この記事では、履歴書の賞罰欄に何を書くべきかを、採用担当者が実際に確認している基準から解説します。賞罰欄は「なし」で問題ないケースがほとんどですが、書くべき賞・罰を見落とすと経歴詐称と判断されるリスクもあります。判断基準と記入例を状況別に整理しました。
履歴書の賞罰欄とは|なぜ企業はこの欄を設けているのか
賞罰欄は、履歴書の中でも記入例を目にする機会が少なく、初めて向き合うと何を書けばいいのか迷いやすい欄です。ここでいう「賞」と「罰」は、日常的な言葉の意味より範囲が限定されています。趣味の大会での入賞や社内の注意処分など、身近な出来事すべてが対象になるわけではありません。
賞罰欄が意味する「賞」と「罰」の範囲
- 賞:全国大会・国際大会での入賞、国や地方公共団体・官公庁からの表彰など、公的な性格を持つもの
- 罰:懲役・禁錮・拘留・罰金刑など、裁判で有罪判決が確定した刑事罰
社内表彰や部活動での地区大会入賞、軽微な口頭注意などは、原則としてこの欄への記載対象には含まれません。範囲を正しく理解しておくことが、書きすぎ・書き忘れの両方を防ぐ第一歩になります。
基本情報欄と同じく、賞罰欄も「知らずに間違える」ことが多い欄のひとつです。日付や氏名など他の項目の書き方に不安がある場合は、あわせて確認しておくと安心です。履歴書の基本情報欄の書き方で、記入ミスが起きやすいポイントをまとめています。

採用担当者はここを見ている
- 賞罰欄そのものより、基準に沿って過不足なく記入できているかを見ている
- 「賞」は応募者の実力や継続力を裏づける補足情報として参考にしている
- 「罰」は入社後のトラブルを未然に防ぐためのリスク確認として確認している
賞罰欄に「なし」と書いていい人の基準
全国大会での受賞歴や刑事罰の経験がなければ、賞罰欄は「なし」で正解です。多くの応募者にとって、これが実際の書き方になります。
空欄はNG|「なし」と明記すべき理由
空欄のまま提出すると、採用担当者は記入漏れなのか、意図的に省略したのか判断できません。該当がない場合も「賞罰:なし」と明記することで、確認済みであることが伝わり、書類全体への信頼感にもつながります。
良い例文
賞罰 なし
NG例
(賞罰欄を空欄のまま提出する)記入漏れと誤解される可能性がある
履歴書の「賞」欄に書くべき内容と例文
書いていい賞の基準(全国・国際大会、公的機関表彰など)
賞罰欄に書ける「賞」は、客観的に評価できる公的な表彰に限られます。以下の基準を目安に、書くべきか判断してください。
| 書ける例 | 書けない例 |
|---|---|
| 全国大会・国際大会での優勝〜入賞 | 社内表彰・部署内表彰 |
| 国・都道府県・官公庁からの表彰 | 校内・地区大会レベルの成績 |
| 公的な功労表彰(ボランティア表彰など) | 学生時代のサークル内の表彰 |
書かなくていい賞(社内表彰・学生時代の小さな成績など)
社内表彰や学生時代の小さな成績を賞罰欄に書いてしまうと、基準を理解していない印象を与えかねません。アピールしたい実績であれば、賞罰欄ではなく自己PR欄で触れる方が効果的です。資格試験の合格は賞罰欄ではなく免許・資格欄に書く点も、あわせて押さえておきましょう。書ける級や記載の順番に迷う場合は、履歴書 検定の書き方も参考になります。

良い例文
20XX年X月 第XX回全国〇〇選手権大会 優勝
NG例
20XX年X月 社内MVP賞受賞 社内の賞は対象外
履歴書の「罰」欄に書くべき内容と例文
書くべき罰の基準(刑事罰・懲役・罰金刑)
賞罰欄に書く「罰」は、刑法に基づく犯罪行為について裁判で有罪判決が確定し、刑事罰が科された場合を指します。懲役・禁錮・拘留・罰金刑などが該当し、事実と異なる申告は経歴詐称と判断されるおそれがあります。
書かなくていい前歴(起訴猶予・不起訴、刑の消滅)
起訴猶予や不起訴で終わった「前歴」は、そもそも有罪判決を受けていないため、賞罰欄への記載義務はありません。また、刑法では禁錮以上の刑は執行終了後10年、罰金以下の刑は執行終了後5年が経過すると「刑の消滅」となり、告知義務が軽くなる仕組みがあります。
良い例文
20XX年X月 〇〇罪により罰金刑
NG例
罰金刑を受けた事実があるのに「賞罰 なし」と記入 経歴詐称と判断されるリスクがある
賞罰を正直に書かなかった場合のリスク
該当する刑事罰があるにもかかわらず「なし」と記入した場合、後から事実が判明すると、経歴詐称や告知義務違反として内定取り消しや解雇の対象になることがあります。応募書類のNGワードと同じく、事実と異なる記載は書類全体の信頼を損ないます。表現面でのNGを避けたい場合は履歴書のNGワードもあわせて確認しておくと安心です。

採用担当者はここを見ている
- 刑の消滅した前科であっても、業務内容によっては告知が求められる場合がある
- 正直に申告した内容そのものより、隠していたことが判明する経緯を問題視する
- 背景や現在の状況を含めて、業務上のリスクがあるかどうかを総合的に判断している
状況別の書き方|交通違反・執行猶予・少年犯罪はどう扱う?
賞罰欄の判断で特に迷いやすい4つの状況を整理しました。基本の考え方は「刑事罰として確定しているかどうか」です。
| 状況 | 書く必要 | 理由 |
|---|---|---|
| 反則金で処理された軽微な交通違反 | 不要 | 行政上の反則金であり刑事罰ではないため |
| 酒気帯び運転など罰金刑以上の道路交通法違反 | 必要 | 刑事罰として有罪判決が確定しているため |
| 執行猶予中 | 必要 | 猶予中でも有罪判決自体は確定しているため |
| 少年時代の保護処分(少年法) | 原則不要 | 刑事罰ではなく更生を目的とした処分のため |
執行猶予は、猶予期間を無事に満了すると刑の言い渡し自体が効力を失うため、その後は賞罰欄への記載が不要になるケースが一般的です。判断に迷う個別のケースは、弁護士など専門家に確認したうえで記入することをおすすめします。
行政処分と刑事罰の違いを理解せず、反則金レベルの交通違反まで詳しく書いてしまうのも、基準を理解していない印象につながるNGパターンです。書きすぎず、書き足りなさすぎない判断が信頼につながります。
まとめ
- 賞罰欄は「全国・国際大会での入賞」「刑事罰」に該当するものだけを書く欄
- 該当がなければ空欄にせず「賞罰 なし」と明記する
- 該当する刑事罰を「なし」と記入すると経歴詐称と判断されるリスクがある
基準に沿って過不足なく記入することが、賞罰欄で信頼を得る最短ルートです。
履歴書の賞罰に関するよくある質問
- 賞罰欄がない履歴書フォーマットの場合はどうすればいいですか?
-
賞罰欄自体がないフォーマットであれば、無理に記載する必要はありません。本人希望欄や備考欄に書き加える必要もなく、そのまま提出して問題ありません。
- 賞罰欄に「以上」と書く必要はありますか?
-
必須ではありませんが、記入した内容の末尾に「以上」と添えると、続きがないことが明確になり、採用担当者にとって読みやすい書類になります。
- 資格試験の合格は賞罰欄に書きますか?
-
資格試験の合格は賞罰欄ではなく、免許・資格欄に記載します。賞罰欄は表彰歴や刑事罰など、資格とは異なる性質の情報を扱う欄です。


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