この記事では、企業へ「応募書類を破棄してください」と伝えるメールの書き方を、選考辞退・不採用後・内定辞退のケース別に例文付きで紹介します。個人情報保護法での応募書類の扱いや、催促と受け取られずに角を立てず確実に伝えるコツ、そして採用担当者側が実際にどう対応するのかまで整理しました。
「破棄してください」と伝えるメールは送っていい?
結論として、応募書類の破棄を依頼するメールを送ること自体はマナー違反ではありません。提出した履歴書や職務経歴書には住所・電話番号・顔写真といった個人情報が詰まっています。手元から離れた書類がどう扱われるのか不安に感じるのは自然なことで、依頼を受けた企業側も想定内の連絡として対応します。
ただし、送り方には前提があります。企業には応募書類を返す・破棄する法的な義務がないため、破棄依頼は「命令」ではなく「お願い」として伝えるのが基本です。ここを取り違えると、丁寧に書いたつもりのメールが催促や高圧的な印象になってしまいます。
応募書類の破棄・返却は企業の判断(法的な返却義務はない)
採用活動が終わった応募書類を返却するか、破棄するか、一定期間保管するかは、法律で細かく定められておらず、企業の判断に委ねられています。つまり「必ず返してもらえる」「必ずすぐ破棄される」とは限りません。この前提を知っておくと、依頼メールの温度感を間違えずに済みます。
| 依頼の種類 | 意味 | 書類の行方 |
|---|---|---|
| 破棄依頼 | 責任を持って処分してほしい | 手元には戻らない |
| 返却依頼 | 返送してほしい | 自分の手元に戻る |
個人情報を確実になくしたいなら破棄依頼、書類そのものを取り戻したいなら返却依頼と、目的で使い分けます。返却を希望する場合の書き方は履歴書の返却依頼テンプレートで詳しく紹介しています。

個人情報保護法では「不要になれば消去」が企業の努力義務
個人情報保護法では、事業者は利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならないと定められています。これは「努力義務」で、罰則を伴う強い義務ではありません。ただし、応募者本人から利用停止や消去の請求を受けた場合、企業は一定の条件のもとでその請求に応じる必要があります。
依頼メールを送る前に知っておきたい3点
- 返却・破棄に応じるかは企業の判断。強制はできない
- 多くの企業は不要になった書類を規定に沿って処分している
- 本人からの消去請求には、企業が応じる場面もある
破棄してくださいメールの基本構成とマナー
破棄依頼は、辞退や不採用といったデリケートな場面に重なることがほとんどです。だからこそ、用件だけを突きつけるのではなく、これまでの対応への感謝を添えて丁寧に伝えることが通じるメールの条件になります。
件名・宛名・本文・署名の型
忙しい採用担当者に確実に読んでもらうため、件名は用件と氏名がひと目でわかる形にします。本文はビジネスメールの基本構成を守り、破棄の依頼は「貴社の規定に基づき」という一言を添えて相手の裁量を尊重するのがポイントです。
| 要素 | 書き方の例 |
|---|---|
| 件名 | 応募書類破棄のお願い(氏名) |
| 宛名 | 株式会社〇〇 採用ご担当者様 |
| 書き出し | お世話になっております。〇〇と申します。 |
| 本文 | 感謝・用件(破棄依頼)・クッション言葉 |
| 署名 | 氏名・電話番号・メールアドレス |
採用担当者はここを見ている
- 命令口調ではなく「お願い」として書かれているか
- これまでの選考への感謝やお詫びが添えられているか
- 誰からの、何の依頼かが件名・署名で明確か
破棄と返却は別物|送る前に決めておくこと
破棄と返却を同じメールで両方お願いすると、担当者はどちらに対応すればよいか迷います。個人情報を確実に処分してほしいのか、書類を手元に戻したいのかを送信前に決め、依頼はどちらか一方に絞りましょう。
NG例
「提出した履歴書は今すぐ破棄してください。個人情報なので早急にお願いします。」
「今すぐ」「早急に」といった催促は高圧的な印象を与え、対応する担当者の心証を悪くします。
【ケース別】破棄してくださいメールの例文
破棄依頼は「選考辞退と同時」「不採用の連絡後」「内定辞退時」「データで送った場合」で書き方が少しずつ変わります。自分の状況に近いものを選び、企業名・氏名を差し替えて使ってください。
選考辞退と同時に破棄を依頼する
辞退の連絡に、応募書類の破棄依頼を自然に添える形です。辞退のお詫びを先に述べ、そのうえで破棄をお願いすると角が立ちません。
良い例文(選考辞退+破棄依頼)
件名:選考辞退のお詫びと応募書類破棄のお願い(山田太郎)
株式会社〇〇
採用ご担当者様
お世話になっております。〇月〇日に面接のお時間をいただきました山田太郎と申します。
このたびは選考の機会をいただいたにもかかわらず大変恐縮ですが、検討の結果、一身上の都合により選考を辞退させていただきたくご連絡いたしました。貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、このような形となり申し訳ございません。
つきましては、提出いたしました応募書類につきまして、貴社の規定に基づき破棄していただけますと幸いです。お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
山田太郎
電話:090-0000-0000
メール:taro@example.com
不採用の連絡後に破棄を依頼する
不採用通知を受け取った後でも、破棄の依頼は可能です。選考への感謝を述べたうえで、残っている書類の破棄をお願いします。
良い例文(不採用後の破棄依頼)
件名:応募書類破棄のお願い(山田太郎)
株式会社〇〇
採用ご担当者様
お世話になっております。先日選考にお時間をいただきました山田太郎と申します。
このたびは選考いただき、誠にありがとうございました。結果を真摯に受け止めております。
つきましては、提出いたしました履歴書・職務経歴書につきまして、貴社の規定に基づき破棄していただけますようお願い申し上げます。ご多忙のところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。
山田太郎
電話:090-0000-0000
メール:taro@example.com
内定辞退時に破棄を依頼する
内定を辞退する場面では、入社を見送るお詫びが中心になります。書類の破棄依頼は本文の最後に一言添える程度にとどめ、辞退の意思表示を丁寧に伝えることを優先します。
良い例文(内定辞退+破棄依頼)
件名:内定辞退のお詫び(山田太郎)
株式会社〇〇
採用ご担当者様
お世話になっております。内定のご連絡をいただきました山田太郎です。
このたびは内定をいただき誠にありがとうございました。大変ありがたいお話ではございますが、熟慮の結果、誠に勝手ながら内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。ご期待に沿えず、心よりお詫び申し上げます。
なお、提出いたしました応募書類につきましては、貴社の規定に基づき破棄いただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
山田太郎
電話:090-0000-0000
メール:taro@example.com
PDFなどデータで送った履歴書の削除を依頼する
メール添付でPDFの履歴書を送っていた場合は「破棄」ではなく「削除」という言葉を使います。紙の書類と考え方は同じで、データの削除をお願いする一文に置き換えれば問題ありません。
良い例文(データの削除依頼)
お送りいたしました応募書類のデータにつきまして、貴社の規定に基づき削除していただけますようお願い申し上げます。お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
履歴書をメールで送る際の件名や本文の型は、履歴書送付メールの書き方と例文もあわせて確認しておくと、破棄依頼メールの文面づくりにも役立ちます。

企業から「応募書類は破棄します」と連絡が来たら
不採用や辞退のやり取りの中で、企業側から「応募書類は責任を持って破棄いたします」と伝えられることがあります。これは個人情報を適切に処分するという企業側の配慮で、応募者が安心できるよう添えられる定型的な案内です。
基本は返信不要、返信するなら一言で
企業が破棄を明言している以上、こちらから追加で依頼する必要はなく、返信も必須ではありません。ただし、お世話になった担当者へ一言お礼を返すと、丁寧な印象で選考のやり取りを締めくくれます。
良い例文(破棄連絡への返信)
ご丁寧にご連絡いただき、誠にありがとうございます。応募書類の件、承知いたしました。このたびは選考の機会をいただき、心より感謝申し上げます。今後の貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
破棄依頼メールで失敗しないための注意点
文面が整っていても、送り方やタイミングを誤ると印象を損ないます。破棄依頼を出す前に、次のポイントを確認しておきましょう。
- 催促表現を避ける:「今すぐ」「至急」は使わず「ご対応いただけますと幸いです」と柔らかく
- 感謝・お詫びを必ず添える:破棄依頼だけを一方的に書かない
- 破棄か返却か絞る:両方を同時に頼まない
- 送信前に宛名と署名を確認:氏名・連絡先の記載漏れをなくす
採用担当者はここを見ている
- 破棄の依頼が「お願い」の温度で書かれているか
- 辞退や不採用に対する社会人らしい対応ができているか
- 返信が必要な連絡に、適切なタイミングで反応しているか
破棄ではなく書類を手元に戻したい場合は、不採用・辞退のケース別に文面を分けた履歴書返却の送付状テンプレートが参考になります。

まとめ
- 応募書類の破棄依頼メールを送るのはマナー違反ではない
- 返却・破棄は企業の判断。命令ではなく「お願い」で伝える
- 感謝やお詫びを添え「貴社の規定に基づき」で相手の裁量を尊重する
- データで送った書類は「破棄」ではなく「削除」を依頼する
破棄依頼は、選考のやり取りを気持ちよく締めくくる最後の連絡でもあります。相手への配慮を一言添えるだけで、個人情報の不安を解消しつつ、丁寧な社会人としての印象を残せます。
破棄してくださいメールに関するよくある質問
- 破棄依頼のメールを送っても失礼になりませんか?
-
命令口調ではなく「貴社の規定に基づき破棄していただけますと幸いです」のようにお願いの形で伝えれば失礼になりません。感謝やお詫びを添えることで、より丁寧な印象になります。
- 依頼すれば必ず破棄してもらえますか?
-
応募書類の破棄や返却に法的な義務はなく、対応は企業の判断に委ねられています。多くの企業は不要になった書類を規定に沿って処分しますが、依頼が必ず実行される保証まではないと理解しておきましょう。
- メールで送ったPDFの履歴書も破棄してもらえますか?
-
データの場合は「破棄」ではなく「削除」という言葉で依頼します。「お送りした応募書類のデータを削除していただけますようお願いいたします」と伝えれば、紙の書類と同じように対応してもらえます。
- 企業から「破棄します」と連絡が来たら返信は必要ですか?
-
返信は必須ではありません。ただし、お世話になった担当者へ一言お礼を返すと丁寧な印象で締めくくれます。長文にする必要はなく、感謝を簡潔に伝えれば十分です。


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