この記事では、在職中に職務経歴書を書くときに迷いやすい「現在に至る」「以上」「退職予定日」の書き方を、採用担当者が実際に見ているポイントとあわせて解説します。現職に転職活動を知られないための注意点や、連絡が取りにくい在職中でも印象を下げない伝え方まで、例文つきで確認できます。
在職中の職務経歴書で最初に押さえるべきこと
在職中に応募する場合、職務経歴書で最も大切なのは「今も在籍して働いている」という事実を正確に伝えることです。すでに退職した人の書類と、今も働いている人の書類では、採用担当者が確認したいポイントが変わります。
在職中の応募者に対して、採用担当者は「いつから来られるのか」「連絡はどう取ればいいのか」を見ています。退職済みの人ならすぐに入社できますが、在職中の人は退職手続きや引き継ぎが必要です。そのため、書類の段階で入社時期の見通しがわかると、選考が進めやすくなります。
採用担当者はここを見ている
- 職歴欄を見て「現在も在籍中か、すでに退職済みか」が一目でわかるか
- 退職予定日や入社可能日から、いつごろ戦力になるかを判断できるか
- 在職中で日中に連絡が取りづらくても、連絡手段が示されているか
逆に言えば、この3点があいまいなままだと「状況が読めない応募者」という印象になり、他の候補者と比べたときに選考が後回しになりやすくなります。項目ごとの正しい書き方を、次の章から順に確認していきます。基本の全体像は職務経歴書の書き方をまとめた記事もあわせて参考にしてください。

職歴欄の締め方|「現在に至る」「在職中」「以上」の正しい使い方
在職中の職務経歴書でつまずきやすいのが、職歴欄の締めくくり方です。編年体(時系列)でこれまでの職歴を書き終えたあと、最終行で「今も在籍している」ことを示す必要があります。ここで使うのが「現在に至る」または「在職中」という文言です。
| 文言 | 意味・使いどころ |
|---|---|
| 現在に至る | 「入社してから今も在籍している」という状態を示す。最終行に記載 |
| 在職中 | 「現在に至る」と同じ意味。どちらを使ってもよい |
| 以上 | 職歴の記載がここで終わったことを示す。右寄せで記載 |
「現在に至る」と「在職中」はどちらを使うべきか
結論として、「現在に至る」と「在職中」はどちらを使っても問題ありません。意味はほぼ同じで、採用担当者が受け取る印象にも差はありません。職務経歴書では「現在に至る」を使う人が多く、より一般的な表現です。
なお、職務経歴書の職歴を「編年体」で書き、各社の在籍期間を「20〇〇年〇月〜現在」と期間欄に明記している場合は、期間欄の「現在」だけで在籍中だと伝わります。この場合は本文中に改めて「在職中」と書かなくても構いません。時系列に沿って本文で経歴を書いていく形式のときに、最終行へ「現在に至る」を添えると読み手が迷いません。
「現在に至る」と「以上」はセットで書く
在職中の職歴欄では、「現在に至る」を書いた次の行に「以上」を右寄せで記載するのが正しい書き方です。「以上」は「職歴の記載はここで終わり」という区切りを示す言葉で、これがないと採用担当者に「書き忘れた職歴があるのでは」と疑われる原因になります。
良い例文
20〇〇年4月 株式会社〇〇 入社
(本文で職務内容を記載)
現在に至る
以上
NG例
20〇〇年4月 株式会社〇〇 入社
(本文で職務内容を記載)
※「現在に至る」も「以上」もない
締めの文言がないと、在籍中なのか退職済みなのか判断できず、記載漏れを疑われます。「以上」だけ、あるいは「現在に至る」だけでも情報が不足します。
すでに前職を退職している会社については「現在に至る」ではなく「一身上の都合により退職」などの退職理由を書きます。退職理由の書き分けは「一身上の都合により退職」の書き方で詳しく解説しています。
在職中の退職予定日・入社可能日の書き方
在職中の応募でもう一つ迷いやすいのが、退職予定日と入社可能日の扱いです。採用担当者は入社時期から採用計画を立てるため、見通しが伝わると選考がスムーズになります。ただし、書き方は退職日が決まっているかどうかで変わります。
退職日が決まっている場合
退職日が確定しているなら、職歴欄の最終行に「現在に至る」と書いたうえで、退職予定日を明記します。入社可能日の目安も添えると、採用担当者が入社時期を判断しやすくなります。
良い例文
現在に至る(20〇〇年〇月〇日退職予定)
※本人希望欄:「20〇〇年〇月〇日退職予定のため、〇月〇日以降入社可能です。」
退職日が未定の場合
退職日がまだ決まっていない段階では、確定していない日付を無理に書く必要はありません。あいまいな予定日を書いて後からずれると、かえって印象を損ないます。この場合は「現在に至る」とだけ書き、入社可能な時期は「内定後、〇か月以内に退職・入社可能」といった目安で伝えます。
一般的に、退職を申し出てから実際に退職するまでは1〜2か月程度が目安です。引き継ぎ期間を見込み、内定から入社まで1〜2か月ほしいと伝えておくと、現実的なスケジュールとして受け取ってもらえます。
採用担当者はここを見ている
- 退職・入社の時期が現実的か(引き継ぎを無視した「即入社可能」はかえって不自然)
- 現職への誠実さ(円満退職を前提にしているか)は、入社後の姿勢の判断材料にもなる
入社可能日の具体的な決め方や本人希望欄への書き方は、履歴書の入社可能日の書き方で在職中の例文つきに整理しています。

有給休暇を消化しているときの書き方
退職日は決まっていて、残りは有給休暇を消化している段階でも、退職日を迎えるまでは「在職中」として扱います。有給消化期間も在籍期間に含まれるため、職歴欄には「現在に至る」と書きます。実際に出社していなくても、雇用関係が続いている以上は在職中の書き方が正しい対応です。
面接などで状況を補足したいときは「現在は有給休暇を消化しており、〇月〇日付で退職予定です」と伝えれば、実質的にすぐ動けることも理解してもらえます。
在職中は「連絡可能な時間帯」を書くと通過率が上がる
在職中の転職活動でつまずきやすいのが、企業からの連絡への対応です。日中は仕事中で電話に出られず、折り返しが遅れて選考のテンポが崩れることがあります。これを防ぐには、連絡が取りやすい時間帯と手段を先に伝えておくのが有効です。
職務経歴書の余白や履歴書の本人希望欄に、次のように具体的な時間を書いておくと、採用担当者はそのタイミングを狙って連絡できます。「いつでも大丈夫です」ではなく、確実につながる時間を示すことがポイントです。
良い例文
- 現在就業中のため、平日は12〜13時および18時以降にご連絡いただけますと幸いです。
- 日中お電話に出られない場合は、メールにてご連絡いただければ当日中に返信いたします。
電話がつながりにくい事情を正直に伝えたうえで代替手段を用意しておくと、「配慮ができる人」という印象にもつながります。連絡可能時間帯の伝え方は連絡可能時間帯の書き方にパターン別の例文をまとめています。

現職に転職活動を知られないための職務経歴書の注意点
在職中の転職活動で多くの人が気にするのが、現職に活動が知られないかという点です。職務経歴書の作り方や扱い方を少し工夫するだけで、この不安はかなり減らせます。
- 会社の備品で作成しない:会社のパソコンやメール、共有プリンターで職務経歴書を作ると、履歴が残る場合があります。作成と印刷は私物の端末と自宅で行います。
- 社外秘の情報は書かない:実績をアピールしたくても、取引先名や社外に出していない数値をそのまま書くのは避けます。「大手小売チェーン」「売上を前年比120%に改善」のように、守秘義務に触れない形に置き換えます。
- 連絡先は私用のものにする:メールアドレスや電話番号は、会社支給ではなく私用のものを記載します。
採用担当者はここを見ている
- 現職の機密情報を平気で書いていないか(情報管理の意識は入社後の信頼に直結する)
- 現職を必要以上に悪く書いていないか(退職理由の書き方から人柄が読み取られる)
実績を数値で見せることと、社外秘を守ることは両立できます。固有名詞をぼかしつつ成果の大きさが伝わる書き方を意識すれば、現職に配慮しながらアピール力も保てます。
忙しい在職中でも職務経歴書を早く仕上げる3つのコツ
働きながらだと、まとまった作成時間を取りにくいのが現実です。完成までのハードルを下げるために、次の3つを意識すると手が止まりにくくなります。
- 先に材料を箇条書きで集める:いきなり清書せず、担当業務・実績の数値・使ったスキルを通勤時間や休憩中にスマホのメモへ書き出します。材料さえ揃えば清書は一気に進みます。
- 職務要約から書く:採用担当者が最初に読むのは冒頭の職務要約です。ここを3〜4行で固めると全体の軸が決まり、以降が書きやすくなります。
- 転職エージェントに添削してもらう:在職中は客観的に見直す時間も限られます。第三者に見てもらうと、独りよがりな表現や抜け漏れを短時間で修正できます。
転職回数が多い人や複数社の経歴を整理したい人は、複数社の職務経歴書の書き方もあわせて確認すると、限られた時間で効率よくまとめられます。

まとめ
- 職歴欄の最終行に「現在に至る」(または「在職中」)を書き、次の行に「以上」を右寄せで添える
- 退職日が決まっていれば退職予定日を明記し、未定なら「内定後1〜2か月で入社可能」など目安で伝える
- 有給消化中も退職日までは「在職中」として扱う
- 連絡可能な時間帯と手段を書き添えると、選考のテンポが崩れにくい
- 会社の備品を使わず、社外秘を書かないことで現職に配慮する
在職中ならではの迷いは、書き方のルールを一度押さえてしまえば解消できます。現在の状況を正確に、そして採用担当者が動きやすい形で伝えることが、書類選考を通過する近道です。
在職中の職務経歴書に関するよくある質問
- 在職中は「現在に至る」と「在職中」のどちらを書くべきですか?
-
どちらを使っても問題ありません。意味はほぼ同じで、採用担当者の印象にも差はありません。職務経歴書では「現在に至る」がよく使われます。いずれの場合も、次の行に「以上」を右寄せで添えてください。
- 退職日が決まっていなくても応募して大丈夫ですか?
-
問題ありません。退職日が未定のときは無理に日付を書かず、「現在に至る」とだけ記載します。入社時期は「内定後1〜2か月以内に入社可能」といった目安で伝えれば、採用担当者も現実的なスケジュールとして受け止めます。
- 有給休暇を消化している間は「在職中」と「退職済み」のどちらですか?
-
退職日を迎えるまでは「在職中」です。有給消化期間も在籍期間に含まれるため、職歴欄には「現在に至る」と書きます。すぐ動けることを補足したい場合は「有給休暇消化中で〇月〇日退職予定」と面接などで伝えると伝わりやすくなります。
- 在職中の転職活動が今の会社に知られないか心配です。
-
職務経歴書は会社のパソコンやメール、共有プリンターを使わず、私物の端末と自宅で作成・印刷してください。連絡先も私用のものを記載し、社外秘の情報は具体名を避けて書くことで、現職に配慮しながら活動を進められます。


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