この記事では、総務・経理の職務経歴書の書き方を採用担当者の視点から解説します。ルーティン業務の数値化法から総務・経理兼務時の書き分け方、採用担当者が実際に落とすNG例と合格例文まで、書類選考を突破する具体的なポイントを紹介します。
総務・経理の職務経歴書が書きにくい理由と採用担当者が見ていること
「書くことがない」はほぼ錯覚
総務・経理担当者が職務経歴書を書こうとしたとき、最初に感じる壁は「自分の仕事を文章にしにくい」という感覚です。営業なら受注額、エンジニアなら開発実績があります。しかし総務・経理のバックオフィス業務は「正確にこなす」こと自体が評価されるため、目に見える成果が見えにくい構造にあります。
ただし、採用担当者はそれを理解した上で書類を読んでいます。「実績がないから書けない」ではなく、「業務の範囲・規模・精度・改善」をどう言語化するか、という問題です。整理の仕方を変えるだけで書類の説得力は大きく変わります。
採用担当者が総務・経理の書類で確認する3つのポイント
採用担当者はここを見ている
- 業務範囲の広さ:どの業務をどこまで担当しているか(月次・年次決算まで対応できる?給与計算も担当している?社内規程の整備まで?)
- 業務規模:従業員数・処理件数・管理予算などの数値。「大手100名規模」と「5名スタートアップ」では求められるスキルが大きく異なる
- 使用システム・ツール:弥生・freee・SAP・勘定奉行など会計ソフトの具体名。同じシステムを使っている企業が即戦力として採用候補を絞る際の判断材料になる
これら3点に加え、「困った課題にどう対応したか」という対応力と、「業務改善・効率化に関わった経験」があれば確実に評価されます。改善実績がない場合でも、後述の数値化テクニックで同等の説得力を持たせることができます。
職務経歴書の基本構成
総務・経理の職務経歴書は、大きく3つのブロックで構成します。各ブロックに何をどの粒度で書くべきかを採用担当者視点で押さえながら書くことが、書類通過率を上げる最短の方法です。
| ブロック | 内容 | 文量目安 |
|---|---|---|
| 職務要約 | キャリア全体をひと目で把握できる要約文 | 3〜5行 |
| 職務経歴 | 在籍企業・期間・業務内容・使用システム | 企業ごとに箇条書き |
| 活かせるスキル・自己PR | 強みと応募先への貢献可能性 | 200〜300文字 |
職務要約(3〜5行でキャリアを凝縮する)
職務要約は採用担当者が最初に読む場所です。ここで「読む価値がある書類」と判断されないと、後の経歴詳細まで読んでもらえません。3〜5行で「何年間・どんな業種・どんな規模の会社で・何の業務を担当してきたか」を伝えます。
良い例文(職務要約)
メーカー(従業員150名)での総務・経理歴7年。総務では社内規程の整備・備品管理・入退社手続きを担当。経理では月次・年次決算補助・売掛金管理・銀行対応まで一貫して担当しました。freee・弥生会計を活用した業務の電子化推進も経験しています。
要約に数値(年数・従業員数・会社規模)を入れるだけで採用担当者の解像度が上がります。「大小様々な規模の会社で幅広く経験」のような曖昧な表現は、採用担当者には何も伝わりません。
職務経歴(業務内容・担当範囲・使用システム)
在籍企業ごとに以下の項目を箇条書きで整理します。業務内容を羅列するだけでは採用担当者に「この人がどこまで担当していたか」が伝わりません。担当範囲の深さを示す情報をセットで書くことが重要です。
- 会社概要:業種・従業員数・年商の目安
- 在籍期間・雇用形態:正社員か契約社員かも記載
- 担当業務一覧:業務を「総務業務」「経理業務」に分けて箇条書き
- 使用ツール・システム:会計ソフト・勤怠管理ツール・Excelマクロ等の具体名
- 実績・改善経験:数値化できるものは必ず件数・頻度・規模で記載
活かせるスキルと自己PR
自己PR欄は「自分の強みを書く場所」ではなく、「応募先の業務に対して自分がどう貢献できるかを示す場所」です。「コミュニケーション能力があります」「真面目に取り組みます」のような主観的な表現は読まれません。業務経験から導かれた具体的な強みを1〜2つに絞り、その根拠となる経験とセットで書きます。
職務経歴書の全体的な書き方については、書類で落とされる人が見落としているポイントをまとめた記事も参考にしてください。

総務の職務経歴書|採用担当者が落とすNG例と合格例文
総務職の職務経歴書で採用担当者が最初に落とすのは「何をしていたかは書かれているが、どれだけできるかがわからない書類」です。担当業務を列挙するだけでは、同職種の他の候補者と差をつけられません。
NG例:業務羅列型
NG例
【業務内容】
・備品管理
・郵便物の仕分け
・来客対応
・入退社手続き
・各種庶務業務
問題点:「各種庶務業務」という抽象表現、業務の規模・深さが不明、使用ツールの記載なし、改善実績もなく誰でも書ける内容になっている。
合格例:成果・規模を示した書き方
良い例文(総務)
【業務内容(従業員120名のメーカー 総務担当 3年)】
・入退社手続き:月平均3〜5件を漏れゼロで管理(SmartHR使用)
・社内規程管理:就業規則・各種規程の改定・周知を主担当として実施(年2〜3回改定)
・備品・施設管理:3拠点の備品棚卸しを年2回実施。Excel在庫台帳で発注まで一元化
・社内イベント運営:全社総会(参加者120名)の企画・運営を2年連続担当
・使用ツール:SmartHR、kintone、Microsoft365
合格例で重要なのは数値(従業員数・件数・頻度・規模)と使用ツールの具体名です。「漏れゼロで管理」という表現も、採用担当者に正確性・ミスへの意識の高さを伝えます。
採用担当者はここを見ている
- 総務は「何でも屋」の側面があるため、業務範囲の広さ+各業務の深さを両立して書けているかを確認する
- 「規程改定の主担当」「イベント企画・運営」のような主体性を示す表現が評価される
- SmartHR・kintoneなどのシステム名は、同じツールを使っている企業が即戦力として評価する直接的な判断材料になる
完全無料の履歴書・職務経歴書作成ツール
「サクレキ」質問に答えるだけで、選考書類がカンタンに完成
- 自己PR・志望動機も例文付きで安心
- スマホからでもOK。たった3分で履歴書・職務経歴書が完成
- 自動フォーマットで書き間違いゼロ
\ 完全無料・簡単3分で完成! /
無料で履歴書・職務経歴書を作成する →経理の職務経歴書|採用担当者が落とすNG例と合格例文
経理職の職務経歴書で採用担当者がまず確認するのは「決算業務をどこまで担当しているか」という担当スコープです。「月次決算補助」と「月次・年次決算の単独作成」では、同じ「決算経験あり」でも評価が大きく異なります。
NG例:処理量のみ記載
NG例
【業務内容】
・日次会計処理
・請求書管理
・経費精算対応
・月次決算の補助
問題点:処理件数・担当スコープ・使用会計ソフトが不明。「補助」の範囲が採用担当者には伝わらず、スキルレベルの判断材料が少なすぎる。
合格例:担当スコープと改善実績を示した書き方
良い例文(経理)
【業務内容(従業員80名・IT企業 経理担当 2年)】
・日次業務:仕訳入力(月平均200件)、請求書発行・受領管理、入出金確認
・月次業務:月次決算書類(BS・PL)の作成補助、売掛金・買掛金の消込
・その他:経費精算ツール(Concur)の管理者業務、問い合わせ対応
・改善実績:紙伝票での仕訳入力業務をConcurへ移行。入力作業を月15時間削減
・使用ツール:freee会計、Concur、Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル活用)
経理職では使用している会計ソフトの種類が、採用可否に直結するケースが多くあります。「freee経験者のみ」「SAP経験者歓迎」のように求人票で指定されている場合、書類に明記されているかどうかが書類通過率に直接影響します。
採用担当者はここを見ている
- 決算業務の「補助か単独か」「月次のみか年次まで対応できるか」を必ず確認する
- 仕訳入力の件数・売掛金の管理規模など、業務量を数値化した記述があると信頼性が増す
- 業務改善(電子化・自動化)の実績がある人は、ツール活用能力と課題解決力をまとめて評価される
総務・経理を兼務している場合の整理方法
中小企業では「総務も経理も一人でやる」という状況が一般的です。この場合、職務経歴書に「総務・経理担当」とだけ書いてしまうと、どちらのスキルがどの程度あるのかが採用担当者に伝わりません。兼務の場合は業務を明確に分けて記載することが最初のルールです。
業務を分けて記載する基本の型
良い例文(総務・経理兼務)
【総務業務】
・入退社手続き(月2〜4件)
・社会保険・労働保険の各種手続き
・備品・施設管理(2拠点、年2回棚卸)
【経理業務】
・仕訳入力(月150件)
・月次決算書類(BS・PL)の作成補助
・請求書発行・管理、経費精算対応
・使用ツール:弥生会計、freee HR、Microsoft365
兼務を「強み」として表現する方法
兼務経験は「守備範囲が広い」という強みに変換できます。ただし、そのまま書いても採用担当者には伝わりません。自己PR欄で以下のように言語化します。
良い例文(自己PR:兼務経験を強みに変換)
少人数体制での総務・経理兼務を通じて、優先順位の判断とマルチタスク管理の実践力を磨いてきました。月次決算と入退社手続きが重なる月末でも業務を滞らせたことはなく、「ここに任せると大丈夫」という信頼を現場から得てきました。バックオフィス全般を一人で回せる即戦力として貢献したいと考えています。
「少人数体制」「月末の繁忙期」という状況の提示が、自己PRを説得力あるものにします。「真面目に取り組んできました」より、具体的な状況を踏まえた信頼の表現の方が採用担当者の記憶に残ります。
業務実績がないと感じる人向け|ルーティン業務の数値化テクニック
「改善実績がない」「目立った成果がない」という状況でも、職務経歴書に説得力を持たせることはできます。採用担当者が求めているのは「派手な成果」ではなく、「業務の規模感とその人がどのポジションで動いていたか」の把握です。
数値を使った業務規模の表現方法
「改善実績がなくても数値で書ける」という視点の転換が重要です。以下の表を参考に、自分の業務を見直してみてください。
| 業務 | 数値化前の表現 | 数値化後の表現 |
|---|---|---|
| 入退社手続き | 入退社手続きを担当 | 入退社手続き:月平均4件、年間50件以上を漏れなく処理 |
| 経費精算 | 経費精算の対応 | 月100件超の経費精算を処理。承認フロー運用も担当 |
| 請求書管理 | 請求書を管理 | 月次請求書(送付・受領)各30〜50件を期日通りに管理 |
| 給与計算 | 給与計算を補助 | 100名分の給与計算をfreee HRで補助(差異確認・修正) |
改善実績がない場合に使える3つの視点
- 「維持」の実績:「担当中は〇〇のミスゼロを継続」「年次監査で指摘事項ゼロ」など、水準を保った事実も評価される
- 「対応した課題」の実績:「電子帳簿保存法・インボイス制度への実務対応を担当」など、法改正対応経験自体が実績になる
- 「引き継ぎ・キャッチアップ」の実績:「前任者から業務を引き継ぎ、3か月以内に単独で回せるよう習得した」というキャッチアップ力のアピール
職務経歴書の作成に時間がかかりすぎている場合は、AIで下書きを作成できる自動作成ツールを活用するのも選択肢です。ツールで作成した後に採用担当者視点での見直しを加えることで、効率よく質を上げられます。

第三者の目で書類を仕上げたい場合は、職務経歴書の有料添削サービスの選び方についても参考にしてください。無料の転職エージェントでも添削を受けられます。

完全無料の履歴書・職務経歴書作成ツール
「サクレキ」質問に答えるだけで、選考書類がカンタンに完成
- 自己PR・志望動機も例文付きで安心
- スマホからでもOK。たった3分で履歴書・職務経歴書が完成
- 自動フォーマットで書き間違いゼロ
\ 完全無料・簡単3分で完成! /
無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 総務・経理の職務経歴書では、業務範囲・使用ツール・業務規模の数値化が採用担当者が確認する3つの柱
- NG例は「業務羅列のみ」「担当スコープ不明」。合格例は数値・システム名・担当範囲の深さを組み合わせた書き方
- 兼務の場合は「総務業務」「経理業務」に分けて記載し、自己PR欄で守備範囲の広さを言語化する
- 改善実績がなくても「維持の実績」「法改正対応」「引き継ぎのキャッチアップ」で代替できる
書類選考を突破する職務経歴書は、採用担当者が「この人に面接で会いたい」と感じる情報量と具体性を持っています。自分の業務を「どう書くか」ではなく、「採用担当者に何を判断してほしいか」という視点で見直してみてください。
総務・経理の職務経歴書に関するよくある質問
- 総務・経理の職務経歴書はA4何枚が適切ですか?
-
経験年数が5年以下なら1〜2枚、5年以上なら2〜3枚が目安です。採用担当者が5分以内に内容を把握できる分量に収めてください。枚数を多くすれば評価されるわけではなく、情報の密度と読みやすさが重要です。
- 経理の職務経歴書に使用ソフトは書いた方がいいですか?
-
必ず書いてください。freee・弥生会計・SAP・勘定奉行など、使用会計ソフトは採用担当者が必ずチェックする項目です。同じソフトを導入している企業に対して即戦力として評価されます。「Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル)」のように関数レベルまで書けるとより具体的に伝わります。
- 総務・経理の職務経歴書で資格欄には何を書くべきですか?
-
日商簿記2級以上は経理職で高く評価されます。日商簿記3級は基礎知識の証明になるため、未経験・第二新卒の場合は記載して問題ありません。総務職では社会保険労務士(合格・受験中)、衛生管理者、ビジネス実務法務検定などが関連資格として評価されます。いずれも正式名称で記載してください。
- 総務・経理の職務経歴書で「書くことがない」と感じたらどうすればいいですか?
-
まず担当業務に数値(件数・頻度・従業員規模)を付け加えてみてください。それだけでも採用担当者の解像度は大きく上がります。次に「維持の実績(ミスゼロ・監査対応)」「法改正対応経験」「引き継ぎのキャッチアップ」の3つの視点で業務を振り返ると、必ず書ける内容が見つかります。


コメント