、多くの応募者がNGパターンに陥っています。
「Word・Excel使えます」がNGな理由
採用担当者が「PCスキル:Word・Excel使えます」と書いてある履歴書を見ると、次のように思います。「どのレベルで使えるの?文字が打てるだけ?関数も使える?マクロは?」と。
NG例
・Word、Excel、PowerPoint使えます
・PCスキル全般あり
・Microsoft Office 中級
実務レベルが全く伝わらない。「中級」の基準は採用担当者によって異なるため、具体的な機能名・実務経験で書くこと。
正しいPCスキルの書き方と具体例
事務職のPCスキルは「使える」ではなく「何をどのレベルで使えるか」を書くのが大原則です。
良い書き方(PCスキル)
・Excel:VLOOKUP・IF関数・ピボットテーブル活用、月次集計業務3年の実務経験
・Word:ビジネス文書(稟議書・議事録・マニュアル)作成
・PowerPoint:営業用プレゼン資料の作成(20〜30枚規模)
・弥生会計:仕訳入力・月次試算表の作成補助(2年間)
MOS(Microsoft Office Specialist)などの資格を持っている場合は、資格名と取得年も合わせて記載してください。
| 資格・スキル | 記載方法の例 |
|---|---|
| MOS Word 365 | MOS Word 365 取得(2023年6月) |
| MOS Excel 365 Expert | MOS Excel 365(Expert)取得(2024年2月) |
| 日商PC検定2級 | 日商PC検定2級(文書作成)取得(2022年9月) |
| 日商簿記3級 | 日商簿記3級取得(2023年11月) |
手書きかPC作成か──事務職の履歴書はどちらがいい?
事務職の履歴書を手書きにすべきか、PCで作成すべきかは悩みがちな点です。原則は企業の指定に従うことですが、指定がない場合はPC作成をおすすめします。
| 比較項目 | 手書き | PC作成 |
|---|---|---|
| 採用担当者の印象 | 「丁寧さ・誠実さ」を示せる(ただし時間がかかる) | 「PC操作ができる」証明にもなる |
| 修正のしやすさ | 修正液NG・書き直しが必要 | 簡単に修正・使い回しが可能 |
| 事務職としての評価 | 丁寧に書ければ減点なし | PC操作スキルのアピールになる |
| おすすめ度 | 企業から指定がある場合のみ | 指定なければPC作成を推奨 |
PC作成の場合でも、印刷した後の署名欄は手書きにするのが一般的なマナーです。印刷後に乱丁・かすれがないかも必ず確認してください。
提出前チェックリスト(事務職版)
事務職の履歴書は、提出前の最終確認が合否を分けることがあります。次のリストで一つひとつ確認してから提出してください。
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 誤字・脱字 | 全項目を音読して確認。会社名・地名の漢字は特に要注意 |
| 和暦・西暦の統一 | 学歴・職歴・資格欄の年号をすべて統一しているか |
| 正式名称の使用 | 会社名・学校名に「(株)」「高校」等の略称を使っていないか |
| 日付 | 提出当日(郵送は発送日)の日付になっているか |
| 証明写真 | 3ヶ月以内に撮影・スーツ着用・白背景・正面向きか |
| 志望動機 | 「この会社でなければいけない理由」が入っているか |
| PCスキル欄 | 「使えます」だけで終わっていないか。実務レベルを具体的に記載しているか |
| 空欄の処理 | 該当なしの欄は「特になし」と記入。完全な空欄で提出しない |
まとめ
- 事務の履歴書は「仕事の品質のサンプル」:誤字・脱字・修正液の跡は即マイナス。最低条件と意識する
- 志望動機には3要素を:「経験・スキル」「なぜこの会社か」「どう貢献するか」をセットで書く
- 自己PRは数字・具体例で語る:「正確さ」より「月200件処理でミス率ゼロ」のほうが伝わる
- 職歴は業務内容を箇条書きで:使ったツール・担当件数・工夫した点まで書く
- PCスキルは実務レベルで書く:「Excel使えます」はNG。関数・機能名と実務経験年数を記載する
履歴書は一度書いて使い回すのではなく、応募先ごとに「この会社のどこに貢献できるか」を意識して調整することで書類通過率が変わります。
事務の履歴書に関するよくある質問
- 事務未経験でも採用される志望動機の書き方はありますか?
-
あります。事務未経験の場合、「なぜ事務かを論理的に説明すること」と「現職・前職のどのスキルが事務に活かせるか」を具体的に書くことが重要です。「接客業で日次売上の入力・報告書作成を担当してきた」など、事務的な要素を含む経験と紐づけることで説得力が増します。「事務に向いている」という根拠のない主張は避けてください。
- PCスキルに自信がない場合、履歴書にどう書けばいいですか?
-
実務で使っている範囲で正直に書いてください。「Word:ビジネス文書の作成(議事録・案内文)」「Excel:データ入力・SUM/AVERAGE関数の使用」のように、実際にやったことだけを記載します。背伸びして書いた内容は面接や入社後に発覚します。不安な機能は応募前に独習し、書けるレベルを増やしておくことをおすすめします。
- ブランク(空白期間)がある場合、職歴欄にどう書けばいいですか?
-
空白期間は正直に記載し、その期間に何をしていたかを一言添えるのがベストです。「育児のため休職」「療養のため休職後回復」「資格取得のため準備中」など、事実を簡潔に書きましょう。特に事務職では「この期間にExcelを独習した」「簿記3級を取得した」のようにスキルアップの実績をアピールできると採用担当者に好印象を与えます。
- 事務職の履歴書は手書きとPC作成のどちらがいいですか?
-
指定がなければPC作成をおすすめします。事務職はPC操作を前提とする業務が多く、見やすくまとめられたPC作成の履歴書を提出すること自体が「PCスキルの証明」になります。ただし企業から「手書きで」と指定がある場合は必ずその指示に従ってください。手書きの場合は修正液を使わず・誤字なく・丁寧に書くことが絶対条件です。


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