この記事では、履歴書と経歴書(職務経歴書)のテンプレートをどう選ぶかを、採用担当者が実際に確認するポイントから逆算して解説します。厚生労働省推奨様式の選び方、Word・PDF・Excelの使い分け、状況別の最適フォーマットも紹介します。
履歴書と経歴書(職務経歴書)の違い――採用担当者はどう使い分けているか
採用担当者が2つの書類で確認することの違い
履歴書と経歴書(職務経歴書)は、名前が似ていても採用担当者が使う目的がまったく異なります。
| 書類 | 役割 | 採用担当者がチェックすること |
|---|---|---|
| 履歴書 | 氏名・学歴・職歴・資格などの基本情報を網羅した書類 | 基本情報の正確性・フォーマットの適切さ・写真の印象・志望動機の要約 |
| 職務経歴書(経歴書) | 具体的な業務内容・実績・スキルを詳しく記載した書類 | 職務の具体性・自己PRの根拠・経験と募集ポジションの合致度 |
履歴書は「どんな人物か」の概要を把握するために読まれます。一方、職務経歴書は「この仕事を任せて大丈夫か」を判断するために読まれる書類です。役割が違うため、使うテンプレートの選び方も当然変わります。
採用担当者は履歴書と職務経歴書を「セット」で読む
多くの求職者は「履歴書はすぐ見てもらえる」「職務経歴書は後から読まれる」と思いがちです。しかし実際には、採用担当者は履歴書と職務経歴書を並べて同時に確認します。
採用担当者はここを見ている
- 履歴書の「職歴欄」と職務経歴書の「業務内容」が食い違っていないか
- 履歴書の「志望動機(概要)」と職務経歴書の「自己PR」が一貫しているか
- 2つの書類で日付表記(西暦・和暦)やフォントが統一されているか
書類の内容に矛盾があると、採用担当者は「注意力が低い」「誤魔化しているのでは」と感じます。テンプレートを選ぶ段階から「2つをセットで整える」という視点を持つことが重要です。
テンプレート選びが採用担当者の印象を変える理由
採用担当者が最初に確認する3つのポイント
テンプレートの「デザイン」はほとんど関係ありません。採用担当者が書類を手に取ってまず確認するのは、次の3点です。
- ①様式が最新かどうか:2021年4月以降、厚生労働省が推奨する履歴書様式が改訂されています。旧様式には「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者の有無」などの記入欄がありましたが、就職差別につながる恐れがあるとして削除されました。古いフォーマットをそのまま使うと、採用担当者が「この人はアップデートが遅い」と感じるケースがあります
- ②写真欄の有無と活用:転職活動では、顔写真が入っていることで書類が記憶に残りやすくなります。写真欄がないテンプレートを選んだ場合、フォーマルな印象が薄れることがあります
- ③志望動機・自己PR欄のスペース:スペースが極端に狭いフォーマットを使うと、内容を省略せざるを得なくなります。採用担当者が「もっと読みたい」と感じる部分を書けなくなるため、志望動機欄が広めのテンプレートを選ぶことが有利です
落とされやすいNGテンプレートの特徴
NG例
- 旧様式(2021年4月以前)のテンプレート:「通勤時間」「扶養家族」「配偶者」欄が残っている。個人情報保護の観点から採用担当者が不適切と感じる場合がある
- 市販の「履歴書用紙」を使いすぎているフォーマット:コンビニで購入できる紙の様式は、志望動機欄が2〜3行しかない場合があり、アピール不足になりやすい
- 職務経歴書で3枚以上になるフォーマット:採用担当者が1人の候補者の書類に費やす時間は平均30〜60秒と言われています。枚数が多いと「要点をまとめられない人」という印象につながります
履歴書テンプレートの選び方(2026年最新)
厚生労働省推奨様式を使うべき理由
履歴書テンプレートを選ぶ際の基準は明確です。2021年4月に改訂された厚生労働省推奨様式を使うことが、採用担当者に最も無難で好印象を与える選択肢です。
厚生労働省推奨様式の特徴は以下の通りです。
- 就職差別につながる可能性のある項目(通勤時間・扶養家族・配偶者等)を除外
- 「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」欄が独立して設けられている
- 「本人希望欄」に、待遇や特記事項を自由に記載できる
この様式は、厚生労働省のサイトから無料でWord・PDF形式でダウンロードできます。また、大手転職サービス(マイナビ転職・doda・リクナビNEXTなど)も同等のフォーマットをサービス上で提供しています。
なお、site5(rirekisho.jobree.co.jp/how)では、複数の用途別テンプレートを無料で案内しています。
転職活動中の方は、履歴書テンプレートの無料おすすめもあわせて確認してください。

Word・PDF・Excelの使い分け方
テンプレートの形式は「Word・PDF・Excel」の3種類が主流です。それぞれの特徴と使い分けを整理します。
| 形式 | メリット | 適した使い方 |
|---|---|---|
| Word(.docx) | 文字の増減に合わせてレイアウトが自動調整される。編集しやすい | PC作成・メール提出・自分でカスタマイズしたい場合 |
| どのデバイスで開いても崩れない。手書き用の印刷に最適 | 印刷して手書きする場合・Web提出でレイアウトを固定したい場合 | |
| Excel(.xlsx) | セルを使って均等に文字を配置できる。枠内にきれいに収まりやすい | PCで記入してPDF変換して提出する場合 |
採用担当者に提出する際はPDF形式での送付が最も安全です。WordやExcelは、受信側の環境によってフォントや行間が崩れる可能性があります。作成にはWordやExcelを使い、提出時にPDFに変換する方法が一般的です。
状況別(転職・新卒・アルバイト)の最適フォーマット
履歴書テンプレートには、使う人の状況に応じて向き不向きがあります。
- 転職活動の場合:職歴欄が充実しているフォーマットを選びます。転職回数が多い場合は「学歴・職歴欄が多いタイプ」を選ぶと、職歴を省略せずに記載できます
- 新卒就職活動の場合:学歴欄が十分あり、「自己PR欄」や「志望動機欄」が広いフォーマットが適しています。職歴が少ない分、自己PRで差別化する必要があるためです
- アルバイト・パートの場合:JIS規格(縦型・A4)の標準的なフォーマットで問題ありません。ただし、コンビニで売っている旧様式ではなく、新様式のPDFを印刷して使うと採用担当者への印象が上がります
履歴書の作成に使えるWebサービスの比較については、履歴書作成おすすめサービスの解説記事もあわせてご覧ください。

職務経歴書(経歴書)テンプレートの選び方
編年体・キャリア式・混合型の違いと選び方
職務経歴書(経歴書)のテンプレートには、大きく3つの形式があります。自分の経歴に合った形式を選ぶことが、採用担当者に伝わりやすい書類への第一歩です。
| 形式 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 編年体 | 時系列順(古い順)に職歴を記載する最もオーソドックスな形式 | 転職回数が少ない・職歴が1〜2社・一貫したキャリアを持つ人 |
| キャリア式(職能式) | 職務内容・スキルをカテゴリ別にまとめて記載する形式 | 転職回数が多い・複数の職種を経験している・異職種転職の場合 |
| 混合型 | 編年体で職歴を概観しつつ、特に強調したいスキル・実績を別立てで記載 | 経験が豊富で特定のスキルをアピールしたい人・管理職・専門職 |
転職活動では「編年体」が採用担当者に最も読みやすいと言われています。ただし、転職回数が5回以上ある場合や、複数の職種を横断してきた場合は、キャリア式または混合型を選ぶと経歴の整合性が伝わりやすくなります。
採用担当者が好む職務経歴書のフォーマット
職務経歴書のテンプレートを選ぶ際、採用担当者が重視するのはデザインではなく「読みやすさ」です。
採用担当者が好む職務経歴書の条件
- 枚数:A4で2枚以内。採用担当者が1人の書類に使う時間は限られており、3枚以上になると「要点を絞れない人」と判断されるリスクがある
- フォントサイズ:10〜11pt。小さすぎると読みにくく、大きすぎると情報量が少なく見える
- 余白:上下左右20〜25mm程度。余白が極端に狭いと詰め込みすぎた印象になる
- 各社の業務内容は箇条書きで整理。長文の段落より、箇条書きの方が採用担当者が速読しやすい
職務経歴書の作成を効率化したい場合は、AI搭載の自動作成ツールを活用する方法もあります。
詳しくは職務経歴書の自動作成ツールおすすめ7選の記事で確認できます。

採用担当者が「通過させたい」と思う書類セットの作り方
2つの書類を「統一」させる5つのポイント
テンプレートを選んだ後、履歴書と職務経歴書を「セット」として採用担当者に読ませるためには、次の5点を統一します。
- ①日付の表記を統一する:「2025年4月」と「令和7年4月」が混在しないように、どちらかに揃えます。西暦で統一するのが無難です
- ②フォントを揃える:履歴書をメイリオで作り、職務経歴書をMS明朝で作ると、統一感が損なわれます。明朝体またはゴシック体で揃えましょう
- ③会社名の表記を揃える:履歴書の職歴欄に「(株)〇〇」と書き、職務経歴書には「株式会社〇〇」と書くのはNG。同じ表記で統一します
- ④志望動機の「軸」を一致させる:履歴書の志望動機と職務経歴書の自己PRが矛盾していると、採用担当者が不信感を持ちます。2つの書類を書き終えたら読み合わせをしてください
- ⑤作成日・提出日を揃える:履歴書の日付が1年前のものを使い回した場合、職務経歴書との日付ズレを採用担当者が気づくことがあります。毎回最新の日付で更新します
書類選考通過率を高める最終チェックリスト
提出前に以下のチェックを実施することで、「テンプレート選びのミス」や「書き忘れ」による機会損失を防げます。
提出前チェックリスト
- □ 厚生労働省推奨様式(2021年4月以降)を使っているか
- □ 証明写真が貼ってあるか(3か月以内・スーツ着用)
- □ 履歴書と職務経歴書で日付・フォント・会社名の表記が統一されているか
- □ 職務経歴書がA4・2枚以内に収まっているか
- □ 志望動機と自己PRの方向性が一致しているか
- □ 提出形式がPDFになっているか(メール提出の場合)
- □ 空欄になっている項目が「特になし」または「以上」で処理されているか
採用担当者は多数の書類を短時間で確認します。「読みやすく、整合性があり、最新の様式を使っている」だけで、他の候補者との差が生まれます。テンプレート選びは、書類作成における最初の差別化ポイントです。
まとめ
- 履歴書は「基本情報の確認」、職務経歴書(経歴書)は「即戦力かどうかの判断」に使われる。役割が違うため、テンプレートの選び方も変わる
- 採用担当者は2つの書類を「セット」で読む。フォント・日付・会社名・志望動機の軸を揃えることが選考通過への近道
- 履歴書は2021年4月改訂の厚生労働省推奨様式を使う。職務経歴書は自分の経歴に合った形式(編年体・キャリア式・混合型)を選ぶ
- 提出はPDF形式が基本。レイアウト崩れを防ぎ、採用担当者への印象を均一に保てる
テンプレート選びと書類の統一は、短時間で改善できる確実な対策です。提出前のチェックリストを活用し、書類選考の通過率を高めてください。
履歴書・経歴書テンプレートに関するよくある質問
- 履歴書と職務経歴書(経歴書)は必ず両方提出するのですか?
-
企業から「履歴書と職務経歴書の両方を提出してください」と指定がある場合は両方必要です。「履歴書のみ」の場合は職務経歴書は不要です。ただし転職活動では、指定がなくても職務経歴書をあわせて提出する方が採用担当者への情報量が増え、選考通過率が上がるケースがあります。迷う場合は「履歴書+職務経歴書」のセットで準備しておくのが安全です。
- テンプレートは無料で入手できますか?
-
はい、無料で入手できます。厚生労働省の公式サイトでは、2021年4月改訂の推奨様式をWord・PDF形式で無料ダウンロードできます。また、マイナビ転職・doda・リクナビNEXTなどの大手転職サービスも、複数種類のテンプレートを無料で提供しています。会員登録が必要なサービスもありますが、登録不要で入手できるものも多数あります。
- 古い様式の履歴書用紙が残っています。使ってもいいですか?
-
使用は避けることをお勧めします。2021年4月以前の様式には「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者の有無・扶養義務」の記載欄があります。これらは現在、就職差別につながる可能性があるとして厚生労働省が削除を推奨した項目です。採用担当者によっては「最新情報のキャッチアップができていない」と判断する場合があるため、無料でダウンロードできる新様式に切り替えることをお勧めします。
- 職務経歴書のテンプレートは何ページが正解ですか?
-
一般的にはA4・2枚以内が目安です。採用担当者が1人の候補者の書類に費やす時間は限られています。3枚以上になると「情報整理ができない人」という印象を与えるリスクがあります。経験が豊富で書くことが多い場合は、各社の業務内容を箇条書きにまとめ、特に強調したい実績だけを具体的に記載する方法で2枚以内に収めてください。


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